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平成25年 1月15日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:平成25年1月15日(火曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
- 台湾・香港での知事トップセールスの実施について
- 「くまもとフェア(Kumamoto in the House)」と「くまもとの宝試食会」の開催について
- “アジアとつながる”をテーマとした「くまもと未来会議」の開催について
質疑応答
- 台湾・香港での知事トップセールスの実施について
- “アジアとつながる”をテーマとした「くまもと未来会議」の開催について
- 安倍首相の外交面について
- 教育再生実行会議について
- 熊本広域大水害からの復旧・復興の状況について
- 仮設住宅の今後の活用について
- 台湾・香港での知事トップセールスの実施について・2
- 白川の河川改修について
- 水銀条約を踏まえた取組みについて
- 仮設住宅の今後の活用について・2
(幹事社)
おはようございます。今日は、知事の方から発表項目があるということですので、よろしくお願いいたします。
発表項目
台湾・香港での知事トップセールスの実施について
報道資料:台湾・香港での知事トップセールスについて(PDFファイル:67KB)
蒲島知事
はい。3つあります。まず第1に、台湾・香港での知事トップセールスの実施についてであります。
台湾及び香港において、1月24日から29日にかけて、私自らトップセールスを行います。トップセールスの目的は3つあります。
1つは、農林水産物をはじめとする県産品の認知度向上と販路拡大です。
台湾・香港の流通関係者への表敬や現地百貨店において「熊本フェア」を行います。
台湾では、現地の流通関係者等を招いたレセプションを開催し、県産食材を使用した料理の提供などを行います。
香港では、昨年11月に開設した「くまもと農産物常設コーナー」において、より多くの方々に利用していただけるよう関係者へしっかりとセールスを行います。
なお、期間中、宮崎・鹿児島両県と共同で、各県企業と台湾バイヤーとの「南九州3県合同商談会」も併せて開催します。
2番目は、台湾との新規航空路線開設に向けた航空会社へのセールスです。台湾訪問に当たっては、企業や県民の皆さんとともに阿蘇くまもと空港からチャーター便を利用します。
3番目は、台湾の現地旅行関係者等へ、くまモンとともに観光プロモーションを行ってきます。
また、滞在期間中には、台湾の馬(マ)総統を表敬訪問するとともに、昨年11月、熊本をご訪問いただいた高雄市の陳(チュ)市長にも、くまモンとともに会いに行きたいと思っています。そして更なる交流を深めたいと考えています。
これが、台湾・香港でのトップセールスの実施についてであります。
発表項目
「くまもとフェア(Kumamoto in the House)」と「くまもとの宝試食会」の開催について
報道資料:「くまもとフェア(Kumamoto in the House)」・「くまもとの宝試食会」の開催(PDFファイル:489KB)
2番目は、「くまもとフェア」と「くまもとの宝試食会」の開催についてであります。
熊本の魅力を全国に発信し、熊本への興味や関心を高めるため、情報に敏感で発信力のあるオフィスワーカーが集まる東京・丸の内で“食”を通じたPRを展開します。
具体的には、JR東京駅前の新丸ビル7階のレストランフロア「丸の内ハウス」で、「くまもとフェア(Kumamoto in the House)」と「くまもとの宝試食会」を開催します。
「くまもとフェア」は、1月29日から2月9日までであります。「丸の内ハウス」内の全てのレストラン9店舗で、あか牛や天草大王等の食材を使ったオリジナルメニューを提供します。
期間中はフロア全体に熊本の食をイメージさせるディスプレイを行うとともに、球磨焼酎のミニセミナーなどの開催も行います。熊本の食の美味しさを通じて、熊本の魅力を発信して参ります。
また、フェア初日に同じ会場で「くまもとの宝試食会」を実施します。今回が5回目の開催です。
今回も流通業界や外食産業の方々をお招きし、本県の豊富な食材を使用したオリジナルメニューや郷土料理、お飲物を味わってもらいながら、生産者とともに県産品のPRや産地側との橋渡しを行って参ります。
1月29日には、私も出席して、精一杯トップセールスを行って参ります。
発表項目
“アジアとつながる”をテーマとした「くまもと未来会議」の開催について
報道資料:“アジアとつながる”をテーマとした「くまもと未来会議」を開催します!(PDFファイル:63KB)
“アジアとつながる”をテーマとした「くまもと未来会議」についてお知らせします。
「くまもと未来会議」については、今年度からテーマ毎に議論していただく方式で運営しており、これまで“州都”をテーマとした会議を3回開催してきました。
今回、“州都”に続く第二弾として「新4カ年戦略」の4つの柱の1つである“アジアとつながる”をテーマに会議を開催します。
この会議には、配付した資料のとおり、中国・台湾事情に詳しい東京外国語大学(大学院)教授の井尻秀憲(いじり ひでのり)氏をはじめ、ホンダソルテックの前社長で、アジア企業とも深いネットワークを持たれている熊本県産業政策顧問の数佐明男(かずさ あきお)氏、日本国際政治学会前理事長で東京大学(大学院総合文化研究科)教授の古城佳子(こじょう よしこ)氏など、アクション・アジアに向けた方策を語るにふさわしいメンバーの方々にご就任をお願いしました。
成長するアジアの市場に打って出る、またアジアからの活力を呼び込むための方策等について幅広いご意見をいただき、今後の取組みにつなげていきたいと思っています。
2月9日土曜日午後2時半から、熊本全日空ホテルニュースカイで開催します。県民の皆様にも是非ご参加いただきたいと思います。
以上3点が、今日の私の方からのコメントであります。
質疑応答
台湾・香港での知事トップセールスの実施について
(幹事社)
ありがとうございます。それではまず、幹事社の方から発表項目について1つ質問させていただきたいんですけれども。
蒲島知事
はい。
(幹事社)
最初の台湾・香港での知事トップセールスの件なんですが、知事としてはこれまで、4カ年戦略に基づいて「アジアとつながる」ということで、これまでも上海、それから広西の方で事務所を開設したりと、してこられたんですが、この場合の台湾と香港の戦略上の位置付けというのはどういうふうにお考えでしょうか。
蒲島知事
はい。わかりました。新4カ年戦略の4つの柱のうちの2つ、それは「活力を創る」ことと、それからもう1つは「アジアとつながる」こと。その両方に今回のトップセールスは関わっているのではないかと思っています。
熊本の活力、特に経済的な活力あるいは農業における活力、それを高めるために、熊本の県産品の認知度向上と販路拡大(を行う)。また航空路線の開設。活力とともに、アジアとつながるということの両方に関わっているので、とても重点的な政策の1つとして、今回台湾・香港に行きたいと(考えています)。
特に香港は、農産物の輸出の中でも主力となるところであります。台湾の場合は、これからものすごく伸びると考えていますし、それから航空路線のチャーター便が飛んでいますけれども、(新規)航空路線の開設に向けても可能性があるところではないかと思っています。
そういうことで、力を込めて、新4カ年戦略に沿った形でトップセールスを行いたいと思っています。
質疑応答
“アジアとつながる”をテーマとした「くまもと未来会議」の開催について
(幹事社)
それでは発表項目について、まず各社さんで質問があればお願いします。
Q
すみません。アジアとつながることをテーマとした「未来会議」を開催するということですけれども、具体的には、「アジアとつながる」ということですけれども、どんな話題やテーマが考えられるのでしょうか。
蒲島知事
「(くまもと)未来会議」は皆さんも傍聴されたことがあると思いますけれども、様々な方々がその知識を基にですね、自由に議論していただく(会議です)。ただ、新4カ年戦略は皆さんご存知でありますので、共通の目的は「アジアの活力をいかに熊本に呼び込むか」、そういうことを中心として、これからアジアとの関係、それから戦略の立て方、そういうことを自由に討論していただきたいと思っています。
ここにあるように、委員の人達は経済界からもいらっしゃっておりますし、それから学会からもいらっしゃっておりますので、それぞれの観点から自由に議論していただきたいと思っています。
「こういうふうに」と(議論の方向性を)型にはめることは今のところ考えていません。ただ1回目の議論を聞いて、2回目はこういうふうにしようということになるのではないかと思っています。
「州都」については、3回、「(くまもと)未来会議」を開きましたけれども、3回開いたことによって、今年の3月までには構想が出せるのではないかと思っています。
Q
「州都」はもう終わっているわけですかね。
蒲島知事
はい。州都についての「(くまもと)未来会議」はもう3回で終了しました。
Q
“アジアとつながる”をテーマにした会議は何回ぐらい予定しておられますか。
蒲島知事
州都が3回でしたので、3回(程度の開催を考えています)。結局、いろいろな項目を「(くまもと)未来会議」でやるとすると…。そういうふうにテーマを決めてする方が効率的なのかなと(考えています)。そして、テーマ別に委員の人に就任してもらうことも可能ですよね。今回も、ほとんどの方は“州都”の「(くまもと)未来会議」とは重なっていません。(担当課に、)五百旗頭先生と私だけですかね、重なっているのは。
(企画課)
今回、五百旗頭先生は入っておられません。
蒲島知事
入ってない、はい。
Q
よろしいですか、知事。以前、日中関係でお尋ねした時に、領土問題に絡む問題は、地方、県レベルではどうしようもない外圧みたいなものだから、その流れが去ってからまた関係を再構築というか、進めて行くべきだとおっしゃっていましたけれども、今、日中関係・日韓関係など、知事はどういう情勢にあると見られていらっしゃいますか。
蒲島知事
国家間の領土問題について、県としてどう考えるかという時に、私は、知事としてはそれは所与として考えていますので、そういう大きな問題であるにもかかわらず、県レベルあるいは地方公共団体レベルあるいは民間団体レベル、そういうところで密接な関係を多元的に結ぶことが、私は二国間関係あるいは外交では大事だと思っています。
だから、今、領土問題が国家間で非常に深刻だから、熊本県は何もしないというものではなくて、ちゃんと、地方自治体レベルあるいは民間レベルでも交流を深めることが、正しい選択ではないかと思っています。
質疑応答
安倍首相の外交面について
Q
知事、ちょっと関連して伺いたいんですけれども。今の外交問題についてちょっと考えた際に、知事が2006年に御厨貴さんとの週刊朝日でのインタビューで、安倍晋三さんの印象に対して発言があっているんですけれども、「安倍さんは頑なに思い込むところがあるので、安全保障面や外交面では怖いよね」というような発言をされています。
今、安倍さんに対してどういった印象を持っていらっしゃるんでしょうか。
蒲島知事
2006年にそういう発言をしたという…、私の発言ですか。
Q
はい。
蒲島知事
それについては、今ちょっと思い出せませんけれども、そういう発言をその時はしたのかなと思っています。
Q
「安倍首相の危うさをみんな感じているんじゃないですかね」というような発言もあっているんですけれども。
蒲島知事
ちょっとそれ(に関して)はですね、私も実際読んだ後でコメントします。
Q
お願いします。
蒲島知事
ちょっと全体が分からないので、2006年の…、そこ(の発言の部分)だけ切り取られて言われてもあれですから。
Q
今の、その外交面でどういった印象を持っているのかという点について、改めて伺いたいんですが。
蒲島知事
安倍首相の登場、それについて私が言えることは、自公政権によって、また安倍政権の登場によって、景気上昇と、それから経済的な政策、これによって日本全体が活性化するのではないか、活力を持つのではないかという大いなる期待を持っているというのが、今の私の感想であります。
その大いなる期待とそれから、経済上昇の波に熊本も乗りたいというのが、新年の挨拶の私のポイントであります。
今、そういうことで安倍首相に対する期待、印象というのは、経済政策に皆が期待しているというところではないでしょうか。
質疑応答
教育再生実行会議について
(幹事社)
すみません。では、県政一般も含めて質問をお願いいたします。
Q
知事よろしいですか。教育再生(実行)会議のメンバーに内定されまして、多分いじめ問題とか教育委員会改革とか、そういったところを議論される会議だと思うんですが、そこに臨まれるに当たって、どういったことをやりたいのか、その辺を教えてください。
蒲島知事
はい。安倍内閣は経済再生と教育再生、この2つを大きな柱に掲げておられます。その中の1つ、教育再生の議論の場に私を呼んでいただいたことに、大変嬉しく思うとともに責任も感じています。
それから熊本県にとっては、安倍総理と月2回意見交換ができるという、そういうチャンスがありますので、官邸と熊本がつながるという意味では、県政にとっても大きなプラスになるのではないかと思っています。
それから、私自身が委員として何ができるかということでありますけれども、私は普通と違った経歴を持っています。農業研修生としてアメリカに渡って、それから農学部に入って、政治経済学を学んで、大学も筑波大学とそれから東京大学で教えた経験がありますので、そういう大学制度、教育制度、「チャンスをみんなに与える」という、そういうものが大事だと私は考えています。
そのようなことを踏まえながら議論ができると思うし、それから知事として取り組んできたのは、「貧困の連鎖を教育で断ち切る」、「時習館構想の具体化」、それから、それまでの私学文書課を私学振興課に改めるという制度的な改革も行ってきました。
だから、人間の可能性の原動力となる教育の再生に向けて、私ができる、私しかできないような議論をしっかりとやっていきたいと思っています。
Q
メンバーを見るとですね、例えば曽野綾子さんとか、保守系の論客の方とかですね、あと新しい教科書をつくる会の会長だった八木さんとか、安倍さんとか下村さんもですね、保守的なメンバーの人選が目立つんですけど、知事はどっちかというと保守系というよりは革新系なのかと。そう決めつけちゃいけないですけれども、そういった役割とか、その辺はご自分で受け止めていらっしゃいますか。その全体を…。
蒲島知事
どういう方々か、実際の議論を聞いてみないと分かりませんけれども、私自身は私の議論を行うということであって、多分それを求められているのではないかと思っています。
ですから議論がどちらの方に向くかは分かりませんけれども、私自身は教育に関しての私の経験と考え方、これをベースに議論をしていきたいと思っています。
多分、それが私に求められた役割ではないかと思っています。
Q
メンバーに選ばれたので、もう1つお聞きしたいのが、この前、大阪でああいう体罰を受けた高校生が自殺するという不幸な事件がありましたけれども、体罰に対する知事の考え方と、橋下さんあたりはその教育委員会に対して、首長がもうちょっとコミットしていくような条例改正ができないかとおっしゃっていますけれども、その辺はどう考えていらっしゃるのか。
蒲島知事
2つ質問があると思います。1つは体罰についてどう思うか。私は、体罰は絶対反対であります。私自身も、この年になるまで子どもに手を上げたこともありませんし、叱ったこともありません。それから悪口を言ったこともないし、そういう意味では叱ることもありません。本能的に体罰は嫌いなんです。
そして、2番目の教育委員会との関係ですけれども、制度というよりも、内容がどうであるかというのがとても大事だと思うんですね。熊本県では知事と教育委員会の関係は、とてもいい連携が取れている方ではないかと私は思っています。
だから、そこに制度的な問題がある時に初めて、制度を変更すべきだということになると思いますけれども、そのあたりも様々な県の状況、あるいは委員の方々の経験から議論をされるのではないかと思っています。
やはり制度を変える前に、どこまでちゃんと(両者が)連携できているかということはとても大事だと、私はそのように思っています。
質疑応答
熊本広域大水害からの復旧・復興の状況について
Q
知事よろしいですか。九州北部豪雨ですけれども、12日で発生から半年を迎えましたけれども、復旧はまだ道半ばだと思いますが、現在の状況をどういうふうに知事はご覧になられていますか。
蒲島知事
はい。皆さんもご存知のように、この大災害は、私が知事になって初めての大災害で、それに対応するために三原則というものを提示しました。
1つは「被災者の痛みを最少化すること」と、2番目は、型どおりの復旧・復興ではなくて「創造的な復旧・復興」をやろう。3番目は、その「復旧・復興を熊本の将来の発展につなげよう」という、3原則に基づいて、今、復旧・復興が動いています。
だから、1つのジレンマとしては、皆なるべく早く元に戻りたいという時間的な速さですかね、それと創造的な復旧・復興というのは、やや相反するところがあります。
元に戻すだけならもっと早いんですけれども、それが本当に日本にとっていいのかどうかということもありますので、私はその両方、時間的な緊迫性を持ちながら、(できる限りの)速さで、創造的な復旧・復興を行っております。
道半ばというお話ですけれども、最大限の努力を県の職員の方々はしていると私は思います。
その3原則を守りながら、そしてなるべく早く(復旧・復興に取り組む)という、そういう意味では半年経ちました。しかし、今考えてみますと、木造の仮設住宅も阿蘇「みんなの家」も、それから今進んでいます土砂崩れの土砂を使った農地の広域化、それから土砂崩れの土砂を使ったバイパスの建設、それから大胆な龍田(陳内)地区の河川の改修、そういうことを最大限の努力で今やっていると思っています。
だから、半年でここまでできたと思うのか、半年でまだここまでかというのは、皆さんの判断だと思いますけれども、私はそういう3原則という大変難しい条件の中で、職員の方々は最大限の努力をしているし、最大限の力で、今、復旧・復興が進んでいると思っています。
質疑応答
仮設住宅の今後の活用について
蒲島知事
私は、最初から言っていますように、仮設住宅の期限が2年とは私自身の中では決めていません。だから、その後でどのようにそれ(仮設住宅)が使えるか、「終の住家」としても使えるようにすることはできないだろうか(と考えています)。
例えば、仮設住宅を早く出て、自ら家を建てたいという方にはどのような対応ができるかですね。それからそれをずっと使いたいと思う方にはどういう対応ができるか、個々によって事情が違うと思うんですね。そういう意味では、個々の方の事情をよく聞きながら、そしてこのまま使いたいという方には制度的な側面でどういうことが可能か、今一生懸命検討しているところであります。それで、2年間経って、「はい、出てください」ということは、我が熊本県ではやりません。
このまま住み続けたいと思われた時にはどのような形で…、(基礎部分の)補強はしなくてはいけませんけれどもね。そういうことを、私自身は最初から考えています。これが私は、「被災者の方々の痛みを最少化する」という大事な原則ではないかと思っています。
このことについて、今、仮設住宅にお住まいの方々に「2年しかない」と思って欲しくなくて、どのように自分の生活設計をされるかということを考えていただいて、そしてそのことについて率直に言っていただいて、それを我々が阿蘇市と連携しながら、被災者の方々の痛みが最少化し、幸福が訪れるような、そういう形での施策をやりたいと思っています。
だから自分の家族が被災したらどうするかという、そういう気持ちで、職員にも当たって欲しいと言っていますので、その気持ちはとても大事ではないかと思っています。
Q
それに関連してなんですけれども、仮設住宅というのはあくまで仮設の建物なんで、居住性であるとか、耐震性にも当然問題が出てくるかと思うんですけれども、知事の考えとしては、2年という限度を決めず、あくまで今のその建物に継続して住んでもらうというようなイメージなんでしょうか。もしくはまた新たにきちんとしたものを建てる、現場に建てるとか、そういった考え…。
蒲島知事
私がこうだということは、今ちょっとこの場では言えませんけれども、今造っている仮設住宅は木造で、きちっとしたものができています。ただ、弱いとすれば基礎の部分だと思っています。基礎の部分をどのようにするかによって、木造の住宅ですので、相当長くもつのかなと思っています。
そういう意味では、仮設住宅ですけれども、2年間で壊れるような、そういう家は造っていません。
質疑応答
台湾・香港での知事トップセールスの実施について・2
Q
農業新聞ですけれども、ちょっと元に戻りますけれども、台湾での知事のトップセールスについてお伺いしたいんですが。
蒲島知事
はい。
Q
これは初めて実施されるんでしょうか。それから、今までの台湾との交流実績というのはどのようなものがあるのでしょうか。それから、どういう県産品を売り込みたいというか、台湾の市場関係についてはどういうお考えでしょうか。
蒲島知事
はい。私自身が台湾に行くのは初めてです。トップセールスとして、これまで香港には行っています。それから、台湾については、とても大きな可能性があるものですから、今回、香港は1日だけなんですけれども、台湾に焦点を合わせて、農林水産物の販路拡大と知名度向上と、それからもう1つは、(新規)航空路線(開設)ですね、そのような意味を込めて、台湾市場への販路拡大を私がトップに立ってやっていきたいと思っています。そういう意味でトップセールスとして始めたということを理解していただきたいと思っています。
ただ、台湾からは例えば、高雄市の市長がいらっしゃって、交流の気運はとても高まっているんです。高雄市というのは、ものすごく今伸びている都市で台湾でも第2位の都市なんですけれども、そこの市長と2日に亘ってお話をすることができて、そしてその(高雄市が持つ)可能性、そういうものもいろいろ聞いておりますので、今回の台湾のトップセールスは期待しております。
Q
南九州3県合同の商談会ということですが、今までもその3県の合同というのは。
蒲島知事
これは私が知る限り初めてです。
Q
初めて。
蒲島知事
農林水産物の商談会を3県でやったのは。ただ、デスティネーションキャンペーンとかですね、観光戦略でこの3県合同で、新幹線の対策であるとか、観光対策をしたことはあります。(担当課に、)ちょっと聞きたいんですが、初めてですよね。
(国際課)
はい。物産関係で、3県で共同でやるのは今回が初めてでございます。
蒲島知事
よろしいですか。
質疑応答
白川の河川改修について
Q
知事、河川改修でですね、住宅が何分の1か、河川の改修のためにかかるという方がいらっしゃっておりますが、そうなってくると痛みの最小限というのはいかがなんですかね。
蒲島知事
私もそれは初めて新聞で読みましたけれども、半分しか買わないということではないんじゃないでしょうかね。ちょっと、そこをはっきり、私もそこのところはおかしいと思ったんですけれども。
(河川課)
河川課でございます。どうしても、買収といいますか、計画のライン上、その土地にあわせて線形を設定するわけにはいけませんのでどうしても、道路もそうですけれども、河川改修上、家の半分とか一部が(買収に)かかるということはどうしても避けられないことだと(考えています)。ただ、用地の制度上、残地の補償とかそのような制度がございますので、そういったものを活用しながらできるだけ丁寧に説明していきたいと思っております。
蒲島知事
私もあの記事を見て、痛みの最少化という面からですね、(家屋を)半分で切って、あと半分に住みなさいというのは、ちょっと合理的ではなさそうな気がしますので、是非そこのところは、被災者の方々の立場に立ってですね、いい解決策を見つけてほしいと思っています。あれは、もうそうせざるをえないんですかね。ちょっともう一度答えてください。真ん中で切らなくてはいけないんですかね。
(河川課)
そうですね。どうしても公共事業上、必要ない土地は買えないものですから、どうしても必要な分だけの買収という形になりますけれども、先ほど申し上げましたように、残地の中で(家屋を)再築できないような場合については、構外移転〔※残地以外の土地に移転する〕というような方法もございますし、残地を含めたところの補償というのもあります。(公共事業に)不要な土地については現状の制度の中では買えないというのはございます。
蒲島知事
すみません。その質問、私もちょうど(担当課に)しようと思っていたところですので。
質疑応答
水銀条約を踏まえた取組みについて
Q
よろしいですか。水銀条約についてですが、名称の面もありますけれども、条約となってくると、今度は国の方でいろんな制度、法律、県によっては条例なんかの制定も必要になってくると思います。それで水銀の保管と言いますか、埋立地の問題ですね、あれもまだ安定的じゃないと思いますが、この条約後、県として独自に何かお考えになるご予定でしょうか。
蒲島知事
私は水銀条約について、特に「水俣条約」とした方がいいのではないかという立場でこれまで申し上げてきました。
もしそういう(「水俣」の名を冠した)条約ができれば、日本国政府として日本国民としても、熊本県は特にその条約が結ばれる所ですから、条約に沿って正しく守る方向に動かなくてはいけないと、自らが動かなくてはいけないと思っています。
だから、逆行するのではなくて、その条約によって日本全体あるいは熊本県全体が水銀のない社会に向かって動くというふうに私は確信しています。そのように動かなくては、この日本に、特に熊本に条約の会議を招聘する、そういう価値はありませんからね。これをきっかけに、その方に動くことを期待しています。
質疑応答
仮設住宅の今後の活用について・2
Q
すみません。先ほどの仮設住宅のことなんですけれども、終の住家(ついのすみか)として使うことはできないかというところですけれども、これは阿蘇市などに、こういった説明はもうされているんでしょうか。
蒲島知事
当然、私は最初からそのような意向でしたから、それを踏まえて事務局の方は阿蘇市との話し合いを今進めておられると思いますけど、いかがですか。
(健康福祉政策課)
健康福祉政策課でございます。現在、庁内で検討会議をやっておりますが、阿蘇市、それからお住まいの方の意向を聞くのが大事だと考えております。具体的には今週、阿蘇市の方とは協議をさせていただきたいと思っています。
Q
ああ、そうですか。実は阿蘇の佐藤市長が、ちょっと取材に行った際に、この終の住家構想について聞いたところ、県から何の協議もないので、こういった大事な話をどうして説明してくれないのかというふうなことで、非常に困惑したような様子だったんですけれども。
蒲島知事
ああ、そうですか。今の説明で…、(担当課に、)これから県の方針を明快にした後で(阿蘇市に説明する)ということですかね。
(健康福祉政策課)
まず、阿蘇市さんのご意向を聞くというのが大事かなというふうに思っています。それを踏まえたうえでの検討かと。
Q
じゃ、阿蘇市の意向というのは今後聞いていくということなんですかね。
(健康福祉政策課)
ええ。そういうことです。
Q
わかりました。
蒲島知事
ただ、市長も私の考えはよくご存知だと思いますので。
(幹事社)
それでは他にございませんでしょうか。
蒲島知事
いいですか。それでは。