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令和2年(2020年)11月4日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0061474 更新日:2020年11月4日更新

知事定例記者会見

日時:令和2年(2020年)11月4日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室

動画
 動画はこちらからご覧いただけます。

会見録
 知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
 なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。

説明資料(スライド資料) (PDFファイル:1.57MB)

発表項目

コメント

質疑応答

発表項目

くまモン10周年記念オンラインステージの「オンラインバックダンサー」募集について

コメントする蒲島知事の写真蒲島知事
 最初の発表です。
 くまモン、入っておいで。
 今年は、くまモンがデビューして10年になります。くまモンは、この10年で本当に大きく成長し、今では本県にとってもとても重要な存在になりました。
 新型コロナウイルスの影響により、「くまモン誕生祭2020」などいくつかのイベントが中止になりました。この間、多くのファンの皆様からお祝いのメッセージをはじめ、ドイツのシュタイフ社やフランスのロクシタン社などの世界的な企業も、素敵な10周年記念コラボ商品で記念イヤーを盛り上げてくださいました。改めまして、くまモンとファンの皆様が強い絆で結ばれていることや、くまモンが国籍や世代を超え、広く愛されていることを実感し、大変嬉しく思っています。
 そして、この記念すべき年の集大成として、12月26日の土曜日、夜8時からYouTubeチャンネル「くまモンTV」にて、10周年記念のオンラインステージを配信いたします。
 今回のステージでは、くまモンが得意のダンスを披露するほか、チアリーディングや和太鼓にもチャレンジします。
映像だからこそお見せできる、情熱的でかっこいいパフォーマンスを楽しんでいただきたいと本人も張り切って練習に励んでいます。
 そして、このステージのフィナーレは3月に発表した新曲「かモン!くまモン!」で楽しく踊って締めくくりたいと思います。
 そこでファンの皆様にもぜひご参加いただきたく、くまモンのバックで踊る「オンラインバックダンサー」を100組程度募集します。本日午後1時から11月15日まで、特設ホームページにより応募いただけます。詳しくは、このホームページをご覧ください。皆さんと一緒にこの10周年を盛大に盛り上げ、くまモンの更なる活躍にパワーをいただきたいと思います。たくさんの応募をお待ちしています。
 それじゃくまモン、ありがとう。もういいよ。

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発表項目

令和2年7月豪雨に係る県議会各会派及び学識経験者からの意見聴取について

蒲島知事
 続いての発表です。
 令和2年7月豪雨からの復旧・復興に関してお知らせがあります。
 10月15日から、「住民の皆様のご意見・ご提案をお聴きする会」において、流域住民や団体の方々からご意見・ご提案をお聴きしています。
 この度、県議会及び学識経験者からもご意見・ご提案をお聴きします。皆さんのお手元に、名簿があると思いますけれども、学識経験者は、主に河川工学を専門とする先生方で、球磨川流域の治水の方向性について、様々な角度から幅広いご意見・ご提案をいただきたいと思います。
 これまですべての流域市町村において、住民の方々や団体の方々と直接お会いし、今後の球磨川流域の治水対策や生活再建・事業再開などに関する、貴重なご意見を数多くいただきました。明後日には流域の市町村長及び市町村議会議長の方々とお会いする予定です。
 すべての意見聴取が終わりましたら、県としての治水についての考え方を整理するとともに、復旧・復興プランを策定して参ります。

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コメント

「熊本シェイクアウト訓練」の実施について

蒲島知事
 続いて、コメントがあります。
 地震や風水害など、大規模な災害が全国各地で発生しています。このような災害から身を守るためには、災害に対する日頃の備えや、災害発生時の適切な行動が必要になってきます。
 このため、「津波防災の日」である、明日、11月5日の午前10時から『熊本シェイクアウト訓練』を県内一斉に実施します。
 シェイクアウト訓練とは地震発生時に適切な行動をとるための防災訓練です。今回は、県の防災情報メールサービスから配信される訓練開始メールを合図に、「身を低くし」、「頭を守り」、「揺れがおさまるまで動かない」という3つの安全確保行動をとっていただきます。時間は1分程度で、その場で誰でも簡単に参加することができます。
 また、今回は、シェイクアウト訓練の後に、大雨や台風などの災害に備えて、各家庭や職場で『プラスワンの取り組み』を行っていただきたいと思います。取り組みの例としては、避難場所や避難経路の確認、災害時における持ち出す物の確認などを行ってください。
 災害は、いつ、どこで起きてもおかしくありません。災害発生時に安全を確保するための大事な訓練ですので、是非この機会に家庭や職場などで多くの方々のご参加をお願いいたします。

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発表項目

新型コロナウイルス感染症に係るリスクレベルの引き上げ及び秋冬の受診体制について

蒲島知事コメントする蒲島知事の写真
 続いて、新型コロナウイルス感染症についてです。
 先週10月27日から11月2日までの1週間で、県内で計38名の新規感染者が確認されました。
 主に、熊本市中心部の飲食店等でリンク不明を含む感染者が確認されているほか、阿蘇市の医療機関及び熊本市内の高等学校におけるクラスターによって感染者が増加したことによるものです。
 これらの状況を踏まえ、専門家のご意見も伺い、本日からのリスクレベルを「レベル3警報」に引き上げます。
 全国的にも感染者の増加傾向が継続しており、強い警戒が必要です。県民の皆様には、引き続き、熊本市内中心部の歓楽街において、夜遅い時間までの飲食など、感染拡大につながる行動を控えていただくようお願いします。また、マスク着用、手洗い等の基本的な感染防止対策について、改めて徹底をお願いします。
 詳細については、午後、担当課から説明いたします。
 また、これから冬にかけて、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行によって、発熱患者等の増加が懸念されます。
 既にお知らせしておりますが、地域の身近な医療機関において、発熱患者等の診療・検査を行うことができるよう、「診療・検査医療機関」として、557機関を指定しました。
 これと併せ、11月1日から、発熱等の症状がある場合の受診方法を変更しております。
 県民の皆様に重ねてお願いします。発熱等の症状がある場合、すぐに病院に行かないでください。まずはかかりつけ医など、地域の身近な医療機関に、必ず電話で相談してください。どこに相談したらよいか迷う場合は、発熱患者専用ダイヤルにお電話ください。
 最後に報道機関の皆様にお願いです。
 県では、この受診方法の変更を県民の皆様に広く知っていただくため、今こちらで流れているメッセージ動画を作成しました。県庁ホームページでご覧になれるほか、熊本市下通の「ココサビジョン」でも放送しています。
今後も、新聞、テレビ、ラジオコマーシャル、SNSなど様々な媒体を活用して、周知を図りたいと考えておりますので、引き続きご協力をお願いいたします。

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質疑応答

球磨川治水について・その1

(幹事社)
 幹事社からまず、質問をさせていただきます。
 発表項目のなかで、治水に関しての意見聴取会の日程の追加のご発表がありましたけれども、これでもう終わりということになるんでしょうか。

蒲島知事
 今、予定しているところはここまでですけれども、また何か必要があればその都度考えたいと思います。これまでも21回、住民、団体の方と意見を交わして参りましたけれども、私にとっても、大変参考になることが多かったと考えています。やってよかったなと思っていますので、今の予定ではこういうことですけれども、また必要となれば、その都度考えたいというふうに思います。

(幹事社)
 今度の追加の分で、学識経験者と県議会というのが入ってるんですけれども、県議会は、ダムを含めた治水を求めるという意見書も可決していると思うんですけれども、この県議会に聞く理由というのを教えてください。

蒲島知事
 県議会の各会派、会派別にお聞きするということになると思います。
 議会のなかでも当然、様々なご意見があると思いますので、会派別にお聞きする会です。

(幹事社)
 すべての意見聴取が終わりましたら、復旧・復興プランの策定に移るというふうな発表でしたが、どれぐらいの期間、一週間以内とか、十日以内とか。期間の目途は。

蒲島知事
 今、言えることは、今年中のなるべく早い時期。もう11月ですから、それほどたくさん時間はありませんけれども、なるべく早い時期に表明したいと。治水の方向性と、それに伴う復旧・復興のプラン、そういうものを示したいというふうに思います。
 ただ、いつというのはちょっとこの段階では(申し上げられません)。まだ意見聴取も全部終わっていませんので。そういうことでよろしいでしょうか。
なるべく今年の早い時期ということになります。

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質疑応答

新型コロナウイルス感染症について

(幹事社)
 コロナの件でも教えていただきたいんですが、全国的な感染状況を勘案しての判断だということですが、知事は北海道とか東京とかの感染の拡大をどれぐらいご懸念してらっしゃるんですか。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真蒲島知事
 やはり、これ(=新型コロナウイルス感染症)は1県だけで完結することができません。
全体的に落ち着いてきたかなと思ったら、またクラスターが発生していますので、クラスターを発生させないようにする、早くクラスターを終結させる、そういうことが大事だなと思っています。
 そういう意味で、なかなか予測ができないということですけれども、リスクレベルを上げることで、それぞれの方々が、個人個人で注意し、そして感染防止に向かっていくということをお願いしたくて、今日はこういう発表になりました。

(幹事社)
 今のご発言の後半のところと重なってくるかとは思うんですが、ただでさえ風邪とかインフルエンザが流行りやすいこれからの時期なので、今後知事として県民の皆さんに呼び掛けていくとか(ございますか)。

蒲島知事
 先ほども映像で映ったと思いますけれども、私自身もホームページやああいうかたち(=「ココサビジョン」での動画放映)で皆さんに呼び掛けていきたいと。
 まず、大事なことはすぐ病院に行かないで、かかりつけ医の方に電話をして、相談することです。そうすると、医療機関でのクラスターも大分防げると思います。
 どこに(電話)していいか分からない方もたくさんいらっしゃると思いますので、皆さんのお手元にある電話番号に問い合わせていただきたいなと、このように思います。直接的な接触を避けるというのはとても大事だと思います。
特に、自分に対して不安がある人は、電話で相談することがとても大事だと思います。

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質疑応答

球磨川治水について・その2


 意見聴取の会、今後、学者の方とか残っていますけれども、住民の方の意見は多様だったと思うんですけれども、知事としてどういうふうに受け止めてらっしゃいますか。

蒲島知事
 大変多様だったというふうに思います。そして、共通点は、皆さんが球磨川の清流を、これだけの大災害があっても愛していらっしゃること。だから、そういう意味で、有識者会議の意見でも出てきましたけれども、グリーン・ニューディールという哲学、つまり安心、安全、それから人命と財産を守り抜くことと同時に、球磨川流域の恵み、環境、そして清流を守ること、この2つを両立させることが、私は治水対策として大事なことだと思っています。
 大変、難しいことではありますけれども、この2つを守り抜くことは、多くの方々の(ご意見の)共通点ではないかなと思います。そういう方向で頑張ります。


 そこの両立のところなんですけれども、大変難しい問題だとご自身がおっしゃったんですけれども、少しイメージというか、考えみたいなのはできつつあるんですか。

蒲島知事
 当然、イメージはありますけれども、グリーン・ニューディールという哲学に沿ってやるというのが、イメージとしては一番明快かなと思います。
 もっと正確な治水の方向性については、近く発表いたしますので、それがより正確なイメージというよりも形になると思います。


 両立は可能だというふうに思っていらっしゃいますか。

蒲島知事
 可能にしなければいけないというふうに思っています。

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質疑応答

球磨川治水について・その3


 前回2008年のときには、流域の民意ということを、ダムによらない治水を望んでいることを、一番重点を置いて決断されたと思います。
 今回、これまでの意見聴取会で民意の賛否が割れている状況だと思うんですが、判断の基準といいますか、どういったところを重視して判断しようと考えているのか教えてください。

蒲島知事記者からの質問に答える知事の写真
 私は2008年に、ダムによらない治水を極限まで追求してほしいと、国に対してお願いしました。
 国のほうも、7月豪雨の前までに、様々なダムによらない治水の方法について、その予算規模、それからどのくらいかかるかという実施期間を含めて、検討してくださったと思います。
 ただ、私は今回尋ねてみて分かりましたけれども、この7月豪雨によって民意は大きく動いているなと感じました。
 2008年のときは、ほとんど皆さんは、特に流域の方々は、ダムに反対というふうに感じました。
 ただ、今回は、(ご意見をお聞きする会で)回ってみて、それほど統一的な意見ではないなと、意見は割れているなと思いました。
 だから、すべての皆さんを満足させられないかもしれないけれども、様々な意見に応えるためには、基本的にどの部分を皆さん望んでいらっしゃるかということです。
 先ほど言いましたように、私が見たところ、安心、安全と、それから人命、それから財産、これを守ることは、言わなくても皆さんそう思っていると思います。これはやはり守らなければいけないと。人命とそれから財産、とりわけ人命ですよね。
 ただ、それだけではなくて、これまで親しんできた愛情のある球磨川流域の恵み、環境、清流を守ってほしいということも、同時に望んでおられます。
 これを両立するためにどういうことが可能か。その追求がたぶんグリーン・ニューディールの哲学だと思います。
 そういう意味で、全員の方を満足させられないかもしれないけれども、皆さんが共通に望んでおられる、そういう治水のあり方。その一つとしては、流域治水という大きなフレームワークのなかで考えていかなければいけないなと、このように思っています。


 表明するタイミングについてはまだ明かせないということでしたけれども、表明する場については議会が望ましいとお考えでしょうか。

蒲島知事
 それも含めて、今検討中です。

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質疑応答

令和2年7月豪雨から4カ月を迎えて


 今日で豪雨から4か月となります。改めて、まだ苦しい思いをされている被災者の方もいらっしゃいますけれども、今後の決意というか、知事の思いを聞かせてください。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真蒲島知事
 災害対応には、様々なステージがあります。まずは人命救助から始まり、水と食料を確保すること。避難所に入っていただいて、快適な避難生活を送っていただくこと。その間に、次は仮設住宅。2年間という期限ですけれども、そこで次の本格的な住まいを考えていただきたい。それと同時に生業の再生。そういう意味ではそれぞれに対応して、本当は短期的なものと長期的なものを(取り組んで参りましたが)、もっと今やらなければいけないことがあるんじゃないかというご意見はございます。
 でも、長期的なもの、例えば仮設住宅も、(豪雨から)1週間後に建て始めましたけれども、まだ避難所に入っていらっしゃる方は、それどころではないんじゃないかと思われる方もいたと思いますし、それから何よりも有識者会議を開いたときも、まだそれどころではないんじゃないかというご意見もありましたけれども、やはり先に先に考えておかないと、そのときに適応できない。
 だから、あれだけ早く仮設住宅を進めたので、ほぼ9割くらいはできているんじゃないかと。そして12月までには完全にできるということでありますので、入られた方々はとても喜ばれています。
 仮設住宅も、これまでのプレハブの住宅ではなくて、瓦屋根があり、そしてバリアフリーであり、木造で木の匂いがするととても好評です。とても喜ばれています。
 そこにゆっくりと入って本格的な住まいを考えていただきたいなと思いますし、次は我々も本格的な住まいのプランを出していきたいと思っています。
 そういう意味で、皆さんのステージに合せて、災害対応を先に先に考えて進めています。よく治水対策よりもっと今の生活が大事じゃないかというご意見をいただきます。
 これは意見聴取の場でもそうですけれども、今苦しんでいるから、今の(問題)を対応すべきだというお話がありますけれども、治水対策を決めないと、実は今の生活も決められないところがあるんですよね。
 もうひと月ほど前になりますけれども、球磨村の仮設住宅に行ったときに、そこの住民の方から早く治水対策を示してほしいと。それによってどこに自分は次に住めるか、これまで住んでいた住宅をかさ上げしなければいけないかどうか、あるいはそのままでいいかどうか、それが決まらないと。先が見えないと。だから、なるべく早く治水対策を出してくださいというご希望がありました。
 そういうことも踏まえて考えてみれば、肥薩線だって、治水対策が決まらないと、鉄道橋をどうするか、あるいは鉄道の線路をかさ上げしなければいけないかどうか、(治水対策は)そういうことにもやはりとても関わってきます。
 それと道路のかさ上げも必要かどうか。やはりこの治水対策が出てないと、そういう計画が出来ないと。生活も同じようなものだと思います。
 そういう意味で、常に短期的なものと、中期的なものと、長期的なものを同時に考えて、最適なタイミングでそれをやっていくことが大事だといつも考えています。
 今回も、(令和2年7月豪雨から)4か月になりましたけれども、そのことを考えながらやっていると。だから、次の5か月目はどういうことができているのか。そういうことを県庁全体で考えています。
 とても嬉しかったのは、避難所における快適さについても、それからコロナの問題についても、それほど皆さんの不満もなく、そして仮設住宅はとても皆さん満足されておられると。
 だから今度は本格的な住まいと、それから生業の再生、これをしっかりやっていかなければいけないと思います。
 昨日の集会場でも、もう少し支援を長くやってほしいと。というのは、国のほうでは単年度予算ですから、長くは申し込みができないんですけれども、私は知事としてぜひ、被災者に寄り添って、期間も長くとっていただけないだろうかということを、今度、霞ヶ関、永田町に行く機会がありますので、お願いしてこようと思っています。
 そうしたら少し余裕が持てて、そしてなりわい再建支援補助金も使えるだろうし、あれも被災者にとても優しい補助金になっています。
そういう意味では、皆さんが補助金を使って、なるべく自分の手出しが少なくて済むような形でやっていただければ、嬉しいなと思っています。

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質疑応答

球磨川治水について・その4


 昨日の意見聴取会で、市房ダムの事前放流の強化の話がありましたが、これはいつぐらいに目途をつけられて、方法、手法等、どういうことを考えていらっしゃるのか、改めてお願いします。

蒲島知事記者からの質問に答える蒲島知事の写真
 皆さんもそうだと思いますけれども、改めて市房ダムの放流について、正式な名称は難しいので、報道で使われている緊急放流という言い方をしますけれども、それがとても皆さん、怖い・恐ろしいというお話がありました。
 それがもう長年の間染みついていると。だから、私が昨日の意見をお聴きする会で言ったのは、この恐怖感を最小化しようと。そのためには何ができるかというと、今国が進めている事前放流ですよね。
 熊本県は予備放流をしていましたので、その予備放流をしたことによって、今回市房ダムが耐えたと。
 あれが耐えきれなくて、もし川に流れていったら、これだけの災害・損害では済まなかったんじゃないかと思います。予備放流がとても大事。
 それから予備放流をするためには、急いで水を流すときの状況にないんですよ。穴が小さいんですよね、すぐにでも災害対応のために流しておくためには。だから、どういうダムの改築というか、改造をしなければいけないかということも、その恐怖の最小化につながっていくんじゃないかと思っています。
 そういう意味では、100%緊急放流しないと言い切れるかどうかは分かりませんけれども、それを最小化する。少なくとも、過去3回放流していますけれども、緊急放流しなくて済むような、そういうふうな方策をこれから取っていきたいと思っています。
 それを今回の意見を聴取する会では、私もお約束してきましたので、今は県庁のほうでしっかりと対応していっているところです。


 改めてちょっと確認なんですが、住民の方からそういうご意見が出て、知事としてはそういう市房ダムの事前放流の強化ということを考えていらっしゃる。
 知事のなかでは、やはりそういう緊急放流は危ないんだという認識はおありなんでしょうか。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真蒲島知事
 危ないというよりも、入って来た分と同じ量を出すということですが、ただ同じ量を出したところで、それが川に入っていったら、これまで貯めていた分、やはり増えますよね。
 だから、それが、そこまでに本当は逃げていてくれればいいんですけれども、でもそういうことが100%可能ではないわけですよね。
 だからずっと止めていて、その止めた分の水の量が普通だと思って、その同じ入って来た分を出すとすると、やはりどうしても水の量は増水しますよね。
 だからその増水した分が皆さんやはり怖いと思われると、私はそう思います。
 だから、本当のダムの意味は、貯めておければいいんですけれども、でも貯めきれない時は、やはり入ってきた分と出ていく分を同じ量にしないと、ダムが溢れかえってきますからね。
 そういうことを多くの方々が怖いと思われると。降った分、ダムに入った分をそのまま出すから、理論的には正しい操作だといえるかもしれないけど、実際やはり増えていることを皆さん、とても怖がられるし、それから今回の人吉地域の水害でも、ダムから緊急放流していればもっと増水していましたよね。でも、あそこでずっと止めていたから、相当助かった分もあるというお話もみんな言っておられました。
 市房ダムが放流しなかったから助かったという方はとてもたくさんいらっしゃったんです。
市房ダムへの感謝の気持ちも大分多くの方が、言っておられたような気がします。だからより安心してもらうためには、早く事前放流して、予備放流も早くすると。そのための体制を取ると。そしてそれが空振りしたときには、やはり農家の方々に補償するということが大事ですので、その補償の方法なんかも今、国のほうも考えていますので、注視して、農家の方、利水の方々にそれを説得し、納得してもらわなきゃいけない。
 そういう意味で、簡単に私が、事前放流しますというような簡単なものじゃない。利水のためのお金もちゃんと払っておられるわけですから、当然、農家の方々は水不足になったら困ると必ず言われると思いますので、そのときの補償をどうするかということも含めて考えていきたいなと思っています。


 今月中にも示すと知事がおっしゃっていらっしゃる治水の方向性の話なんですが、白紙撤回した川辺川ダムをどうするのかということが大きな焦点になっているんですけど、その構造であるとか、建設するのかしないのかということを含めて、決断するためにはあらゆることを検証しないといけないと思うんですが、今現在検証している内容があれば、あらためて教えていただきたいんですが。

蒲島知事
 これまでの60年間のさまざまな議論があり、そして、今回、この大きな水害がありました。多分、青井阿蘇神社の(水害の)跡から見ると、350年に1回ぐらいの大きな豪雨災害だったというふうに思います。
 それを受けてまた人々の考え方も、2008年とは変わってきただろうと。そういうことを全部踏まえながら、どういうふうな治水をすべきかと。そして流域治水についてはほぼ合意できましたので、ダムだけに、あるいは堤防だけに、そういうものだけに頼る治水ではなくて、皆が出来ることをやると、そういう治水の中で考えていかなきゃいけないなと思っています。
 ただ具体的にどういうものかというのをここで言えというのはちょっと不可能ですので、しかるべき日に私のほうから、整理、そして発表したいと思っています。県の考え方をですね。


 川辺川ダムについては意見が割れている状況ですので、多少、全員が納得できない結論になる可能性もあるということですね。

蒲島知事
 皆が納得してくれるのが一番嬉しいですけれども、大きく意見が割れていて、そういうときには、本当の中心的な部分はどこにあるかというのを掴むことが大事だと思いますので、そういう意味では、考えて、考えて、考え抜いて熊本県の治水のあり方、方向性を示したいなと思っています。
 一つ決まっているのは、流域治水というそういうふうな流れの中、有識者会議の方々がグリーン・ニューディールという考え方、とても素晴らしい哲学を提供して下さったなと、その哲学の下で考えていきたいと思っています。

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質疑応答

球磨川治水について・その5


 いざというときの農家への補償の考えということを知事がおっしゃったんですが、知事は農地を遊水地として利用する案に対しては進めていこうということでよろしいんでしょうか。

蒲島知事
 皆さんに配っています流域治水のイメージの中にも、遊水地というのが入っています。それから実際に私どもの説明の中で、最も有効なものの一つがこの遊水地であるという形で検討をしています。
 ただ農家への補償という面については、今国の方も、今までよその都道府県でもやっていますので、いろんなものを考えながら、その可能性はあるというふうに考えています。

【事務方】
 今のを補足しますと、先ほどの市房ダムは、今回、全国的に国のほうで事前放流という枠組みの中でやっている施策でございます。
 その中で水の補填を国のほうが考えていくということになります。今回ご質問の遊水地等になりますと、これは堤防(の引堤)にしてもそうですが、従来の河川の用地なり、そういう手法に沿って、補償なり用地の取得なり、そういった手続きを現実的にもしやるとしたら、今知事が申し上げましたけれども、今そういう全体を考えていくというところでございますので、一例として言えば、先ほどの事前放流の補填の仕組みと今回の遊水地なりそういう通常の河川改修事業の手法は、ちょっと若干異なるというところでございます。


 知事が先ほど国の補償について考えているということをおっしゃったんですが、これは現行法のなかでということですか。それとも別に何か法律の策定なりそういう検討があっているということなんでしょうか。

蒲島知事
 今それを検討中であるというふうに聞いています。
 菅政権の大きな柱が、利水ダムをいかに有効に利用するかという方向性を示されました。そして、10月の台風10号のときには、熊本県も事前放流をしています。ただ、それによって次に水が溜まらないときの問題ですよね。水が利水より、例えば田植えに使えないとか。そういう空振りしたときの補償はまだ多分それは達成していないんじゃないかなと思いますけれども、それは検討中だというふうに聞いています。これは担当課からお願いします。

【事務方】
 今知事がご発言されたように、いわゆる利水容量が溜まらなかった場合、その場合の補填という制度は、今制度上にございます。
 それが多目的として広げられるかということについての検討を今まさにされているといったところでございますので、ちょっと補償というのと、補填という意味合いが少し異なっているという点はご理解いただければと思います。


 それは利水に関してのことだと思うんですけれども、補償というのは、検討というのは。実際に放流して農地が被害にあったときの新たな補償の検討、今現行法以外の補償の検討というのは考えていらっしゃらないんですか。

蒲島知事
 それも含めて国のほうは検討中だと私は思いますけれども、ただ、今お金を払うかどうかという意味ではなくて、水を補填するという、よそから川の水を引いてきてそこに水を溜めると、そういうふうなかたちで今検討されているというふうに聞きましたけれども、それでよろしいんですかね。

【事務方】
 はい。一級河川の多目的ダムにも、いわゆる事前放流の場合の損失補填として、それが補えるかどうかの検討をまさにされているといったところでございますので、ご理解をお願いいたします。


 それと、これもまた知事の緊急放流についての考えなんですが、私も緊急放流を経験したことがあるんですけれども、量だけの問題じゃないですよね。一気に流れてくるスピードなんですよ。スピードで全てのものを押し流すという怖さ、急に河川が上がる怖さというのは、単にこの事前放流したからできるというものじゃないと思うんですけれども、その点はどのように認識されていらっしゃいますか。

蒲島知事記者からの質問に答える蒲島知事の写真
 事前放流するということは、ダムに貯めるスペースをたくさん用意するということですよね。だから今回もずっとダムに貯めて、これだけの水害でも貯めきりましたけれども。だからもっともっと下げておくと。例えば、大雨が降ると分かったときに、全く空振りを恐れなければ空にしておくと。そうしたらその分がずっと貯まっていきますよね。貯めきると。多分多くの多目的ダムの場合は、半分ぐらいいつも貯めてますから、本当に治水に使えるのは一部しか使えないということになりますけれども、やはり事前放流でそういう制度ができれば、それは多分これから追求していかないといけないし、菅政権の大きな政策(目標)の一つでもありますので。多分できると私は思いますが、事前放流をするために、予報の正確性も必要ですよね。そういう意味ではたくさん貯めるスペースを取っておくことができれば、多くの場合放流しなくても済むんじゃないかと私は思います。
それが緊急放流で、スピードももちろん怖いし、量も怖いし、そこに(怖さの)源泉がありますよね。一番大事なことはたくさん貯められるスペースを取っておくと。そのための予備放流を我々はやりましたし、それから事前放流もやると。それは多くの場合、例えば過去3回緊急放流をしたのも、しなくて済むぐらいのスペースを取っておくということですよね。基本的には。
 それができるかどうかということを今からもちろん詰めなければいけませんけれども、それが私は今回の意見聴取で市房ダムには必要だなと感じて、その方向でしたいということを皆さんにも私の口から言いました。
 今県庁内でその検討が始まっているところです。今日もそのレクを受けました。

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質疑応答

くまモン10周年記念オンラインステージについて


 話は少し変わるんですが、くまモンについてです。
 今回デビュー10周年ということで、12月26日午後8時から配信ということなんですが、これ生配信という理解でよろしいんでしょうか。

蒲島知事
 これは、すみません、担当課お願いします。

【事務方】
 基本、生ではなく収録を考えております。報道資料の裏面にコンテンツを載せてますけれども、まだこの時間配分とか取材OKかどうかなど、今関係先と調整しているところですので、また追って報道資料を入れたいと思います。よろしくお願いします。


 続けてなのですが、このバックダンサーを募集するということなのですが、この対象は全国になるのでしょうか、全世界になるのでしょうか。

【事務方】
 はい。一応全世界と思っておりますが、どのくらい応募があるかがちょっと分かりません。枠が100名程度ということですので、できるだけいろんな方に応募していただけたらと思っております。ダンスの上手い、下手はあまり関係ないというか、やる気がある方はぜひ応募していただきたいと思っております。

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質疑応答

球磨川治水について・その6


 球磨川の治水に関してですけれども、知事もおっしゃってましたけれども、今回、意見聴取会をたくさんされて、いろんな気づきがあったということだったと思うのですけれども、逆に言うと、検証委員会で検証しきれていない問題がいろいろ出てきたというような印象を持ちました。知事は支流の検証など、県庁内部で行うと言っていたのですけれども、検証が十分だったかどうかという点についてあらためて認識を。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真蒲島知事
 支流については、県の管轄が多いと思いますので、委員会というよりも意見を聴く会で、被災についてのこれからを検討していきたいと。それから昨日、新聞に、国のほうでもやはり支川が必要だという重要性が認識されていますので、全国的に支川についてもみなさんの関心と、それから洪水対策として必要になってくるのだというふうに思います。
 でも大きな目で見ると、やはり球磨川が増水してきて、球磨川に入っていけない水が、バックウォーターで返って来るという、そういう関連性はあります。まったく別途で氾濫したというよりも、その2つが関連しながら氾濫したという分析のほうが多いような気がしました、いろいろお話を聞いてですね。
 バックウォーターがこれほど大きいものだと初めて感じたと、いろいろありましたけれども、だから支川が重要だということも、今回の災害のポイントじゃないかなと。私が聞いたときに、改めて支川の重要性を感じたので、県庁内部でもまた検討していくということです。

 


 それは何らか一定の時期に検証結果として、報告をいただくものですか。

蒲島知事
 これは担当課からお願いします。

【事務方】
 ある程度、検証委員会のほうでも支川の検証結果についてお示しをしているところでございます。また、各支川の復旧方針等については、それぞれ各市町村さんございますので、そちらのほうとも打ち合わせをさせていただきながら、取り組みを進めたいなというふうに思っております。


 今、知事の印象として、バックウォーターというお話をされましたけれども、バックウォーターなのか、それとも支川がまず溢れて、被害にあったのか、住民の方にとっては今後治水を考えるうえで、重要な情報だと思うので、そのあたりちょっと不足していたのかなという気がします。

蒲島知事
 不足していたというよりも、情報が検証委員会で扱えなかったということです。一応掴んでいたということですから、ちょっとそこははっきりしてください。

【事務方】
 たとえば山田川の氾濫のシミュレーションの状況というのも、この間の検証委員会のところでお示ししたところでございます。各支川ごと、氾濫域がどこまであったのか、浸水深がどこまであったのかといったところまで全部見ておりまして、それがいわゆるバックウォーターによるものなのか、支川から溢れたものなのか、といったところも併せてチェックしているところでございます。今回、土砂災害というか、土砂が流れ込むことによって河川のなかに流束したという状況もございますので、なかなか一概に治水だけの話で、議論は詰められないといった、そういった背景があるといったところもご理解いただければなと思います。


 もう一点だけ、先程民意が大きく動いているという印象を持ったということだったんですけれども、どのように動いているのかという点については。

蒲島知事
 私が2008年に感じたのは、その後の世論調査の結果も踏まえてみると、ほとんどの方がダムによらない治水を極限までやってほしいという意見があったと私は感じましたので、あのような形で表明をいたしました。
 それで、今回はこの大きな豪雨災害によって、やはり人命とそれから財産という観点から、昨日も多くの方がおっしゃっていましたけれども、長期的に安全で安心な人吉球磨にしてほしいという方が、相当程度おられたと思いますので、その選択肢のなかに、そのような洪水調整機能を排除することなく、すべてを総合的に考えるという方向に少しは動いたのかなという気がいたしました。
 まだ、これからより分析しなきゃいけないし、それからまだ、意見を聴く会が続いてますので、それを踏まえてきちんと分析していきたいなと思います。

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質疑応答

選挙カーの公費負担について


 本誌の11月2日の紙面に、選挙カーの公費の記事を書かせていただいたのですが、制度上、非常に公費の支出状況がみにくいという制度設計になっているのですが、この点について、まず知事の評価をお願いしたいのですが。

蒲島知事
 私もこれがどのような形で、公職選挙法で扱われているかということを調べたところ、これは選挙カーの関連費は公費負担が認められているものの、選挙運動費用収支報告書に記載義務がないということでありました。私も事務所の秘書さんを呼んで聞いて、実際に、それはもう事務的に要らないというふうに返されたというふうに聞いておりましたけれども、まだ領収書を持っていました。
 私としては、要望があれば、公開しても差し支えないと考えておりますので、必要があれば事務所で対応させていただきます。私自身がまったく、何といいますか、収支報告書の記載義務があるかということを踏まえて、これまで考えてこなかったものですから。
ただ、実際に公職選挙法の規定に基づくとすれば、報告対象から除かれているということになっています。


 知事としては有権者からの要望があれば、閲覧も公開もするというお考えでよろしいでしょうか。

蒲島知事
 私としてはご要望があれば。(了)

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