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当館のコレクションを中心に、熊本の美と歴史を紹介
会期
2014年10月10日(金曜日)~2014年12月23日(火曜日)
作品保護のため、会期中に展示替えを行います
会場
美術館コレクション展示室(本館2階展示室第2-3室)
休館日
毎週月曜日 ただし、月曜日が祝日の場合は開館し、翌日休館
観覧料
【本館2階展示室】一般270円(190円)、大学生160円(120円)
【別棟との共通券】一般420円(300円)、大学生250円(190円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下無料、障がい者手帳をお持ちの方無料
2014年は、細川家御用絵師・矢野派の第四代矢野雪叟の生誕300年という節目の年になります。矢野派は、山口の雲谷派から派生し、初代矢野三郎兵衛吉重は、忠興と忠利に仕えて熊本城の障壁画を描くなどの活躍をしました。しかしそれ以降の矢野派は徐々に廃れ、三代茂安の代の正徳2年(1712)、狩野派への流儀替えを命じられ、結局矢野派は茂安一代限りと申し渡されます。そのような状況から、矢野派を復興させたのが雪叟です。茂安の弟子であった山田安良(雪叟)は、雪舟をはじめとして、中国絵画や室町・桃山時代のさまざまな絵画を学びますが、やがて雪舟流を基調とする矢野派の様式を確立させます。次世代の矢野良勝・衛藤良行が、わずか2年半の期間で、15巻にも及ぶ《領内名勝図巻》を制作することができたのは、雪叟が築き上げた流派体制があったからともいえます。この特集展示では、雪叟とその周辺の作品を通して、矢野派が再興され、流派様式が確立される過程を探ります。
矢野雪叟《遊鯉図屏風》(左隻) 江戸時代中期(18世紀)
熊本県立美術館所蔵 ※展示期間:11/11~12/23
矢野雪叟《旭日に猛禽図》 江戸時代中期(18世紀)
熊本県立美術館所蔵 ※展示期間:10/10~11/9
矢野雪叟《山水図屏風》(右隻)江戸時代中期(18世紀)
熊本県立美術館所蔵 ※展示期間:10/10~11/9
2012-13年のニューヨーク近代美術館での展示や2014年のルーブル・ランス美術館の企画展でも作品が展示され、世界から注目されている熊本在住の版画家・彫刻家、浜田知明。96歳の現在も「制作するために生きる」と、元気に作品制作に取り組んでいます。今展では、昨年95歳で完成した《杖をつく男》を初公開いたします。また、それにつながる近作彫刻《幽界を覗く人》、《チャックを閉じた男》、《水》など、九州初公開作品6点を含む浜田の彫刻作品の代表作を展示いたします。また、浜田の旧制中学時代の恩師・富田至誠や先輩の井手宣通、村上賢秀など浜田の周辺の熊本の画家の作品を展示します。
常設展示では、藤田嗣治(レオナール=ツグハル・フジタ)やパスキンなどのエコール・ド・パリの画家たちの名作をはじめ、ルノワールやヴラマンクの珠玉の名画で、画家たちの交流を紹介します。
浜田知明《杖をつく男》
ブロンズ 2013
熊本県立美術館所蔵
浜田知明《幽界を覗く人》
ブロンズ 2010
熊本県立美術館所蔵
ジュール・パスキン《果物籠を持つジュヌヴィエーヴ》
1929年
熊本県立美術館所蔵
1714年に生まれ、今年生誕300年を迎える細川家御用絵師の矢野派4代目・矢野雪叟。先代で狩野派への流儀替えを命じられるほど廃れていた矢野派を再興し、次世代の矢野良勝や衛藤良行が《領内名勝図巻》を制作するまでに興隆させた画業についてお話します。
【日時】10月11日(土曜日)14時00分~15時00分
【場所】本館講堂
【聴講料】無料
【申込】不要
【講師】金子 岳史(当館学芸員)
会期中の毎月第二・第四日曜日の14時から、当館学芸員が展示作品の中から毎回テーマを決めて30分程度解説いたします。開始時間前に二階会場入口までお越しください。なお、ギャラリートークのご参加には観覧料が必要となりますので、ご注意下さい。
10月12日 矢野雪叟の画業 (学芸課学芸員:金子岳史)
10月26日 信長からの手紙 (学芸課主任学芸員:山田貴司)
11月9日 浜田知明の彫刻 (学芸課参事:井上正敏)
11月23日 矢野雪叟の画業 (学芸課学芸員:金子岳史)
12月14日 信長からの手紙 (学芸課主任学芸員:山田貴司)