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熊本ゆかりの美術や歴史資料、西洋絵画など各ジャンルの名品を展示
会期
2013年1月2日(水曜日)~2013年3月24日(日曜日)
[前期]1月2日(水曜日)~2月3日(日曜日)
[後期]2月5日(火曜日)~3月24日(日曜日)
会場
熊本県立美術館 本館2階展示室
休館日
月曜日(祝日の場合は開館し、翌日が休館日になります。)
1月28日(月曜日)は「障がいのある方々の鑑賞デー」として開館
この日の開館時間は午前10時~午後4時30分まで(入館は午後4時まで)
観覧料
一般260円(190円)、大学生160円(120円)
当館のコレクションの中から熊本ゆかりの美術や歴史資料、西洋絵画など各ジャンルの名品を展示するほか、東京の永青文庫との連携のもと細川コレクションの名品を展示いたします。今期の展示では、新春にふさわしい吉祥[きっしょう]の画題の絵画や近代細川家の雛飾り等を展示します。また特集展示-近代工芸の華-として、高野松山[たかのしょうざん]・増村益城[ますむらましき]・平田郷陽[ひらたごうよう]といった近代工芸作家の名品を紹介します。
第1室では、細川コレクションの中から、甲冑、調度、絵画など細川家の歴史文化を物語る美術品をご紹介します。
今回の展示では、近世細川家の基礎を築いた細川三斎[ほそかわさんさい]が用いた《置手拭形兜[おきてぬぐいなりかぶと]》や《脇差彫貫盛光[わきざしほりぬきもりみつ]》などの武器武具をはじめ、日本最古の巻狩[まきがり]と言われる阿蘇下野狩[あそしもののかり]の情景を描いた《阿蘇下野狩図屏風[あそしもののかりずびょうぶ]》、熊本藩第6代藩主・細川重賢[ほそかわしげかた]の書、近代細川家の華やかな雛飾りなどを展示します。また、熊本藩領の名所を描いた《領内名勝図巻[りょうないめいしょうずかん]》から、《阿蘇郡野尻手永直入郡久住手永之内[あそぐんのじりてながなおいりぐんくじゅうてながのうち]》、《阿蘇郡北里手永之内[あそぐんきたさとてながのうち]》の巻を展示します。
《雛人形》大正3年頃 当館所蔵(通期展示)
第2室では、中世から近代にいたる熊本ゆかりの美術や歴史資料を、ジャンルごとにご紹介します。
「中世の歴史と美術」では、熊本ゆかりの仏像・神像と、阿蘇郡小国[あそぐんおぐに]の武士・北里[きたざと]氏ゆかりの古文書を展示します。また、吉祥の画題の絵画や、梅や桃をテーマにした作品を紹介する「新春の絵画」、同田貫[どうたぬき]の刀をはじめとする肥後金工や、八代焼[やつしろやき]・小代焼[しょうだいやき]といった熊本の陶磁器を紹介する「熊本の工芸」など、熊本ゆかりの様々なジャンルの美術品を展示します。
特集展示-近代工芸の華-では、熊本ゆかりの漆芸家・高野松山と増村益城の漆芸作品の他、熊本出身のコレクター今西菊松[いまにしきくまつ]氏のコレクションの中から平田郷陽の人形などを展示します。
宮川長春《羽根遊び図》
江戸時代中期(18世紀)
当館所蔵
(前期展示)
増村益城《乾漆根来盤》
昭和33年 当館所蔵(通期展示)
西洋絵画では、本年2013年に渡仏百周年を迎える藤田嗣治(レオナール=ツグハル・フジタ)、パスキン、キスリングなどエコール・ド・パリの画家たちや、ルノワール、ヴラマンク、ローランサンなど近代フランスの巨匠たちの名品でパリを舞台に活躍した芸術家たちの交流を辿り、19世紀後半、パリ画壇の中枢で活躍したブーグローなどの優品もあわせて展示します。
現代絵画コーナーでは、不知火町(熊本県宇城市)に生まれた野田哲也(1940~)の作品を展示します。野田は1968年「東京国際版画ビエンナーレ」で、自分と婚約者の家族をシルクスクリーンと木版で表現した作品で「国際大賞」を受賞。以後、浮世絵以来の木版画の伝統をふまえながらも日常を記録するという現代性溢れる〈日記シリーズ〉は、国際的にも高い評価を受けています。野田の恩師や友人たちの作品と共に紹介します。
ローランサン《馬に乗る少女たち》
1922年 当館所蔵
© ADAGP Paris & JASPAR,Tokyo,2012
E0113
野田哲也《日記 1968年8月22日》
1968年 当館所蔵