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平成21年 4月 8日 知事定例記者会見
日時:平成21年4月8日(水曜日)午前10時00分から
場所:知事応接室
発表項目
質疑応答
新年度のスタートにあたって
(幹事社)
おはようございます。まず知事の方から発表項目をお願いします。
蒲島知事
はい、早いものであと一週間で知事就任から1年になります。
昨年は、マニフェストに約束したとおり、財政再建、川辺川ダム問題、水俣病問題という3つの大きな課題に挑戦し続けた1年だったように思います。
川辺川ダム問題と財政再建については一定の道筋を示すことができたと思います。水俣病問題については、現在国会の場で審議中ですけれども、この問題も解決の機が熟したのではないかなと感じております。
私はこの1年間を振り返ってみて、一つの事を学びました。それは時間的緊迫性がとても大事だなということです。
私の知事としての期間は4年間しかありませんので、その4年間の中にこの時間的緊迫性が入ってこないとなかなか物事が達成できない。たとえば大学入試を考えても、どこどこの大学に合格したいという長期目標があると。これが私の「くまもとの夢4ヵ年戦略」ということになります。
しかし、じゃ今日は何をするかと、今月は何をするかと、あるいはこの半年で何をするかという、短期的なそういう時間的緊迫性がないとなかなかその方向に向かって進んでいく感覚がないというふうに思います。
そういうこともありますので、幹部職員に対して県民の幸福量の増大と、それに貢献するというミッションにそって、時間的緊迫性をもって半年、1年と時間を区切って仕事をするように訓示しました。
また、部局横断的な取組みが必要なものについては、プロジェクトチームで具体的な検討を進めたいと考えています。
今日は、このようなことをやったというよりも、このようなことをいつまでやるという観点から記者会見と私の抱負を述べたいと思います。
知事選の時からずっと私が言い続けてきたのは、熊本の農業の可能性は素晴らしいものがあると。そしてこの農業の可能性を爆発させたいというふうに言ってきました。
将来的には、農業をあらゆる分野の施策と融合させたプロジェクトに取り組みたいと考えておりますけれども、まずは企業の農業参入促進を図り、農業の可能性を爆発させたいと思っています。
組織上も、すでに皆さんもご存知のように農業経営課を改編した「農村・担い手支援課」の中に、「担い手支援室」を設置し、推進体制を強化しました。
そして、新たな生産法人の設立、農地・作物の選定作業が順調に進めば、半年後に、企業数社の農業参入を実現したいと考えています。
企業の参入は、農業の発展に新たな視点をもたらしてくれると思っています。
次の私の夢の一つが「長寿を恐れない社会」を熊本でつくることです。
考えてみると、長寿の恐れはどこからくるだろうかと。それは多くの人が自分が自分でなくなった時、自分が認知症になった時にどうやって生きていくのかと、それを恐れているからだと思います。
私は、この熊本県はどこよりも素晴らしい認知症対策に取り組みたいと思っています。
そして認知症高齢者をはじめとする要介護者を、地域全体で支える体制づくりを進めるために、高齢者支援総室内に「認知症対策・地域ケア推進室」を設置しました。
現在熊本県の総合的な認知症対策を推進するために、「認知症疾患医療センター」や「コールセンター」の設置に向け、具体的な取組みを始めております。
県としては6月中に新たな認知症対策の姿を示したいと考えておりますし、それを熊本モデルという形で示したいと思っています。
もう一つの夢が「品格あるくまもとづくり」です。
熊本が有する美しい自然や景観、また脈々と受け継がれてきた歴史・文化などを活かした地域づくりを進めたいと考えています。
もちろん、あと2年後に迫った九州新幹線の全線開業効果を県下全域に波及させるための取組みも加速させています。
そうした時期にあって、今私は熊本が世界に誇る素晴らしい自然、景観の魅力をさらに増すような取組みを進めたいと考えています。
具体的には九州新幹線の沿線の田園風景などを守るために、屋外広告物の規制を検討し、本年度中に規制地域の指定を行いたいと考えています。
例えば関西から新幹線に乗って、熊本に入ったら熊本の景観がどこよりも特色があるし、優れているような、そして屋外広告も規制されていて、とてもきれいな所だなと皆が実感するような、そういうふうな取組みをしたいというのがこの規制地域の指定の目的でもあります。
また、阿蘇くまもと空港周辺は、現在景観形成地域に指定し、景観形成に努めていますが、多数の屋外広告の掲示もみられます。そのため施設の設置者と屋外広告物や施設周辺の緑化等の景観対策について協議を進めます。
それから4番目が「夢のある教育」の推進です。
私は熊本の教育が県民の皆さまの「夢への架け橋」となることを強く願っています。
「くまもと「夢への架け橋」教育プラン」を推進する教育庁と、知事部局に設置した「夢教育チーム」これは私学振興チームですけれども。この連携により「夢のある教育」を進めていきたいと考えています。
最近私が新聞記事で見たものですけれども、元内閣官房副長官の石原信雄さんはこのように述べています。
「強い政治があると、官僚組織は輝く」と述べられています。
私はその言葉にとても感銘を受けました。強い政治、強い知事、そういうものがあれば、県庁が輝くというのではないかと。私が政治的に強い力を発揮すれば、県として取り組む方向性が明らかになります。
方向性がきちんと決まれば県庁組織は光り輝きます。
そしてそれが県民の幸福量の増大に貢献するものと確信しています。
2年目となる蒲島県政は、県民の皆さんとの信頼関係の構築に努めながら、皆さんの幸福量の増大に努めてまいりたいと思っています。
これが新年度にあたる私の抱負でもあります。
「くまもと夢づくり賞」の創設と小山薫堂氏への授与について
蒲島知事
続きまして、2つご報告があります。1つは「くまもと夢づくり賞」の創設と、小山薫堂氏への授与についてお伝えします。
このたび、国内外における顕著な活躍により、県民に大きな「夢」を与えた、個人や団体に対し、その栄誉をたたえる「くまもと夢づくり賞」を新たに設けました。
その最初の受賞者として、第81回アカデミー賞で、日本初の外国語映画賞を受賞した映画「おくりびと」の脚本を担当されました、天草市出身の小山薫堂氏に対し、その「夢」あふれる功績をたたえ、「くまもと夢づくり賞」を贈ることにしました。
小山氏は今回の「おくりびと」の脚本で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞など、数々の賞を受賞されています。
また、これまで長年にわたり、多くの人々に夢を与える放送メディアの分野で、数多くの人気テレビ番組を手掛ける放送作家として活躍されています。
こうした功績は、まさに県民に大きな「夢」を与えてくれるもので、「くまもと夢づくり賞」の最初の受賞者として贈るにふさわしい方と考えました。
受賞式は、4月14日に県庁で行います。
小山氏には表彰状のほか、副賞として、熊本産の旬の農林水産物を月ごとに1年間、お届けしたいと思っています。
第1回目の今月は、甘夏を贈る予定にしています。
「スイカ・メロン・春野菜販促キャラバン隊」の出発式について
蒲島知事
2番目、これは皆さんのお手元に何のためにスイカがあるか分かると思いますけれども、これから本格的な出荷が始まるスイカの販売キャラバン隊の出発式について、この場を借りて紹介します。
以下のことは、記事にならないと思うのでどうぞ食べてください。
食べながら聞いてください。どうぞ、どうぞ。
キャラバン隊は18日と19日の2日間、東京、大阪、名古屋の3都市圏で対面試食販売による販売活動を実施します。
本日はみなさんのお手元に「小玉スイカ」‘ひとりじめ’という品種ですけれども、用意しました。
どうぞお召し上がりください。私も食べてみます。私も食べる間どうぞ食べてください。
甘くて美味しい。
どうですか、美味しいですか。
大玉スイカが減少する中で、小家族にも向く、小玉スイカの作付面積は年々増えております。
人気も高まっています。
このキャラバン隊の詳細についてはお配りいたしました報道資料をご覧ください。以上が私からのコメントです。
質疑応答
(幹事社)
まず、発表項目について何かございましたでしょうか。
企業の農業参入促進関連
Q
農業の参入の話をされていましたけれども、具体的に何かインセンティブをつけて土地を用意するとか、どういう方法をお考えだったのでしょうか。
蒲島知事
農業問題については、今様々な方策をとっております。今日は具体的にお示ししたものについては、それを最大限利用して期間内に企業の参入を果たしたいというのが今日のご報告です。
すみませんけれど、担当者の方からインセンティブについてご報告をお願いします。課長。
はい、どうぞ。ここから。
(農村・担い手支援課)
企業さんにつきましては、個別にご相談を承りまして、それぞれオーダーメイドで相談にのれるような、そういう体制を今から整えてまいります。農地の情報ですとか、それから地元の合意形成ですとか、そういうところも含めて県としてはオーダーメイドでできるようにと思っております。以上です。
Q
知事、半年後ということは、10月ぐらいにもう数社とおっしゃいましたけども、ある程度の目処がおありということでしょうか。
蒲島知事
半年後ですから、ある程度の目処がないとこれはちょっと約束できないことですので、まだちょっと…、目処はあります。
くまもとの景観づくり関連
Q
屋外広告物の規制に関してですけれども、これは従来の制度といいますか、それをいろいろ適用する範囲を拡大するというような趣旨なのか、それとも新たに何らかの、全く新しい観点での規制というものを取り入れようというお考えでいらっしゃるのか。それと先程のお話ですと、新幹線沿線、もしくは空港周辺という事例があげられましたですね。たとえば主要幹線道路とか、市街地とか、どういった範囲でお考えなんでしょうか。
蒲島知事
今日のところは新幹線に関しては新たに規制を設けるということになっておりますし、それから空港周辺については、もう既に規制がなされていますので、その範囲内で。もう一つは、なかなかこの手のものはできないという認識が強くて、しかし、やろうと思えばできる。というのが阿蘇の山上にあった廃屋を取り壊して景観整備を行った経験もありますので。やはりこの我々ができることは、素晴らしい熊本の景観を保持していくということ。これはとても大事なことだと思います。
私も熊本に来た瞬間、あるいは熊本に帰った頃は、いろんな事が目についていたわけですけれども、次第に慣れると「こんなものかな」というふうになってしまいますので、まだ新たな「これはなおしたがいいんじゃないかな」と、あるいは「これは規制した方がいいんじゃないかな」と思った時は、それを新鮮な感じを持ったままの時に政策を進めていきたいと思っています。
Q
すみませんけれども、今回新幹線に関してはこれまでと違った新たな方策ということになるんでしょうか。それともこれまでと同じ規制の中で行うということですか。
蒲島知事
ここに入らないと記録が残りませんので。
(景観公園室)
基本的には、九州新幹線の新八代駅以南の規制を踏まえまして、検討する課題が他にちょっとございますので、それを商業地域そういったところの規制をどうするか、そういったところを検討してまいりたいと考えています。
Q
これは知事のイメージの中では、設置そのものを規制するような類のものなのか、それともたとえば大きさとか色、そういったものを統一性をもたせるとか規制するとか…。
蒲島知事
イメージの中で規制するというよりも、たとえば協力を求めることもあるかもしれませんね。同じ作物を沿線には入れたらいいなとか、いろいろイメージはありますけれども、それは農家の方々のご協力も必要かもしれませんし、それから高さがまだ分からないんですよね。新幹線に乗った時の車窓の風景が実際に試運転がされていないので、何メートルぐらい先までこう見えるのかね。
Q
そうしますと、屋外広告物の規制に止まらず、景観づくりといいますか、田園風景に統一的な作物、それが結果的に風景を生むとかそういったものも。
蒲島知事
私のイメージとはそうですけれども、そこはどこまでできるか、関係部局と。まずは広告。私が聞いたところによると500メートルでしたか、農業地帯は。500メートルの規制があるので、ほとんど今の大きさでは見えないんじゃないかというお話でした。
はい、どうぞ。
Q
それは何が500メートルかというのと、それはどちらかというと、駅周辺の景観というお考えなのか、さきほど知事もおっしゃったとおり沿線であるとかなり音を遮断する、多分あれがあって、車窓から外が見えるのかというところもちょっとあるのかなという気がするんですけれどもね。
蒲島知事
それはちょっとどういう状況になるか実際に出来てみないと分かりませんけれども。玉名振興局が作った計画図がありますけれども、それで見ると、やっぱりひらけるところがあると。それはトンネルを抜けた所と、そうすると見えない所も勿論あるでしょうけれども、見える所もあると。そういう意味では十分な視界がひらけるんじゃないかなと思っています。
Q
知事のイメージとして、どんな風景がひろがってほしいなというのがありますか。
蒲島知事
やっぱりKANSAI戦略ですから、熊本らしい自然が視界に広がってくる。ああ何か熊本に来たなと。これは趣味の問題かもしれませんけれども、私がだいたい飛行機で東京から熊本に帰ってきていましたけれども、鹿児島本線で帰った時に、福岡から熊本に入ると、菊池川流域がとても美しいなと感銘を受けたことがあって、それが原点になっています。
Q
熊本らしい自然というのは、要するに農地が広がっていたりとか、そういったイメージということなんですか、知事の具体的なイメージとしては。
蒲島知事
いや、これは私のイメージというよりも、どういうふうにそれを政策に体現していくか、実際に体現していくかはこれからの検討だと思いますけれども、少なくとも熊本に入った時に「ああ熊本に来たんだ」と皆が思ってくれる。
Q
きれいだなというような。
蒲島知事
そう、やはり熊本は環境と自然とそういうものですから、それから農業、環境と農業と、それから観光が一体となれるようなイメージですね。
Q
すいません知事、確認なんですけれども、今の景観の問題は、今現状で幹線道路とかの沿線沿いの広告物の規制をする条例が現状であると思うんですけれども、その新規に適用地域を、新幹線の沿線にも広げるという話なのか、さきほどおっしゃったような、農業の作物とかの協力を求めるところも含めて、全く新しい規制の条例を新たに作るという意味なのか、そのあたりはどのような感じですか。
蒲島知事
農業に関しての規制はできない。しかし屋外の広告物についてはもうすでに八代以南についてありますので、それを先程担当課の方のお話によると、それを適用すると、もう既にあるということです。
Q
広げるということですね。
蒲島知事
はい、そうです。
ただ今はまだ何もないわけですね。これから沿線全部には、今八代以南にしかないわけですね。
(景観公園室)
はい、そうでございます。
認知症対策関連
Q
知事、認知症対策ですけれども、いろいろ医療的な体制であったり、介護、在宅ケアから施設だったり、人的なものだったり、あるいは予防だったり、色々観点は幅広くあると思うんですけれども、知事がおっしゃる熊本モデルというのをもう少し具体的に教えていただくとどういうイメージなんでしょうか
蒲島知事
今日はそのうちの2つだけお知らせしましたけれども、認知症の医療センターとコールセンターの件ですけれども、もっと大きな広がりの中に位置づけられるものなんですね。その大きなシステムの中に、今回6月中に行うのは、こういう姿をお示ししたいということですので、すみませんけれども担当の、ここまで来てやってください。
(高齢者支援総室)
高齢者支援総室長の江口です。知事が今おっしゃった「認知症対策の熊本型モデル」、具体的には認知症対策を医療面、それから介護面、そして地域支援体制という、この3つの柱で進めていきたいというふうに考えております。
これまで認知症対策についてはどちらかというと、介護の面が先行して具体的な取組みを進めてきております。
その中で医療面がかなり遅れております。認知症については早期発見ができれば進行を遅らせることができたり、あるいは認知症によっては治療をきちんとすることができるというものもございますので、まずはこの早期発見が一番重要だと考えております。
そういった面で今回知事の方から話がありました認知症疾患医療センターという、この認知症の早期発見、早期診療をきちんと行える拠点を具体的に整備をしていきたいというふうに考えております。
蒲島知事
よろしいですか。
私も先日、MRIというのを、MRAですか、脳のこの写真をとりましたけれども、認知症になるとどうなりますかというふうにお医者さんに聞いたところ、ここのところがちょっと空洞化しますということをおっしゃっていました。
幸いにして私はまだ大丈夫でした。
「くまもと夢づくり賞」関連
Q
発表項目にあった「くまもと夢づくり賞」なんですけれども、これはこれまで県民栄誉賞というのがあったと思うんですけれども、これとどう違うんですかというところをまずお聞きしたいのですが。
蒲島知事
この「夢づくり賞」の場合は、学術・文化、それからスポーツの分野で、明快にここまでが「夢づくり賞」で「栄誉賞」とどう違うかというそのことを、決めましたかね。
(秘書課)
秘書課長の向井でございます。「県民栄誉賞」は県民の誇りと栄誉となるような個人を顕彰する賞でございまして、今回の「くまもと夢づくり賞」は県民に大きな夢を与えてくれる個人・団体を表彰するということで位置づけをいたしております。
Q
団体も対象ということでしょうか。
(秘書課)
対象となります。
Q
今回小山さん個人が県民栄誉賞でもよかったのかなと思うんですけれども。
(秘書課)
運用の中で、やはり相当あの栄誉賞の場合は、これまで受けられた方で、例えばオリンピックで金メダルを取られたりとか、そういったレベル的なものもございました。
蒲島知事
ということです。
Q
ちょっと、じゃ今の話に絡みまして、さきほど発表の中ではこの資料のままの感じだったんですけれども、是非知事としては、この小山さんの活躍というのが、県民に具体的にどんな夢を与えたというふうにお感じになっているのかということを。
蒲島知事
アカデミー賞というのは世界的に素晴らしい賞ですし、その脚本というのは、映画の中心部分をなすものですから、初めて映画の脚本を書かれたんですね。
そういう初めてで、かつアカデミー賞の脚本賞を受賞されたということで、みんな心踊るところがあったわけですね。
天草出身で、44歳とおっしゃっていましたのでこれからもご活躍いただくだろうと。そして天草ご出身で、たいへん天草のことを愛されて、熊本のことも愛されているということで、更にご活躍になって、また熊本の夢の広がりに貢献していただけるのでないかなと思っています。
Q
ちなみ知事は「おくりびと」はご覧になられたりしました。
蒲島知事
まだ時間がありません。見ます。近々。
是非その時間があればいいんですけれども、なかなか。
Q
14日にはご本人がご出席されるんですかね。
蒲島知事
そうです。はい、14日にいらっしゃいます。
路木ダム事業関連
(幹事社)
発表項目はこのあたりでよろしいでしょうか。
あと幹事社の方から何点か伺いたいんですけれども、まず県営路木ダムについてなんですけれども、昨日まず天草市の調査の結果がまとまったわけなんですけれども、それについての知事のご感想と、着工というのが今年、今年度控えていると思うんですけども、それについての考え方をちょっとお伺いできればと思います。
蒲島知事
路木ダムについては、これまで地元天草市長をはじめ、様々な方々から路木ダムの早期着工のご要望をいただいています。
今回天草市長より路木川の氾濫によって当該地域が多大な影響を被ったことは、地元関係者複数人からも確認できたという旨のご報告を受けています。
私は、今回の天草市長からのご報告を重く受け止めております。
ただ、この路木ダムについては様々なご意見があります。
そして再評価監視委員会での今後とも十分な説明を行い、事業への理解を深めるように努めることという付帯意見をいただいております。
その付帯意見を踏まえて、6月議会までには私の考えをお示しする機会を設けたいと思っています。
Q
「6月議会で考えを」ということは、どういった考えを。ねらいは。
蒲島知事
きちんと説明責任を果たすために、再評価監視委員会での付帯意見を踏まえて、自分の考えを丁寧にお示ししたいと。それを期間を区切って6月議会までということです。
Q
どうして県としてやるのかということを説明するという、改めて説明するということですか。
蒲島知事
私の考えをご説明するということです。
Q
基本的には路木ダムは今でも県としては進めるというスタンスではないんですか。
蒲島知事
6月の議会までにお示しいたします。
Q
それは例えば事業を延期したりとか、仮に中止したりとかそういう可能性も含めたことですか。
蒲島知事
きちんと説明責任を果たすために再評価監視委員会での付帯意見を踏まえて丁寧に自分の考えをお示しするということです。
Q
実際に県としては、今年度予算に本体着工に入るにあたっての予算もすでに知事自らが計上なさって予算は通ってますし、これまでに市の報告を受けて、そういう前提で再評価監視委員会の判断を重く見ると常におっしゃってきたと思うんですね。それからすると、GOサインが出てしかるべきという考え方もあると思うんですけれども、あえて6月まで考え方を保留なさるというのは、何らか再検討といいますか、知事として検討を見直さなければいけない要件があるというご認識なんですか。
蒲島知事
昨日最終報告が出たばかりですし、その分析も踏まえ、そしてこれまでの経過すべてを踏まえて。もっとも重いのは再評価監視委員会での付帯意見ですね。今後とも十分な説明を行い、事業への理解を深めるように努めることということがありますので、私の考えを丁寧にお示しする機会を6月議会まで設けたいというのが、今の私のスタンスです。
Q
6月までに何をされるんですか。
蒲島知事
私の路木ダムに関しての考えを、丁寧にお示しする機会を設けたいと。
Q
どういったところから情報を集められる予定なんですか。
蒲島知事
情報はもうこの調査結果を踏まえてです。
Q
じゃそもそも調査結果で、河川整備計画に県が出されていた57年の水害については確認できなかったと。記録はなかったと昨日安田市長が言われているんですけれど、それって根拠が揺らいだままの状態ではないかと思うんですけれど、それは知事はどうお考えですか。
蒲島知事
根拠が揺らいだってどういうことですか。
Q
河川整備計画に書いてある57年の水害というのが、写真が誤っていたと以前会見で言われて間違っていたと言われましたよね。そこは天草市の調査でも結局昨日の時点で確認できなかったと安田市長もいわれているんですけれども、そのままでもダムの整備計画というのは正しいままだとお考えですか。それとも例えば考え直さなきゃいけないというお考えですか。
蒲島知事
昨日の安田市長の最終報告では、要望書の中にあった被害、浸水ですか、この内容を否定するものではありません。
書かれていた数を確認するものもなかったわけですけれども、今路木ダムの大きな目標というのは、治水とともに利水、この2つが大きな目的になっています。
その目的にそって私の考え方を6月の議会までに示すということです。
Q
今年度の予算にダム問題の着工費というか、そういうものは計上されていると思うんですけれども、その予算については6月までは要は着工はしないということになるんですか。
蒲島知事
私の考え方が示されていますので、そういうことになると思います。
Q
6月までは着工しない。
Q
予算の執行を見合わせるという…。
蒲島知事
予算の執行をいつまでするとはいっておりませんので。河川課長、それでよろしいですかね。
ちょっと、ここのところは大事なので、すみません来てください。
(河川課)
それらも含めて知事が6月議会までにご判断されるものというふうに我々は認識しております。
Q
要するに予算を執行をするかしないかも含めて6月までに判断と。
(河川課)
含めて、知事が判断されます。
Q
不要だという人もいます。京大の名誉教授も不要だというふうに言っていますけれども、そういうのではなくて、もう着工を決めたという認識でよろしいですか。
蒲島知事
6月議会までにと言ったとおりです。
Q
知事、今一番お伺いしたいのは6月までに何をおっしゃるかですよね。
今の県の姿勢は基本的に必要だということですよね。その立場も変わるかも知れないということですか。
蒲島知事
ここで言えることは、様々な意見があるということ。それから再評価監視委員会での付帯意見があるということ。それを踏まえて6月議会までに私の考えをお示しすると。丁寧にお示しするという機会を設けたいということです。それはどういう内容になりますかというと、仮定の話になりますのでそれはこの場では…。
Q
川辺川ダムの判断の時のように、推進あるいはあの時は白紙撤回という表現をされましたけれども、知事としての路木ダムを作るかどうかの賛否について考えを示されるのか、それとも推進という基本路線の中で、なぜ進めていくのか、私としてはこういう考えをもっているということをご説明されるか。そこはいかがですか、どういう…私の考えなのか。
蒲島知事
ここでその私の考えを拘束するものはあります。
Q
ということは、知事ご自身は路木ダムについては推進でも反対でもないということなんでしょうか。
蒲島知事
これは私の中では勿論ありますけれども、様々な検討を踏まえて6月議会までは私の考えを丁寧にお示しする機会を設けたいということです。
Q
お示しする機会を設けるって、誰に対してお示しする機会を設けられるんですか。
蒲島知事
これは、今はそこまでは考えていませんけれども。
Q
もう1回確認ですが、賛成か反対かも決めかねて、まだはっきりは決めていないということですか。
蒲島知事
私の心の中を皆さんに見せるわけはいきませんけれども、6月のその場をお待ちくださればいいと。
Q
知事、誤ったメッセージを伝えたくないので、すごく大事で、いわゆる賛成は変わらないんだけれども、その内容を説明するということなのか。それとも賛成反対を含めて、きちんと知事の中でお考えになってそれを説明するのか。そこだけはきちんとしていただきたい。
その伝え方によって全然意味合いが変わってきますから。
蒲島知事
それではもう一度繰り返します。これ以上でもないしこれ以下でもありません。
路木ダムについては様々な意見があるため、再評価監視委員会での今後とも十分な説明を行い、事業への理解を深めるよう努めることという付帯意見を踏まえ、6月議会までには私の考えを丁寧にお示しする機会を設けたい。今のご質問は、今どっちの方だということをご質問ですけれども、6月議会までには私の考えを丁寧にお示しする機会を設けたいということです。
Q
知事が今引用された再評価監視委員会の付帯意見というのは、再評価監視委員会というのは要は継続という結論を出していますよね。それに加えて事業を継続していくという前提での十分な説明ということだと思うんですよね。文脈として。
となると、知事としてはやっぱりダムは作っていくと。県としては継続していくんだという考えで私の考えをお伝えするということで解釈できると思うんですけれども、そうでもないんですか。
蒲島知事
あの…。
Q
再評価監視委員会は結論を出さずに付帯意見を付けているんであれば、それは確かに賛否ということも含めてになると思うんですけれども、今の文脈からすると、事業を進めるための十分な理解を求める説明責任ということだと思うんですけれども。
となるとやっぱり継続というか…。
蒲島知事
今私が言った以上でも以下でもないと思って、これが公式のコメントです。
Q
はっきりそこはされていた方が本当はいいと思うんですけれども。
蒲島知事
それは…。
Q
別に今賛成か反対か教えてくださいというのではなくて、その両方の可能性も残されているのか、推進ということをきちんといろんな人に理解してもらうための6月までの時間なのか、どちらかを知りたいんですけれども、そこはこっちですというのを言っていただけませんか。全然違うと思うので他の記者も言っているんですけれども。
蒲島知事
6月議会まで。
Q
じゃ今の知事の発言だとダムに反対される方は、多分知事は、ダムは白紙から、反対もあるよと、やらないこともあるよと受け止めると思うんですよね。
それはそれでも構わないということになるんですか。
蒲島知事
事業への理解を深めるように努めることという一文がありますので。
それをふまえて丁寧にお示しする機会を設けたいということです。
これが一番今の段階では言えることだと思います。
河川課長それでよろしいですか。
Q
事業への理解を深めるというと、それはもう知事が何らかの今から検討をなさって、その時期にメッセージを出されるということではなくて、いろんな意見を出されている方と、今後ある立場にたって協議をしていくということではないんですか。それなしに6月まで先のばしなさるというのは、これまでこの間、路木ダムに関して、再評価監視委員会の見解をベースに知事として最終報告を待たれて、この時期までもってこられたということからするとですね、先延ばしとしか取れないし、今日のあいまいなおっしゃり方非常に誤解も招くし、これまでの文脈を素直に受け取ると、やはり監視委員会が事業推進という前提に立った。しかし天草市の報告を待つということだったわけですから、それからすると今日のおっしゃり方は、その当時の知事の見解からすると、やはり事業推進から違う立場に、別の立場にもう移られたというふうにしか読み取れないし、そうでなければ今おっしゃった事業への理解というところにおっしゃるならばただの先延ばしでしかないし、そこは明確にしていただきたいと思います。
蒲島知事
昨日最終報告が出されました。そして、じゃ今この場でもう決断しろとおっしゃっているのかしら。
Q
いや、ですから、これが6月までというタイミングではなく、最終報告をしっかり読んで近日中に明確に示しますというのと、6月に示しますとおっしゃるのは、それは意味が違うと思うんです。
蒲島知事
私はこれ大変重要な問題であるし、様々な意見があります。で、2か月、本当に今もう6月ですから、2か月を切っています。その期間は自分の考えを丁寧に示す期間が必要だと判断しました。
それを先送りと評価するのか、あるいは尚早だとするのか、それは様々な方によって受け取り方は違うと思いますけれども。
Q
そうするとですね、知事の中ではもう結論は出ていて、その説明をどうするのかということで2か月を必要とするということでよろしいんですか。
蒲島知事
仮定の話には、ちょっとここは言えませんけれども、6月の議会までには私の考えを丁寧にお示しすると、そういう機会を設けたいということです。
Q
賛否も含めて判断するという、そういうことで受け止めざるをえないんですけれども、そういうことなんですか。
はっきりしていないということ。
蒲島知事
じゃ今はっきりしてくださいとおっしゃているような気がしますけれども。
Q
何回も皆さんがおっしゃっていると思いますけれども、今賛否を表明しろと言っているのではなくて、要するに今はまだこれからその部分も含めて検討すると、そういうことでよろしいんですかということなんですけれども。そうじゃないんですよね。
蒲島知事
大変微妙な問題ですので、もう私が読んだとおりに理解していただきたいと思います。
(幹事社)
すいませんちょっと時間が…。
Q
既にこの事業については、知事は一度結論は出ているという言い方もされているんですよ。
作るか作らないかという結論はもう出ているとおっしゃったこともありました。
もう既に結論は出ていることに対して、荒瀬ダムの時のように、別に今ここで凍結するわけではないんですよね。おっしゃりますか凍結って。
蒲島知事
といいますと。
Q
2ヵ月でも考える時間が必要であれば、凍結とおっしゃってください。そうでないと荒瀬ダムの時とやり方は異なるので、今回の場合は既にある方針を変えるものではないというふうに判断するんですよ。
蒲島知事
はい、そうです。
Q
ですので、その判断でよろしいんですよね、ですから。既にある結論を変えるものではないですよね。
もう予算も組んでいる話であって、知事が上程されて議会の承認も受けた、ものをひっくり返そうとされるんであれば荒瀬ダムの時のように凍結と言ってください。
蒲島知事
凍結ではありません。
路木ダムについては様々な意見があるために、再評価監視委員会での十分な説明を行って理解を深めるよう努めることと、それを付帯意見を尊重して、そして6月議会までには私の考えを丁寧にお示しする機会を設けたい。これをどう受け止めるかは、皆さんだと思いますけれども。
(幹事社)
すみません、ちょっと時間が押してきましたので。
Q
今の言葉をあくまで受け止めるとすればですよ、その再評価監視委員会が、事業を継続という結論を出したことにあたって意見云々という、そこのフレーズも今おっしゃっていただかないと、説明云々というところだけおっしゃると、非常に分かりにくいんですけれども。
蒲島知事
今のご質問はこの前に書いてあることも含めてですか。再評価監視委員会では事業継続というふうに結論は出ています。
ただそのことを踏まえても今後とも十分な説明を行い、事業への理解を深めるよう努めることという、それはとても大事な意見だと思います。
それが、その意見を踏まえて6月議会までに私の考えを丁寧にお示しする機会を設けたいということを今言っているところです。
(幹事社)
すみません。時間が。
Q
ちょっと、こうスムーズには言っていただけないんでしょうかというのが、ようはその再評価監視委員会の事業継続という立場を受けて、県は知事も従来からおっしゃっていたように、継続という判断が出たこともあり、今年度予算も計上されたわけですね。
そこで県としての継続という判断を出したと。そのうえで再評価監視委員会の付帯意見もついていたので、検討して実行しますと、そういうふうには言っていただけないんでしょうか。
蒲島知事
実行する過程で丁寧にやると。それで時期を切って説明を行うというよりも、考えをお示しするというのが6月議会までと。それをすごく長いと感じるのか、それだけの期間が必要と考えるのか、それはとり方によると思いますけれども。
6月議会までというのは、時期としては私は必要だと思っています。
Q
メッセージを発信する方が、受け取り手にどうでも受け取れるようなメッセージを発信するというのはちょっといかがなものかと思うんですよ。
そこで今これだけ時間を取っちゃったと思うんですけれども、端的に言えば理解を深めるよう努める、その一環であるということですね、6月に説明するということは。
そういうことで受け止めてよろしいんですよね。
蒲島知事
今はもうとにかく何度も読みましたけれども、それを一生懸命にこの段階で私として皆さんに言えるのを、書いたものですので、それを受け取ってほしいと思います。
Q
知事は今日会見の冒頭におっしゃった時間的緊迫性という観点から立つとですね、この天草市の最終報告、それを受けて知事がどういうご判断をなさるかというのを多くの県民が聞いたと思うんですね。更に、さっき私、先送りと言いましたけれども、更に2ヵ月要するとなれば、緊迫性に欠けるのではないでしょうか。
蒲島知事
私はそうではなくて、6月議会までと時間を切ったことが、時間的緊迫性ということの保障ではないでしょうか。
それではすみません、以上ですので。
美少年酒造関連
(幹事社)
幹事社から。美少年酒造が裏金問題で発覚しましたけれども、県としての今まで様々な形で支援してきたと思いますけれども、今後どのような体制で望まれるお考えですか。
蒲島知事
美少年酒造については前回の事件の時に大変県庁も応援して、そして再建のために県民皆様が努力されたと思っています。
それで今回の事件のことを聞いて大変残念に思った次第です。
県としては、ブランドというものをとても大事にしておりますので、県のブランドの再確立と、あるいはその県のブランド化に向けて、これがマイナスにならないように努めてまいりたいと思っています。
Q
今のに関連して、県庁も過去地下の方で販売会をやったり、知事も正に自らお買い求めになられているんですね。我々マスコミの前でも美少年酒造に対する支援というのを、まさに知事自らトップセールスという形でアピールされた経緯もありましたけれども、今のをもう少し聞きますと、今後、美少年酒造さんに対して県として金銭的な支援というのは今までもやっていませんけれども、そういった会社再建に向けた支援というのは、今後県としてはなかなかやりにくい、難しいということになってくるんでしょうか。今までのようなやり方はできないということなんでしょうか。
蒲島知事
現在のところ、美少年酒造及び関係機関などから情報を収集を行って現状把握をしているところです。
これからどのように展開するというところまでは情報収集の結果によるというふうに思っています。
そういう意味ではおっしゃるように熊本県庁の地下でも私も買いましたし、それから友人にも贈りましたので、大変今回の結果としては残念に思っているというのが一番率直な気持ちです。
どのように、じゃこれから県はするのかという中で、まずは情報収集して、どのようなことが起こったのかという現状把握、それを今努めているところです。
水俣病問題関連
Q
水俣病の問題について今日から与野党協議が入っているわけなんですけれども、分社化の問題であったり、地域指定解除の問題であったり、非常に隔たりは大きいわけなんですけれども、与野党協議に対する知事の考え方と、そういった溝というんですか、そのあたりをどういうふうに埋めていったらいいと知事はお考えになっておられるのかということを。
蒲島知事
与野党協議に関しては、私はこの問題は野党と与党で分裂するような法案ではないと思っています。
これが法案として今国会の場で検討されるということですから、私自身は超党派でやって欲しいということで、とりわけ民主党の幹部の人たちと会談を行いました。
民主党の方も問題の認識、重要性、それから与野党の協議、むしろ超党派の認識をされて、この与野党協議に真剣に取り組んでいらっしゃるというふうに思っています。
そういう意味では、民主党議員に対する働きかけというのは、今回はある程度効果があったと考えています。
それから共産党の市田書記局長もいらっしゃいましたけれども、その時も、私を訪ねられた時にこれは超党派でやって欲しいということをお願いしました。
彼もその方向が正しいというふうなお考えだったと思います。ただおっしゃるように隔たりはちょっとありますよね。
この距離感をどうするかというのは、国会の場で与野党がさらに協議されて、この間合いをせばめられるということになるというふうに思います。
Q
一般質問全くないんですけど。
蒲島知事
どうすればいいかな。
(幹事社)
一般の質問をお願いします。
九州新幹線関連
Q
3日の会見で、鹿児島の伊藤知事が九州新幹線、山陽新幹線の乗り入れに関して、すべての発着を鹿児島中央駅からが望ましいというような発言をされました。その件に関してどういうふうな受け止め方をされたのかというのと、それから知事としてはすべて鹿児島の発着でいいのか、それとも熊本がそういうふうな役割を担うべきかというのと、鹿児島はそのような働きかけをJRに対して14日にするということなんですけれども、鹿児島県として何かJRに関して働きかけをするということはありますでしょうか。
蒲島知事
熊本県としてこれまでも新幹線は熊本止まりでという要望を行ってはおりません。
今後も九州新幹線の全線開業効果を県内全域、そして九州全域にもたらすという観点から利便性の高い運行形態の実現に向けて要望していきたいと思っています。
これまでも大阪方面への直通運転本数の最大限の確保を御願いしてきました。
それから東京方面への直通運転や博多駅での「のぞみ」等々の対面乗り換え、それから熊本・博多間、熊本・鹿児島中央駅における利便性の高いダイヤ編成、これをずっとJRに対して要望してきたところです。
これからもこの要望が実現されるように、あらゆる機会をとらえて要望していきたいと思っています。
そういう意味で九州新幹線の全線開業効果を県内全域、そして九州全体にもたらすためには今のような3つの利便性の高い運行形態の実現が重要であると考えているところです。
Q
伊藤知事は熊本には負けていられないというような主旨の知事の発言もされていらっしゃるんですけれども、その中でこういうふうな発言が出たことについては、知事の発言について受け止め方を教えていただけませんか。
蒲島知事
先程言いましたように、熊本県としては新幹線は熊本止まりでというような要望を行っておりません。
Q
知事、実際、今JRの運行形態、それと利用客数を見ると、細かい数字は私は承知していませんけれども、特急の「有明」も含めて、博多・熊本間というのが一定のニーズもあり、乗客数も多いわけですね。
それからすると新幹線一辺倒になって、鹿児島までの終着までいくという形態にオンリーになることが、熊本のそのニーズに果たして合うのかという観点にもあると思うんですよ。在来線も含めればですね。
そういう意味では何らかのメッセージというか、お考えはないんですか。
蒲島知事
今おっしゃったように、熊本県のメッセージというよりも、新幹線というのを九州全体、その利便性をもたらすという観点から熊本で止まってくださいと言ったことはありません。
Q
ですから在来線も含めてですね、今の特急の運行状態からすると、博多・熊本のお客さんを十分に処理できるようなのが新幹線の運行形態になったら、果たしてそこは保障できるかというのはあるかも知れないと思うんですね。それはどうか分かりませんけれども。
在来線も含めたところで何らかのお考えはないんですか。
蒲島知事
これに関してじゃ担当課長から、すみません。
Q
知事のご自身のお考えがなければ結構です。
蒲島知事
私も今言ったように、熊本止まりでと、そういう要望を行っていないということを聞いて安心したところです。
経済対策関連
Q
あと一点、いいですか。追加経済対策で、公共工事についてなんですけれども、建設国債発行して、新交付金制度で地方負担を9割程補助するというような制度になるような見込みなんですけれども、その新交付金制度について知事はどういうふうなご感想をお持ちかというのと、橋下大阪府知事などはおっしゃっているんですけれども、結局こういうことで直轄事業負担金制度の議論自体がうやむやになってはいけないと。制度の廃止は求めていくという姿勢には変わりはないんですけれども、この両点について所見をお伺いしたい。
蒲島知事
今の案は地方の負担金を現在の3分の1から、約3%に軽減されると。これは熊本県政を預かっているものとしてはとても歓迎すべきものではないかなと思っています。
とりわけ今雇用対策、それから景気対策に県の予算が大変限られた中で行っている段階ですので、歓迎しております。
ただ、国の直轄事業負担金としてどう考えるかという、より一般的なことに関しては国の直轄事業負担金は基本的に廃止すべきであると。それから維持管理費については、この負担金については早急に廃止すべきであると考えています。
それから、ただし直轄事業負担金の廃止により、現在継続中の重要な国の直轄事業が遅れることがないように措置をすることが必要だと考えています。
これは一般的な国の直轄事業負担金についてです。
今回の直轄負担の軽減というのは、今の県の財政、景気対策、雇用対策の重要性、そういうものを含めると、歓迎すべきものだと思っています。
それじゃ。