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平成24年11月21日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006791 更新日:2012年11月21日更新

知事定例記者会見

日時:平成24年11月21日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室

会見録

知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。

発表項目

質疑応答

(幹事社)
 おはようございます。今月、来月の幹事社のTKUと西日本新聞です。まずは発表項目からお願いします。

蒲島知事
 今日は2つの発表項目があります。1つは、アジアでのマーケット開拓について、2番目は、くまモン全国CMの完成について、であります。

説明用スライド(PDFファイル:128KB)

発表項目

アジアでのマーケット開拓について

報道資料:~アジアでのマーケット開拓に向け香港で「くまもと農産物販売コーナー」の開設と、低コストな船便輸送に取り組みます~(PDFファイル:92KB)

 アジアのマーケット開拓について、今懸命に行っておりますけれども、アジア向け農林水産物等の販路拡大を図るために、物流・販売の実証を行います。

コメントする蒲島知事の写真

 今回、第一弾として、香港での計画がまとまりました。

 まず、販売実証では、11月28日から2月中旬までの約3ヶ月間、現地の百貨店であります「YATA(やた)」に「くまもと農産物販売コーナー」を開設します。(説明用スライドを示して)販売コーナーのイメージは大体こんな感じであります。

 販売期間中は、約30事業者の60品目を販売する予定であります。そのうち25事業者は自ら売り場に立ち、自社製品の海外販路拡大にチャレンジします。1月27日には、私も店頭に立ち、トップセールスを行う予定であります。

 次に、物流実証では、現地での価格競争力を高めるために、現在の航空便から船便利用による輸送コスト低減に取り組んでいきます。

 この実証を機に、アジアにおける本県産品の販路拡大と新たに輸出に取り組む事業者の拡大を期待しています。

発表項目

くまモン全国CM(カゴメ)完成について

 2番目が、くまモン全国CMの完成についてであります。(控えていたくまモンに)くまモンこっちに来てください。

 今回、くまモンが出演しましたカゴメさんの「野菜生活100デコポンミックス」全国テレビCMが完成しましたのでご紹介します。

 くまモンが全国で放送されるCMに出演するのは初めてであります。今回、くまモンの出演を決めたのは、カゴメさんのブランド力をお借りして、熊本が誇るデコポンを全国にPRできると考えたからであります。

 では、今からそのCMをご覧いただきたいと思います。

 (CMをテレビで上映)※こちらからCM動画をご覧いただけます。カゴメさんのHPにリンクしています。<外部リンク>

 これは30秒版です。この他に3分版もありますが、ちょっと長いので、2つだけお見せしました。

 このCMには、皆さんも見られたようにボランティアの方が400人近く集まってきてもらいました。また、ナレーションは本県出身の放送作家小山薫堂さんが行っています。とても楽しいCMになっていると思います。

 CMの全国放送によって、熊本県及び熊本県産デコポンの認知度が更に向上することを期待しています。

知事とくまモンの写真

 くまモンありがとう。以上が、私の方の発表項目です。

質疑応答

アジアでのマーケット開拓について

(幹事社)
 ありがとうございました。では、発表項目について、幹事社の方から何点か。

 まず、香港での農産物の販売コーナーの創設なんですけれども、この販売実験と物流実証を通して、具体的にどんな将来像というか、何か具体的にイメージしていらっしゃっているものっていうのはありますでしょうか。

蒲島知事
 例えばですね、販売コーナーを約3ヶ月間(設けます)。「YATA百貨店」というのはとても有名な百貨店で、特に日系関係の人がたくさん訪れる所です。それから高級店としても知られています。

 そこで同じコーナーで3ヶ月間、事業者も含めて、私も行きますけれども、そういう目立つ所で目立つ販売をすることによって、熊本産の農産物、あるいは製品が売れるのではないかというのが1つ。

 もう一つが、物流実証の方ですね、これはさっきも多分出てきたと思いますけれども、ちょっとすみません出してください。(説明用スライドを示して)輸送ルートの比較(です)。今、(県の農産物の輸出は)博多港から行っていますけれども、博多港と八代港とを比較することができる。あるいは熊本港も将来的には比較することができる。これが1つの実証です。

 もう一つは、物流コストがどのくらい安くなるか。航空便と船便で、どのくらい違うかというと、今のところ、キログラム当たり航空便だと600円、しかし船便だと50円ですから、相当な価格競争力がつきますよね。ただ、そうすると物がどのくらい傷むか、あるいは時間がどのくらいかかるか、そういうことに関わってきますので、品質管理、それから包装の容器等の実証研究もできるということで、船で運んで、それで最善の状況で運ぶためにはどうすればいいかということがこれによって分かる。

 それから航空便との違いもよく分かる。それから博多(港)から出した場合と、八代・熊本から出した場合とどう違うか。それも分かるというので、将来的なアジアのマーケット開拓に向けた取組みの1つとして理解して欲しいと思っています。

質疑応答

くまモン全国CM(カゴメ)完成について

(幹事社)
 それから、2番目のカゴメのCMの件なんですけれども、実際にこのでき上がったCMを、発表前にもう知事はご覧になったかと思うんですけれども、まず知事ができ上がりを見て、どんな印象をお持ちでしょうか。

蒲島知事
 とてもよくできているのではないですかね。さすが小山薫堂さんが関わっていらっしゃるだけあって、愛情がとても籠もっているし、デコポンとくまモンと熊本の良さがよく出ていると思っています。

テレビモニターに映されたくまモン全国CM

 これは、ただ熊本の観光のCMなどを流すよりもインパクトが大きいのではないかなと思っています。これは全国(で放送されるCM)ですからね。

 それに、普通15秒ぐらいのスポットが多いと思いますけれども、これは30秒なので、ある程度記憶に残るのではないかと思っています。

 それから、3分版はウェブで見られるということです。(担当課に)もう流しているんですか。いつからですか。

(くまもとブランド推進課)
 27日からです。11月27日。

蒲島知事
 もう流しているね。

(くまもとブランド推進課)
 いや、来週からです。

蒲島知事
 来週からですね。

(幹事社)
 発表項目について、各社から。

質疑応答

ジアでのマーケット開拓について・2

Q
 船便の輸送なんですけれども、ちょっとピンとこないのが、博多と八代と比較調査して、どっちがいいかみたいなことを調べるということだと思うんですけれども、最初から八代という選択肢は…。

蒲島知事
 当然、八代を使いたいことは山々ですけれども、便数が少ないですよね。その時の傷み具合とか、あるいは時間のかかり具合、それと博多港は便数が多いので、そういうことも考えながら(行っていきます)。これは実証実験ですから、どっちを使うということではなくて、一番最適な状況はどういうものかというものも明らかにできる。そして、それに沿って、八代港の方で便数が増えたり、そういうことも十分可能です。

Q
 いや、これ〔※報道資料〕を見る限りでは週1回程度のペースなので、もちろんいつ出すか分からないという意味では、何曜日か知りませんけれども、火曜と木曜とか、週2便と決まっている八代港は使いにくいかもしれないということなのかもしれないですけど。

蒲島知事
 今は、実証実験なので、なるべく、博多から出すのと同じような条件で八代から出せるような、そういう可能性が追求できないかということだと私は思いますけれども。(担当課に)当然、八代から出すつもりだよね。

(流通企画課)
 流通企画課でございます。今ございましたように、八代の便、現在のところ、韓国の釜山を経由して行くことになりますので、若干日にちの問題が出てくるかと思っております。また、物を混載するという意味から、それを集める倉庫など条件が出てくるかと思いますので、それを含めて実証、どのような形でできるかということを考えているところでございます。以上でございます。

蒲島知事
 実は、この前の九州知事会で、農産物をすべての県から集めて混載できないかと(いう話が出ました)。そうすると、常に満杯の状況で持って行けると(いうことです)。そのような具体的な提案も出ていますので、そういうことも含めると、1ヶ所に特定するということではなくて、どこが一番いいかということをやはり研究しなくてはいけないかなと思っています。

Q
 博多からは直行ですか。

(流通企画課)
 はい。

質疑応答

今回の総選挙の注目点について

(幹事社)
 発表項目についてはよろしいでしょうか。

 では、発表項目以外で幹事社から1点だけ。先週の金曜日、衆議院が解散されまして、県関係の国会議員の方も、前議員の皆さんも帰って来られたり、早速、先週末には各党の党首が熊本で遊説され、事実上の選挙戦が始まっています。

 今回の選挙は、すごく、いろんな政党が乱立模様ということで、それから争点に関してもいろんな項目があるということで、非常に有権者にとっても難しい選択なのかなという感じがしているんですけれども、知事はこの選挙戦、まずどういったところに注目をされているんでしょうか。

蒲島知事
 私は、二大政党制が確立するというか、政権交代が行われて、またその次の政党が政権を担うという時の過渡期の一種の混乱状況の中にあって、多くの政党が発生したのかなと思っています。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 だから、それがどのようなかたちで離合集散していくか分かりませんけれども、私としては小選挙区のこの制度の下では、二大政党制の方に行くのが普通の流れではないかと(考えています)。ただ、小選挙区だけではなくて比例代表がありますので、比例代表の方で、やはり小さな政党が乱立するということにもなると思います。

 しかし、この選挙はですね、これからの日本の進路を決める重要な選挙でありますので、特に今は東日本大震災をどう復興していくか、それを日本の発展にどう繋げていくか、経済活性化を含めてとても大事な時期でありますし、それから外交・防衛問題も、今、少し摩擦状況にあります。これをどう収めるかというのはとても大事だと思っています。それから原発事故を経たエネルギー政策、あるいはTPPなどもこれから大きな問題になっていくと思いますので、これについての政党間の様々な議論、それを見て有権者が判断していくのではないかと思っています。

 そういう意味では重要な選挙であると(考えています)。そして今までとちょっと違うのは、二大政党制を選ぶというよりも、むしろ第三極がどういうふうに評価されるかということも今回の選挙でとても注目点かなと思っています。

質疑応答

TPPについて

(幹事社)
 今、知事からお話がありましたTPPについてなんですけれども、今回、選挙の争点の1つとなることで、TPPについて考える有権者の方というのも多いかと思うんですけれども、知事はこの会見の場でも何度も、TPPについては考えを述べていらっしゃいますけれども、改めてですけれども、この時点で知事のTPPについてのお考えを…。

蒲島知事
 私の考え方はもう既に同じように言っていますので、繰り返すのもあれですけれど。

 日本は貿易立国でありますので、自由貿易体制というのはとても大事だと思っています。これは日本全体について考えた時、そうです。

 ただ、私は本県の知事です。熊本県は農業大県であります。2つの条件が満たされない前に、TPPに参加するのは時期尚早ではないかと思っています。

 1つの条件は、我が国の農林水産業の将来ビジョン、これを早急に具体的に示すことによって国民の不安を取り除くこと。それから、TPPへの(参加の)判断をする場合に、国民に対する情報提供を尽くして欲しい。そして、慎重に議論を重ねて国民合意を図ることがとても大事だと思っています。

 そういう意味では、この2つが私としてはまだ示されていないと考えておりますので、現段階においては反対と言わざるを得ないということであります。

 ただ、必ずや両立できるようなそういう方策を、各政治家、政党の方々が考えるべきだと(思います)。自由貿易体制の維持と貿易立国、それから農業のビジョン、そういうところに何か(考えられるのではないか)。必ずしも私は対立点にあるとは思っていませんので、そこをこれから政治の英知で考えて欲しいと思っています。

質疑応答

消費税の地方税化について

Q
 知事、日本維新の会という政党が、消費税の扱いについて、消費税を11%にして、それをそのまま地方税にすると、そして地方の方で、いわゆる今の交付税制度である調整機能を総務省じゃなく地方が持って、自分達でそれをやるというような、今、主張をされておりますが、それについては知事として…。

蒲島知事
 これは、我々知事会としても、消費税の地方税化というのはずっと主張してきたことでありますので、その流れの中で出てきたんだというふうに思います。地方から見た理想論ですよね。

 国の方から見た理想論はまた違うところにあると思いますので、そういう両方がウィン−ウィンの関係、そういう関係…。

Q
 それは誰と誰がウィン−ウィンですか。

蒲島知事
 結局、地方が全部握るというのが、消費税を全部地方税化することですよね。それから国の方から見れば、国の方ですべて握る方が、国の方ではウィンだけど、そうすると、片一方とここで〔※国と地方との〕、ゼロサムのゲームになってしまいますから…、私はベストミックスがあるような気がするんです。

 だから、そのベストミックスの時に、我々の主張としては、とにかく消費税を地方税化しようと、ただそういうのがそのまま通るとは私は思ってないんです。現実の政治ではね。だからそこの調整の中でベストミックスが出てくるのかなと(思っています)。理想と現実の絶妙なバランスというのがこれから大事になっていきますので、それを求めて政党が議論することは、とても大事だと思っています。

Q
 ということは、理想としては、11%は11%でもいい。まるまる地方税にしたいというのが理想なんですか。

蒲島知事
 これはすべての知事会のメンバーも多分理想だと思っていますし、そういうことができればいいなと思っていますけれども、多分現実的にはできないのではないかと(思います。)そのベストミックスがね、その間にあるんだと思うんですよ。

Q
 となると、知事としては日本維新の会のあの主張には賛成しているということでよろしいんですかね。

蒲島知事
 主張には賛成…、それは理想論であると(いうことなんです)。だからそれができるかどうか。またこれは現実の政治の問題だと私は思っていますけど。

 マニフェストで主張したからと言って、それがそのまま政治の世界で実現するかどうかということは、あまりにも楽観的すぎると私は思っています。だからそのベストミックスがあるんではないかと。できればたくさん地方税化して欲しいですよね。当然のことです。

Q
 現実というか、今お聞きしているのは、日本維新の会のあの主張、あの訴え、政策というのは。

蒲島知事
 知事としては勿論そうですけれども、現実にそれができるかどうか。

Q
 それはまた別問題。

蒲島知事
 だから私は「できないことは言わない。言ったことは守る。」という、その立場で今ずっとやっています。

質疑応答

今回の総選挙における知事のスタンスについて

Q
 いよいよもう衆院選は事実上始まっているんですけれども、改めて知事として各候補者からいろんな要請なり、何なりあるかと思いますけれども。知事としての、この衆院選に対するスタンスというか、どういう考えで…。例えば、呼ばれたらどこにでも行くとか、いやもう一切行かないとか、その辺どうお考えなんですか。

蒲島知事
 まだ要請も何もあっておりませんし、それからその段階で考えるべきものだと思いますけれども、私のこれまでのスタンスは、この前の選挙でも、政党は共産党さん以外、全て私を応援してくださった立場であり、等距離というのをこれまでの立場としてきましたので、それを基本としていきたいと思っています。

質疑応答

民主党政権が県政に与えた影響について

Q
 解散を機に、この民主党政権の3年間を振り返ってみていただいて、県政に与えた影響、良かった面、悪かった面いろいろあるかと思いますが。

蒲島知事
 日本にとって良かった面、悪かった面、熊本にとって良かった面、悪かった面あると思いますけれども、具体的にはちょっと述べないでおいて、私の率直な感想(を申し上げます)。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 これは別に民主党だけじゃなくて、長い間政権を取れなかった政党が、政権を取った時に陥るいくつかの問題点があるんですよね。

 1つは、過大な約束をする。過大な約束をすることによって、それが実現できないと、有権者の失望につながっていく。私はこれを「期待と失望の政治学」と言っているんですけれども、そのようなことに陥りやすい傾向がある。これは別に日本だけではなくて、民主党だけではなくて、世界的な傾向です。多分、それに陥ったと私は思っています。

 それから2番目に、前の政権と違った手法を取ろうとする。民主党の場合は政治主導と言って、官僚を遠ざけましたよね。

 でもこれは、もう1つの問題点。新しく政権を取った政党は経験不足なんですよね。だからその経験不足を補うために、私は官僚と連携を取りながらやらなくてはいけなかったと思っています。そこで3つ目の間違いが、経験不足を自ら補うことはできなかったこと。そのような印象を持っています。

 ただこれは、比較政治学的にそういうことが言えるわけですから、どの政党でも陥りやすい問題点なんです。

 それで今の混乱は、そういう政権(交代)可能な政治への移行期の1つの混乱期かなという形で、私は客観的には見ています。

Q
 県政への影響は言いにくいですか。県政への影響、これは良かった、これは今の時点、今混乱ともおっしゃいましたけど、どういった部分なのか。

蒲島知事
 私は、全ての状況の下で、熊本県の県政に貢献できるようなベストな体制を常に取りたいと思っておりますので、民主党政権があったからといって、熊本県が不利になったような、そのような県政をできるだけとらないように心掛けたつもりであります。

 だから私は、民主党政権があって蒲島県政が何か混乱に陥ったとかですね、そういうことはないように心掛けてきましたし、そうであったと私は思っています。

質疑応答

現在の混乱期にある政治の収束について

Q
 知事いいですか。今のお話の中で、今過渡期の混乱ということですけれども、どういったかたちでこの混乱というのが収束していくというふうに、今後考えていますか。

蒲島知事
 次に政権を取った人がどう行動するかですよね。賢く行動することがとても大事だと思います。

 それは、私が合意争点と呼んでいますけれども、一旦、分裂争点を優先させるのではなくて、全ての国民が合意できるような争点を優先させる(ことです)。これは今のところどういうものであるかというと、東日本大震災の復興を日本の発展に繋げるというのは、すごく(国民の)皆さんがそうだと思う政策ですよね。

 私が県政に掲げているものはほとんどがそうですけれども、経済の活性化、それから安心安全、そういう合意争点(であると思います)。あるいは夢のある日本、あるいは誇りのある日本を作る。そういうものが、これはみんな合意争点だと思うんですね。それに対するキチッとした政策体系を作っていく。

 そして、まず大事なことは、最初の第一歩なんですね。最初に何か具体的な成果を出すことによって政治的信頼が出てくるような気がするんです。そうすると、それをまた積み上げて次の具体的な成果に持って行く。そういう意味で、政治は最初が大事だと私は思っています。

 それから、一番の問題は政治的信頼が崩れていること。政党に対する信頼も崩れていること。それから政治家そのものに対する信頼が崩れていますので、これを再建するということかな。

Q
 直球ではないんですが、前にも知事にちょっとお話したかと思いますが。この合意争点という言葉は何か言い換えれられますかね。

蒲島知事
 元々ですね、一価争点というんです。英語訳でしてあったんですけれども、分かりにくいので、これを実際に提唱したアメリカのドナルド・ストークスという有名な先生に個人的に会って、「一価争点では分かりにくい。Valence issue〔※ベイレンス・イシュー〕というのは分かりにくいから、何か他のいい言葉はないか。」と聞いたら、「ではConsensus issue〔※コンセンサス・イシュー〕だ。」と、コンセンサス・イシューは、皆がコンセンサス〔※合意〕するイシュー〔※争点〕だから。

Q
 合意しているなら、そもそも争点じゃなかろうって思っちゃうんですよ。

蒲島知事
 いや、違うんですよ。合意争点は、どっちがいいというのではないんですよ。政党を選ぶ時に、どちらがそれをちゃんとやり遂げるかというのが政党間の違いなんです。普通だったら「争点」というのは、違う考え方ですよね。違う考え方で、その違う考え方を持った政党がそれぞれいて、自分のあった方の政党を選ぶ、これは分裂争点なんです。でも合意争点というのは、もう皆がこれをやって欲しいというのがあるんです。

 これはもう、今の経済の活性化なんか多分そうだと思うし、国際関係の改善なんかもそうだろうけど、そういうものが合意争点であって、これをどうやってそれを達成するかというところで政党の差があるんです。だからそういうのが、違いだと思います。

Q
 それは、誰もが合意できるような争点というふうに…。

蒲島知事
 皆さんが、全国、国民全体が思っているような…、あるはずですよね、こういう国になって欲しいとか、経済の活性化を今、東日本の大震災の復興をチャンスにやって欲しいとかですね。それをやり遂げると、日本が世界から尊敬される国になるとか、あるいはもう日本が最もお年寄りが安心安全で、そしてお子さんが夢を持てる。そういうのも合意争点なんですよ。だから、それを誰がやるか、どっちがやるかというところで競い合わなければいけない。そこで多分政策体系が出てくるんだと思います。

 だから、そのような合意争点をベースとする選挙になって、それができなかったら次の選挙でパニッシュされる〔※罰せられる。ここでは、政権を失うという意味で使っています。〕と、そういうのが政権交代可能な政治だと私は思っています。

Q
 今回で言うと、例えば経済活性化とかっていうことになるんですか。

蒲島知事
 これは多分皆が望むことでしょうね。特に今、閉塞感が漂っていますから、ちょっと将来に日本の将来にも夢がない。お父さん達よりも、子ども世代が今どっちかといえば経済的に苦しいとかですね、それはちょっとおかしい社会ですよね。

 それをどうにかして欲しいというのが国民の願いだし、それに対して、こういうことをやりますと、きちっと政策体系を政党として出して、それに基づいて選ぶということになると思うんです。

質疑応答

安倍自民党総裁の金融緩和案について

Q
 安倍総裁が言っている金融緩和はいかがでしょうか。

蒲島知事
 個別についてはちょっとすみません。個別に私が評価することはやめますけれども、ただ、(y=f(x)という関数で説明すると)多分yは経済の活性化(という国民の多くが求める成果)で、今、(そのyを導く政策としての)xが(各政党から)いくつも出ているわけですよね、要因(としての政策)がね。それがダイレクトに結びついているかどうかという検証も、やはりやらなくてはいけないと思っています。

Q
 一般論としての金融緩和についてのお考えはいかがでしょうか。

蒲島知事
 金融緩和というよりも、私が今問題だなと思うのは円高ではないか(と思います)。

 だから、円高対策はどのように行うかと。特に、熊本の半導体産業とか、あるいは自動車産業を見ていると、やっぱり円高対策が一番即効性というのかな。ただ、人為的に円高対策をやってもまた元に戻るという、そういうものがあるので、構造的な円高対策ということも考えなくてはいけないような気がしています。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

質疑応答

買収未済用地に砂防ダムを建設したことについて

Q
 知事、先日、職員の懲戒処分に絡んで、いわゆる砂防ダム建設工事に絡んで、まだ県が所有権というか、地権者から正式に買ってない土地の上に砂防ダムを造っちゃったという問題があったと思いますけれども。

蒲島知事
 私もその話を聞いて、大変驚いたんですけれども、そういうことがないようにですね、県庁文化を変えていかなければいけないと改めて思った次第です。

Q
 どういうふうに県庁文化を変えるんですか。

蒲島知事
 そういう情報、多分どこかでチェックすれば分かったんではないかと思ってるんですよね。ただ、皆の信頼の下でこの仕事は成り立っていますので…。

 時々、マスコミの人もない情報を書いてしまったりして、チェックされないで載ることがありますけれども、それは、やはり信頼関係の中で載っているからね。すみません。それはあんまり関係なかったかもしれませんけど。(笑)

Q
 こっちを見て言わないでください。(笑)

蒲島知事
 それではいいですか。

(幹事社)
 よろしいですか、ではありがとうございました。

蒲島知事
 どうも。皆さん選挙で忙しいと思いますけど、体に気をつけて。

(以上)

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