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【令和元年度】「阿蘇カルデラ」の世界文化遺産国内暫定一覧表への提案について
令和2年3月26日、熊本県と阿蘇郡市7市町村(阿蘇市、南小国町、小国町、産山村、高森町、南阿蘇村、西原村)は、「阿蘇カルデラ-巨大なカルデラ火山を極限まで利用した文化的景観-」を、世界文化遺産国内暫定一覧表へ追加すべき候補として、文化庁に対して共同提案しました。平成19年9月27日に提案書を提案して以来、約12年ぶりの提出となります。
平成20年9月26日に発表された選定結果では、「提案書の基本的主題を基に準備を進めるべきもの(カテゴリー(1)a)」と位置づけられ、構成資産の保護の充実などの課題が示されました。
その後、熊本県と阿蘇郡市7市町村では、文化庁から示された課題に対応するため、文化財保護法に基づく重要文化的景観の選定や、阿蘇郡市7市町村での景観条例の制定などを進めてきました。今回提出した提案書は、平成30年度から2年間にわたる世界遺産としての価値や保護措置等に関する学術検討の成果を取りまとめたものです。
「阿蘇カルデラ」は、約27万年前からの活発な火山活動の結果により形成され、広大なカルデラの内外で今なお6万人の人々の暮らしが営まれているという類まれな地域です。世界最大級かつ形状の明瞭なカルデラ火山を基盤とし、稲作と牧畜と深く結びついた「草地ー森林ー集落ー田畑」という土地利用を極限にまで推し進めたことにより、進化を遂げた独特で壮大な文化的景観が広がっています。
ここには、人々の暮らし・営みと火山との関係を示す信仰・祭事・慣習なども継承されており、過酷な自然環境に向き合い共生してきた人々の、たくましさと知恵の記憶を現在にとどめる、かけがえのない遺産ということができます。
提案書の内容は以下のとおりです。
世界遺産暫定一覧表追加資産に係る提案書「阿蘇カルデラ-巨大なカルデラ火山を極限まで利用した文化的景観-」
参考情報
平成19年9月27日に提出した提案書「阿蘇-火山との共生とその文化的景観」
H19.9.27文化庁提案書(PDFファイル:2.41MB)
世界遺産の国内暫定一覧表に追加記載すべき資産選定の結果を発表(文化庁:平成20年9月26日)
文化庁へ提案書を提出した際の様子(令和2年3月26日)
右から 提案書の内容を説明する様子
佐藤義興 阿蘇市長(阿蘇郡市世界文化遺産登録事業推進協議会会長)
中岡司 文化庁次長
草村大成 高森町長(阿蘇市町村会会長)