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平成25年 8月21日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006774 更新日:2013年8月21日更新

知事定例記者会見

日時:平成25年8月21日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室

会見録

知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。

表項目

 「くまもと手仕事ごよみ」フェイスブックのスタートについて

質疑応答

(幹事社)
 まず知事の方からよろしくお願いいたします。

発表項目

「くまもと手仕事ごよみ」フェイスブックのスタートについて

 報道資料:「くまもと手仕事ごよみ」フェイスブックのスタートについて(PDFファイル:99KB)

蒲島知事
 今日の発表は1つだけです。「くまもと手仕事ごよみ」フェイスブックのスタートについてであります。

 百年後の熊本を見据え、本県の宝を磨き上げ、未来へ繋ぐ事業「くまもと手仕事ごよみ」がスタートします。この事業は、四季折々の伝統の工芸、食、芸能など、熊本の「手仕事」の良さを再発見し、暮らしの中に取り入れ、未来に伝えていく事業です。

 その第一弾として、フェイスブックを9月1日からスタートさせます。県内11地域、80名のボランティアの方々に、その地域の特派員として、「立秋」や「秋分」など、二十四節気ごとの「手仕事」の話題を毎日投稿していただきます。県民の皆様には、是非、その旬の「おいしい話題」や「匠の技」を再認識していただきたいと思っています。

 また、全国に向けては、熊本の魅力を発信して参りたいと思います。フェイスブックを御覧になった県内外の方々にも、積極的に参加していただき、季節ごとの日本の伝統を大事にするムーブメントを熊本から展開できればと期待しています。

 なお、「くまもと手仕事ごよみ」は今回のフェイスブックに続き、今後、ホームページの開設、シンポジウムの開催等、多彩な取組みを通じて、より深く、熊本の情報を発信して参りたいと思います。記者の皆さんにも是非、フェイスブックに御参加いただければと思っております。

 以上が私の方からのコメントです。

質疑応答

「くまもと手仕事ごよみ」フェイスブックのスタートについて

(幹事社)
 ありがとうございます。

 今の発表なんですけれども、ちょっと単純な内容で申し訳ないんですけれども、「手仕事」というのは具体的にどういったものになるんですか。

蒲島知事
 先程も言いましたように、食とかあるいは芸能、あるいは工芸。そういう四季折々の伝統的なこれまでの営みを熊本発として二十四の季節の節目、節目に発信したいというのが今回の「手仕事(ごよみ)」であります。

 そういう意味で「手仕事」と言うと、ちょっと分かりにくいかも知れませんが、単純に言うと、四季折々の伝統の工芸、食、芸能などを総称して「手仕事」と言っています。

(幹事社)
 すみません。80名のボランティアということなんですが、いわゆる著名な方とか、いらっしゃるんでしょうか。どんな方がいらっしゃるんでしょうか。

蒲島知事
 この80名のボランティアの方々の経歴、内容については担当課の方で(お願いします)。

【文化企画課】
 この80名の方々は一般の県民の方々で、様々な職業の方がいらっしゃいます。そして、国籍も(日本だけでなく、)留学生の方々(など)もいらっしゃいます。

 (県内各)11地域にいらっしゃる方々に、地元の身近な情報を発信していただくということをお願いしております。

(幹事社)
 すみません。関連して、例えば観光だと確か「なごみ紀行」だとか、もう既にいくつか地域ごとに、例えば阿蘇だとか、もう発信されているフェイスブックがたくさんあるんですけど、その中でこの「手仕事」というのに着目された趣旨とかを少し伺えればと思うんですが、よろしいでしょうか。

【文化企画課】
 今回の主なポイントとしましては、知事が先程申し上げましたように、二十四節気ごとのその時々の「手仕事」、(例えば)伝統の芸能、食、工芸に着目するということで、今回はその暦ごとの話題を提供するという(ことです)。

 従来、観光だとか農政だとか(に関する情報発信は)あると思うんですが、それはそれぞれの事業に着目しているかと思うんですけれども、今回の場合は四季折々の、例えば旬の食だとか、野菜だとか、そういった情報を季節、季節で提供していただくというところに違いがあります。

(幹事社)
 すみません、関連して。狙いは、例えば県民向け、県外向け、もしくは、例えばどういったターゲットとか、そういうのは具体的に絞っておられるんでしょうか。

【文化企画課】
 基本的には、県内外に呼びかけたいと考えています。県内に向けては、熊本の四季折々の良さを改めて再認識していただくということと、フェイスブックというSNS〔※ソーシャル・ネットワーキング・サービス〕の特性を利用しまして、全国にその熊本の良さを発信していきたいと考えています。

(幹事社)
 ありがとうございます。

(幹事社)
 具体的にはどういう工芸、食、芸能なんかがあるんでしょうか。何か題名を教えていただくと。例えば9月の暦でいうと、どういうのが想定されるんでしょうか。

【文化企画課】
 これは様々でございまして、最新の話題で言いますと、二十四節気の処暑にあたりますが、処暑で言いますと、例えば馬見原などでは、鯛麺と(いうものがあります)。(この地域は)山奥ですので、延岡から昔、鯛を持ってきて、それをもとに鯛を用いた麺、ソーメンの料理が、その地方の旬の食ということで、そういったその時々の旬の話題を提供していきたいと考えています。

蒲島知事
 なかなか言葉では、理解し難いところがあるかも知れませんが、9月1日にこのフェイスブックが開始されますので、それを具体的に見ていただいて、そして、処暑の話題がどういうものであるか、それについてどういう反応があるのか、それを皆さんも覗いていただきたいと思っています。皆さん自身も反応〔※参加〕していただければ、更に広がっていくのではと思っています。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

Q
 すみません。根本的なところですけど、なぜこういう事業を始めたかというか、始めようと思っておるのかというところをもうちょっと。

蒲島知事
 これまでは観光の発信もありましたし、あるいはくまモンを通した様々な発信もありました。熊本についていろんなことをもっともっと知りたい人達も出てきていますし、それから熊本県民自身にも熊本にこんなことがあるのかという(新しい発見が生まれます)。サプライズ運動というのはその1つだと思いますが。

 例えば、先程、処暑の話題では鯛麺の話が出てきましたが、これは私も今回聞くまでは全然知らなかったんですが、そういうのがあるのかという驚きと言うんでしょうか。それを掘り起こしていく。(そして、)そういう伝統を守っていくということがまず第一です。伝統を守るとともに、皆に知っていただく。更にそれが熊本に対する関心とか、観光に結びついていけばそれは更なる展開になっていくのではないかと思っています。

(幹事社)
 ありがとうございます。それでは各社さん、他の質問あればお願いします。

質疑応答

フードバレー構想の推進について

Q
 知事、よろしいでしょうか。すみません、フードバレー構想の推進の部分になってくるんですけれども、今度、八代市長選が来月行われます。そこでそのフードバレー構想の予算であるとかですね、進捗のスピードに関して、首長が変わることによってその動き、予算の付き具合であり、スピードが変わっていくということはあり得ますか。

蒲島知事
 フードバレー構想というのは八代だけ(が対象)ではありませんし、県南(全域)の振興の核となるものです。

 フードバレー構想に関する協議会も発足しておりますので、それに沿って進めております。選挙の結果によって、明らかに反対ということが出てくれば別ですが、今のところ、これについては全員のコンセンサスがあるのではないかと(思っております)。フードバレー構想という形で県南を振興しようと。

 それで、そういうコンセンサスが今までは県南で存在しなかったような気がします。これほど、全員でやろうというコンセンサスが。合意形成と言いますか。

 多分、この合意形成を大事にしながら、どなたが市長になられても、その方向に進むのではないかと思っていますし、県としても最大限に支援していく。そして、中心となって働いていきたいと思っています。

Q
 それですと、八代港の部分の整備は県ですけれども、その部分も変わらないということですか。

蒲島知事
 八代港はとても大事な港でありますし、最近になって船便もとてもたくさん増えています。だから、熊本港も大事ですが、八代港もとても大事な港ですので、県も一生懸命取り組んでいきたいと思っています。だから、これ〔※八代港の整備〕も変わらないと私は思っています。

Q
 ありがとうございます。

質疑応答

消費税率の引き上げについて

Q
 知事すみません。消費税の税率引上げについてお伺いをしたいんですけれども。

 今後、安倍首相が、有識者から意見を踏まえた上で、来年春の引上げについて判断をするということになっています。知事はこれまで消費税の税率の引上げ自体については理解をされていたと思うんですが、来年春の引上げということについては、県内の景気の状況とか踏まえられて、今のところどういうふうに判断されますでしょうか。

蒲島知事
 同じ政治家として安倍首相の行動を見ますと、大変難しい課題ではないかと思っています。それは経済状況で時期をどう決めるのかということとか、あるいは決まったことに関してそれを断行することとか、そういう様々な悩みの中で、最終的に安倍政権がこれを判断されることだと思いますが、適切な判断であることを祈っています、知事としては。

Q
 知事御自身は、今、例えば熊本の景気の状況等を踏まえて、引上げはちょっと時期をおいて欲しいであるとか、その辺について何かお考えありますか。

蒲島知事
 ちょっと個人的なコメントになりますので、それについては私自身がこう思うということに関しては控えさせてもらいたいと思います。

質疑応答

「幸せ実感くまもと4カ年戦略」の認知度について

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

Q
 知事よろしいでしょうか。

蒲島知事
 はい。

Q
 「幸せ実感くまもと4カ年戦略」の認知度のアンケートの部分なんですけれども、県からいただいている資料だと、64%が「全く知らなかった」という結果が出ています。

 これは、内容までは分かっていなかったという部分も合わせると94%を超える人が分かっていなかったということになると思うんですけれども、これだけ蒲島県政として掲げられていることが、県民に認知されていないということについては、どういうふうに考えていらっしゃいますか。

蒲島知事
 認知されることが望ましいことは当然のことであります。ただ、この内容を深く県民の方々に知っていただきたいという気持ちはありますが、それにパーフェクトを求めるということは無理です。

 そういう意味で一番大事なことは、この4カ年戦略というのは1つの手段です。最終目標は熊本県民の幸福量の最大化ですから、4年後に4年前と比べたら幸せになったと、それを実感できたと、(県民に)思っていただくことが私は一番大事だと思っています。

 そのために我々は何をしなくてはいけないか。県庁職員としては何をしなくてはいけないか。あるいは我々がやるべき目標はこういうものであると。そういう形で当然、県庁職員は100%理解しなくてはいけないし、政策決定者としてはそれを理解しなくてはいけないけれども、最終的に県民に望むことは、そういう全ての政策手段を動員して、例えば2期目の4年のこの蒲島県政では、より幸せになっていただいたか、あるいは実感出来たかどうか、それが最終的な判断ではないかと(思います)。私も望むとすればそこ〔※蒲島県政で県民がより幸せになったか、幸せを実感できたか〕で(判断したい)。

 願わくは、何をやっているかということも分かっていただきたいけれども、全ての人が分かっていただけるというのは少し無理ではないかと思っています。

Q
 このアンケートの中で、「満足である」とか「不満である」とか、そういった回答が得られていますけれども、このアンケートの結果を受けたことで、これを反映させていこうとか、どういうふうに具体的に反映させていこうとか、そういうことは考えていらっしゃるんでしょうか。

蒲島知事
 当然、反映させる(ための)満足度の調査もありますし、それから県民総幸福量の指標も作って進めております。その指標ができたことは画期的なことだと思いますが、同じ質問で指標に沿って、Aggregate Kumamoto Happiness、AKH〔※県民総幸福量〕ですけれども、この指標の変化がこれから大事だと思います。

 だから、その変化を見るために同じ質問をしなくてはいけない。前回と比べますと、ほぼ横ばいということですが、政策担当者としてはこれが上がって欲しいということと、それからこれが変動した場合、どういう政策を打ち出していけば、より県民の方々の幸福量が上がるかという分析も可能だと思っています。

 ある意味で、これは毎年毎年、通知表を貰うようなものでありますので、真剣に取り組んでいるものです。そういう意味では、とにかく成績が上がるように(していきたい)。皆さんの幸せ度は、(県の)政策だけで決まるものではなくて、国の政策によっても決まるし、それから世界的な情勢によっても決まると思います。そういうものを全て勘案して、出来れば熊本のAggregate Happinessが上がることを常に考えながら政策を打っていきたいと思っています。

質疑応答

州都について(県民アンケート調査結果より)

Q
 知事いいですか、関連して。

 県民アンケートについての関連なんですけれども、州都になって欲しいですかという質問を毎年されていて、今年で4回目になりましたけれども、やる度に最初5割だった州都になって欲しいという回答が4割に減り、3割に減り、今年分で2割までに減りましたけれども、この結果をどう受け止められていますか。

蒲島知事
 はい、州都になって欲しいという割合が少なくなったから、州都を目指さないということはありません。常に私の政策として、道州制が実現した時に、州都を目指すということは明快にしておきたいと思っています。

 ただ、2011年に最初に行われた調査の頃の道州制の議論というのは、もっと活発でありました。それが次第に道州制に対しての(議論の)活発さに加えて、マイナスの意見も出てきたということもあって、次第に県民の方々も道州制の行方について、やや分からないところが出てきたのではないかと思っています。そういう意味では分からない所が増えたというのはその現れでもあると思っています。

 しかし、道州制になるべきでないという人を見てみると、大変マイノリティ〔※少数派〕ですから、もし道州制が実現した時には、熊本は州都になるべきだと思っている人が、私は大多数だと思うし、本当に実現しそうになった時に、熊本の県民はやっぱり州都を目指すべきだと思う人が圧倒的だと思います。

 しかし、その前提〔※道州制の実現の可能性〕が次第に弱くなっていることは確かです。でも、弱くなっているから何もしないではなくて、州都を考えることが熊本のレベルアップであるし、そして、ある日突然、道州制の議論が展開された時に、熊本は常に用意していると。もう既に道州制の構想委員会〔※“州都”をテーマとしたくまもと未来会議〕で、フィロソフィ〔※哲学〕な部分は大分議論しました。

 これから具体的なイメージの部分で進展していかなくてはいけないと思います。道州制が私の任期中に実現する、しないに関わらず、常に道州制が実現した時にはすぐにでも熊本が手を挙げられて、その資格があるような、そういう立場に持っていくということが大事だし、それが熊本のレベルアップ、そして、九州の他の都市もそういうことをやれば、また、九州全体のレベルアップに結びつくと思います。

 だから、よく分からない人が多いからもうしない方がいい、ということは私は考えなくて、そういう時だからこそ、しっかりと県知事としては州都を目指しながら頑張っていきたいと思っています。

Q
 という意味で、世論を喚起しようという意味で、昨年度、未来会議で1年間議論されて、年度末に州都構想をまとめられましたけれども、それをもってしても2割だったということ、それの受け止めはいかがですか。

蒲島知事
 熊本県だけの努力で道州制の実現の可能性が(高まるのは難しく)、州都構想委員会〔※“州都”をテーマとしたくまもと未来会議〕で議論したものの、その前の前提のところにやや不明の部分が出てきたのではないかと、私はそう思っています。

 国全体の道州制の議論が、私が就任した時よりも盛り上がったかも知れませんが、その後、この1、2年というのは次第に私の実感として、道州制の国における積極性が少ししぼんだような気がします。

 でも、これはまたリバイバル〔※復活〕する可能性もありますし、私自身は九州が生きる道としては道州制の方向が一番良いと思っていますし、他の知事さんもそう思っていますので、そういう世論も盛り上げていかなくてはいけないと思っています。何よりも私が大事なこと(と考えていること)は、道州制が実現した時に、熊本がその準備が出来ているということが大事だと思っています。その準備をすることそのものが(熊本の)レベルアップに繋がると思っています。

質疑応答

荒瀬ダムの撤去について

Q
 いいですか。荒瀬ダムですけれども、撤去工事がですね、工程の一部見直しとかありましたけど、概ね順調に進んでいるんじゃないかと思います。

 間もなく撤去開始から1年になるんですけれども、知事の1年を前にした思いを聞かせてください。

蒲島知事
 荒瀬ダムの撤去に関しては様々なことがあって、私の知事(任期中)の中の政策の中ではとても重要なものだと思っています。

 1つは、あのまま何の議論もなく、撤去したとします。そうしたら第一段階として、撤去費用の不足に直面したでしょう。その時にどうするかという大きな問題に直面したであろうと。私自身は、その前に撤去すべきかどうかという問い掛けを私自身としてやって、そして最終的に撤去を決断しましたが、その争点化というんですか、ほとんど争点になっていない荒瀬ダムの撤去問題を争点化することによって2つのことが得られたと思います。

 1つは、国土交通省が撤去そのものには支援してくださいませんでしたが、多くの部分で、(例えば)護岸であるとか、(また)様々な技術的な支援であるとか、そういう形で大いなる支援をしていただいたこと。これが1つ。

 それから、撤去自体についても環境省の方が補助をしていただいているということで、財政的にはとても争点化して良かったと思っています。

 争点化してマイナス面がなかったかというと、それは様々な賛成反対の中で反対の方の動きもあって、県政の対立構造が少し出たかなという気もしますけど、それによって争点化して、私自身も県庁自身も、それから県民自身も最終的に撤去するにしても、こういう議論をして撤去する。そして、撤去すると決めた後は、正しく、そして間違いのない、そして日本初の撤去を示して、それを歴史に残しておくという覚悟で今やっていますので、最終的にはこういう形で撤去出来て、私自身は良かったと思っています。

Q
 今、まさに争点化の話があったんですけれども、その荒瀬ダムの上流にある瀬戸石ダムの水利権の問題というのが、今後、焦点になってくると思うんですけれども、現時点で瀬戸石ダムについてはどういうふうにお考えですか。

蒲島知事
 これについて、瀬戸石ダムについての県の役割というのはありませんので、私がコメントすべきではないと思っています。

質疑応答

「はだしのゲン」の閲覧制限について

Q
 知事すみません。別件なんですけれども、松江市ですとか、鳥取市の教育委員会が戦争を描いたマンガの「はだしのゲン」の閲覧制限を小中学校に対してしていたということなんですが、報道等でも問題となっていると思うんですが、そういった戦争を描いた書籍に対する教育現場での閲覧制限ということに対して、知事としてどのようにお感じになるかお聞かせください。

蒲島知事
 「はだしのゲン」というのは読んだことがないので(それについての)コメントのしようがないんですが、どういうマンガなのか。ただ、私自身は、読書とか何とかで、よほど変なものは別でしょうけれど、あまり制約をすべきではないと思っています。

 例えば、我々が小学校の時なんかで、私が一番影響を受けたのはプルタークの英雄伝という書物ですけれども、ギリシャ・ローマ時代の英雄を描いた比較英雄伝ですが、そういうものは途中から何か英雄伝なんかは読ませてはいけないような雰囲気になったような気がするんですよ、学校なんかで。

 そういうように、学校の方でこういうのはいけないんじゃないかというような判断をするよりも、個々の学生達、小学生も含めて、そういうものに触れて自分達がいろいろ考えると。そちらの方が私は正しいのではないかと自分自身の読書歴を考えて(思います)。いろんなものを読んで自分で判断しますよね。そういう感じを持っています。

 ただ「はだしのゲン」については、どういうような本なのか、あるいはどういう判断でそういうこと〔※閲覧禁止〕がなされたか、ちょっと私もコメントする段階ではありません。

 一般的に言うと、あんまり大人がこっちの方が良いとか、こっちの方は良くないのではないかというよりも、子ども自身が自分達の感受性で読んで、それで判断していく。そういう読書像が私にとっては良いと思っています。

質疑応答

漁協の組合員資格審査に係る内部通報について

Q
 知事すみません。今朝、ちょっと報道させていただいているんですが、漁協の問題に関連して、県の内部通報の制度で、既に県は1年以上前に団体支援課の事態を把握されていて、それに結果としては手を打たずに、我々の報道が先行した形で検証されたと。

 折角そういう制度があって、自ら自浄作用を働かせるための制度があるにも関わらず、ちゃんと生かさなかったと。結果としてはその漁協の法令違反も、また担当課の法令違反も見過ごしていたというそういう結果になっておりますが、これについて、まずどういうふうに受け止めておられるか。

蒲島知事
 内部通報制度というのは、いろんな問題を自ら解決するための手段として、私は県として大変重要な制度であると考えています。

 私も一時、職員の人達に、知事への直行便〔※職員から知事への直接提案のこと〕を奨励したこともあるんですが、知事もいろんな問題を実際に知るべきだという考えから。しかし、この内部通報制度というのがあるということで、主にこれが今、利用されているのではないかと思っています。

 そういう意味ではこの制度は大事にしたいと(思っています)。今回の時間が掛かりすぎているという御意見で、自浄の効果が果たされていないという御指摘でありますが、その問題点を政治とマスコミという関係で言えば、マスコミがその役割を果たした、おかしいのではないかという(報道をするという)形で。マスコミの対応と比べると、この内部通報制度へのレスポンス〔※対応〕と言うんですか、これが希薄ではなかったかというお尋ねだと思います。

 御指摘のように新聞記事が先行したこともあって、報道に比べると内部通報制度によるアクション〔※対応〕が遅れたことが、スピード感がなかったという御指摘もそうだと思います。

 だから、今度の御指摘を受けて、あるいは今回の経験を受けて、遅れた問題について改善に向けて何が出来るか。例えば、公益通報委員会というものがあるんですが、これは様々な内部通報制度への外部窓口と、それから内部窓口の2つをまとめるような組織だと思いますが、そこで、ちゃんとフォロー出来るような、そういう改善が出来ないかということを今、知事として指示しているところです。

 そういう意味では、○○さんの御指摘のようにスピード感が欠けていたということもあるし、それから内部通報をした人にとっても、不信感を持たれないような形で(進める必要があります)。早くやれ、早くやらないというだけの価値判断ではなくて、慎重にしなくてはいけないこともあります。大事故に繋がるようなものは、もう即座にしなくてはいけないこともあるし、だから、スピード感ということも課題によって決まると思っています。

 ただ、一般的に今度のマスコミの報道と、それ〔※内部通報〕へのレスポンス〔※対応〕と比べるとスピード感がなかったのではないかという御指摘がなされたということを踏まえて、更にこの制度が良くなるように対応していきたい。制度改革もしていきたいと思っています。

Q
 知事、問題は2つあると思うんですが、今、おっしゃったのは、内部通報を受けた後の処理に時間がかかり過ぎているという問題だと思うんです。それは知事も率直にお認めになったと思うんですけれども、もっと本質的な問題というのが、1年以上も前に担当課で法令違反を放置しているという指摘があったにも関わらず、その時点で何らのアクションも起こさなかったということに問題があると思うんですけれども、それについてはどうお考えですか。

蒲島知事
 (内部)通報されて、このアクション〔※通報に対する様々な対応〕がずっと続いていて、そのアクションの続いている段階で報道がなされて、それで対応はその後、加速化されたというように思っています。

 アクションが全然なされなかったとは私は理解していませんが、ただ、通報者の権利を守ったり、あるいは秘密を守ったり、それからどういうようにこれを解決していくかという対応が、報道以降と比べるとスピード感があまりなかったということは言えるかもしれません。ただ、何もアクションがなかったということではないと私は思っています。

Q
 漁協の組合員の資格審査の件で適切な対応をとっていなかったという通報が、そういう問題が通報されていたわけですよね、1年以上も前に。

 それを受けて組織としてその時点では把握が出来たと思うんですけれども、その直後に何らのアクションも起こされなかったというふうに認識しているんですけれども、そうじゃないんですか。

蒲島知事
 いや、アクションは起こしたけれども、スローであったということと思います。これが大事故に繋がるような通報であれば、当然そういう慎重さも大事ですが、スピード感がものすごく大事です。

 この問題は、慎重に取り扱うというスタンスで、特に通報者の方々の秘密を守らなくてはいけないということもあって、そういうスタンスでこの問題に取り組んでいて、それが途中で報道があったということでスピード感はあったんですが、そのスピード感と比べると遅いのではないかという御指摘だと思います。遅い、早いの判断をその段階でしなくて、普通のスタンダード・オペレーティング・プロシージャー〔※標準作業手続き〕と言うんですか、普通の官僚組織の中におけるプロセスを経ていたのではないかと私は思っています。人事課長、これでよろしいですか。

【人事課】
 はい。

Q
 ということは、報道による指摘がなかったとしても、内部通報でそういう事実が把握されたわけですから、報道がなかったとしても、何らかの改善を図られたというふうな御認識ですか。

蒲島知事
 それはそうです。当然、その問題が指摘されたわけですから。その問題が指摘されて、それに対応して(改善を図ることとしていました)。そして、それは必ず公表することになっていますので、終わった段階で、どういうように対応したかというのは、すべて公表ですよね。

【人事課】
 はい。終わった段階で公表です。

蒲島知事
 はい。ただ、途中の段階では、非常に微妙な段階なので、公表しなかったと(いうことです)。公表しませんが、終わった段階で何件の通報があったかということと、(通報)内容と処理(の状況)。それについては、必ず公表しています。

Q
 知事、今、一生懸命、大事故であればとか、大事故の恐れがあれば、スピード感というお話を繰り返されましたけれども、県組織にとってですね、決められた法定の仕事をされていないというのは、まさしく世間的には大事故じゃないかもしれないけれども、県行政としては致命的な欠陥ではないかと思うんですね。

 それを、まず指摘されて、それでも即座に動かなかったということは、これっていうのは今日、原稿にも書いていますけど、かなり深刻なことではないかと。その受け止めがないならば、この問題というのは、また最終的に数年経てば忘れられて、そういうこともあったね、ぐらいの話にしかならないと思うんですね。やっぱり公務員としてというよりも、公的な組織としてのその辺の受け止めというのはいかがなんでしょうか。

蒲島知事
 1年経ったと。1年ですかね。最終的には通報があったのは1年半になりますかね。まだ1年半になっていませんかね。そういう意味で、さっきも言ったように通報があった場合は、必ずその結果も公表するということですから。どの辺が遅い、どの辺が早いと、この問題については、それに絶対的な基準はないと思うんですが。私は担当者は、担当課も含めて、この通報があった後、粛々と対応してきたというように考えています。

 それで、今の○○さんの御指摘というのは、意外と蒲島県政の本質のところにも関わっていると思うんです。私の蒲島県政の進め方というのは、これまでの管理であるとか、指導であるとか、それから法令を守らせるというような管理型の行政から、むしろそういうのは手段であって、一番大事なものは県民の幸福量の最大化。これをいわゆる行政のパラダイムシフトというように職員には言っているんです。管理する、あるいは処分する、指導する、そういうような形の行政から一歩踏み出して幸福量の最大化を目指そうと。管理型の行政というのは、あくまで手段に過ぎないというように私は言い続けてきました。

 だから一番良い例があれです。例えば、阿蘇の大豪雨〔※熊本広域大水害〕の仮設住宅の件も、従来の管理型の行政でいけば、決まりきった形で、2年経ったからもう出てくださいという、そういうような処理のやり方(でした)。

 そうではなくて、むしろ痛みを最小化しようという観点、それから自分の家族が被災した時にどう対応するかというような気持ちでやれば、例えば、2年しかないこの期間も努力すれば乗り越えられるのではないかと。あるいは仮設住宅を壊さなくてもいいのではないかと、いろいろ可能性を皆が考えるようになったわけです。

 それを蒲島県政の中ではパラダイムシフトという形で私が言い続けてきたので、そちら〔※県民の幸福量の最大化〕の方を少し言い過ぎたのかなという気持ちもしましたが、いずれにしても法令は法令で守るとしても、やっぱり一番大事なことは幸福量の最大化を目指すと。そこに様々な条例もあったりするでしょう。守らなくてはいけないけれども、それが絶対的に幸福量に貢献しないようなものであれば、乗り越えられないかというのを常に考えて今、やっているところであります。

 それで、今回のケースは、そのスピード感が問われているので、実際に直していく方向になって、それは内部通報があったというよりも、報道の方が大きな役割を果たしたかも知れませんが、報道がなくても内部通報に対しての処理はちゃんとやらなくてはいけません。それも公表しますので、いずれそれはそういう方向〔※漁協の資格審査法令違反への県の対応について改善すること〕にいったと思っています。

Q
 知事が今、おっしゃったことはよく分かりますが、そのパラダイムシフトをしたからということがこの問題では言い訳にはならない。

蒲島知事
 言い訳にはしていませんから。

Q
 なりませんよね。

蒲島知事
 それをちょっと強調し過ぎたのかなという気はしたということでありまして、ただ、そういうことも考えているということです。

Q
 今回の問題で、確かに内部通報の問題を指摘はしましたけれども、内部通報の問題を置いといてですね、そこの部分、まさに公務員としてやるべき公務をしないという、それってすごく深刻な話ではないかというのが僕等の見方なんです。今回、それにプラスして、内部通報もあったのにという話になった。やっぱり県民からすれば、ではこの問題は県組織まるごと、組織ぐるみでちょっと隠蔽しようとしたんじゃないのというような受け止め方をされても仕方のないようなことだと思うんですね。そこの部分の深刻さというのはいかがなものでしょう。

蒲島知事
 すべきことをしなかったということと、それから内部通報もあって、それでもまだそれだけでは足りないというような動きではなかったかという、それは公務員としてあるまじきことではないかということで、反省しなくてはいけない、猛省すべきことだと思っています。

 ただ、そういうようないくつかの事項を踏まえて反省すべきことがあり、それについて制度的に直すべきことを、今、考えているところであります。不幸なことであるけれども、これを乗り越えて更に良い行政になっていきたいと、そういうように県庁の職員の方にもお願いしたいと思っています。良い報道をありがとうございました。

質疑応答

熊本~台湾高雄間の連続チャーター便ツアーについて

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

Q
 知事すみません。台湾のチャーター便なんですが、明後日、台湾のチャーター便ですね、1便到着しますけれども、いよいよということだと思うんですが、現段階でお迎えといいますか、受入れにあたってのコメントといいますか、お願いします。

蒲島知事
 はい、受入れは昨日〔※熊本~台湾高雄間連続チャーター便運航記念調印式〕の旅行社の方々にも、それから政府の方々にも言いましたが、最大限熊本にとってはチャンスですから、全力をもってお迎えしたいと思っています。それで、くまモンは台湾でもとても大人気でありますので、多分くまモンが迎えるのではないですかね。明後日でしたか。何かくまモンも迎えるようなことを聞いていますが、そういう意味では熊本県民全体で、大事にしてお迎えしたいと思っています。

 これが成功すれば、高雄というのはとても立派な市で、大きな市なんですが、そこの方々が熊本を訪れてくださるということでありますので、2,000人が口コミで何倍にもなっていくということで、県としても最大限でお迎えしたいと思っています。

 ただ、具体的な歓迎の内容っていうのは。担当課ですいませんけど(後ほど説明をお願いします)。

Q
 すみません、TKUの○○ですけど、関連で台湾との交流で、農業分野についてなんですけれども、県産の農産品の輸出等について、それから向こうでの熊本の県産品のPRについては、いかがお考えでしょうか。

蒲島知事
 昨日、台湾の総領事にあたる方とお話しまして、私が台湾に行った時に、そういう各省の責任者の方々を集めて、会議を行ってくださるということをおっしゃいました。その中で農林水産関係もありますので、その段階で熊本の(農産品のPRをしたいと思います)。何か柿がとても向こうで人気らしいんです。柿、果物の柿です〔※JAが平成23年度に調べた熊本県から台湾への出荷実績で見ると、“梨”が1位です〕。

 そういうものもありますので、そういうチャンスを捉えて農産物の輸出が可能か。そして、可能だったらどういうものが好まれているか(という状況を把握してきたいと思います)。

 香港ではものすごく今、農林水産物の(売り先としての)可能性が高まっています。

 台湾も高いと思いますので、今回の覚書にそれを入れるかどうかは別として、少なくとも向こうの政府の担当者と会って欲しいという話がありましたので、そういう機会を捉えてトップセールスをしていきたいと思っています。

Q
 将来的には定期便の就航も視野にされているということですね。

蒲島知事
 それは将来的というか、最終目標ですので。

Q
 そこにその農産品を載せて輸出というようなことも含めて。

蒲島知事
 そういう可能性もあれば。ただ、農産品の場合は、値段が高くなります、飛行機で行くと。だから船での輸出の研究も必要ではないかと思っていますし、実際にそれをやっていると思っています。船で運んだ時の値段と、傷み方。そういうことも研究課題にしなくてはけないと思っています。

(幹事社)
 ありがとうございました。

質疑応答

集団的自衛権の行使の憲法解釈について

Q
 知事、後1点。今度は国政に絡む話なんで、またコメント出来ないという話になるかも知れませんが、にわかに集団的自衛権の行使について、憲法の解釈を変えようとかいうような動きが非常ににわかに出てきたというふうに感じるんですが、それに関して知事はどうお考えなのか。

蒲島知事
 集団的自衛権とか憲法の問題、これについては私自身の考え方はありますが、この記者会見の場で知事として表明するというのは相応しくないと思いますのでノーコメントです。

Q
 わかりました。今日はノーコメントですね。

質疑応答

くまモンについて

Q
 知事すみません。最後に1点。くまモンの関係なんですが、連日すごく記録的に暑い日が続いていて、とてもくまモンの体調が気掛かりなんですけれども、何か暑さ対策とか、知事からねぎらいの言葉をかけるとか何かありませんか。

蒲島知事
 常にくまモンを見ると暑そうですので、あんまり無理しないで欲しいなと思っています。知事と同じで、皆さん無理しないでくださいと言うんだけど、そうではなくて、実際はたくさんいろんな場に呼ばれていきますので、大変だろうと思います。おっしゃるように熊本県の担当者の方は、くまモンの健康も気にしながら活躍させるように言っといてください。言っときましたので。

(幹事社)
 よろしいでしょうか。

蒲島知事
 はい。

(幹事社)
 ありがとうございました。

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