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個体識別番号は、国内で飼養される牛一頭一頭に付された10桁の番号で、生産から流通・小売に至るまで伝達し管理されます。
特定牛肉(枝肉、部分肉、ロース、モモなどの精肉)を販売する場合は、容器や店舗の見やすい場所などに、この番号が表示されています。
また、特定料理提供業者(※)が特定料理(焼き肉、しゃぶしゃぶ、すき焼き、ステーキ)を提供する場合は、メニューや店舗の見やすい場所などに表示されています。
(※)特定料理提供業者とは
「特定料理提供業者」とは、主として「焼き肉」「しゃぶしゃぶ」「すき焼き」「ステーキ」を 提供している事業者です。「主として」かどうかは、当該営業施設における仕入れ及び販売額の過半をしめているかどうか等を基準として判断します。(特定料理の販売が一部のメニューに限られているファミリーレストランなどは、対象外です。)
画像出典:農林水産省ウェブサイト (https://www.maff.go.jp/j/syouan/hyoji/sanchi.html<外部リンク>)
個体識別番号により牛の出生から流通・小売に至るまでの異動履歴が管理されており、独立行政法人家畜改良センターの「牛の個体識別情報検索サービス」というウェブサイトで検索することができます。このウェブサイトで個体識別情報を検索すると、おおむね次の画像のように表示されます。
※個体識別番号の検索はこちら[家畜改良センター]<外部リンク>
(ウェブサイトの「個体識別番号の検索」をクリックして検索にお進みください。)
個体識別情報の検索結果から、どういったことが確認できるでしょうか。
商品の「原産地の表示」「ブランド牛の表示」「和牛の表示」の真正性について確認することができます。
畜産物の原産地表示は、「国産品」にあっては国産である旨が、「輸入品」にあっては原産国名がそれぞれ表示されます。ただし、国産品にあっては主たる飼養地が属する都道府県名、市町村名その他一般に知られている地名が表示されることもあります。
しかし、畜産物については、生まれた場所、飼養された場所、と畜された場所がそれぞれ異なる場合があります。こういった場合、「最も飼養(又は成育)期間の長い場所」が原産地として表示されます。
個体識別情報を検索すると、「最も飼養(又は成育)期間の長い場所」を確認することができます。例えば、前掲の検索結果イメージの場合、「C県」での飼養期間が「約2年」と最も長いため、この牛肉の原産地表示は「C県」となります。
*( )の数字は畜産物の飼養月数を表す。
出典:消費者庁「食品表示基準Q&A」
ブランド牛とは、銘柄ごとに定められたある一定の基準を満たした牛のことです。日本には、各地に様々なブランド牛が存在します。
例えば、熊本県の牛といえば「あか牛」が有名ですが、GI(※)登録されている「くまもとあか牛」については、次のように定義されています。
【「くまもとあか牛」の定義】
(1) 肉質等級2等級以上の褐毛和種の牛肉
(2) 12カ月以上肥育を行った最長かつ最終飼養地が熊本県内
(3) 去勢牛及び未経産雌牛
表示されている個体識別情報を検索すると、これらの要件のうち、定義(1)の品種が「褐毛和種」であるか、定義(2)の「12カ月以上肥育を行った最長かつ最終飼養地が熊本県内」であるか、定義(3)「去勢牛」や「雌牛」かどうかが確認ができます。(「肉質等級」や雌牛が「未経産雌牛」かどうかについては、個体識別情報検索からは確認できません。)
(※)GI(地理的表示保護制度)
地域伝統と特性を有する農林水産物・食品のうち、品質等の特性と産地との結び付きを特定できる名称(地理的表示)が付されているものについて、知的財産として国に登録することができる制度。
牛肉を購入する際、「和牛」と表示された商品を手にとることがあると思います。
「和牛」の表示にもルールがあり、「和牛」と表示できる牛肉は、次のように定められています。
これらについても、個体識別情報の種別の欄を確認することにより、その真偽を確認することができます。