本文
令和6年(2024年)2月7日 知事定例記者会見
知事定例記者会見
日時:令和6年(2024年)2月7日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目・コメント
- Jasm第2工場の立地決定に関して
- 八代亜紀さんへの「県民栄誉賞」贈呈について
- 新たな動物愛護センターの設置について
- 「くまもと鉄道PR大使」の委嘱について
- 「阿蘇くまもと空港周辺ガイドマップ」の作成について
- 特別展「文字が語る古代のくまもと」の開催について
質疑応答
- 特別展「文字が語る古代のくまもと」の開催について・その1
- 特別展「文字が語る古代のくまもと」の開催について・その2
- 特別展「文字が語る古代のくまもと」の開催について・その3
- 八代亜紀さんへの「県民栄誉賞」贈呈について・その1
- 肥薩おれんじ鉄道について
- 水俣病・百間排水口について
- Tsmc 第2工場決定について
- Tsmc 開所式について
- 令和6年能登半島地震 災害廃棄物について
- Tsmc 近時の状況について
- 八代亜紀さんへの「県民栄誉賞」贈呈について・その2
- 熊本県知事選について・その1
- 熊本県知事選について・その2
- 熊本県知事選について・その3
- 熊本県知事選について・その4
コメント
Jasm第2工場の立地決定に関して
蒲島知事
まず初めに、昨日、Jasmの第2工場の建設が、本県において行われることが決定した旨の発表がありました。
あわせて、第2工場の建設に向けては、Sonyとデンソーによる追加出資に加え、新たにトヨタ自動車が出資されることも発表されました。
「新生シリコンアイランド九州の実現」と、「日本経済の安全保障の一翼を担う」という目標に向けて、大変大きな前進となる、歴史的な決定だと思います。
大変うれしく思うとともに、心から歓迎を申し上げます。
県としましては、今後も引き続きJasmとの連携を密にし、第2工場の受け入れも円滑に進むよう、全庁一丸となって対応をして参ります。
発表項目
八代亜紀さんへの「県民栄誉賞」贈呈について
蒲島知事
次の発表です。
昨年12月30日に逝去された八代亜紀さんに「県民栄誉賞」をお贈りすることを決定いたしました。
八代さんは歌手デビュー以来、数々の名曲を豊かな表現と情感あふれる歌唱で、日本レコード大賞を受賞され、日本を代表する歌手として活躍をされました。
画家としても活躍され、フランスの国際的な美術展「ル・サロン」で5年連続入賞を果たされました。地元の八代市では自身の名前を冠した絵画コンクールを定期的に開催されるなど、地域づくりや文化振興にも貢献されました。
また、2004年に「くまもと誘友名誉大使」の第1号に就任され、本県の観光・物産振興に貢献されました。また、2021年に誕生した県立八代清流高校の校歌を作詞・作曲され、教育活動にも積極的に貢献いただきました。
さらに、熊本地震や令和2年7月豪雨災害では被災地を何度も訪れ、被災者を慰問されるなど、災害支援に熱心に取り組まれました。
このような御活躍は、国民的規模での敬愛と感動を与え、「県民栄誉賞」をお贈りすることがふさわしいと判断いたしました。
賞の贈呈については、準備が整い次第、所属事務所の代表の方へお届けする予定です。
発表項目
新たな動物愛護センターの設置について
蒲島知事
次の発表です。
宇城市松橋町で整備を進めて参りました新たな動物愛護センターが、2月末に完成します。
新センターには、犬猫の飼養室に加え、治療を行う施設も備えており、保護された犬や猫の健康や安全に配慮した施設となっています。
小学生の見学旅行を受け入れるなど、動物愛護の教育の場としても、多くの方々に訪れていただきたいと考えています。
3月26日には開所式を行い、報道機関や地元住民の皆様を対象にした内覧会を開催する予定です。
県民の皆様を対象とした各種講習会や犬・猫の譲渡会などは、準備が整い次第開始します。時期については改めてお知らせいたします。
また、施設の愛称を募集したところ、県内外から443件もの応募をいただきました。心から感謝申し上げます。
応募いただいた中から、動物を友として、共に生きていくという思いが込められ、明確で分かりやすい、「アニマルフレンズ熊本」を愛称に決定いたしました。
「命を大切にし、やさしさあふれる人と動物が共生するくまもと」の実現を目指し、「アニマルフレンズ熊本」を拠点に、県民の皆様や市町村とも連携し、県全域での動物愛護の取り組みを推進して参ります。
発表項目
「くまもと鉄道PR大使」の委嘱について
蒲島知事
次の発表です。
本県には、特徴的な観光列車や沿線の美しい風景を楽しむことができる、魅力あふれる鉄道路線がたくさんあります。
熊本地震で被災した南阿蘇鉄道は、昨年7月に全線で運転を再開し、トロッコ列車やサニー号トレインは、多くの観光客で賑わっています。
令和2年7月豪雨で被災したくま川鉄道とJR肥薩線については、一日も早く、車窓からの美しい景色をご覧いただけるよう、復旧に向けて全力で取り組んでいるところであります。
また、この春、開業20周年の節目を迎える肥薩おれんじ鉄道では、3月10日に八代駅と鹿児島県の川内駅で記念イベントが開催されます。
どの鉄道も観光面の魅力はもちろんのこと、地域住民の生活にとってもなくてはならないものです。
県では、災害にも負けず、力強く走り続ける熊本の鉄道や、その沿線の魅力を広く発信していくため、この度「くまもと鉄道PR大使」を委嘱することといたしました。
PR大使は、熊本県を拠点に活動されているタレントで、くま川鉄道の応援アンバサダーにも就任されている、かめきちさんに務めていただきます。
今月27日に、県庁で委嘱式を開催します。
かめきちさんには、鉄道タレントとしての知名度と情報発信力で、被災鉄道の復旧に向けた機運醸成や、県内鉄道全体の盛り上げに御貢献いただくことを期待しています。
発表項目
「阿蘇くまもと空港周辺ガイドマップ」の作成について
蒲島知事
次に、県内に住む台湾の方々に向けた、阿蘇くまもと空港周辺のガイドマップの作成についてお知らせいたします。
Tsmcの熊本進出を受け、周辺自治体では台湾の方の居住が増えています。
また、台湾と熊本を結ぶ航空便がデイリーで運行され、台湾から多くの観光客が熊本を訪れています。
そこで、多くの台湾の方が居住される菊池市・合志市・大津町・菊陽町を中心に、地域の魅力を伝えるガイドマップを作成しました。
このガイドマップには二つのポイントがあります。
一つ目は、台湾の方が興味を持つ素材を、台湾出身のスタッフが独自に取材して作成しています。
二つ目は、単に観光スポットを紹介するだけでなく、現地での楽しみ方を具体的に紹介し、行動を促すような工夫をしています。
ガイドマップ名は、「熊本空港周辺でしかできない30のこと」です。
発行部数は、繁体字と日本語版、それぞれ1万5千部です。配布先は、空港や熊本駅、県内の観光・宿泊施設、周辺自治体のほか、台湾現地の旅行会社や飲食店にも配布する予定です。このガイドマップで、更なる交流人口の拡大を図るとともに、地域の皆様にとっても新たな魅力の発見に繋がることを期待しています。
発表項目
特別展「文字が語る古代のくまもと」の開催について
蒲島知事
最後に、くまもと文学・歴史館の特別展開催のお知らせです。
本年3月15日から5月6日まで、奈良の平城宮跡で発見された国宝木簡などを展示する特別展「文字が語る古代のくまもと」を開催します。
木簡は文字を書いた木の札で、古代の税の荷札などに使われました。
特に「平城宮木簡」は、「地下の正倉院」とも呼ばれ、奈良時代の人が書いた文字がそのまま残されています。
展示される国宝木簡には、熊本の地名や産物などが書かれ、1300年前の熊本の暮らしや社会の仕組みを知ることができる、大変貴重な資料です。
今回の展示は、日本古代史研究の第一人者であり、東京大学名誉教授で、国の文化審議会会長も務められている、くまもと文学・歴史館の佐藤信館長が企画されたものです。
熊本の千数百年以上前までさかのぼる、豊かな文字文化の歴史を県内外に広く発信するべく準備を進めて参りました。
この特別展をとおして、熊本が古代から豊かな歴史と文化を育んできたことを感じていただければと思います。
特別展の詳しい内容は、ホームページ等で随時お知らせします。ぜひ多くの方のご来場をお待ちしております。
本日、佐藤館長にもお越しいただいていますので、展示の見どころを紹介してもらいたいと思います。佐藤館長、よろしくお願いします。
佐藤館長
くまもと文学・歴史館長の佐藤でございます。
今、知事からご紹介いただきましたように、3月5日から「文字が語る古代のくまもと」展という特別展を開催させていただきます。
熊本の古代の文字文化というと、江田船山古墳の銘文の大刀なども有名でありますが、古代に律令国家が文書主義を基調として形成されると、地方の、例えば肥後の国府とか郡役所を中心にして、文字文化がかなり広がるということがあります。
そこで書かれた文書、特に紙の文書はあまり残らないのですが、木に書かれた木簡が都である奈良の都、平城宮から出土したり、あるいは福岡県にあります大宰府遺跡から見つかって、それぞれ国宝重文になっておりますけれども、そのなかには1300年前の肥後人が書いた文字がそのまま残っているということでありまして、これは平城宮跡から出土した国宝の肥後の木簡でありますけれども、こういったものによって古代の肥後の特産品、あるいは役人がどういうふうに仕事をしていたか、そういったことがわかります。
もちろんこれ以外にも、熊本県内でも古代の木簡が出土していたり、あるいは墨書土器といいまして土器に文字を書いたものがいろいろな遺跡から見つかっております。
また、8世紀から9世紀にかけての石碑が残っているとか、古代の肥後人が写経したそのものが伝わっているということがありまして、そういったものを当時の生の資料で見ていただきたいというふうに思っております。
文字は人を表すといいますけれども、その文字がもつ迫力を感じていただいて、その魅力に触れていただいて、古代の肥後人たちがどういうふうな思いで、こういう文字を書いたかということ、古代肥後の歴史文化の豊かな世界に触れていただければありがたいと思っております。以上簡単ですが、ご紹介します。
私ども例えば、学芸員が古代の木簡ってこういうものですということを再現したり、これは手に取って見ていただこうと思っているんですけれども、いろんなかたちで工夫して展示しようと思っておりますので、ぜひ楽しんでいただければと思っております。どうぞよろしくお願いします。
蒲島知事
佐藤先生ありがとうございました。私からは以上です。
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質疑応答
特別展「文字が語る古代のくまもと」の開催について・その1
蒲島知事
佐藤先生のご都合もあると思いますので、今の佐藤先生に関する質問から最初に受けたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
(幹事社)
このような展示をされることについて、一般の方にもわかる意義といいますか、そのあたりをご説明いただいてよろしいでしょうか。
佐藤館長
私が思っているのは、普段熊本の古代というとかなり遠い昔の遥か彼方の世界のように思われがちなんですが、古代の肥後人が書いてくれたこういう木簡など皆様も読めます。
それを見ていただいて、あるいは古代文学にもたくさん肥後のことが書かれているものがあって、それもご紹介しますので、古代の肥後の世界というのがもっと身近にあるんだということを知っていただけるのではないかなと思います。
そして特に、古代の肥後人が書いた文字そのものを生の資料で、その文字を見て迫力を感じていただけるとありがたいというふうに思っております。
質疑応答
特別展「文字が語る古代のくまもと」の開催について・その2
(幹事社)
この国宝3点と重文11点は、もともとは県外にあったものをということですか。
佐藤館長
熊本から大宰府に行ったり、あるいは平城宮まで行ったものがあります。例えば平城宮木簡のなかでは1300年ぶりに熊本に戻ってくるというような木簡。これはまだ国宝になっていないものですけれども、国宝になったものも先ほどあったこちらの荷札などは戻ってくる。
それからこういう古代の肥後の国から送られた紙の文書の軸になっている。軸に文字が書いてあったものです。これも養老7年ですので、723年に肥後の国司の役人、今でいうと県庁の職員の方が書いた文字が奈良の都まで行ってそのまま残っていたのが、1300年ぶりに戻ってくるということで、平城宮木簡は順次これからすべて国宝になって参りますので、まだ国宝に指定されていないものも含めて、将来的にはすべて国宝になるということが大体決まっている文化財です。
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質疑応答
特別展「文字が語る古代のくまもと」の開催について・その3
蒲島知事
私から一つ質問ですけれども、この機会を逃すとほとんど永遠に見られないんでしょうか。
佐藤館長
奈良の平城宮に行ってその展示の際に、その順番がきたときに(見ることができます)。実を言うと、国宝の木簡等は、2週間しか展示できないんですよね。保存のための条件がありまして。だから入れ替わり立ち替わり見ていただくわけですけれども、奈良でもなかなか見られないものが今回集まって参ります。
また県内で出土した木簡とか墨書土器の類もそこに行ってお願いして見せていただくことは可能だと思いますけれども、一堂に見られるということはなかなかないと、初めてと言って結構だと思います。
蒲島知事
ありがとうございました。とても貴重な資料なので、ぜひ県民の方にもこの機会に見ていただいて、古代の人々がどんな字を書いたかを見るだけでもすばらしいことだと思いますので、よろしくお願いします。
どうもありがとうございました。
質疑応答
八代亜紀さんへの「県民栄誉賞」贈呈について・その1
(幹事社)
では特別展以外のところで質問させていただきます。八代亜紀さんへの県民栄誉賞の贈呈についてです。八代さんへの贈呈が今回11例目となるとのことですけれども、亡くなられた方への贈呈というのはこれまであったんでしょうか。
蒲島知事
亡くなられた方に送ったのは川上選手ですよね。
【担当課】
そうです。川上哲治元巨人軍監督に続きまして2例目でございます。
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質疑応答
肥薩おれんじ鉄道について
(幹事社)
あと発表項目との絡みで鉄道PR大使。そのなかでもさっきお触れになられましたけれども、肥薩おれんじ鉄道につきまして、この春に開業20周年を迎えるというご発言がありましたけれども、熊本県は肥薩おれんじ鉄道の株主の一つでもありますけれども、そういったお立場から現状の経営状況へのご認識であるとか、地域にとっての重要性であるとか、今後の支援への考え方とかその辺りをお願いします。
蒲島知事
平成16年3月に開業した肥薩おれんじ鉄道が、20周年という節目を迎えることは大変うれしく思います。肥薩おれんじ鉄道は、熊本、鹿児島の両県を結び、高校生の通学をはじめ生活交通に不可欠な路線です。また、観光列車の先駆けでもあるおれんじ食堂などにより、観光誘客にも貢献しています。そして、鉄道貨物の大動脈としても、九州を繋ぐ重要な路線です。今後も肥薩おれんじ鉄道が地域に愛される鉄道として運行を続けられるよう、鹿児島県や地元市町と一緒にしっかりと必要な支援を行って参ります。
(幹事社)
とは言いましても、開業から20年、経常赤字というものがずっと続いておりますけれども、沿線の人口減というものは、ずっと続いているということも起因しているかもしれませんけれども、知事としてどのような辺りが、そういう経営がなかなか厳しい状況が続いているというふうにお考えでしょうか。
蒲島知事
やはり人口減ですよね。これが大きく響いていて、人口減によって学生の数も少なくなってくる。それを観光客で補うということがとても大事なんですけれども、そういう意味で、今回の新しい試みで交流人口を増やすことができればいいなと思っています。何もしないというのが一番よくなくて、何らかのかたちでこれを盛り上げていきたいなと思っていますので、しっかりと頑張りたいと思います。
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質疑応答
水俣病・百間排水口について
(幹事社)
発表項目と別でもう一点なんですけれども、水俣市の百間排水口の樋門の取り扱いについてお尋ねします。
先日、市民の方と県との意見交換会をなさいましたけれども、方針としてどのようなかたちで進めていかれるお考えでしょうか。
蒲島知事
樋門が撤去されるということを聞いて、私は残すべきじゃないかということで市長に対してお願いをいたしました。その結果、保存されるということでありますので、その保存の方法について今検討されているというふうに思います。その分野について担当者から、今どういう状況か教えてください。
【担当課】
先日、水俣市で市民の方々と意見交換をしまして、いろんな保存のご意見をお伺いしましたので、それを踏まえて県としてもできるだけ早めに、遅くても来年度中には現場に戻すような方向で進めたいというふうに考えています。
蒲島知事
今、そういう状況です。ただ、保存することはもう確定しておりますので、そういう方向になったのはよかったなと。(樋門を)撤去したあとで保存することをおっしゃると、どうしようもないですけれども、その前に市のほうが考え直してくださってよかったなと思っています。
質疑応答
Tsmc 第2工場決定について
(幹事社)
幹事社質問です。一点だけよろしいでしょうか。
Jasm、Tsmcの第2工場、昨日発表ありましたけれども、知事はどのようなかたちでお知りになったのかというのをお願いします。教えていただけますでしょうか。
蒲島知事
私も、以前からそういう(県内に第2工場が建設されるという)噂があったのは知っていましたので、きっとその方向になるんじゃないかなと思っていました。
ただ、事前に聞いたわけではありません。昨日、正式なプレスリリースを行ったという連絡がJasmからありましたので、それによって知ったわけであります。
どうしてこういうふうな早いスピードで第2工場が決定したのかなというのを考えてみると、多分、第1工場の建設が順調に進んだことが評価されたんじゃないかなと思っています。
例えばアメリカのアリゾナの工場はまだちょっと遅れているということですし、やはり与えられた納期をきちんと守ったということと、それから第1工場の操業開始に向けた周辺地域の整備についても今しっかりと県でやっていますし、周辺道路の渋滞解消に向けた取り組みなども岸田総理から資金面の約束を取り付けたということもありますし、関係市町村とも連携して、操業開始に向けた整備、対応を行ってきたこと、これらすべてが高く評価されたんじゃないかと思っています。
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質疑応答
Tsmc 開所式について
(幹事社)
2月24日の開所式なんですけれども、正式に招待などは来ましたでしょうか。
蒲島知事
私に対しては招待は来ていますよね。
【担当課】
知事宛てに、招待状が届いております。
(幹事社)
ありがとうございます。Tsmcの幹部の方や創業者の方が来るという報道もありましたけれども、どなたかと面会されたり、対談されたりする予定はありますか。
蒲島知事
その時、どなたがいらっしゃるかということだと思いますけれども、私も当然皆さんとお話をしたいと思います。それからこれからの課題なんかについても。ただ、実際にどの方が来られるかというのはまだ発表はないですよね。
【担当課】
はい、我々もまだ聞いておりません。
質疑応答
令和6年能登半島地震 災害廃棄物について
Q
昨日なんですけれども能登半島地震関連なんですが、熊本県からも廃棄物対策の職員の支援をなさっていると思うんですが、改めて馳知事が240万トンを超える量の災害廃棄物、全国的な支援をと、Sosを出されたわけなんですけれども、熊本地震を経験した先進県、熊本としてなんですけれども、改めてこの災害廃棄物の支援に関して、知事はどういうお考えでしょうか。
蒲島知事
災害廃棄物の支援に関してはすでに担当者を送って相談を受けています。
ただ、熊本地震のときに、(災害廃棄物の処理に)だいたい5年くらいかかるんじゃないかという予想がありました。しかし私は、その後の創造的復興を早く進めるためには2年でやってくれと、大変無理なことを業者の方々にお願いしました。でもそのときに2年で確かにやってくださって、私も大変感銘を受けたことがあります。
だから廃棄物処理というのは、次どういうふうなステップをするかというのにとても大事なんですね。それがある間は創造的復興ができなかった。それで2年でできたということは、やはり業者の方々と県庁との深い信頼関係、そして県庁も国も一緒に動くことが大事だと、そのとき感じました。
もう一つすごくよかったなと思うのは、廃棄物処理というのは廃棄物だけじゃなくて、例えばそこに混ざっているいろいろなゴミがありますよね。それを取り除かなきゃいけない。その取り除いたものをまたどこかに捨てなきゃいけないんですけれども、熊本県では国からの支援を受けて、廃棄物処理の機械化ができたんですね。その機械を私の要請でまだ残してもらっています。
この機械を他の水害のときに使っていただいて、熊本からそれを使える業者の方にお願いして支援をに行ってもらいました。オートメーションで処理する廃棄物の処理設備を我々はまだ熊本に保存していますから、それを通して支援できるんじゃないかなと思っています。
だからもしその要請があったら、その機械を使って、熊本の業者の方々や熊本県庁職員も含めて、全力で応援したいなと思っています。
今そういう要請はまだきてないんですかね。廃棄物の担当者は。
【担当課】
循環社会推進課の職員は1月23日から石川県庁におきまして、石川県庁および環境省と調整しながら、現地ニーズに合わせた対応を行っています。
今、知事が申しました設備の利用についてのオーダーは、まだ具体的にはないようでございますけれど、石川県庁と被災市、町のほうで災害廃棄物処理の対応を今進めている中に、熊本地震や7月豪雨での熊本の経験値は、知見として多く活かされているということで報告をいただいています。
蒲島知事
ちゃんと知らせていますよね。こういう機械があるということと、以前よその、あれはどこの県でしたかね。
【担当課】
確か西日本豪雨で。岡山ですね。
蒲島知事
岡山県ですよね。岡山県の知事さんに私がこういう機械があるのでぜひ使ってくださいということで使っていただいたら、ものすごく早い速度で廃棄物処理ができたと感謝の言葉をいただきました。それも含めて石川県のほうにも知らせてください。
【担当課】
はい。岡山県の状況も石川県に伝えております。また石川県、環境省にもプラントがあるということについては伝えておりますので、今は石川県で検討の状況かと思っております。
蒲島知事
だいたい災害が終わったらそういう機械は廃棄するのが普通ですけれども、もったいないから廃棄しないで熊本でキープしときましょうということで、それが岡山県で役に立って、今度石川県で役に立てばとてもいいなと思っています。
質疑応答
Tsmc 近時の状況について
Q
Jasmの第2工場の建設のお話で伺います。
第1工場の時点で、すでに土地不足ですとか、あとは排水とか水不足の懸念の声というがあると思うんですけれども、それで第2工場の建設が決まったということで、そうした懸念の声にどのように知事はお答えされていくのでしょうか。
蒲島知事
これはもう、第1工場が決まった段階から対応していかなきゃいけないと思った問題であります。
今、一番言われているのが道路の渋滞対策。それから環境、地下水の問題。地下水の問題についてもすでに第1工場の段階で、例えば地下水の涵養をしっかりとやっていますし、それから工場のほうでも何回も何回も排水を再利用することが可能じゃないかということをやっぱり考えていらっしゃると。
だから今はまだ第1工場も開業されていませんけれど、開業前に、ベストバランスと言いますか、環境とTsmcの経済効果、これが両立できるようなかたちでこれからやっていきたいと思っています。
今、これから問題になるようなことも含め、予想しながら対応していますけれども、実際に操業が始まったときにさらに現実化していくと思いますので、第2工場の建設がすぐ始まるような報道もありましたので、その前にやっぱりしっかりと対応していく、そういう準備をしておかないといけないなと思っています。
質疑応答
八代亜紀さんへの「県民栄誉賞」贈呈について・その2
Q
発表項目の八代亜紀さんの件なんですけれども、熊本地震や九州豪雨でほとんどの被災地を訪れられたということもありましたが、知事にとって八代さんに関しての思い出があれば教えていただけないでしょうか。
蒲島知事
八代亜紀さんとは何度も会いました。特に被災地訪問のときにお礼を申し上げましたし、とても素晴らしい方だった思い出があります。
八代亜紀さんの歌の中で一番好きなのは「舟唄」で、歌うことはできませんけれども、聞くのは大好きだったので、それがとてもいい思い出であります。それから、やはり八代を愛されていたんだなと。八代亜紀という名前からして熊本愛にあふれた方だったというふうに思っています。
昨年9月に活動を休止されて病気療養に専念されていましたので、またお元気になられるんじゃないかと思っておりましたけれども、このような結果になって大変残念な思いです。
質疑応答
熊本県知事選について・その1
Q
もう一つは知事選についてです。
告示まで今日で1か月となりました。現在、前熊本市長の幸山さんと、副知事を務められた木村さんが立候補を表明されていますが、知事は以前から中立の立場でというお話しだったと思いますけれども、改めて、現時点で知事選について知事のお立場をお聞かせください。
蒲島知事
私は、知事選に対しては、後継者指名はしないということを申しました。だから自民党県連のほうで出馬要請をされたということで、それに関しては一切関与していません。
二番目に、私は候補者と一緒に街頭に立って応援演説とかそういうことはしないということは言いました。ただ、どういうふうな気持ちでいるかということについては、個人の政治意識の問題ですので、ここで言う必要はないと思います。ただ、最近、私の16年の知事の仕事に対して感謝の会というものがよく開かれます。
そのときに、私がこれまで16年をどういう形で運営してきたかと、そのときになぜ去年の12月6日に辞めるということを決めたかという、その理由も説明します。
そのとき、私が議場で説明したものと同じように、今、熊本はとてもよき流れにあると。このよき流れを強く大きくしたいと。そのためには私がこの段階で次の若い世代にバトンタッチしたほうが、より熊本の繁栄は長続きすると信じているという、そういう話をしました。
そして最後に、木村候補がどういう人かというのは、一緒に仕事した私が触れることもあります。
学生時代のこともよく知っていますし、ゼミ生で、ゼミ長ですから。それから一緒に部下として、まず課長として来て、それから部長として来て、副知事として来て、そういうことも質問を受けるとお話することはありますけれども、そういう形で私の知っていることをお伝えすることも、県民の方々が賢明な判断ができる一つの手段ではないかなと思っています。
質疑応答
熊本県知事選について・その2
Q
今の質問に続いて、政治学者として今の知事選の情勢をどういうふうに見ていらっしゃいますでしょうか。
蒲島知事
政治学者としてみれば、もし民主主義が機能不全に陥るとすれば、だれも立候補しないということです。
でも、ちゃんと立候補者が2人いて、かつ競争をしていらっしゃる。両方とも自分の考え方を明快に県民に対して述べていらっしゃる。
だから県民は主権者としてどちらを選ぶかというその判断をされると。その判断のための状況は整っているのではないかと、私は政治学者としては思います。
選挙で十分に候補者が揃わないことも往々にしてあり得ますので、有権者はきちんとどちらかを選ぶという機会が与えられたという意味では、この段階ではいいんじゃないかなと思います。まだこれからどう変わっていくかわかりませんけれども。
Q
もう一点。国政において自民党の不正の問題があって、政権が揺らいでいるような状況がありますけれども、これが知事選に与える影響、もしくは県内における野党の今の対応をどういうふうに見ていらっしゃるか。
蒲島知事
これはちょっと、今の知事選に関してというコメントはできかねますけれども、ただ、これまでの前橋の選挙とか、あるいはこの前の京都の市長選挙などでいろんなコメンテーターがおっしゃっているのは、国の政治状況も影響を与えたんじゃないかと。
そういうコメントがありまして、それから候補者の方もそういうふうなコメントをしていますので。どのようなかたちで熊本県の知事選挙に影響があるかというのは、私にもわかりませんが、影響はないとも言い切れないし、あるともなかなか言えないと。そういう意味で、それを踏まえて有権者は判断されるんじゃないかと思います。
質疑応答
熊本県知事選について・その3
Q
先ほど知事、知事選に絡んで感謝の会の会合などで木村前副知事について紹介することもあるというお話でしたけれども、自民党の1月に開かれた新春の集いの場でも、「木村君には頑張ってほしい」というお言葉がありまして、その際は教え子として頑張ってほしいという気持ちでおっしゃったとありますが、会合に出られている方々は知事が後継指名をしないとおっしゃっていても、その場で木村さんのことを出されると、やはり知事は木村さんを推してらっしゃるんだなと受け止めると思いますが、そのことについてはいかがですか。
蒲島知事
政治的自由というのがあります。だからおたくが言いたいのは、決して何もコメントするなということだと思いますけれども、そうじゃなくて、例えば東大の私の後継者を教授として選ぶときに、東大では指導教官は決して、教授を選ぶ委員には入りません。ただ、推薦状は書きます。
これはアメリカに留学していたときもそうだけれども、推薦状はきちんと書くけれども、選ぶのは教授が選択するわけですね。だから私は、同じようなことを今の知事選でも考えてますけれども、選ぶのはあくまで県民。県民の方々に正しい情報をお伝えするのは、私は教えた先生でもあるし、それから実際に一緒に仕事をした上司でもあるから、そういうしっかりした線は引いているんですよ。そういう意味で、東京大学のやり方をそのままやっていて、選ぶのはちゃんと選考委員が選ぶと。
だからそのなかには入らないと。ただ、当然一番よく知っていますから推薦状は書く。推薦の言葉が求められたらということね。それがやはり選択する人たちにとってもいい情報じゃないかなと思いますので。だから、私が言った後継者指名はしないということはそういうことです。
蒲島知事
佐藤先生。文学部もそうですか。
佐藤館長
同じでございます。
蒲島知事
文学部も同じだそうです。自分が指導教授になっているときは選考委員には入らない。それはやはり正しい判断だと思う。
質疑応答
熊本県知事選について・その4
Q
同じく知事選に関してなんですけれども、取材をしていて県民の方が「熊本知事になる人はやはり県出身者がいい」という声が実際にあったんです。
こうした、県出身にこだわるというのはやや保守的ともとれると思うんですけれども、こういった県民性についてはどのように知事は見ていらっしゃいますでしょうか。
蒲島知事
そういう県民性というのは当然あるでしょう。県出身だったら県のことをよく知っているとか。
ただ、私なんかも最初選挙に出たときには、もう40年近く県を離れていたので、確かに熊本県に生まれたけれども、その前にいたのは鹿本高校までですからね。
だからそういう意味では、鹿本高校とそれから稲田村農協までの私しか知らないんですよね。だから、生まれたかどうかというよりも、その後どういう人生を歩んだかというほうが多分有権者は興味があったんじゃないかなと思います。
同じように、熊本県で生まれたかどうかというよりも、その後どういう職歴・学歴、仕事をしてきたかというのが多分大きく影響するんじゃないかなと思っています。そういう意味で、県出身、県出身でないからといって、そこで判断するんじゃないことは、皆さんそう思ってらっしゃると思いますけれども、その判断が入っても有権者の選択ですから、それはそれで認められるんじゃないですかね。