本文
平成21年 5月21日 知事定例記者会見
日時:平成21年5月21日(木曜日)午前10時00分から
場所:知事応接室
発表項目
質疑応答
- ふるさとくまもと応援寄付金
- 新型インフルエンザ関連(1)
- 新型インフルエンザ関連(2)
- ダムによらない治水を検討する場について
- 民主党代表選関連
- 直轄事業負担金/水俣病問題(質問部分)
- 直轄事業負担金について
- 水俣病問題について
- 路木ダムについて
発表項目
ふるさとくまもと応援寄付金について
蒲島知事
まず第一番目は、「ふるさとくまもと応援寄附金への大口寄附」についてです。
今月18日、19日と立て続けに、いわゆるふるさと納税に対して2件の大口寄附がありました。
1件は、県内の法人から3000万円の寄附です。「経済的な理由で十分な教育を受けられない子どもたちへの教育支援のために使って欲しい」というご希望でした。
もう1件は、県内在住の個人の方から500万円の寄附がありました。「熊本県の発展のために使って欲しい」とのことです。
2件とも思いがけない多額の寄附であり、大変うれしく感じています。
とりわけ蒲島県政では、社会的格差を教育の場で断ち切ると、或いは縮小するという、そういう意向を込めておりますので、この3000万円の寄附で経済的な理由で十分な教育を受けられない子どもたちの教育支援のために使ってほしいという気持ちにはとてもうれしく感じました。
寄附金の活用方法は、今後検討してまいります。
寄附者のご希望に沿ったかたちで大切かつ有効に活用したいと考えています。
新型インフルエンザ対策について
蒲島知事
二番目は、「新型インフルエンザ」についてです。
5月16日に国内で初めて新型インフルエンザ患者が確認されて以降、患者の数は、報道によると5月20日現在で260人を超えております。
県内では、まだ患者さんは確認されておりませんが、ここまで感染が広がると、県内発生も間近だと想定しなくてはなりません。
国立感染症研究所からの情報では、今までのところ「タミフル、リレンザは効果があること」、「一部のハイリスク者を除き、大半の発病者は重症にならないこと」などが確認されています。
新型インフルエンザを侮ってはいけませんけれども、必要以上に恐れることはないと思います。
私どもが提供している情報に基づき、冷静に行動していただきたいと思います。
記者の皆さんにお配りしておりますけれども、感染拡大防止策の一つとして、新型インフルエンザへの対応をコンパクトにまとめた県民向けのチラシを作成しました。
※ 報道資料1(PDFファイル:29KB) 報道資料2(PDFファイル:31KB) 「添付ファイルを閲覧するためのソフトについて」
荒瀬ダムについて
蒲島知事
三番目は、「荒瀬ダム存続方針に基づく地区代表及び地元住民への説明会の開催」についてです。
皆さまには先日お知らせしておりますけれども、八代市坂本町の地区代表者や住民の皆さんに、荒瀬ダムに関する説明会を開催しております。
これは荒瀬ダム存続への理解が得られるよう説明責任を果たすとともに、きめ細かく地元の声をお聞きするためです。
5月13日より地区代表の方々やダム貯水地域周辺地区の皆さんを対象に、これまでの経緯や今後の取組みをご説明し、各地区のご意見、ご要望をお聞きしております。
既に、地区代表者と瀬戸石、中津道の2地区で開いております。
この説明会を通して、地元の皆さんからのご意見やご要望を丁寧にお聞かせいただき、それを踏まえながら荒瀬ダムが地域と共生できるように各種対策をとりまとめていきたいと考えています。
「くまもと森と海の恵みフェア」について
蒲島知事
四番目は、「くまもと森と海の恵みのフェア」についてです。
来月、6月2日から28日まで銀座熊本館において「くまもと森と海の恵みフェア」が開催されます。
中でも、人気があるのは「天草ちりめん」です。銀座熊本館の県産水産物の中で売上げ第1位を誇り、大都市圏でも高く評価されております。
皆さんのお手元に天日干しでよく乾かした「ちりめん」と、とれてすぐ釜ゆでしましたままの「釜揚げシラス」の2種類を用意いたしました。
どうぞお召し上がりいただきたいと思います。
ここの部屋に入る時に、とてもシラスの香りがしました。 ※報道資料(PDFファイル:14KB)
以上が発表項目です。
質疑応答
ふるさとくまもと応援寄付金
(幹事社)
ありがとうございました。
まず、発表項目からですけれども、幹事社の方から、まず「ふるさと納税」なんですが、3000万と500万円の寄附があったということで、3000万の方は県内法人で500万の方は県内在住の個人ということなんですが、例えば県内法人がどこであるのか、もしくはどういった業態の会社であるのか、そういうところとかもう少し個人の方も、何歳代の女性とか男性とか、そういうところまでお尋ねできればと思いますが。
蒲島知事
2件とも寄附者のご希望により住所、お名前、また具体的な内容は公表は差し控えてほしいということですので、そこまでで許してほしいと思います。
(幹事社)
もう少しちょっと周辺の情報でも難しいということですか。
蒲島知事
はい、以上です。
(幹事社)
寄附の申し出が何か担当課に寄せられたという感じなんですか、状況としては。
蒲島知事
私の方と、それから県庁の方にそういう申し入れがありました。
(幹事社)
3000万円の方が知事に直接あって、500万円の方が県庁にあったということですか。
蒲島知事
両方とも同じだと思いますけど、県庁にあったということです。
(幹事社)
この「ふるさと納税」は、今年、これでおいくらに寄附額は、今現在でなっているのか。今年度ですね。それと目標額とか・・・
蒲島知事
5月19日現在で33件の申込みがあり、熊本県分が3574万円です。
それから県に受け付けたものですけれども、市町村分を含めたものが3607万円です。
昨年度は、遅れてスタートしましたけれども、同時期に1件の申し込みで20万円だったので、かなり早いスピードで寄附が寄せられているなというふうに感じます。
新型インフルエンザ関連(1)
(幹事社)
もう1点、新型インフルエンザなんですが、厚生労働省の方が金曜日、今週末にも新たな運用方針というのをまとめるということで、学校の休校とか感染者の入院処置とか、その辺を弾力的に運用するという内容のようなんですけれども、その方針が示された時の県の対応というのはどうなのかと。行動計画の見直しとかそういうところの話なのか、それとも運用で対応するとか、そのあたりはどのように今お考えになっているのかということは。
蒲島知事
先日全国知事会に行った時に、舛添大臣からこの問題についての話し合いがありました。
その時に大阪府の知事が、このまま行動計画に沿っていくと、経済的にも大変厳しい状況だし、それから学校の休業についてもかなり厳しいと、見直してほしいというふうな意見が出てきました。
それはとても、それぞれの県が悩ましいところだと思います。弾力的にどこまで運用するかということと、行動計画というのは非常に毒性の強いウイルスを対象にしておりますので、そこのところが国の方針がでれば、それに沿って、また見直すこともあると思いますけれども、いずれにしても、今、国の方も地方の弾力性というのを尊重するということですので、弾力的かつ慎重にというスタンスだというふうに思います。
そういう意味では、なかなか国の意向もはっきりしないというところもあります。
(幹事社)
意向を見極めて今後対応をしていきたいと。
蒲島知事
でも、県の対応が必要な時は、その時にやはり弾力的にいくとか、或いは行動計画にそっていくのかというのは、もう少し見極めることが必要だし、それから幸いにして熊本県にはその時間が今あります。
ただ時間がどのくらいあるか分かりませんので、両面で、まず厳しい行動計画を持ちながら、どこまで弾力的にいくのかというのが、今後の展開をみていかないといけないと思います。
(幹事社)
ということは厚労省の今回弾力的な運用を認める方針というのは、県としては学校の現場レベルなんかではかなり混乱も実際発生した時にですね、どうしたらいいのかという混乱もあるみたいですけれども、そういう意味では国の方針というのは、県としてはありがたい、歓迎するというような感じになるんですか。
蒲島知事
楽なのは国のとおりやった方が楽でしょうけれども、でも弾力的な対応を尊重するというわけですから、地方で考える余地があるということだと思いますので。
教育委員会の方では、教育現場に関することに関しては、いくつかの考えを積み上げているというふうに思います。
(幹事社)
他に発表項目で何かございますでしょうか。
Q
新型インフルエンザに関連してお尋ねします。
国のその方針にもよるところがあると思いますけれども、例えば県内でも感染者がこれだけ拡大しているという状況を受けて、例えば発熱外来の増設、それから東北の仙台市の方では発熱外来だけではなくて、地域の診療所、かかりつけのお医者さんといいますか、そういった所でも診断、治療するというような対策をとっていると聞いているんですけれども、何か今のそういう感染拡大の状況というのは具体的な今後の、対策といいますか、その点について今どうでしょうか。
蒲島知事
現在のところ、この新型インフルエンザに関しては、毒性の強いウイルスの対策に、その行動計画に当てはめて動いています。
たださっきも言いましたように、必要以上に社会機能が麻痺してしまうという懸念もあるわけですから、今、国の厚生労働省の方では、新型インフルエンザ対策の緩和策を検討するというふうに言っています。そういう意味では今後とも、今の行動計画を基本にしつつも、柔軟かつ弾力的に運用していく必要があると思っています。
Q
特に具体的な発熱外来の増設とか、そういったところまではまだ県としては至っていないという。
蒲島知事
今のところ発熱外来のセンターを増やすという、そういう方向性ではないということでよろしいですか。
どういう、担当課長にすみません。
(健康危機管理課)
健康危機管理課でございます。
現在県内で10カ所の発熱外来が稼動中でございますが、今後の感染拡大の状況に応じまして対応していく必要があるというふうに考えております。
蒲島知事
よろしいですか。
Q
すみません、インフルエンザの件なんですが、今入院が必要な患者が県内で出た場合、10カ所の指定の医療機関が入る。また、タミフルに関しては15万5000ちょっとだったと思いましたけれども、県の備蓄があるというところで、県内の中で発生があった場合に、十分にそれに対応できるだけのものがあるというふうにお考えでしょうか。
蒲島知事
まだ発生がないので、確実にそれで足りるかどうか、それは仮定の話になってきますけれども、今のところ行動計画に従って準備しているところですので、担当課長としてはこれで十分だと思っているわけですか。
(健康危機管理課)
現時点では不安はございません。
Q
知事、新型インフルエンザの関係で、昨日の夜、首都圏でも感染が確認されたんですけれども、東京事務所の方に何らか指示を出されたりとか、そのあたりは何か対応をとられているんですかね。
蒲島知事
東京がついに感染者が見つかったということですので、東京事務所だけではなくて、各部局に最優先の課題としてインフルエンザ対策をやるようにという、対策本部でこの前指示を出しましたので、これが現在のところ各部局の優先課題だと思っています。
Q
他県では何か東京事務所にマスクを大量に送ったりというようなこともあったみたいですけれども、そういうような対応は。
蒲島知事
マスクは、私も東京事務所にこの前行ってきましたけれども、マスクというよりも熊本県の東京事務所だけではなくて、トイレに行った時分かったんですが、皆うがい薬をもって一生懸命うがいをしていたし、それから必死に手を洗っていましたので、多分そのような形で自衛策を皆さんとられているんじゃないかなと思います。
私も東京に行った時にはマスクをしていきました。ただマスクはずっとしていると苦しいなというのが初めて分かりました。
Q
先程の外来の件にちょっと戻りますけれども、今後の拡大について対応をしていく必要があるという課長からの話でしたが、例えば医師会等との協議の中で、今ある10ヵ所の発熱外来、それと一般の医療機関、それに対応が可能かどうかの準備と言いますか、どういう備えが今の段階でできるのかどうかというのは、知事としてはどういう認識でしょうか。
蒲島知事
私としてというよりも、これは一番大きなことは隔離しなきゃいけないかということだと思うんですよね。
普通のインフルエンザと同じような対応でいいのか、それとも全く違う方式でやるのかと。大阪府の橋下知事によると、そういう最初の行動計画に基づくとパンクしてしまうと。対応できないということですので、それを含めて国の方の対インフルエンザ対策がどのような形で出てくるかというのを見極めるというふうに私は思いますけれども。担当課長としてはちょっと別の意見かも知れないのでどうぞ。
(健康危機管理課)
今知事のご発言があったとおりでございますけれども、発熱外来数の拡大につきましては、これまで各二次医療圏ごとの状況に応じまして調整を進めてまいっております。
これは蔓延期になった場合に、今知事からもありましたように、大阪府のような対応をするかどうかという判断はあろうかと思いますけれども、少なくとも現在の4、5倍程度までは拡大したいというふうに考えております。
Q
インフルエンザの件で、先程まだ熊本には考える時間があるというふうにおっしゃっていましたが、これだけ感染拡大している中で、悠長なようにも聞こえるんですけれども、具体的に今県内で1例目が発生した場合に、学校の休業や社会福祉施設、具体的にどういった対応をするつもりかというのをお伺いしたいと思います。
蒲島知事
時間があるというのは、例えば今日発生して今日決めなきゃいけないという、そういうのではなくて、数日間これまで発生しなかったという意味ではいろいろ弾力的に考える余地があるというふうには思います。
先日も教育委員会の方から様々なケースにおいて、どのような対応をとるかというそのシミュレーションと言いますか、方策が私の所に報告がありましたので、それを見る限り、とても弾力的だけれども、いろんなケースを想定しながら、こういう場合は、例えばこういう形をとるというふうに、ケース、ケースによって対応を考えているところです。
それで私もそれを見させていただいて、とてもよくできているんじゃないかなと思っています。
ただ、残念ながらこういうのはもう本当に起こってしまわないと、それがそのとおり動くかどうか分かりませんけれども、先程時間があるというのは、いろんなケースが、他県で出てきたことを参考にできるという意味での時間があったと、それが熊本県では幸いだったのかなと思っています。
Q
新型インフルエンザに関してなんですけれども、担当課の方から不安はないというようなお話があったんですが。
蒲島知事
ちょっとすみません。
Q
担当課の方からですね、不安はないというようなお話があったんですけれども、実際に患者が発生した場合に、入院させる陰圧ベッドが県内に40数床しかないというのを聞いたんですが、それでも不安はないのかというのを確認したいのですが。
蒲島知事
不安はないことはないと思いますよね。不安を抱えつつ、持てるリソースを最大限にこれに対応していくかということだと思います。現在のところ、そこまで事態が至って無いという意味ですよね。不安がないというよりも。
(健康危機管理課)
先程タミフルの事について話されましたので、その点について不安がないとお答えしました。
Q
ハード面についてはいかがですか。
入院施設というか、患者を隔離するという意味では。
(健康危機管理課)
今ご指摘があったベッド数については陰圧とは別に感染症指定医療機関のベッド数のことだと思いますけれども、その感染症指定医療機関のベッド数で足りるかどうかということがあって先程お答えをしたように、蔓延期になった時の状況次第によって拡大を検討しているということです。
新型インフルエンザ関連(2)
Q
阿蘇や天草の方では、関西からの修学旅行のキャンセルなども相次いでいるようですけれども、今後首都圏にまで拡大した場合に、観光立県を目指す熊本県として修学旅行ですとか、旅行のキャンセルなどが出てきた場合に、非常に経済的なダメージもあるかと思うんですが、その点についてはどう思われますか。
蒲島知事
これはもう必ずしも熊本だけではなくて、世界中に起こっていることですね。
それで県内の観光客、特に修学旅行かなりキャンセルが続いているというふうに聞いています。
そういう意味では熊本県だけではなくて、観光を産業の大きな部分にしているところは特に問題が大きいというふうに思っています。
そういう意味では長引くことはとても懸念はしておりますけれども、全体的なインフルエンザ対策の中で、この問題が蔓延しないようにすることが大事であって、観光客の影響をそれについては調査をしておりますし、経済的にはとても痛いですけれども、それはインフルエンザの蔓延と相反する両立できないところありますので。残念だと思いつつも、これは受入れなきゃしょうがないかなというふうに思っています。
Q
今の観点にちょっと絡んでいるかもしれませんが。今回知事が中国に訪問予定の中止といいますか、キャンセルといいますか、知事が掲げておられますところのトップセールス、海外に対しての、その件に関して、この問題ある一定の期間長引くと思うんですけれども、知事のトップセールス国内外においてのそういった活動への影響と言いますか、それと先程から社会的な影響の部分で学校の取扱いについてが集中しておりますが、学校の場合は教育委員会行政側の、ある種指導のもと、いろんな選択ができると思うんですけれども、民間の、例えば社会福祉施設がどう行動するか、あるいは民間企業はどうするのか。民間レベルに行動をどうすべきだというのを促すにあたってはかなり難しい部分があろうかと思うんですけれども、この点では知事がどういう形で皆さんに出せるのかというのが非常に重要になってくると思うんですが、現段階でいわゆる行政の枠を超えた主体活動に対しても、どういう判断をするかとか考えておられますか。
蒲島知事
質問が2つあると思います。
新型インフルエンザの国内発生によって、知事としての私の行動が束縛されると。特に中国訪問が取り止めになったのは正にそういうことだと思いますし、これは随分と悩みました。どちらかというと外交的なものがありますので、向こうも準備していて、こっちが準備したというよりも向こうの方にご迷惑をかけるんじゃないかなということを随分懸念しましたけれども、両方とも事情がよく分かって今回は延期した方がいいということで、中国訪問が取り止めになったわけです。
そういう意味で私だけではなくて、いろんな活動が制約されていることは確かです。
でも皆がそれをしない限りもっともっとこれがインフルエンザが蔓延していくというふうに思いますので、これは仕方がないことかなと思っています。
今の経済的な活動、特に学校以外のものについて、これは企業がどう行動するかということに関しても、とても悩ましいところがあります。
あの、普通のインフルエンザと同じように扱ったらどうかという意見が一方で行動計画もあるわけですね。そこで、まず例えば糖尿病とか、いろんな持病を持たない場合はそれ程重症にならないということ。それから中学校、高校生に発生者が多いということ。いろんなことが分かっていますので、そして政府の対策が緩和される可能性もありますので、その中で良識的な判断をしていくということになると思います。
その中で行政が果たすべき役割、強制力を持つのか、あるいはもっと弾力的にそれぞれの民間の方々に判断をお任せするのか、そういうことも同時進行で考えていかなきゃいけない問題だと思っています。
危機管理というのはとてもそういう意味では難しいなと、幸いなことにそれ程強い強毒性じゃなかったということが幸いだったかなと思っています。
Q
今、観光客への影響調査という話をされていたんですけれども。
Q
観光客への影響調査と。具体的にはどんな。
蒲島知事
今のところ、県内の修学旅行へのキャンセルが発生しているということで、県と熊本県観光連盟で観光事業者、観光関係団体にインフルエンザの影響について調査しているところです。
それでこれは、5月20日現在では中学校でキャンセルがあったのが、17校で人数が1093人、これはキャンセルの数ですか。この数字は。
そしてそれが兵庫県、徳島県、シンガポールの3つの中学校の旅行が、熊本への修学旅行がキャンセルになったということです。
Q
状況、まだ継続して調べていらっしゃるということでよろしいですか。
蒲島知事
ええ。
Q
調べたうえで、何か対策とかそういったことは。
蒲島知事
状況を把握するということ、現在はそういうことになると思います。
これはキャンセルしないで来てくださいとか、そういうことも言えるようなものではありません。
Q
例えば、キャンセルになった分を県が一定の補償をするとか、そういうこととかは考えないんですかね。
蒲島知事
まだそこまでは思いが至ってないと思います。とにかく状況の把握が一番大事なことだと思っています。
Q
影響調査は修学旅行のみだけですか。一般の旅行客もあるかと思うんですけれども。
蒲島知事
今のところ修学旅行に関してのデータが出ていますけれども、これは観光連盟と観光事業所と、観光関係団体に影響について調査中でありますので、修学旅行以外でもデータは出てくると思います。
修学旅行の場合は分かりやすいですよね。
Q
今現在として、修学旅行以外のデータあるけれども、まだ…。
蒲島知事
私の手元には来ていませんし、そっちの方も調べていますか。ちょっと。
(観光交流国際課)
現在宿泊施設、観光施設、それから交通事業社等に調査かけているところです。
近々その中間報告というものを発表させていただきたいというふうに思ってます。
(幹事社)
発表項目では他にございませんでしょうか。
じゃ、それ以外で質問があればどうぞ。
ダムによらない治水を検討する場について
Q
昨日、ダムによらない治水の検討の場の第3回の会合の日程が発表されましたが、次回6月8日ということですが、次回会合に臨む県としてのスタンス、それから次回の会合での見通しというかですね。
蒲島知事
6月の8日に第3回の会議が開かれるというのを皆さんのお手元に情報が来ていると思います。主に次の点が、次の第3回会議の議題です。
一つは前回会議において流域市町村から要請があった平成18年7月に川内川流域に降った雨が球磨川流域に降った場合や、80年に1回の確率で発生する雨が降った場合のシミュレーションの結果。
それから国が治水対策案を解析検討をするための条件について、流域市町村の意見も踏まえて国と県で整理した結果、それが第3回の議論では出てくるものだというふうに思います。
それから前回県が提案した河道掘削、堤防嵩上げ、引堤、遊水池、市房ダムの再開発について、それぞれどの程度の対策を実施した場合、どの程度の効果や影響があるかを明らかにするために、流域市町村の意見もふまえ、国、県で協議し、県との出発点として検討する対策の内容などについてもこの議論になる可能性があります。
Q
そのダムによらない治水の検討にあたって、今熊本県のスタンスとしてはいろんなアイデアを出しつつも、詳細については国が数字的な案も含めて検討をなさるということかと思うんですが、先日うちの紙面でも取り上げていますが、淀川水系の、滋賀県だと思うんですけれども、それと京都府もありました。滋賀県の場合ですと、国のもろもろのデータを県として再計算を自前でやったというお話があったんですけれども、それによるとデータは国のデータそのものではあったけれども、内容が国が示している結果と若干違ったと、それをもって県としても一つの判断をしたというお話がありましたけど、それと京都府にしても第三者機関を設けて、府独自の具体的なデータを検証したというケースがあったんですけれども、ダムによらない治水の検討は、それはそれとして重要視しながらも、熊本県としても、特定の具体的検証といいますか、そういったものの必要性、あるいは先日もお尋ねしましたけれども、田中氏などがおっしゃっている第三者の専門家の参入といった点についてどうお考えでしょうか。
蒲島知事
まず、この問題の成立過程から考えなきゃいけないと思いますけれども、まずダムによらない治水策を極限まで検討するという金子大臣からの提案がありました。
それに対して県も同意し、そして市町村長の参加を得ながらこの問題発生してきたんですね。だから最初から国も県も、そして後で市町村もということになりますけれども、ダムによらない治水策を極限まで検討するというわけですから、そこでまったく同等に、県も国も、特に国はデータと、それからその分析手法についてほぼ独占的に持っております。
県の方はいろんなアイデアを出します。
それについてその問題点を市町村長も共有するという、今の形ですね。これはだから近畿の4県とちょっと違うと思うんですよね。
もちろんその中で、第三者の方の意見が必要になれば当然求めますけれども、今の段階では両方が最大限に交渉というよりもむしろ共同研究をしているところですよね。
この前金子大臣とお会いした時も、県の方からいろんな案を提案してくださって、大変嬉しいとおっしゃっていましたので、これは対立ではなくて、協調の中で行われていると。共通の目的がダムによらない治水ですから、それに向かって極限まで検討しているという協調関係にありますので、むしろ今のあり方が私としてはとても前に向かって進むのではないかなと思っています。
当然その過程で今おっしゃったように有識者の方、あるいは第三者のアドバイスが必要な時は、誰でもそれは当然提案することができますので、その場合は意見を求めることになると思います。
もう一つ、今のは私が強調したのは、協調関係の中での共同作業で共同研究ということでので、それはスムーズにいっているということです。
民主党代表選関連
Q
この間民主党の代表選挙がありましたが、新代表に選ばれた鳩山さんへの評価と、あと衆議院選挙への影響、あと今回の代表選に関して世論調査なんかで、小沢代表の西松事件の説明責任の話がほとんどなかったということで、そこら辺の批判が世論調査の方で出ていますが、そこについてはどのように考えられているかを教えてください。
蒲島知事
私、鳩山さんも岡田さんも両方よく知っていますので、評価はコメントできませんけれども、ああいう形で党首選が行われて、党首選の結果、有権者の方々の一定の評価が上がったというのが今回の一連の世論調査の結果が見えるところですね。
だから政治家というのは、あるいは政党というのは、やっぱり有権者の意向はどこにあるのか、あるいは民意はどこにあるのかと。それに基づいて行動して、それにより合致する方が選ばれるという、そういうふうな民主主義の体制ですので、その大きな意味では有権者の民意にそった形で代表選が行われ、そしてそれぞれが国会議員の方が行動したというところじゃないですかね。
それが、よかったかどうかということは、私がこの段階で私の口からいうのはちょっと差し控えさせていただきます。政治学者としてはいろいろ意見がありますけれども、熊本県知事としては熊本県の県民の最大の幸福量をいつも念頭におかないといけませんので。
Q
民主党が西松事件の説明責任を果たしていないということについては、どのように。
蒲島知事
そういう意見もあることは聞いております。
Q
果たすべきだとか、そういうことは…。
蒲島知事
多分今の民主党の方々は、こういう形で一定のことを果たしたというふうなことじゃないかと思います。
直轄事業負担金/水俣病問題(質問部分)
Q
知事2点よろしいですか。
蒲島知事
はい。
Q
この間の知事会で、例の、国の直轄事業負担金の話で相当議論があったと聞いております。
それを踏まえて、知事として今現状でもう一歩何か進めるような、県として例えば出向をちょっと見合わせようかとか、そういうようなことをお考えなのかどうか。それともう一点は水俣病の話なんですけれども、審査会の方針が出てますけれども、最終処分を知事が、もう大分また時間経っていて、与野党協議もどうも、劇的に動くというふうにも見えない。そんな中でどういうふうに今お考えなのか。それについてお願いします。
直轄事業負担金について
蒲島知事
直轄事業負担金の問題は、知事会でもずいぶんと問題になりました。
そういう意味ではやはり全国知事会でそういう議論がされたこと、それからそれぞれの知事が疑問を呈したこと、そして、特に明細を示さないとか、あるいはこれは東京都の副知事から出たんですけれども、いろんな個々で見ると問題点があると。そういう問題点をこれまで正すことなく負担金を払ってきたことに関しての、あるいは払わされられたことに関しての疑問が出てきているというふうに私は思っています。
多分二つの流れの中でそれが出てきたと。一つは地方分権の流れが加速化してきたということ。
それから特に地方公共団体の財政事情が悪くなってきたこと。この二つが直轄事業負担金の問題に皆疑問をなげかけ、そしてそれを改善しようという動きがあるというふうに私は思っています。
それで、それをこれからも続けていくことが多分、私は、納得のできるものだったら皆払うと思いますけれども、そういうこれまで明細が示されてなかったとか、あるいは納得のいかないものに関しては、支払うことを見合わせるという、そういう動きも出てきていますので、私はこれから改善していくのではないかと思っています。
改善していかなければまた知事会、あるいは個々の知事がそれに対応していけばいいというふうに思っています。あるいは個々の県がね。
水俣病問題について
蒲島知事
もう一つは水俣病の問題ですけれども、水俣病の問題に関しては、今日与野党協議が行われるということです。私は今この水俣病問題が早期解決するためにはもう、今のこの時期が最高の時期ではないかなと思っています。
特に与野党間で法律に基づいて、あるいは議会で、国会でこれを議論されているという状況ですね。
だから県としては、この与野党協議を是非進めてほしいというのが私の今のスタンスであります。そのために知事としてできることは、水俣病問題に関しては5月の26日から27日と2日間、水俣、芦北、それから天草市の御所浦の認定患者の方々の自宅を訪問する予定です。
また5月26日には被害者団体の方々、地域の関係団体の方々との意見交換を行う予定です。この2日間で現地に入り、その意向を上京して与野党の関係の、政党の幹部の方々にお伝えし、そしてそれを与野党協議の参考といいますか、与野党協議をより進めてほしいという意思表示をしたいと思っています。
Q
仮の話なんですけれども、そういう認定患者の方とかを訪問されて、いわゆる知事の思いであるとか、与野党の考えとは違う現地の患者さん方の思いが知事にぶつけられたとしたら、非常に知事としては板挟み状態になると思うんですけれども。
蒲島知事
そういう板挟みとか、そういう問題ではなくて、やっぱり今、与野党協議をやって解決しないと、私はずっと長引くし、解決の糸口がどうしてもつかめないような気がするんですね。
それで、これまで県の顔が見えないとか、そういういろんなのがありましたけれども、むしろ最大の目標というのは、これが解決することですから、水俣病問題の解決が最大の目標ですから、そのために県知事なり、あるいは県がどういう役割を果たさなければいけないかという意味を込めて、今回は現地に入ると共に、それを持って上京して、与野党協議を促進するという、そういう役割が今求められているというふうに思っていますので、そういうふうに26日から行動したいと思っています。
(幹事社)
よろしいでしょうか。
蒲島知事
もう大分時間が経ちましたね。
路木ダムについて
Q
1点だけ。
路木ダムの件なんですけれども、6月に表明されるというお話だったんですが、いつどの場で説明されるかというのは決められますかね。
蒲島知事
皆さんに約束しましたように、6月議会までには私の考えを丁寧に説明するために、今その作業を進めているところです。
Q
決まっていないんですか。時期と場所というのは。
蒲島知事
まだ、はい。6月議会もうすぐですので、いずれにしても。
(幹事社)
以上終わります。
ありがとうございました。