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保育所における衛生管理状況調査報告書
平成15年度に、本県において、腸管出血性大腸菌感染症による保育所内集団発生が複数ありました。また、全国的にも高齢者介護施設等での感染性胃腸炎の集団発生が問題となるなど、施設内での感染性疾患の集団発生の機会が繰り返されています。
このような状況を踏まえ、今回、熊本県実地疫学調査チーム(※)では、県内の保育所を中心に感染症に関する衛生管理がどのように行われているのか、間違った 考え方で行われていないのか、不十分な点や過剰な点がないかなど、今後の感染症集団発生予防に関する衛生管理の一助となるよう調査を行い、その結果をまと めました。
また、今回の調査を開始するに当たって、当初は、衛生管理マニュアルのようなものを示す予定で取り組んでおりましたが、調査を進めていくうちに、健康に関す る危険を把握する視点が不十分であることや、なぜこの対応が必要か十分な理解がされずに行われていることなどが見受けられました。また、規模、状況も施設 で異なっているため、各々の保育所において衛生管理について自ら考え、その施設にあったマニュアルを作成して欲しいという願いから、そのための参考となる「保育所における衛生管理マニュアル作成の手引」を作成することとしました。
なお、この報告書の内容は、保育所はもとより、集団生活を営む他の施設においても活用可能な内容となっておりますので、この報告書が施設での衛生管理などの参考として使用され、感染症の集団発生などが少しでも減少することとなれば幸いです。
熊本県実地疫学調査チーム一同
※参考:熊本県実地疫学調査チームとは?
原因不明あるいは複雑な健康危機発生時において早急に原因を究明し被害の拡大を防止するとともに、健康危機の原因究明に関する知見の集積を図る目的で平成15年6月に設置しております。