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いぐさ研究室
試験研究の概要
新たないぐさの利活用に繋がる新品種の育成
人工交配により、良質で生産性の高い畳表用品種や新しい用途のためのいぐさの品種育成を行っています。
また人工交配の母本等にも活用している多様な遺伝資源の収集保存や生産農家に配布するいぐさ苗の原種増殖も行っています。
- いぐさ優良母本の保存増殖と交配
- いぐさ品種の選抜
- イグサ遺伝資源保存受託事業
- 県奨励品種の原種増殖事業
いぐさの交配作業
いぐさの開花は日の出後すぐ始まるので、交配は早朝から取り組みます。花が小さいので、実体顕微鏡を使い根気よく交配します。
いぐさの花
4月下旬から5月中旬頃に多く花が咲きます。
花の中央にめしべ、周辺に3個のおしべが着くので、交配はおしべが開葯する前にピンセットで削除して、他の花のめしべと受粉させます。
いぐさの遺伝資源
日本各地で収集した在来種や自生種、さらには外国のいぐさも保存し、育種素材として利用しています。
いぐさ系統・品種の選抜
実生から個体選抜したものを、いぐさ本田に栽培し、段階的に選抜を行いながら有望な系統を絞り込んで品種を育成します。
交配から品種になるまでに10年近くかかります。
害虫(イグサシンムシガ)発生予察
イグサシンムシガの発生予察を行い、適期防除のための情報を提供しています。
開発品種による高品質畳表の安定生産技術確立やいぐさ機能性を活かした活用拡大
開発した品種についての雑草・病害虫防除、施肥法を含めた栽培技術の検討、乾燥改善や高品質畳表の加工技術、新たな需要拡大につながる機能性や利活用の検証を行っています。
- オリジナル品種による高品質いぐさの安定生産技術の確立
- いぐさの機能性を活かした利活用技術の開発・実証
- いぐさ病害虫発生予察事業
先刈による高品質多収栽培技術試験
先刈は、いぐさの収量や品質に影響の大きい管理技術ですが、品種「涼風」で先刈時期や高さを調節して、最適な先刈方法の検討を行っています。
品種による畳表の退色の違い
畳表の退色の変化について、自然日光にあてて「涼風」を中心に各品種の退色状況について、測色して数値化を行っています。
サーモグラフィーによるいぐさの乾燥状況の把握
収穫したいぐさは専用の乾燥施設で14時間程度乾燥しますが、乾燥の進み具合をサーモグラフィーを利用して、乾燥状況を把握する試験を行っています。
デザインコンピュータで試作したいぐさタペストリー
織物デザインコンピュータなどを利用してタペストリーを始めとした新たないぐさの製品開発に挑戦しています。