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平成26年 1月 6日 知事年頭記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006768 更新日:2014年1月6日更新

知事年頭記者会見

日時:平成26年1月6日(月曜日) 11時00分から
場所:知事応接室

会見録

知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。

コメント

 熊本県行幸啓(第33回全国豊かな海づくり大会)に係る天皇陛下の御製について

発表項目

質疑応答

(幹事社)
 すみません。定刻になりましたので、会見を始めます。1月幹事社の読売新聞です。よろしくお願いします。

 改めまして、明けましておめでとうございます。

蒲島知事
 おめでとうございます。

(幹事社)
 本年もどうぞよろしくお願いします。まず、知事から発表事項をお願いします。

 説明用資料(PDFファイル:2.3MB)

コメント

熊本県行幸啓(第33回全国豊かな海づくり大会)に係る天皇陛下の御製について

 熊本県行幸啓(第33回全国豊かな海づくり大会)に係る天皇陛下の御製(PDFファイル:33KB)

蒲島知事
 はい、発表の前にコメントが1つあります。

 昨年末の仕事納めの日のことでありますが、昨年10月の行幸啓について、天皇陛下より御製をお示しいただきました。御製は配布のとおりですが、被害に遭われた多くの患者、被害者の方々へのお心遣いと、水俣の海の再生を願われる陛下の思いをお詠みになったものと受け止めております。

 県としても、水俣病の課題について真剣に対応していきたいと考えております。

発表項目

国内及び海外での知事のトップセールスの実施について

 それでは発表に移ります。今日は3つの発表があります。

 1つ目は、「国内及び海外での知事のトップセールスの実施」についてです。

 本県の農林水産物の魅力を強く印象づけ、販路拡大を図るため、国内及び海外での2つのトップセールスを実施します。

 国内では1月9日、JR東京駅前の新丸ビル7階のレストランフロア「丸の内ハウス」で、6回目の「くまもとの赤い宝試食会」を開催いたします。今回も流通業界や外食産業の方々をお招きして、本県の魅力ある食材を使用したオリジナルメニューや飲み物を味わっていただきます。

 併せて、生産者や「くまもと『食』の大地親善大使」とともに県産品のPRを行い、産地側との橋渡しを行います。

 また、1月9日から18日までの10日間「丸の内ハウス」内のレストラン全9店舗で「くまもとの赤」で統一した食のフェアを実施いたします。トマト、あか牛、車えびなどの「くまもとの赤」を中心とした約40の多彩なメニューを提供し、食の美味しさを通じて熊本の魅力を発信します。

 さらに海外では、1月16日から20日にかけて、シンガポール及び香港でトップセールスを行います。具体的には現地百貨店での「熊本フェア」の開催や流通関係者への表敬を行います。

 特にシンガポールでは、現地の流通関係者などを招いたレセプションを開催します。熊本県の主要な産品であるトマトやイチゴをはじめとしたメニューの提供や、天草の養殖マグロの解体デモンストレーションなどを通じ、本県の農林水産物の素晴らしさをしっかりとPRして参ります。

 併せて、シンガポールの現地旅行関係者などへの観光プロモーションも行います。

 今後も営業部長のくまモンとともにセールスを展開して参りたいと思います。

発表項目

第24回『くまもと県民文化賞』の決定について

 2つ目は、「第24回『くまもと県民文化賞』の決定」についてです。

 地域の文化振興に貢献する活動を行った方々の功績を称え、今後の活動を奨励する「くまもと県民文化賞」の受賞者が決定しました。

 まず、「地域文化活動部門」では、障がい者への日常的な音楽支援活動を続けている熊本市の「オハイエくまもと」。

 尺八をはじめとした邦楽の普及活動に取り組まれている熊本市の「釼虚霧洞(つるぎ きょむどう)氏」。

 木工芸を中心に幅広い分野で芸術文化の振興に活躍されている熊本市の「戸田東蔭(とだ とういん)氏」。

 夏目漱石、小泉八雲等の文学の普及活動に貢献されている熊本市の「中村青史(なかむら せいし)氏」です。

 次に、「年間文化活動部門」では、全国大会入賞や九州大会において優秀な成績を収められた「天草市立本渡中学校吹奏楽団」です。

 最後に「特別賞」は、天草市出身の「小山薫堂(こやま くんどう)」氏です。小山さんは文化の振興に貢献され、熊本の知名度を上げる様々な活動は、県民の共感を得て、県民の誇りとなっております。

 受賞される皆様の本県の文化振興への御貢献に感謝を申し上げるとともに、今後の更なる活躍を祈っております。

発表項目

くまモンの『県しあわせ部長』への就任について

コメントする蒲島知事の写真

 報道資料:くまモンの『しあわせ部長』への就任について(PDFファイル:140KB)

 最後に「くまモンの『県しあわせ部長』への就任について」です。

 はい、どうぞ。

     (くまモン登場)
 今年は新4カ年戦略の折り返しを迎えることから、より県民の方々に幸せを実感していただけるよう「幸せづくり県民運動」を展開します。

 小山薫堂氏のアドバイスもあり、くまモンを新たに「しあわせ部長」に任命し、「県民の幸せの象徴」として、県民の幸福量の最大化を牽引・応援してもらいます。

 くまモンは、九州新幹線全線開業をきっかけに、県民自らが身近にある資源を再発見し、新たな価値を創造する「くまもとサプライズPRキャラクター」として誕生いたしました。

 現在、営業部長として多忙を極めるくまモンですが、しあわせ部長としても県民の幸せづくりをサポートしてもらいたいと思います。

 しあわせ部長としての最初のミッションは、資料裏面にあるとおり、「日常にある幸せのタネへの気づきを拡めること」、そして「県民の笑顔につながる幸せづくりのアイデア・企画を集めること」です。それでは、今からくまモンに辞令を交付します。

     (辞令交付)
 熊本県営業部長くまモン、兼ねて熊本県しあわせ部長を命ずる。平成26年1月6日。熊本県知事蒲島郁夫。

 はい、よろしく。はい、ありがとう。

  以上が私のコメントと発表です。

質疑応答

今年の一文字について

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

(幹事社)
 ありがとうございました。

 ちょっとすみません。幹事社からは一つお尋ねです。去年は「勢」という文字を出されましたけれども、今年を表す文字、もしあればお示ししていただきたいと思います。

蒲島知事
 はい。今年は、「理」という文字です。去年は勢いのある年でしたが、今年は理想的な熊本県政を、それから理論的にも分かりやすい、そういう県政を行っていきたいと思っています。

 それから、理屈に合わないことは、毅然としてやらないということもまたこの「理」に込めています。

質疑応答

今年の展望について

(幹事社)
 今年1年、熊本県はどういう年になるというふうに今、予測されていますか。

蒲島知事
 先程も申しましたが、昨年はとても勢いのある1年ではなかったかと思います。その勢いに今年は更に弾みをつけたいと思っています。

 そして、(東京)オリンピックの年、2020年までは、多分、この好調が続くのではないかと思っています。

 ただ、私どもは、その(東京)オリンピックが終わった後でどのように飛躍していくかということも考えなくてはいけない。そういう理想的な熊本をつくるために「百年の礎」と呼んでいますが、(東京)オリンピックを終えた後でどのような県にしていくのか、その理想形を求めていきたいと思っています。

 今年は、そういう意味では今までの新4カ年戦略が二期目の折り返し地点になりますので、これを「加速化」することが大事であると。

 それからもう1つは、県民に分かりやすいような「見える化」。どのようなことを進めているのか、どのような成果があったのかと、「見える化」が大事であると。

 3番目に、そのためには限られた予算と人員を(生かして)どのように「核心を突く取組み」を行うかということを中心にやっていき、昨年は素晴らしい年でしたが、また今年はそれよりも素晴らしい年になって、県民の幸福量が昨年よりも、少しでも上がるように努力していきたいと思っています。

(幹事社)
 各社お願いします。

質疑応答

水俣病問題について・1

Q
 知事すみません。水俣病の関連ですけれども、先程、今年、理想的な熊本県政にされたいという御発言がありましたが、水俣病問題に関して言えば、認定業務が今、ストップした状態で、必ずしも理想的な状況ではないのかと見受けられますが、今年どのように、どこまで解決したいとお考えでしょうか。

蒲島知事
 既に、12月の臨時の記者会見で申しましたように、今、3つの原則のもと、この水俣病問題に対応したいということを述べております。

 1つは、最高裁の判断に沿った形でこれからの認定業務の運用を行っていきたいということ。それから水俣病に関して公健法〔※公害健康被害補償法〕の世界を閉じないこと、それがとても大事であると。それから3番目は、公健法の補償体系の検証をしていだきたたいと。この3原則に沿って、今、水俣病問題への対応をしております。

 私はこれが最高裁の判断に沿った正しい対応ではないかと考えております。

 そして、臨水審〔※臨時水俣病認定審査会〕の開催を求めておりますが、2つの問題があって、それを求めているわけです。1つは、国の組織、環境省とそれから不服審査会の判断が違うこと(について)をきちっとやって欲しい〔※考え方を整理して欲しい〕という要望をしております。〔※もう一つの問題は、公健法の補償体系の見直し〕

 そういう意味で、今、ボールは環境省の方に投げられておりますので、そのボールがまた返ってくることを待っているところであります。

 事務的には交渉が続いているということを聞いておりますが、私が水俣病に対しての理論的な考え方というものを述べた、前回の記者会見で述べたとおりで、それ以上でもそれ以下でもありません。

Q
 そのより理論的に交渉を進めるに当たって、例えば、今2つの現状をおっしゃいましたが、そのダブルスタンダードに対して熊本県がどういうふうな基準の運営をしていくのかという御提案をされたりとか、あるいは公健法の補償の検証についてもっと具体的に何か提案するとか、そういったことは、この先お考えにはなってないんですか。

蒲島知事
 先日の記者会見でも申し上げましたように、私は感覚障害のみの水俣病を否定する立場も、それから感覚障害があれば疫学要件や因果関係も判断せずに、直ちに水俣病と認定できるという立場もとっていません。それは、いずれの立場も最高裁判決に反するからです。

 必要なのは、感覚障害のみだから即水俣病でないとか、また感覚障害があるから即水俣病であるといった考え方ではなくて、感覚障害のみの場合も含めて、52年判断条件の組み合わせに合致しないものであっても、水俣病であるかどうかを丁寧に判定することが、私は最高裁判決に沿うものではないかと思っています。

Q
 知事、すみません。関連なんですけれども、昨年、石原大臣の方が、知事とお会いしてもいいというような表現を2度ほど公の場でされているんですけれども、知事として石原大臣に会って、そういう自分の思いというもの、県の思いを伝えたいという思いはございますか。

蒲島知事
 石原大臣の方からお話があれば、当然、お会いしたいと思っています。

Q
 一切、環境省の方から、スケジューリングであるとか、そういう話はないんですか。

蒲島知事
 まだ、ありません。

Q
 これは、知事の方から会って話したいと、こちら側から思いというのは予定されていますか。

蒲島知事
 それは事務的には伝えてあると思います。お会いになりたいということであれば、当然、会うことになると思いますが、まだ、その話はありません。

Q
 向こうから連絡もない、そういうスケジュールは進んでいないということですか。

蒲島知事
 はい。

質疑応答

くまモンの『県しあわせ部長』への就任について

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

Q
 すみません。ちょっと話が変わりまして、くまモンのこの「しあわせ部長」の件ですが。

蒲島知事
 はい。

Q
 知事はこれまでも、県民幸福量の最大化に取り組んでこられたんですが、なぜ、今年のこの時期にくまモンが部長になるタイミングだったのかというのをちょっとひと言教えていただきたいんですが。

蒲島知事
 くまモンは営業部長として、大成功を収めておりますが、日銀(熊本支店)の試算によると、2年間で1,244億円という経済効果、90億円というPR(広告)効果がありましたが、私どもはくまモンはそれ以上の働きをしていると思っています。

 それは、県民を幸せにすること、癒しを与えてくれること、それから県民に誇りを与えてくれること、県民に夢を与えてくれること。

 そういう意味で、これまで私は空中戦と呼んでいるんですが、有名な企業とコラボしたり、あるいはヨーロッパに行ったり、アメリカに行ったりして、知名度を上げてきました。今度はそれと共に、更に地上戦と言いますか、県民の多くの方々を幸せにしてくれる、そういう活動にあらためて(取り組んでもらうために)、営業部長兼しあわせ部長という形で就任させることにしたわけです。

 この時期〔※くまモンをしあわせ部長に就任させたタイミング〕というのは、別に計画したわけではありませんし、それから先程も述べましたように、小山薫堂さんのアドバイスもあって、この時期になったということです。前から計画していたわけではなくて、もっと県民を幸せにしたいということが一番大きな目的です。

 だんだん、だんだん(くまモンの存在が)遠くなっているという感じもあるんです、県民の方々から見ると。そうではなくて、より近くにくまモンがいますと。それプラス、空中戦といって海外に行ったり、あるいは他県に行ったり、あるいは首都圏で活躍したり、いろんな活躍の度合いがあると思う。それは両方必要だと思うんですね。

質疑応答

天皇陛下の御製について

Q
 知事、よろしいですか。陛下の歌で、これとは別にまた、宮内庁が発表した歌があって、その中身が水俣を訪れて、「患ひの元知れずして病みをりし人らの苦しみいかばかりなりし」という歌だったんですが、もう一方のこちらの歌の感想を聞かせてほしいなと思います。

蒲島知事
 両方とも、先程述べましたように、被害に遭われた多くの患者、被害者の方々への心遣い、それから水俣の海の再生を願われた歌だと私は思いますが、とりわけ、その歌も、それから水俣における両陛下の姿勢、常に社会の弱い方々に寄り添われる姿勢。それを皆さん、目の当たりに見られたと思うし、私もそう感じましたし、それからその歌とあわせてみますとそれがより深く感じられるところです。

Q
 その歌の感想は分かりましたが、それを受けて、知事としてその水俣病問題に対して向かう姿勢といいますか、何かお変わりになる点があるのか、その辺はいかがですか。

蒲島知事
 それと関わりがあるかどうかというのは、私の場合は、被害者の方々と常に近くにあって、その受け止め方がやはり国とは違うということが大きいのではないかと思っています。

 それから、水銀会議〔※水銀に関する水俣条約外交会議〕。そこで私は英語でスピーチし、そこでも述べたとおりでありますが、(国と県は)多くの間違いも起こしてきたと。それを二度と世界で起こして欲しくないという思いを込めて(スピーチしました)。それからもう1つは、熊本県がどこよりも(率先して)水銀フリー社会を実現しようという宣言もしました。

 それは英語でやったということで、国際公約でもありますので、それに沿って今の水俣病問題の対応も行っているところです。

質疑応答

道州制について

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

Q
 先程の仕事始めの時にも触れられましたけれども、道州制の関係で、去年とか県内の町村会とか市長会なんかが、道州制にかなり根強い反対があると改めて表明されましたけれども。

蒲島知事
 道州制に反対があることも承知していますし、道州制の議論が少し低下しているということも今、承知しています。

 ただ、私は一番効率的、効果的と言いますか、国として参加の度合いも高いし、すごく発展しているし、また福祉と経済成長も両方達成しているという北欧の諸国、デンマークであるとか、あるいはスウェーデンであるとか、あるいはオランダ、こういう国が大体、九州と同じぐらいのサイズなんです。

 だから、住民の幸福量を最大化するサイズとしては多分、九州ぐらいの大きさが一番いいのではないかというのが一つと、これからアジアとつながるということはとても大事でありますので、その観点から九州が一体となった方がいいという道州制賛成論ではあります。

 ただ、それが実現するかどうかというのは時期も含めて、不明であります。しかし、実現するに違いないと、将来はですね、何十年かかるか分かりませんが。その時から熊本県が州都の議論を始めたら、遅過ぎると私は感じています。

 かつて、熊本に五高があるから九州大学は当然、(熊本に)来るだろうと思って何もしなかったら、福岡に行ってしまったという苦い経験もあります。その州都構想を、今始めることには、何のマイナスもないんです。熊本県のレベルアップにもつながるし、それ〔※州都構想〕を今の時点でやっておくと。そして、道州制が実現した暁には、直ぐにでも手を挙げられる状況にもっていくという、そういう姿勢なんです。

 だから、道州制はもちろん賛成ですが、道州制に対しての反対があるからとか、道州制がしばらく実現しないのではないかとか、そういうことを理由にこの州都の議論を終わらせたくないというのが私の本心であります。

 それ〔※州都の議論〕は熊本県のためにも役に立つ。多くのよその県もそのように行動すれば、よその県のレベルアップにもつながるし、九州全体のレベルアップにもつながると私は確信しています。

 そこで就任当時から道州制については賛成、そして道州制が実現した暁には熊本を州都にすると。熊本県はアメリカでいうとワシントンD.C.になろうと。そして福岡はニューヨークでいいじゃないか。多極分散型の政治体制が私はとても大事だと思っています。

 全て東京とか、全て福岡に集中してしまうことがいいことではないと思っておりますので、熊本はその利点を生かして、九州のワシントンD.C.になろうということで州都構想を進めているところです。

Q
 関連してお聞きしたいんですが、基礎自治体の大きさとか、知事がおっしゃる姿、形、そこを目指される長所というのは分かったんですが、その具体的な姿、基礎自治体の大きさをどれぐらいにするとか、その市町村をまた合併した方がいいのか、その辺のお話がないと反対する側を説得する材料にはならないんじゃないんですか。

蒲島知事
 私は市町村の大きさ、そういうのは自然に出来上がったこともあるし、歴史的なこともあると思うので、無理やりそれを合併するとか、そういうことをやってはいけないと思っています。

 だから、道州制を効率性、行革の面からで見るとそうなっていきますが、私はそうではなくて、今はもう県がなくなるという前提のもとで道州制の議論が行われていますが、県としてはなくなるかもしれないけれども、基礎自治体としてやっていけない小さな基礎自治体を、包括するような組織、今は県がやっていますが、そういうような制度は残ってもいいのではないかと私は思っています。

 ですので、効率性のみでいく、行政改革的な道州制は絶対反対であります。もっと九州全体が発展するために、どういうふうな大きさでなくてはいけないのか。それは九州の大きさであって、その中に多様な自治体があってもいいと思うんです。

 例えば熊本市とか、あるいは福岡市、北九州市、そういう政令(指定)都市は、もっと自立してもいいだろうし、それ以外を包括する、県ではないけれど県と同じような包括的な組織があっても然るべきだと私は思っています。今、道州制の反対の議論を聞きますと、自分達の村、町がなくなるのではないかと、自分達が小さすぎるから、とてもじゃないけど、基礎自治体としてやっていけないという、そういう疑問があるんです。その疑問に答えるためには、緩やかな、今の県みたいなものではないけど、包括した組織があってもいいような気がします。

 これまで、県をなくすということが議論の中心部分だったんですが、大事なことは、それ〔※道州制〕は手段であって、目的はやはり九州だったら九州民の幸福量の最大化ですから、それがどのような組織でなければいけないかという、そういう議論はこれからあって然るべきで、県がなくなるという議論は、またそれは一つの議論だけれども、絶対ではないと思います。

 そういう意味で、九州広域行政機構を提唱した時に、10年、20年、九州広域行政機構的なものでやったらどうかという話をしました。

 そこで、道州制へのワンステップですか、予行演習といいますか、それでやってみて、そうしたら県の組織も残りますから。それでやってみて、やはり県はなくした方がいいということであればなくしてもいいし、そういうトライアルというんですか、その時期が必要だということを九州地方知事会でも述べてきました。九州地方知事会の賛同も得られたんですが、出先機関の移転〔※移譲〕の問題も結局、頓挫しましたので、今はその議論もされていませんが、これからやってもいいのではないかという気はします。

 ただ、大事なことは、(道州制が)いつできるか、実現するか分からないけれども、実現した時にはじめて(州都の議論を始めると)、とんでもない間違いが起こると。州都を目指すことがマイナスであれば、それは当然やめなくてはいけないが、(州都を目指すことは)プラスになります。州都を目指すことと熊本県のレベルアップはウィンウィンの関係だと私は思っていますので、私はそういう観点から昨年、州都構想をやりましたし、それを今年はもう少し具体化したいと思っています。

Q
 州都を目指す、今年というか、具体的な準備というのはどういうことを具体的にお考えですか。

蒲島知事
 それをこれから考えていきたいと(思います)。

質疑応答

水俣病問題について・2

Q
 あと、「理」という字を出されたところで理屈に合わないことは毅然としてやらないということを込めていますという御説明ですが、昨年末の水俣病に関する会見で、要は臨水審を求めるという会見がされ、やっぱり今のままでは責任をもって熊本県として認定業務を行えないということで、その臨水審を求めると。そういう態度を改めてここで思いを込めているというふうにとらえてよろしいんでしょうか

蒲島知事
 政治学者が陥る欠点というのは、理想を求めすぎて、現実との絶妙なバランスを失ってしまって、失敗するケースが多いんです。

 だからそういう意味では、私は政治学者から政治家になった時に、常に自戒を込めて理想と現実の絶妙なバランスが政治だというように考えてきました

 時には理想が強くなることもあるし、あるいは現実の壁にぶち当たることもあります。

 だからそういう時に、いろんな悩みの中で、判断してきたんですが、間違った判断をしてはいけないし、それから、この水俣病(問題)に関しては、私はより理想形に近い形の判断をして、それで記者会見に臨んで今、国にそれを求めているところです。

 それに対して、いろいろ考え方もあると思いますが、少なくとも我が県庁として考えて、これは我々が示すべき態度ではないかということで12月の記者会見に臨んだ次第です。

Q
 ということで、やっぱりこの「理」という言葉にそういう思いを込められているということなんですね。

蒲島知事
 それもあります。

Q
 その思いを込められていた臨水審の開催を求められましたけれども、400人、500人近い方々がまさに待っておられます。求めるのはいいんですが、具体的にいつまでに開いてくれとか、逆に環境省の方からもう早急に人選に入るとか、そういう連絡とか、そういうのはないんでしょうか。

蒲島知事
 記者会見の後の環境省の方の対応、お答えはまだもらっていません。だから、(環境省からの)答えの中にあるのかなと。私どもはボールは環境省側に投げられておりますので、それを今、待っているところであります。

 ただ、私どもの真意については事務局の方が、向こうの事務方ともきちっと詰めているのではないかと思います。正式な返答はまだありません。

Q
 少なくともいつぐらいまでには臨水審を開いて欲しいという県としての意向はお持ちでしょうか。

蒲島知事
 それを当然待っていらっしゃる方がおられますので、急いで(開催して欲しいというのはありますが)、ただ、向こう〔※環境省〕も急に言われて途方にくれた部分もあるかもしれませんが、いずれお答えがくるのではないかと思っています。

質疑応答

今年の抱負について

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

Q
 具体的に、今年、特にこれに力を入れたいという具体的なことはありますか。

蒲島知事
 先程言いましたように、新4カ年戦略で全て語っております。これが4カ年でやる部分だと。その新4カ年戦略で約束した部分をとにかく「加速化」しようと。4カ年戦略ですから4年でやらなくてはいけませんので、加速化しようということと、それから「見える化」。県民に見える形で示そうと。

 例えば、生産農業所得が九州一というのも大変よく分かります。全国4位というのもよく分かります。(目標は)稼げる農業ですから、私は生産額よりも農業所得の方が大事だと思うんです。

 それが九州一だということがとても嬉しいし、全国でも4位というのはとても嬉しいことであります。その「見える化」。そして、そのために「核心を突く取組み」を行いたいということです。

 それから、これまで1期目で約束した川辺川ダムのダムによらない治水の問題も、鋭意取り組んでいきたいと思っていますし、それから、水俣病問題については、12月の記者会見で申し上げましたように、あの方向で取り組んでいきたいと思っています。

 それから、水銀フリー社会の実現。これも今年は鋭意、取り組まなくてはいけないと思っていますし、その第一歩で、熊本市がこの前トップ会議で同意してくださったように、蛍光灯の分別の処理をやっていただくということになりましたので、大きな第一歩かなと思っています。

Q
 知事は年末からよくおっしゃっているんですけれども、その核心を突くということで知事の頭の中に具体的な、これは核心を突くよというのはありますか。

蒲島知事
 例えば、州都構想の一つに、“すべての道は熊本に通じる”というものがあります。でも、任期中にすべての道がつながるはずはありません。

 しかし、例えば中九州横断道路が理想としてのすべての道の一つですが、そこに滝室坂のトンネルが中九州横断道路の一部として施行されましたが〔※事業化の決定〕、これはもうまさに核心です。

 それからもう一つは、九州中央道路〔※正しくは、九州中央自動車道〕、延岡と熊本の間ですが、これまで一番難関だったのが、山都町と高千穂の間のこの部分。計画も何もされていなかったんです。これが今、計画のための調査が行われている。この計画化することが核心を突くことです。

 そのような形で、限られた予算と限られた時間と限られた人員の中で、ここを押せばきっと将来はすべての道は熊本に通じるだろうと。そして、佐賀と熊本の間の有明海沿岸道路(2期)も(現在は)調査区間〔※正しくは、候補路線〕ですが、これが計画区間〔※正しくは、計画路線〕になれば、佐賀と熊本の間もつながるだろうと。

 そういう意味ですべての道が熊本に通じるために、ここだけはやって欲しいというところを、限られた時間に集中的にやる。昨年は国土交通省にもう何回行ったか分かりませんが、要望に行って、それが滝室坂のトンネルに結びついていって、そして、それが中九州横断道路につながっていくと。中九州横断道路全部がつながるには相当かかりますが、自分の任期中に一石を投じることが大事、そこが核心だというように思っています。

 それ〔※核心〕がどこかをみんなで見つけて、それに(一石を)投じようと。

 今日、庁議でもお願いしたんですが、例えば、農林水産部の活躍もあって、生産農業所得が九州1位となりました。あるいは農地集積も熊本県はどんどん進んでいます。でも、農地集積なんかを見てみますと、たぶん全国的に今から加速度的に進んでいくと思うんです。5年ぐらいすると、早く先行した利得というんでしょうか、あるいは創業者利得というのが、次第になくなっていくと思うんです、数年間で。

 だから、その先のことを今、考えることも大事ではないかと。それも核心を突くということではないかと思っています。

 今年は(平成24年の)生産農業所得が良かった良かったと思っていても、全国的に同じ流れになってしまうと、創業者利得がなくなりますので、その余裕があるうちに先のことを考えることも必要ではないかということも、一つの核心ではないかと思います。

質疑応答

くまモンについて

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

Q
 くまモンが紅白に出ましたけど、いかが御覧になりましたか。

蒲島知事
 それは出て嬉しかったという感想です。ただ、くまモンの良さが100%、あそこで発揮されたかというと、もう少し、NHKの方にお願いして適切な出し方を。

Q
 関連ですけど、ちょっとふなっしーに押され気味だったと思いますけど、その辺はどうでしょうか。

蒲島知事
 押され気味だったとは私は思いませんが、やっぱりくまモンの優しさとおおらかさと人を引きつける魅力が、うまくNHKさんでは出てなかったかなというように思います。すみません、これは悪口を言っているんではなくて、率直に。

Q
 くまモンの今年に期待することは何ですか。

蒲島知事
 くまモンは、期待以上のことを常にやってくれるので。ただ、やはり日銀(熊本支店)の試算にもありますように、1,244億円の効果。これは経済的な効果なんです。

 でも、非経済的な効果、それがくまモンはもっと大きいような気がしますので、それをさらに加速化するためにも、くまモンを『しあわせ部長』にしたということです。

 だから、目には見えないしあわせを高めるということも期待するところです。

Q
 それでは時間が過ぎましたので、質問を終わらせていただきます。

蒲島知事
 はい、ありがとうございました。

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