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会期
2014年10月30日(木曜日)~2015年1月12日(月曜日)
会場
本館1階展示室
休館日
毎週月曜日 月曜日が祝日の場合は開館し、翌日休館
※年末年始休館 12月25日(木曜日)~1月1日(木曜日)
※11月17日(月曜日)は「障がいのある方々の鑑賞デー」として開館
観覧料
【本館1階展示室】一般1,300円(1,000円)、高校生・大学生800円(500円)
※()内は前売・団体20名以上の料金
※中学生無料 障がい者手帳をお持ちの方無料
※高校生が授業・教育の一環として教師引率のもと鑑賞する場合は無料(前日までに要予約)
【本館2階・別棟展示室との共通券】一般1,500円(1,300円)
※()内は団体20名以上の料金
熊本県立美術館 TKUテレビ熊本
在日フランス大使館 アンスティチュ・フランセ日本 ブルガリア大使館
熊本県文化協会 熊本県美術家連盟 熊本日仏協会 熊本県市町村教育委員会連絡協議会
熊本県図画工作・美術教育研究会 熊本県高等学校教育研究会美術・工芸部会
熊本県高等学校文化連盟 熊本県博物館連絡協議会
NHK熊本放送局 エフエム熊本 FM791 熊本ルネッサンス県民運動本部
本展覧会は、1920年代のパリで花咲いた国際的な芸術動向「エコール・ド・パリ」を代表する画家、ジュール・パスキン(Jules Pascin/1885-1930)の生誕130周年を記念し、その絵画世界の全貌に迫る展覧会です。
ジュール・パスキン(Jules Pascin/1885-1930)
1920年代、パリ――爛熟と退廃の香りが漂うこの地では、様々な国から集まった外国人芸術家たちがゆるやかな一団を形成していました。彼らは「エコール・ド・パリ(パリ派)」と呼ばれ、それぞれが自らのアイデンティティーと最新の芸術運動や伝統的なフランス美術を融合させた独自の表現を確立し、当時の美術界を席巻していきます。こうしたなかで、パスキンの生涯と画業は、エコール・ド・パリの動向、ひいては大戦間期に栄華を誇ったパリの黄金時代とその終焉を象徴するものでした。
1885年に東欧ブルガリアに生まれたパスキンは、ウィーンで美術教育を受け、芸術家としての基礎的な素養を身に着けました。1903年にはミュンヘンに移り、ドイツの風刺雑誌への作品提供を通じて、風刺素描家として徐々に頭角を現し始めます。人間のありのままの姿を鋭い描線で捉えたパスキンの素描は卓越した描写力だけでなく、人間存在に対する彼の徹底的な眼差しを示すものでした。20歳でパリに出てからは、当時の芸術の一大拠点であったモンマルトルやモンパルナスに身を寄せ、フォーヴィスムの洗練を受けながら自らの表現を模索する日々を送ります。第一次世界大戦の際には渡米し、ニューヨークの前衛芸術家から熱烈な歓待を受けています。また、キューバをはじめとする南部の地域を放浪する旅にも出かけ、その表現を追求し続けました。
戦争が終結し、再びパリに戻ったパスキンは、彼の代名詞ともいえる震えるような描線と淡く儚い色彩の画風を確立し、その光り輝く画面は「真珠の光沢」と評されるようになります。しかし、画業の円熟期を迎えた1930年、パスキンは心身の疲弊の果てにパリのアトリエで自ら命を絶ち、45歳の生涯を閉じています。
愛と彷徨、そして波乱に満ちたパスキンの人生は、異邦人によって構成されるエコール・ド・パリを代表するボヘミアン芸術家の典型と言えるでしょう。しかし一方で、その作品は華やかなパリ黄金時代の光と影のみならず、彼が遍歴を重ねた様々な場所とその時代の一側面を映し出すものでもあります。また、パスキンは同じくエコール・ド・パリで活躍した日本人画家、藤田嗣治とは親友の間柄であり、アメリカで活躍した国吉康雄には決定的な影響を与えるなど、日本の芸術家と深い関わりを持つことでも知られています。
本展は、パスキン生誕130周年という記念すべき節目に、パリ市立近代美術館やポンピドゥー・センター(パリ国立近代美術館)などフランスの美術館をはじめとする約90点の作品群からパスキンの絵画世界の全容を紹介するものです。憂愁と官能に満ちた作品を通じて、波乱の人生を駆け抜け、人間という存在を見つめ続けた芸術家の眼差しを感じて頂ければ幸いです。
【日時】12月21日(日曜日)15時00分~16時00分
【場所】本館吹き抜けホール
【出演】井上有(Vocal,Violin)with 野本秀一(Piano)
※20名以上のグループ・団体への鑑賞プログラム(約20分の解説/要予約)
【実施期間】展覧会会期中(2014年10月30日[木]~2015年1月12日[月・祝]/休館日を除く)
【講師】村上 哲(当館学芸課長)、鈴木 暁子(当館学芸員)
【日時】11月15日(土曜日)14時00分~15時00分
【場所】本館講堂
【聴講料】無料
【申込】不要
【講師】村上 哲(当館学芸課長)
【時間】11月30日(日曜日)10時30分~12時00分
【場所】本館講堂
【参加費】無料
【申込】不要