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平成27年 5月 7日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006611 更新日:2015年5月7日更新

知事定例記者会見

日時:平成27年 5月 7日(木曜日) 13時30分から
場所:知事応接室

動画

 動画はこちらからご覧いただけます。<外部リンク>

会見録

 知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
 なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。

コメント

 熊本県が国の現地対策本部の設置場所候補地に選定されたことについて

発表項目

質疑応答

説明資料(PDFファイル:697KB)

(幹事社)
 では、ただ今から知事会見を始めさせていただきます。

 最初に知事の発表項目をお願いいたします。

コメント

熊本県が国の現地対策本部の設置場所候補地に選定されたことについて

蒲島知事
 はい。

 まず発表に先だって、ネパールにおける大地震について、被災された皆様に対して、心からお見舞いを申し上げます。

 ネパールにおいては、去る4月25日に巨大地震が発生し、本日現在で判明している数として、死者約7,700人、負傷者約14,000人にのぼるなど、多くの皆様が被害に遭われる大惨事となりました。

 私は、この知らせを受けてすぐに、熊本県民を代表して、被災された方々へのお見舞いと早期復興への願いを込めて、県から災害見舞金50万円をお送りいたしました。

 また、日赤熊本県支部においても、4月28日に現地への職員派遣等の支援をすでに行っておられます。

 さらに、被災された方々に少しでもお役に立てることを願って、5月1日から6月1日まで、県国際協会として、義援金の募集を行っております。

 県庁本館1階ロビーおよび新館1階パスポートセンター、県内10か所の地域振興局、そして熊本市国際交流会館に募金箱を設置しています。

 是非、県民の皆様のご協力をお願いしたいと思っています。

 さて、連休の間に嬉しい知らせがありました。

 皆さんも御承知のとおり、5月4日に「万田坑」「三角西港」を含む「明治日本の産業革命遺産」について、イコモスから「世界遺産一覧表への記載が適当」との勧告がなされました。

 当遺産が世界文化遺産にふさわしいという評価を受けたことは、大変うれしく思っております。これまでの国や、荒尾市・宇城市をはじめとする関係自治体のご努力と、多くの皆様のお力添えに対して、この場を借りて感謝を申し上げます。

 ゴールデンウィーク最中の知らせに、地元も歓迎ムード一色となり、観光客も大変増えたと聞いています。早くも、世界遺産効果が期待されているところです。

 今後も、国や地元とともに、6月28日からドイツで開催される世界遺産委員会に向け、引き続き全力で取り組んで参ります。

 続いて一つ目の発表です。

 蒲島県政では、県民の「安心を実現する」ため、九州における広域防災拠点としての機能強化など、災害に負けない熊本づくりを進めて参りました。

 そして、熊本県がこれまで国に要望してきた、南海トラフ地震発生時の九州における国の現地対策本部の設置場所候補地として、本県が選定されましたので御報告いたします。

 今回の国の決定は、去る3月30日の「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」において、阿蘇くまもと空港が「大規模な広域防災拠点」として選定されたことに続き、これまでの本県の先駆的な取組みが評価されたものと考えており、本当に嬉しく思うと同時に、改めて責任の重さも感じています。

 本県としては、昨年1月に策定した「九州を支える広域防災拠点構想」に基づき、引き続き、機能向上に向けた施設整備や大規模災害を想定した訓練等にも着実に取り組み、九州の防災拠点としての役割を果たせるようにしっかり頑張って参ります。

発表項目

熊本広域大水害における被災者支援としての木造応急仮設住宅及び「みんなの家」の取組みについて

報道資料(PDFファイル:234KB)

蒲島知事
  また、平成24年7月に発生した熊本広域大水害から、まもなく3年を迎えることになります。

 県北を中心に大きな被害をもたらした、この災害からの復興に向け、県では、「被災された方々の痛みの最小化」「創造的な復興」「復旧・復興を熊本の更なる発展につなげる」という3原則のもと、全力で取り組んで参りました。

 「被災者の痛みの最小化」については、本県では応急仮設住宅を、一般的なプレハブではなく、木造の温もりを感じられるよう、県産材を使って建設いたしました。

 また、アートポリスコミッショナーの伊東豊雄氏を中心に、仮設住宅入居者など多くの方々の思いを汲んで建設した「みんなの家」も、地域の方々が集い、憩える場として大いに活用されました。

 これらの仮設住宅・みんなの家の建設にあたりましては、熊本県優良住宅協会、熊本県森林組合連合会をはじめとする関係団体の皆様にご協力をいただき、前例のない取組みでしたが、迅速に建設することができました。この場を借りて、改めてお礼を申し上げます。

 その後、応急仮設住宅は、昨年8月に供与期限を迎えました。しかし、基礎の改修を行って阿蘇市の再建支援住宅としたり、入居者などへの売却を進め、48戸のうち30戸が、引き続き「住まい」などとして活用されることになりました。

 「みんなの家」は、地元の要望により、一棟は被災地区の公民館として、もう一棟は市営住宅の集会所として、場所を移して活用されることになりました。秋頃には移設が終わる予定です。

 このような被災者に寄り添いつつ、将来を見据えた「創造的復興」は、全国に先駆けた取組みとして、今後の被災者支援のモデルケースになると考えています。引き続き、阿蘇地域をはじめとした被災地の復興に、しっかりと取り組んで参ります。

発表項目

熊本県、肥後銀行、ヤマト運輸による三者連携協定について

報道資料(PDFファイル:90KB)

蒲島知事
 続いての発表です。

 昨年10月21日、アジア向けの県産農林水産物の輸出を加速化させるため、熊本県、肥後銀行、ヤマト運輸の三者で、連携協定を締結しました。

 その協定に基づく取組み状況について、三点報告します。

 まず一点目は、本年3月25日に、香港の通信販売サイトに「くまもと美食倶楽部」というコーナーをオープンしました。

 この「くまもと美食倶楽部」では、現在、12社の登録事業者によりイチゴやトマト、真鯛など17品目が掲載され、こだわりの旬の県産農林水産物や加工品等を香港の消費者にお届けしています。

 二点目は、魅力的なマーケットである香港での活動を強化します。

 このため、新たに香港に拠点を置き、肥後銀行と連携して活動します。具体的にはマーケットリサーチや現地バイヤーとの接点を強化し、農林水産物の輸出拡大を目指していきます。

 今後、6月議会での予算提案等、必要な準備を進めて参ります。

 三点目は、輸出農産物の鮮度の保持輸送に取組みます。

 船便輸送中の鮮度低下や荷の傷みなどが物流上の課題であることから、アグリビジネスセンターがヤマト運輸と連携し、梱包資材の改良・開発、また鮮度保持技術の確立に取り組みます。

 また、八代港からの船便の実証輸送も行いたいと考えています。

 今後も県産農林水産物の輸出拡大に向けて、しっかりと取り組んで参ります。

発表項目

カンヌ国際映画祭ジャパンパビリオンでの熊本・くまモンPRについて

報道資料(PDFファイル:112KB)

蒲島知事
 最後に、くまモンについてのうれしい御報告があります。

 5月13日から24日まで、フランス・カンヌで開催されるカンヌ国際映画祭にくまモンが参加することになりました。

 今日は、くまモンは来ていますか。

 〔※くまモン登場〕

 〔※くまモンに向かって〕はい。おめでとう。

 皆さんもご存知のように、カンヌ国際映画祭は、ベルリン国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭に並ぶ世界三大映画祭の一つです。その一環として設置される日本のコンテンツを世界にPRする「ジャパン・パビリオン」に18日と19日の両日、くまモンが参加します。

 特に19日は、終日「KUMAMON DAY」としてくまモンが主演する2本のショートフィルム「くまもとで、まってる。」「ふるさとで、ずっと。」を上映するなど、世界から集まる映画関係者の皆さんにくまモンをPRします。

 また、くまモンは、カンヌ国際映画祭の出演にあわせ、世界的にも有名なスペインの磁器人形ブランド「NAO」からも招待を受けました。

 21日に工房を訪問する予定です。「NAO」とのコラボレーションなど、今後の展開については未定でありますが、是非ご期待いただきたいと思います。

 昨年のハリウッド進出に続き、今年もくまモンのフロンティアをどんどん世界に広げて参りたいと思っています。

 本日の発表は、以上です。

 はい。くまモン、以上です。

 くまモンも忙しいので。

 〔※くまモン退場〕

質疑応答

熊本県、肥後銀行、ヤマト運輸による三者連携協定について・1

(幹事社)
 では、幹事社からいくつか質問させていただきます。

蒲島知事
 はい。

(幹事社)
 最初に熊本県、肥後銀行、ヤマト運輸による三者協定に基づく取組みの中でのお尋ねですが、あらたに香港に拠点を置きますということですけれども、これは今現在、上海に熊本県と熊本市と熊本大学が共同の事務所を置いておりますが、それと同じような、いわゆる熊本県の香港事務所的なものと理解してよろしいんでしょうか。

蒲島知事
 まだ正確にどのような体制になるか、はっきりは決まっていませんけれども、今度は肥後銀行という民間の銀行と一緒にやります。

 上海は、熊本県と熊本市の連携でやっておりますけれども、そういうかたちでより効率的、そしてより効果が得られるようなかたちで派遣したいなと思っています。

 香港とまた上海とではちょっと違った状況にありますので、ただ、香港というのは、熊本にとっては、特に農産物の輸出先としては世界最大の場所であります。

 自由貿易ですし、ほとんど制約がないということで、香港の可能性は大きいと思って、楽しみにしています。

(幹事社)
 上海事務所と同じように、県職員を常駐させるようなかたちになるんでしょうか。

蒲島知事
 そこをはっきり決めてますかね。

 最低1人はいらっしゃるでしょうね。

(事務局)
 はい。

蒲島知事
 だから県職員とそれから連携(協定)でありますから、肥後銀行のほうからもスタッフがいらっしゃる可能性もあるんじゃないかと思います。

 今でも香港向けの輸出は、一番外国(への)輸出量〔※正しくは輸出額〕が多いので、それをもっと加速化したいということと、現地のバイヤーとの接点の強化、それからマーケットリサーチ、そういうものをやっていきたいなと思っています。

質疑応答

「明治日本の産業革命遺産」イコモス勧告について

(幹事社)
 あと、先ほどお話しありました、明治日本の産業革命遺産の登録勧告の件ですけれども、熊本県として残り期間にどういう取組み、登録に向けたどういう取組みをするのかというのが1点と、もう1つ、お隣の韓国が、明治産業遺産の世界遺産登録には反対すると、これを阻止したいというような政府の明確な方針を打ち出されておりまして、大きな理由が、戦時中の朝鮮人の徴用問題で、それには当然三池炭鉱も関わってくるわけですけれども、そういう隣国といいますか、韓国の動きに対して知事はどのように見られているのか、お話を伺いたいと思います。

蒲島知事
 この産業遺産が、私は勧告というかたちですので、近く世界文化遺産になることはほぼ確実だと思っています。

 これは熊本県にとっても、あるいは九州全体にとってもとても素晴らしいニュースで、万田坑はもちろん、これは福岡県との連携が必要だろうし、それから三角西港は天草に近いですから、天草の入り口ですので、たぶん来年は※埼津集落がきっと世界文化遺産になるでしょうから、それとのセットで売り込むことも可能だし、それから長崎との連携を組みながら、教会群として、その一連の中に三角西港が入っていくというかたちでも可能性があるんじゃないかなと、そのように思っています。
(※埼津集落の「埼」の字は、正しくは右上が「立」)

 そういう意味では、私はこのニュースを東京で聞いたんですけれども、とてもうれしく、それから東京の新聞に、全国紙に万田坑の写真が載っておりましたので、よかったなと、目立つ施設だなと思った次第であります。

 それから韓国側からの問題については、これはイコモスが専門的、学術的な観点から調査され、そしてそれを委員会のほうで審議されるわけですから、そういう学術的、専門性の観点からこれから評価されていくんじゃないかと思っています。

(幹事社)
 重ねてお尋ねですけれども、日本の産業遺産登録に他国が登録をするなと、登録に反対するという表明をしていることについては知事はどう思っていますか。

蒲島知事
 そのことについては、世界遺産委員会のほうで、韓国もメンバーですから、そこで表明されることは、それは委員の立場としては当然あり得るかもしれませんけれども、我々としては学術的、専門的なイコモスの調査勧告をきちんと評価していただきたいと思っています。

(幹事社)
 それはそれで、韓国の立場としては了解するということですか。

蒲島知事
 了解するというか、それは専門委員会の中における議論の1つではないかなと思っています。ただ、私としては先ほども言いましたように、学術的・専門的な機関であるイコモスが調査勧告したと、それをたぶん委員会のほうで評価されるんじゃないかなと思っています。

質疑応答

熊本県、肥後銀行、ヤマト運輸による三者連携協定について・2

(幹事社)
 各社さん、他に質問があればどうぞお願いいたします。

Q
 肥後銀行との香港の拠点の問題なんですけれども、まだ煮詰まっていないかもしれないんですけれども、これまでの鹿児島銀行と、肥後銀行との、10月に九州フィナンシャルグループの統合をした後に、甲斐頭取も香港、すでに上海ありますよね、肥後銀行も上海事務所ありますけれども、香港にも事務所を置きたいというような発言をされているんですけれども、肥後銀行の事務所の中に県の職員が駐在するとか、そういうあるいは九州フィナンシャルグループの。

蒲島知事
 まだ、そこまでは煮詰まっていません。体制は。

Q
 そこまでは煮詰まっていない(ということですか)。

蒲島知事
 連携協定を結んだということで、肥後銀行だけじゃなくて、ヤマト運輸も入っていますので、そういう意味では、まだこの段階でどこに事務所が入るとか、肥後銀行の中に入るとかという段階まで至っていません。

 連携協定を結んだということがとても大事だと(思います)。

Q
 ただ、県の職員を1人駐在させるということは、もう間違いない(ですか)。

蒲島知事
 これは人事に関することで、私はこの場で間違いないということは言えませんけれども、その可能性は高いんじゃないかと思っています。

Q
 すみません、続いて質問なんですけれども、この香港の拠点と、後は八代港からの船便の実証輸送というのが、まだ煮詰まっていないということですけれども、大体いつまでぐらいにそれぞれ、実現するというか、そういう目処は。

蒲島知事
 さっき言った、船のことですか。

Q
 はい。

蒲島知事
 船のことは、既に、この実証実験は博多港から外国に持って行った時の実証実験をやっています。それに熊本県も(実施主体となって)参加してやっているところであります。

 それはまた、改めて、もっとアグリビジネスセンターを中心にそれを深めて、とりわけ八代港から出す実証実験も入っていますので、まだこれは予算措置が必要なんですね、正確にいつ頃というのはわかりますか。

(事務局)
 流通企画課ですけれども、具体的な試験につきましての予算措置は、今年度の当初予算で決めていますので、県産の農林生産物が市場に出だすのが10月以降になりますので、それと時期をあわせて計画したいと思っています。

蒲島知事
 それからこれはヤマト運輸さんも参加されますので、物流のプロですから、そういうかたちでは梱包の資材がどうあるべきか、それから保冷材料がどういうものであるべきか、そういうのをヤマト運輸さんとしっかりと連携してやるということで、今まで飛行機で運んでいると値段が高いんですよね。それを船で運ぶとなると、大量に、また安く運ぶことができるので、相当有利になるんじゃないかなと思っています。

Q
 すみません、現在の空輸のルートというのは、沖縄から香港でよろしかったですかね。

蒲島知事
 そのところまた正確に。間違っちゃいけないので。例えばイチゴなんかはどうやって運んでいますかね。

(事務局)
 沖縄のハブの利用もありますし、一旦成田に行ってからまた飛ぶというようなのも、様々なパターンがあるというふうには聞いております。

蒲島知事
 例えばイオンさんが、香港で熊本の晩白柚を3週間ぐらいだったと思いますけれども、1,800個ぐらい一挙に売られましたけれども、ああいうのも可能性としては船便なんかで当然運ばないと重いですからね。
 だからそういう意味で価格競争力が飛行機から船便に変わることによって相当上がるんじゃないかなと思っています。

質疑応答

熊本広域大水害における被災者支援としての木造応急仮設住宅及び「みんなの家」の取組みについて

Q
 よろしいですか。

蒲島知事
 はい。

Q
 応急仮設住宅とみんなの家の件ですが、仮設住宅のほうは、知事も最初からその方向、期間を迎えた後も最初に住宅に使えればというお話もあったと思うんですが、これは「みんなの家」に関しても、またその後別の地元のほうで活用できればというようなお考えで最初から進めていらっしゃったんですか。

蒲島知事
 こっちのほうがより活用できると思ったんです。

 それはやっぱり、公共的な価値が1つあるということと、それから歴史的にも重要なものに将来なっていくんじゃないかなと思っているんですよね。

 そういう意味では、これを公民館なり、あるいは集会場に活用されるという意味では、私は当然そうなるだろうと思っていました。

 もう1つ大事なのは、なぜこういうことを、「痛みの最小化」ということを考えたかというと、東日本大震災の時に、仮設住宅の話があって、プレハブが普通ですよね。で、2年になったら、リースですので、2年になったら大体終わるというのが普通なんですけれども、そこは、もう阪神大震災の時からそうでしたけれども、長く住み続けたい人もいるんですよね。

 そうすると、2年しかもたないような住宅ですから、それは大変2年以上経った時にきついだろうなと思った時と、やっぱり熊本にはたくさん木造が、木があるので、是非熊本のこの材木を使ってやってほしくて、将来、住み続けたいと思う人、特にお年寄りの方が改めて家を建てるだけの資金力がない場合がありますよね。

 そういう意味では、それを基礎から初めて、何十年ももてるような住宅を作っておけば、そこにも住めるんじゃないかなと思って、実際そうなりましたけれども、そういう長期的な戦略が今回あたったなと、それがやっぱり痛みを最小化するということではないかなと思っています。

 それから「みんなの家」について、僕はとても楽観視していたのは、最初のこのアイデアは伊東豊雄さんですよね。伊東豊雄さんが仙台に「みんなの家」を作りたいということで、熊本県に協力の依頼があって、熊本県から材料と、たぶん大工さんも出したんじゃないかなと思うんですけれども、全面的な協力によって、この「みんなの家」ができて、それをベースに伊東豊雄さんが建築学会のノーベル賞といわれているプリツカー賞をとられましたから、そういう歴史的な背景があるので、それを阿蘇に作っていただいたということと、阿蘇市がきちっとそれを、住民を巻き込んで、住民が管理するということで、歴史的な意味のある「みんなの家」ではないかなと思っています。

 私は今振り返ってみて、とてもこの木造の仮設住宅を作ったこと、それからみんなの家を2つ作ったことは、私の県政の中でも誇りに思える仕事だったなと思っています。

Q
 知事すみません、先ほどの発言の中で、歴史的にも重要なものだというようなお話しがありました。

 先ほどの、後のほうの説明で、伊東豊雄さんが作られたみんなの家、東北のみんなの家がプリツカー賞をとられたという意味で歴史的意味があるというふうにおっしゃったんですが。最初受け止めたのが、その教訓を伝えるという意味での歴史的災害の教訓を伝えるという意味で、そういう施設を残すということが歴史的な意味があるというふうに最初受け止めたんですが、ちょっとどういう真意かもう一度(お願いします)。

蒲島知事
 すみません、3つあります。

 まず第一は、あなたが受け止めたように、この災害が起こったことの1つの歴史的な教訓を踏まえたメモリアル、2番目は伊東豊雄さんという、有名な方がこれをきっかけに「みんなの家」をきっかけに、プリツカー賞を取られたというその知名度、3番目に最初に伊東豊雄さんのアイデアに協力して、熊本県が森林組合連合会を含めて、全面的にこのみんなの家の建設に協力したこと、そういう意味でその3つの意味がメモリアルと、それから伊東豊雄さんの知名度、そして熊本県が「みんなの家」に最初協力したという、そういう歴史的な意味があるんじゃないかなと思っています。

Q
 ありがとうございました。

蒲島知事
 よろしいですか。

質疑応答

水俣病問題について

Q
 すみません、もう1点追加でお尋ねしたいんですが、5月1日の水俣病慰霊式の後のお話なんですが、現地でもお答えになってはいらっしゃるんですが、チッソの森田社長が、事業会社のJNCの株売却について、内部の準備を整えてきていて、後は環境省の判断を待つというような趣旨の話で、市場の好転がなされているという認識を示されているんですけれども、知事、その時、大臣と一緒に売却話というかたちの話をされていらっしゃるんですが、改めてその発言についてのご感想と、これも改めてなんですが、救済の終了というもう1つの特措法の条件についての改めてのお考えをもう1度お伺いしたいんですが。

蒲島知事
 慰霊式を終えた記者会見でも申し上げましたけれども、これは基本的には環境大臣が決定することです。

 株の売却の問題ですけれども、ただ、あの時環境大臣が答えられたのと私も全く同じ考えを持ったんですが、まだいろんな救済を求める声があがっている、裁判も続いている段階でこの水俣病問題が終了したというのは、そういう状態じゃないんじゃないかと(思います)。だからまだ株売却の話というのは、環境大臣の言葉によるとその段階じゃないと(いうことです)。

 私も全くそう思いますというふうに答えました。

 だから、環境大臣と私は(立場も)違うけれども、私も環境大臣の考え方と一緒であります。

Q
 今はその時期ではないというお答えなんですけれども、逆もちょっとお聞きするとすればどういう状態がその救済の終了だと(思われますか)。

蒲島知事
 紛争の終了とみんなが認める、そういう段階じゃないですかね。今、これだけ裁判が続いて、これだけその申請があるという段階では、水俣病問題の終了ととても言い難い、皆さんもそう思っていらっしゃるでしょうし、そういう段階じゃないということが今の段階で言えることだと思います。

Q
 これも、このこと自体も大臣が判断することでもありますけれども、知事として今は、その現段階では救済の終了といえる状況にないということだけが明確に言えるということですか。

蒲島知事
 はい。そうです。

 ただ、私が決めることではないということだけ理解してほしいと思いますけれども、ただ私と環境大臣の気持ちは全く一緒だということが、この前の記者会見でわかりました。

 じゃ、よろしいですか。

(幹事社)
 他によろしいですか。

 では、終わりたいと思います。ありがとうございました。

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