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「気になる!くまもと」Vol.999

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0113679 更新日:2021年10月21日更新

愛情いっぱいの婚“喝”とどけ!
令和の熊本婚活最前線。

荒木直美さんの写真

若林さんの写真

引く手あまたのコーディネーターが
婚活に潜む社会問題を一刀両断!

「いまは、かつて謳(うた)われていたような3高(高学歴・高収入・高身長)ではなく、3生(生産力・生活力・生存力)が大事。相手の“条件”だけを見ていては、なかなか理想の相手には巡り会えません」。そう断言するのは、婚活コーディネーター歴22年の荒木直美さん。荒木さんに言わせると、従来の“出会いのプラットフォーム”がコロナ禍で崩壊。独身者の多くが孤立化している状況にあるという。

「婚活を支援する側の高齢化によって、実際に婚活をする世代との間にギャップも生まれてきています。加えて、不安定な社会情勢の煽(あお)りをくらった若い世代は、気楽に失敗できないがゆえに超安定思考。若い世代は好きで結婚していないわけじゃなくて、できないでいる現状がある。それは今の社会を作った私たちに責任があると思っています」。 

荒木直美さんの写真2
​「チャレンジして、失敗しても決して傷ついたまま帰すことはしません! どんどん出会いを積んで、婚活脳をアップデートしていきましょう」と荒木さん。頼もしい!

婚活オンラインセミナーの様子

コロナ禍で出会いの機会がなくなった時、手探りの中で始めたのがオンライン婚活だった。今では、オンライン上でもカップルを成立させるノウハウを身につけたとか。(写真:荒木さん提供)

黙っていても出会いを運んできてくれた仲人と呼ばれる人は、時代の変化に伴って激減。現代における男女は、出会いやカップリングの機会さえ減っているという。若者の非交際化、急速に進む未婚化は、すでに社会問題と定義してもいい段階にきている。ところが、婚活が抱える潜在的な社会問題に対する認識は、熊本でもまだ希薄。全国的に見ると人口減少に危機感を抱く県ほど、公的な婚活支援を始めているのが婚活業界の実情だ。

「結婚は、してもしなくてもどちらでもよいと思っています。価値観が多様化している今、誰もが結婚する時代ではありませんから。ただ、もし結婚のある人生を選ぶ可能性があるのなら、早い段階から自分なりに学んでおく必要があるということ。いざ結婚したいと思っても、すぐにはできないことをきちんと理解おいてほしいんです」。​

カレンダーの写真

婚活中の心に染みる名言を集めた「ハートの筋トレガイドブック」は、コロナ禍における婚活者たちへの処方箋。

婚活セミナーの様子の写真

毎回多くの参加者で賑わう山コンは5年連続MCを担当。そのほか浴衣コンや、文房具コンなど、趣味性の高いイベントで共通の話題を見出すなど、参加者がのびのびと振るまえる出会いの場を提供している。(写真:荒木さん提供)

これまで携わってきた婚活支援を通じて、10代から結婚について学ぶ必要性を痛感したという荒木さん。最近では、ついに高校生向けに“婚育”の授業をスタートした。「いつかはやってくるライフイベントなのに、親や先生は教えてくれませんよね。結婚について学ぶ機会もなく、適齢期というものが突然やってくるわけです。その流れを変えつつ、自分らしく婚活するためのコツを伝授していくことが私の役目。なぜなら出会いは自然に生まれるものではなく、自分から取りに行くものだから!」と熱い思いを語る。
婚育セミナーの様子の写真
​県内の高校生とともに婚活イベントを企画している荒木さん。婚活をいかに盛り上げるか、高校生にとっては、学校では教えてもらえない多くの学びを得る機会となっている。(写真:荒木さん提供)

結婚式の様子の写真

荒木さんの元で成婚し誕生した、通称“荒木ベビー”は、すでに100人を超えたそう!(写真:荒木さん提供)

「令和版の相手選びのキーワードは「3D」。どこで、だれと、どんな風に生きていくのか、婚活もライフスタイルで相手を選ぶ時代です。「とにかく結婚したい」と駆け込んでくる方がいらっしゃいますが、そんな言い分はナンセンス。やっぱり「結婚」は愛する人と巡り会い、その延長線上に自然にあるものですから」。家族は、社会の最小単位。荒木さんが贈る一人ひとりの心に響く、愛情いっぱいの婚“喝”が少しずつ、でも着実に社会を変えていく。


【Profile】
荒木直美(あらきなおみ)
婚活コーディネーター、ラジオパーソナリティー、タレントとマルチに活躍中。これまでに1500組のカップルを成立させるなど、“婚活界の瞬間接着剤”の異名を持つ。人気ドキュメンタリー番組「セブンルール」や「週刊女性」では、年間30本以上婚活イベントを手掛ける婚“喝”コーディネーターとして取り上げられる。近年は、高校生と婚活を学ぶ“婚育”活動もスタート。夫(52)と双子の息子(23)の4人家族。熊本市在住の53歳。
​公式サイト http://arakinaomi.net/

​「たぶん結婚しないと思ってた」。
婚活の現場が、自分の人生も変えた。

「仕事に夢中だから、と都合のいい言い訳をして結婚する気もない。ましてや開業するまで結婚相談所という場所にいいイメージも持っていませんでした(笑)」と語るのは、「タンクマ 婚シェル」のカウンセラー・若林舞(わかばやしまい)さん。「月刊タウン情報クマモト」「mocos」などを発行してきた「ウルトラハウス」で、バリバリの営業として働いていた若林さんの結婚観を変えたのは、紛れもなく婚活の現場だった。同社が地元誌主催の婚活パーティーや行政とタッグを組んだ婚活支援など出会いの伴走を続けるうちに、より多くのご縁つなぎをしたいと2019年に開業したのが「タンクマ 婚シェル」だ。

 若林さんの写真

「街や人を元気にする」広告営業の現場から、「出会いをつなぐ」婚活・結婚相談所へシフト・キャリアチェンジ。人の喜びを自分の喜びのように感じられる若林さんは、多くの相談者からの信頼が厚い。

クローバー熊本の写真

「タンクマ婚シェル」は、イオンモール熊本と熊本市街地の銀座通りに2店舗を構えるブライダルカウンター「クローバー熊本」が運営を行う結婚相談所。ブライダル情報のフリーペーパーの発行も不定期で行う。    


「私もここで婚活の現場を知るまでは、いわゆる結婚相談所って恋愛をする場ではなく、結婚相手を機械的に探す場所だと思っていました。けれども、ここで出会いカップルとなった皆さんは、やっぱりちゃんと恋愛をしています。デートを重ねるうち内に急速に心惹かれあって「この人しかいない!」と自然となっていき、互いを尊重し合いながら幸せな人生を共に歩んでいるんです。それは、時として私も涙するほど嬉しいことで、本当に幸せをつかんだんだなぁ、と一緒に幸せを噛み締めています」と優しくほほ笑む若林さん。

荒木さんの写真2

「月刊タウン情報クマモト」で企画した最初の婚活イベント「タンクマ婚」で、若林さんとタッグを組んだのが荒木直美さん。「荒木さんとの出会いから、私の婚活人生は始まりました」。(写真:若林さん提供)

相談所を訪れる人々に若林さんが必ず伝えるのは、常に出会いの供給と自分磨きはセットであるということだ。自分にとっての理想の相手はどんな人なのか、一緒になってその答えを見い出し、そこに見合う自分になるためのサポートをしていく。そのための努力を惜しまず、婚活に取り組むことで次第に人生が開けていく。その好循環を生み出し、最終的に自走することこそ若林さん率いる「タンクマ 婚シェル」が目指す最終到達地点だ。

「結婚をして子どもを授かりたいというライフステージを目指そうとした場合、人間は年齢が上がれば上がるほど身体的にも精神的にも不利になっていくという事実は、私たちが人間である以上否めません。中には不安で夜も眠れないという方や、お子さんのことが心配で仕方がないという親御さんもいらっしゃいます。今は、マッチングアプリなどもありますが、ある程度の恋愛耐性があることが前提で、向き不向きが如実に表れます。一見、近道のようでも遠回りであることが多いんです。リアルな婚活現場では、見た目の改造や、結婚に対する意識改革、内面磨きなど、いくつものハードルがある。だからこそ、私たち第3者が個々にしっかりと寄り添い、これからのニューノーマルな婚活のスタイルを確立していきたいです」。

荒木さんの写真3

「最終的に幸せは自分で掴むもの。だからこそ、婚活に取り組む考え方が大切。考え方が変われば行動が変わって習慣が変わって人間性が変わって、人生が激変するのです」。(写真:若林さん提供)

コロナ禍における婚活現場のニーズはどのように変化したのだろうか。「婚活するしないにかかわらず、自分自身に向き合う時間が増えたからこそ、婚活のニーズは以前よりも確実に高まっています。夫婦や恋人同士なら密にならないから出掛けることもできますが、カップルになる以前の人たちは、途端に動きが取りづらくなります。1人の時間が増えると、自ずと結婚というものや人生を過ごす相手の必要性を感じるのだと思います」。合わせて晩婚化が叫ばれる社会でありながら、結婚年齢(初婚稿)のピークは女性26歳、男性27歳が最も多い。※初婚の平均年齢が上がっているだけなので、晩婚化と言えどもやはり結婚適齢期は存在し、そこで多くの人が結婚していることに変わりはない。

※天野 馨南子著『データで読み解く「生涯独身」社会』より

これまで多くの婚活を見守ってきた若林さんが、その必要性を感じるのは「それぞれが自分の人生に向き合うタイミングを定期的に持つこと」。婚活するしないに関わらず、若いうちにどれくらい挑戦してきたかが、より自分らしく満足度の高い生き方を選ぶための尺度になるとするならば、人生の折に触れて“自分はどう生きて行きたいのか”、自問自答を重ねることが明日の自分を生き抜くための秘策となるはずだ。

「私の人生が荒木さんや婚活に出会って一変したように“出会い”は、人生を変えるものです。出会いという言葉は、当たり前のように使っていますが、人生は出会いなくしては始まらないもの。だからこそ一つでも多くの運命の出会いを生み出していきたいと思っています」。

荒木さんの写真5

【Data】
タンクマ 婚シェル
銀座通り相談所 熊本市中央区中央街6-7 東洋銀座ビル2F
イオンモール熊本相談所 イオンモール熊本わくわく横丁内

HP  http://www.tankumacon.jp/