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令和4年(2022年)12月23日 知事年末記者会見
知事年末記者会見
日時:令和4年(2022年)12月23日(金曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事年末記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
コメント
発表項目
質疑応答
- 県政10大ニュースについて(TSMC関係)
- 新型コロナウイルス感染症対策について・その1
- 県政10大ニュースについて(あさり関係)
- 2022年を振り返って
- JR肥薩線の復旧について
- ソニーの新工場建設について
- グランドデザインについて
- 令和2年7月豪雨災害について
- 新型コロナウイルス感染症対策について・その2
- 流水型ダムの事業の方向性・進捗を確認する仕組みについて
- 寒波について
- 内密出産について
- 年末年始期間中の無料検査について
コメント
新型コロナウイルス感染症対策について
蒲島知事
最初に新型コロナウイルス感染症対策についてです。フリップ1をお願いします。
現在の感染状況についてです。本県の新規感染者数は、1日に4,000人を超える日も出てくるなど、増加しています。
フリップ2をお願いします。病床使用率については、12月22日時点で79.1%です。上昇が続いていましたが、直近では横ばいとなっています。
超過入院者を除いた実質的な病床使用率については、56.1%と少し下がり、こちらも直近では横ばいです。
フリップ3をお願いします。その他の事象については、保健医療の負荷や社会経済の状況への影響も生じていますが、国が示すレベル分類の「レベル3」の状況までには至っていないと考えます。このことから総合的に判断し、今週の県リスクレベルも「レベル2」を維持する方針です。
フリップ4をお願いします。しかしながら、冬場を迎え、救急出動件数は増えてきています。その中で救急搬送困難事案が急増しており、今年度最多となっています。
そのため救急医療の現場は厳しい状況にあると思われますので、救急医療を守る必要があります。
フリップ5をお願いします。また、これから年末年始を迎えます。帰省や旅行などで人の動きが活発となることで、感染が更に拡大し、医療がひっ迫するおそれがあります。
さらに、昨日発表いたしましたが、本県では3シーズンぶりに、インフルエンザが流行入りしました。過去の状況を踏まえると、1月下旬にピークを迎える可能性もあります。
このような中、本県としては強い行動制限を行わず、感染拡大防止を図り、医療を守りながら社会経済活動を維持していきたいと考えています。
そのためには、県民の皆様お一人お一人の自主的な行動が非常に重要になって参ります。
このため県では、県民の皆様に年末年始にこれだけは守っていただきたい5つのお願いをまとめました。
県民の皆様におかれましては、この「年末年始の5つの心得」を実践いただくようお願いします。
フリップ6をお願いします。1つ目は、医療機関の適正受診です。
重症化リスクの高い方などを、優先的に診療できる体制を維持するとともに、救急医療を守るため、医療機関の適正受診にご協力ください。
具体的には症状が軽く、緊急を要さない場合は、平日昼間の診療時間内の受診にご協力をお願いいたします。
また、新型コロナ陽性で、自宅療養中の方の体調が悪化した際、まずは療養支援センターや夜間相談窓口にご相談ください。
病気やケガで、夜間などに救急車を呼ぶか迷う場合は、夜間安心医療電話相談#7400などにご相談ください。
フリップ7をお願いします。2つ目は、感染に備えた事前準備です。
年末年始においては休診となる医療機関が多く、すぐに医療機関を受診できないことも想定されます。
そのためそれぞれのご家庭で、検査キットや薬、食料品の準備を行っておいていただくようお願いします。
フリップ8をお願いします。3つ目は、セルフチェックの検討や陽性者登録の活用です。
年末年始の医療のひっ迫を防ぐため、重症化リスクの低い方は検査キットでのセルフチェックを積極的にご検討ください。
また、陽性となられても軽症であれば、陽性者登録を行なっていただいた上で、自宅療養を行なっていただくようお願いいたします。
フリップ9をお願いします。4つ目は、基本的な感染防止対策の徹底とワクチンの接種です。
特に感染力が強いオミクロン株については、換気が重要です。冬場は暖房器具を使用するため、窓を閉め切ってしまいがちですが、定期的に換気を行なっていただくようお願いいたします。
また、昨年は成人式後の会食での感染と思われる事例が多数発生し、その後、感染が急拡大しました。成人式後の会食については注意いただきたいと思います。
なお、オミクロン株対応の2価ワクチンについては、従来株のみのワクチンを上回る効果が期待されます。希望される方は、ぜひ、早めの接種をお願いいたします。
フリップ10をお願いします。最後の5つ目は、帰省前後の検査です。
帰省先では、地元で高齢のご家族と接する機会が多くなります。
このため帰省前や帰省先から戻られた際は、検査を受けていただくようお願いいたします。
この検査について、明日12月24日から1月12日までの年末年始の期間中、県内86か所を含む全国1万3,000か所以上の検査所において無料で受けられます。
また、12月26日から1月12日まで、JR熊本駅に臨時の検査拠点を設置しますので、こちらもご利用いただけます。
フリップ11をお願いします。年末年始は帰省される方も多く、受験生は受験を控えているなど、皆様にとっては大切な時期だと思います。
ご自身や周りの大切な方を守るためにも、皆様お一人お一人が「感染しない」、「感染させない」と強く意識して行動してください。また、医療を守るために冷静に対応していただくようお願い申し上げます。
発表項目
「くまモンファーム」の開園について
蒲島知事
次の発表です。くまモン、入っておいで。
この度、くまモンランド化構想の取り組みとして、水俣・芦北地域に「くまモンファーム」が開園しますのでお知らせいたします。
「くまモンファーム」とは、地域全体を観光農園と見立て、農産物の収穫や食の体験とくまモンを掛け合わせ、新たな体験型コンテンツとして提供するものです。
例えば、くまモン型のパエリア、またソーセージづくり、収穫した旬野菜で、くまモン型ピザづくりを楽しむことができます。
また、「くまモンファーム」で収穫した野菜や果物、地域の特産品を「くまモンファーム便」として数量限定でお届けいたします。
第一弾となる今回は、11の事業者の方に参画いただきます。
来年1月10日から、申し込みを受け付けますので、ぜひ、ご期待ください。
くまモンからもひと言お願いします。
【くまモン隊】
「Do you know くまモンファーム?Yes,I know くまモンファームだモン。」と言っています。
蒲島知事
それだけ?それじゃくまモン、ありがとうね。
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発表項目
「夏目友人帳」×人吉・球磨タクシープランの運行開始について
蒲島知事
次に、人気アニメ「夏目友人帳」と人吉・球磨地域がコラボレーションした、新たな取り組みについてお知らせします。
この度、本県出身の漫画家・緑川ゆき先生原作の、アニメ「夏目友人帳」のモデル地を巡る、ガイド付きのタクシープランが完成いたしました。
これはファンの方々に、より快適で充実した観光を楽しんでいただけるよう、地域の皆様と一緒に準備を重ねてきたものであります。
また、「夏目友人帳」制作関係者の皆様にも多大なご協力をいただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。
このタクシープランの一番の魅力は、様々な場所を巡る中で、アニメの世界観とともに、人吉・球磨地域の自然豊かな風景や街並みを堪能できることです。
また、地元のタクシー運転手の方のガイドにより、その魅力を分かりやすく感じていただけます。
運行開始は、年明け1月7日を予定しています。予約は本日正午から加盟のタクシー会社にて受け付けます。
来月10日からは、全国旅行支援も再開します。国内外の多くファンの方々にご利用いただくことを期待しています。
豪雨災害や長引く新型コロナウイルスの影響などで厳しい状況の中、地域の皆様のご尽力により、少しずつ賑わいを取り戻しつつあります。今後も地域の皆様と一緒に、地域活性化と更なる復興に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。
発表項目
県政10大ニュースについて
蒲島知事
最後に、この1年を振り返っての「県政10大ニュース」を発表いたします。時間に限りがありますので、項目を簡単にご紹介します。詳細についてはお手元の報道資料をご覧ください。
まず、「新型コロナ対策に全力」です。今年も新型コロナウイルスが猛威を振るい、医療提供体制の強化やワクチン接種の推進などの対策に取り組みました。今後も感染拡大防止と社会経済活動の両立に取り組んで参ります。
次に、「緑の流域治水と豪雨災害からの創造的復興が着実に前進」です。命と環境の両方を守る「緑の流域治水」を推進するとともに、住まいやなりわいの再建、交通インフラの復旧など、被災地の生活再建に向け、県庁一丸となって取り組みを進めました。
次に、「震災復興の総仕上げに全力」です。創造的復興は着実に進んでいますが、引き続き、残された課題である「すまいの再建」や「益城町の復興まちづくり」に全力で取り組んで参ります。
次に、「空港アクセス鉄道のルート決定」です。先日の12月県議会にて、「肥後大津ルート」で進めていくことを表明いたしました。今後、ルートの詳細な調査など、事業化に向けた検討を加速していきます。
次に、「TSMCの受入準備が本格化」です。この国家的プロジェクトに対応するため、全庁を挙げて取り組んでいます。引き続き、半導体関連産業の更なる集積に向けて、TSMC進出の波及効果を高めて参ります。
次に、「産地偽装あさりの対応に全力」です。産地偽装根絶に向け、関係者の皆様と連携し、純粋な県産あさりを消費者に届ける「熊本モデル」を構築しました。また、条例を制定し、あさり資源の保全・回復、トレーサビリティによる適正な流通・販売に取り組んでいます。
次に、「SDGsに向けた取り組みの着実な推進」です。熊本SDGs登録事業者は累計1,600者を超えました。CO2削減や食品ロスの削減など、SDGsの取り組みの輪を県内全域に広げていきます。
次に、「村上宗隆選手に県民栄誉賞を贈呈」です。村上選手は歴史に残る大活躍で、日本中に感動を与えてくれました。また、女子バドミントンの山口茜選手、ロアッソ熊本、ヴォルターズなど、スポーツの力で熊本を元気にしてくれました。
次に、「くまモン売上高1兆円を突破!」です。くまモン利用商品の売上高が、1兆1,341億円となり、目標としていた1兆円を突破しました。くまモンの更なる活躍を期待しています。
最後に、プラス1項目として、「野原八幡宮風流ユネスコ無形文化遺産登録決定」です。世界的な評価をいただき、大変うれしく思います。今後も「熊本の宝」として、保存と活用に取り組んで参ります。
以上が、今年の県政10大ニュースです。
来年は蒲島県政4期目の集大成の年となります。県政の目標である「県民総幸福量の最大化」に向け、引き続き全力で取り組んで参ります。
私からは以上です。
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質疑応答
県政10大ニュースについて(TSMC関係)
(幹事社)
一点、まず発表項目から質問させていただきたいのですけれども、知事、今年の県政10大ニュースを発表されまして、色々ご尽力なされたかと思うんですが、その中で、あえて一つ心に残っていることを挙げるとすれば何でしょうか。
蒲島知事
やはり、一つ挙げるとすれば、TSMCの熊本進出だと思います。これは波及効果がとても大きく、また熊本の将来の発展にも大きく貢献するんじゃないかと思います。そういう意味では、影響の大きさ、それから突然湧いてきたようなものなので、ニュース性がとてもあったんじゃないかなと思いますし、それがだんだん考えれば考えるほど、熊本に対する影響、それからシリコンアイランド九州への貢献、それが引いては脆弱な日本経済への安全保障にとても大きく貢献するという意味では、波及効果が全国的、そして将来的には全世界的な効果もあるのかなと思いますので、これが一番印象に残ったものです。
(幹事社)
では、そこから関連してなんですけれども、このTSMCの稼働に向けてなんですが、来年更なる課題、たくさん山積しています。その中で来年特に進めなければいけないもの、何だと思いますか。年明けにかけてどういうふうに対策をしていきたいか。
蒲島知事
TSMCについては、これが発表された段階から色んな課題があって、それに急いで対応しなければいけなかった問題も印象に残っています。
これについて、まずは半導体における人的な確保について、熊本大学のほうで学部を早急に作っていただいて、半導体の人材を育ててくださるというのが一つ。それから(令和10年には)毎年100人ほど養成してくださると。それからもう一つ大きいのは高専です。九州全体で9つの高専がありますけど、その9校が連携して半導体人材を育てると。とりわけその拠点となるのは熊本高専と佐世保高専ということになります。
そういう形で、高専が協力してやるというのも、これまで見られなかったことだというふうに思います。
熊本県の技術短期大学校も半導体のコースを設けて、ここで特徴的なのは厚生労働省の所管なので、そこを卒業しても例えば熊本大学に編入できないんです。でも、それを特区を利用して、例えば熊大に転入できるような形に今やろうとしています。
そうすると、まず熊本の技術短期大学校に入って、それから熊大に移って、そこで技術者として出ていくという、そういうことも可能になります。
それから私も県内の工業高校で知事の出前ゼミも行ってきましたけれども、やはりその関心がとても高かったと思います。
そういう形で熊本でまず人材の育成、確保し、それが次第に全国的に広がっていって、その重要性が広がっていくんじゃないかなと。
皆さんも、そういう経験があるかもしれませんけれども、県外に行ってもTSMCのことはとても皆さん話題にされています。
そういうことで、話題になるということが人材育成にもとても大きな効果をもたらすのかなと思っておりますので、そういうふうな形でこれから進んでいけば、熊本にとっても、TSMCにとっても、またTSMCと関連する会社にとっても、とても良いんじゃないかと思います。楽しみにしています。
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質疑応答
新型コロナウイルス感染症対策について・その1
Q
コロナについてお伺いしますが、先ほど知事も冒頭でおっしゃっていますけれども、病床使用率も実質的な数字でも50%を継続して超えていて、さらに救急搬送困難事案というのも今年度最大になってきていて、医療体制の逼迫というのが進んできているのかなと思いますが、他の県ではそういった状況を踏まえて、県独自の何か宣言のようなものを出したりもしているんですけれども、熊本県ではその辺りより踏み込んだ対策というのは検討されていないんですか。
蒲島知事
(他県では)医療ひっ迫防止対策強化宣言とか県独自の宣言というのが出ていますけれども、今熊本県のリスクレベルは2のレベルにありますので、現時点では国の宣言や県の独自宣言は考えていません。
ただ、今後の状況を見て医療への負荷とかそれが高まっていけば、国の宣言や独自宣言の判断も必要になってくる可能性もあります。ただ、今この時点では考えていません。
Q
年末年始を挟んで、これまでも人の移動で感染が爆発的に伸びるところがあったと思いますけれども、その宣言を何か出す目安とかその辺りどのようにお考えでしょうか。
蒲島知事
宣言というよりも今日私が5つのお願いをしました。この5つのお願いに沿って県民全体が同じ考えで同じような危機感を持つことが、この段階では大事なのかなと思っています。そういうことで、今日はあえて5つのお願いを記者会見の中でした訳であります。
ただ、さっき言ったように独自の宣言とか、そういうのは今の時点ではレベル2の段階でありますので考えていませんが、常に注視しながら行動しなきゃいけないなと思っています。
それから昨年の成人式の経験もあって、あの時は、成人式の後の会食からうつって、それがすごく拡散したという経験がありますので、そういう経験も踏まえながら、成人式は多分市町村レベルでは全てやられるんじゃないかなと思いますので、そういうことにも慎重にならなきゃいけないなと、会食についてはそう思います。
Q
成人式の話も出たんですけれども、若者のワクチン接種率、全体的になんですけれども、今低い状態が続いていると思いますが、特に成人式に向けて何か集中的に行うような対策あたりはいかがでしょうか。
蒲島知事
確かに若い方のワクチンの接種が低いというのは我々も分かっていますけれども、今度帰省前後は、無料で熊本駅など全国1万箇所以上で無料の検査ができますので、なるべくそういうところを利用されて、そして帰省する前にはきちんとワクチンを打っておけば安心かなと思います。
私も5回目を受けましたけれども、全く負担は無かったので。それからとても針が細いので、痛くもないです。そういう経験からいって、ぜひ特に成人式というのは、そういうふうなこれまでの経験があるので、注意して欲しいなと思います。
また、できるだけ空港とか駅とかそういうところで検査も受けていただきたいと思います。
質疑応答
県政10大ニュースについて(あさり関係)
Q
10大ニュースの中にあったあさりの産地偽装なんですけれども、熊本あさりを中心に様々な農産物にも風評被害といいますか、そういったものも目立つと思うんですが、信頼回復に向けてどのぐらい進んできたか、知事の受け止めをお願いします。
蒲島知事
あさりはとても難しい問題だったけれども、とりわけあさりへの信頼、熊本県全体の農水産物に対する信頼感が失われそうになりましたので、早いスピードでまずはあさりの出荷停止をやりました。
あさりの出荷停止をすることで全国的に新聞広告を打って、今(店に)ある日本中の熊本あさりは全て偽物ですというふうな形で取り組みました。
水産業の方には大変ご迷惑を掛けましたけれども、それで2週間ほどで日本中のスーパーマーケット、あるいは店にある熊本産あさりは無くなりました。
そういう意味で、偽装あさりをあぶりだすことができたんですね。あぶりだすことができたと同時に、デンソーさんに手伝っていただいてQRコードを作り、スマートフォンがあれば誰でもそれが偽物かどうかというのが分かるような、そういう方式をとったことによって熊本県あさりというのは、今信用があるんじゃないかなと思います。
その証拠に多くの店が扱いたいという、そういう要請が来ています。それから値段も上がっていますので、そういうことで漁業組合の組合長にこの前電話で聞いたら、とても良かったと、信頼が回復できたと。
10大ニュースで本当はそこ(あさり)も私の記憶に残る一つだったんですけれども、TSMCがあったので隠れてしまいましたが、あの時にやっていて良かったなと。スピード感を持ってやっておいて良かったなと思っていますし、漁業者の方々もそう思ってらっしゃいますので、信頼感が回復したのではないかなと思っています。
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質疑応答
2022年を振り返って
Q
10大ニュースのことについてお尋ねなんですけれども、個別の項目をご説明いただきましたけれども、総括して振り返っていただきたいんですけれど、どういう一年だったか。
蒲島知事
総括して考えると災害からの創造的復興、特に地震、7月豪雨災害からの創造的復興が順調に進んだ年だったんじゃないかと思います。
ただそれだけではなくて、ハード面では、例えば熊本駅とか、空港は(来年)3月にターミナルができるし、それからくまモンポート八代、そういう陸海空の拠点となるところは創造的復興という形でできたし、それからとても重要な中九州横断道路、九州中央自動車道も順調に進んでいると。そういう形でハードがとても進んだけれども、最後のこのTSMCがソフトの部分として、その部分が花が咲いたんじゃないかなと。
もしあのハードができていなかったら、TSMCも来ていなかったかもしれないし、そういうハードを早く創造的復興という形で進めていって、その時にTSMCが来てくれたという意味では、全体は総合的に良かったのかなと思います。
(くまもと復旧・復興)有識者会議のメンバーの五百籏頭眞さんが言っておられたけれど、確かに創造的復興が上手くいったなという総括をされたけれど、でも何かもう一つ足りないなと思っていたらTSMCが来て花が咲いたというふうに五百旗頭先生は評価されておられました。私もそんな気がします。そういう総合的に上手くいった一年ではなかったかなと思います。
ただこれが始まりですから、これからどう動かしていくかということが大事です。
Q
来年は集大成の年だというコメントもありましたけれども、具体的にどういうことを実現したいのかというのがあったら教えてください。
蒲島知事
具体的には、このTSMC、そしてその関連の企業が熊本にこれからたくさん来るから、その効果というんですかね、その波及効果を熊本だけじゃなくて九州全体に及ぼしたいというのがシリコンアイランド九州の復活となります。
それが日本経済に大きく貢献して、日本経済も大きく伸びると、そういう意味で熊本の経済も伸びるし、九州の経済も伸びるし、日本経済も伸びるという形で、これが進んでいくことが私の希望です。
それは5つの安全保障のうちの一つの安全保障である経済の安全保障の一翼になるというのが大きな目標の一つですけれども、そういう形で進めていきたいなと。
集大成という意味ではやはり創造的復興を、とりわけ7月豪雨災害の創造的復興をさらに重点的に進めていって、住まいの再建をとにかく私の任期中には目途を付けるというふうに思っています。
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質疑応答
JR肥薩線の復旧について
Q
では豪雨の話が出たのでちょっと確認なんですが、今回の議会中に肥薩線については在任中に道筋を付けるというようなコメントがありましたけれど、あれは具体的に言うと、JR九州に復旧してもらうということを明言していただきたいという考えでよろしいんですか。
蒲島知事
いや、それは私の心構えで、肥薩線については私の任期中、あと1年と5か月くらいありますけれども、その間に目途を付けたいと。そういう目標を持って国やJR九州、それから流域の市町村の皆様とともに合意していかなきゃいけないなと思っていますし、そういう意味では県が主体的に入っていくということの表明です。
質疑応答
ソニーの新工場建設について
Q
TSMCの話を多くされているところではありますけれども、先日ソニーグループの新工場が合志市にというものが報道で出ました。その辺り知事の受け止めをお伺いしたいです。
蒲島知事
私はそれについては全くソニーさんからも、それからスタッフの皆さんからも聞いていませんのでコメントしません。ただ皆さんの報道については理解しています。
あれは夢みたいな話なので、私がいつもいうのはそれが正夢であって欲しいなと。それだとものすごい集積効果、もし正夢であればと私は思います。
ただそれについてのコメントができるほどの情報はありません。
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質疑応答
グランドデザインについて
Q
さらに企業集積も進むかと思うんですけれども、やはり土地が無い、奪い合いになっているような現状もあるとお伺いすることもあるんですが。
蒲島知事
TSMCの問題点は、人の問題も渋滞の問題もありますけれども、土地の問題もやはりあります。菊陽の周辺の土地がとても少なくなっている。
今、2か所は県の方で準備中というか、それを整備中なんですけれども、それ以外にやはり農振の除外とか、そういう農地と工業の土地のベストバランスを求めて、グランドデザインをしようというので、県庁の庁議で私が2か月程前に言いました。
このままでは、とても大きなチャンスを逃してしまうから、土地をとにかく確保しようというので県庁全体でそういうふうな考えで動いています。
市町村の方々もやはりそういう気持ちがあるので、法律的な問題なんか沢山出てくるんです、農振の除外とか。
その時に県庁が主体的に動いてアドバイスをしたり、一緒に行動したりして、県全体のグランドデザインを、農地と工業用地のベストバランスを求めてやっていきたいなと思っています。将来的には今動いておけば適応可能なのかなと思います。
企業の方から熊本に来たいと思っても、いや土地が有りませんとか、それからもう値段が高くてとても買えないとか、そういうことがあり得るので、それに対応するために土地のグランドデザインを今県庁全体で考えて、このチャンスに備えようというふうにしています。
多分この一年、来年の一年もそういう県庁の動きになるんじゃないかなと思います。
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質疑応答
令和2年7月豪雨災害について
Q
先ほどお話があった令和2年の豪雨についてまず伺いたいんですけれども、繰り返しになるかもしれないんですが、来年で3年目を迎えるということで、この3年目という期間についてどうお考えでしょうか。
蒲島知事
3年目というよりも、やはり一番大事なことは、人々の暮らし、とりわけ住まいの再建です。
住まいの再建という意味では、昨日担当者からレクがありましたけれども、私があと一年半の任期でありますけれども、この間に目途を付けるということを表明しました。
そしてその目途を付けるということに関して昨日、担当の課長からレクがありましたけれども、できそうだというふうなお話でした。今日来ているかな。
【事務局】
はい、担当が来ております。
蒲島知事
昨日のレクの内容について聞かれたので、任期中に目途が付くかどうかと。
【担当課】
すまい対策室でございます。現在、お一人お一人の世帯に、支え合いセンターとか市町村も連携して入っておりますので、多くの、もうほとんどの方の再建の意向のほうは確認をしておりますので、できるだけ再建の意向に沿う形で持っていけるように、今やっているところでございますので、知事が申し上げたように、現任期中までには目途が立つように支援をしていくと、それができそうだというところで考えております。
蒲島知事
それが住まいの再建で、暮らしの再建、なりわいの再建の方はかなり、私が見る限り進んでいるのかなと思います。
あとは将来に渡ったいわゆる治水ですよね、治水の方向性としては昨年【※正しくは2年前】の11月に緑の流域治水という形で、命と清流の両方を守るという形で、今進めております。
完全に皆さんがそれを賛同されている訳ではないので、それについてもしっかりと皆さんに知っていただくための広報であるとか、そういう納得であるとか、あるいは皆さんとの話し合いであるとか、そういうことも、これからしっかりと進めていかなければいけない。
そして何よりも五木村と相良村の振興です。これは昨日の議会で条例が改正されましたので、とても力強く思っていますので、それに沿ってやっていきたいなと思っています。
Q
ありがとうございます。
先ほどご説明いただいた任期中に住まいの再建ができそうだというお話は昨日知事のところに来られたってことなんですけれども、それを聞いて知事はどのようにお感じになられたか教えてください。
蒲島知事
まずは、住まいの再建に関しては、地震の時の経験が役に立ったことです。例えば、リバースモーゲージという形が、熊本モデルとしてとても有名です。1万円ずつ生涯払っていけば最終的に清算は銀行がすると。だから1万ずつ払えばその家は一生自分の家として住めて、それでその清算が銀行のほうがやってくれるというふうなリバースモーゲージの形。
そういうふうな方式を熊本地震の時にとっていて、それが今度同じ形で対応できたと。それが住まいの再建としてより早く、熊本地震よりもより早く進んでいるというふうに思います、豪雨災害の方が。
そういう政策の経験というのは大きかったなと思いますし、これを将来的には他の災害の時には、皆さんにそういうことを伝えていくことがとても大事かなと思います。
質疑応答
新型コロナウイルス感染症対策について・その2
Q
新型コロナについてなんですけれども、冒頭コメントでもおっしゃっていたように、超過入院が今複数の医療機関で起きているということで、この超過入院が起きている、院内感染が起きて超過入院に至っているんだと思うんですが、これをどれくらい重く受け止めていらっしゃるか教えてください。
蒲島知事
院内感染がとてもあって、それが大きな問題だということを聞いておりましたけれども、ただ昨日の担当者のレクだと、そういう院内感染がちょっと少なくなったんじゃないかという、減ってきたということを申していましたけど、ちょっとそれをお願いします。
【担当課】
医療政策課でございます。毎日コロナの医療機関の入院者数を医療機関さんのご協力で集約しておりますが、徐々に減ってきている部分はございます。ただやはり大きな病院でクラスターが起きて、終息してもまた違う病院がクラスターとか起きていますが、これは医療機関、特に院内感染、感染防止対策が徹底しているところなんですが、今回それが一番怖いっていうのが感染力の強さというふうに認識しておりますので、引き続き感染防止対策のほうを医療機関に徹底していただきながら、対応していきたいというふうに思っております。以上でございます。
Q
コメントの中でも知事、救急医療を守る必要があるというお言葉もあったんですが、具体的に医療機関にも個別に超過入院等で負担がかかっている中で、何か県として支援というかフォローというか、検討されていることはありますでしょうか。
蒲島知事
医療機関は当然しっかりと頑張っていらっしゃるし、今とても大変な時期なので、我々県民がとにかく医療機関に余り負担を掛けないように、例えば昼間診療に掛かるとか、それから軽い症状だったら自宅療養であるとか、検査も自分でやるとか、そういうことが外側からできないかというのが今日の5つのお願いだったんですね。むしろ医療機関は医療機関でしっかりとされておりますし、それから我々もリクエストがあればなんでも医療機関に対して支援できると思っています。ちょっと今、医療機関にはどういう支援をしていますかね。今負担を掛けている状況の中で県としてどういう支援をしていますか。
【担当課】
医療機関に対しては感染防止対策ということでコロナの補助金で支援しているところでございます。メインとしては県民の皆様一人一人が注意していただくことです。直接の支援、財政的支援というのは感染防止対策の補助金という部分でやっているところでございます。
Q
最後にコロナについて明後日25日、日曜日ですけれども、専門家会議も開かれると思うんですけれども、これは開かれる理由を教えていただけますか。
蒲島知事
専門家会議というのは、これはその時々の専門家からのアドバイスとか、それから担当者、知事も含めてそこで専門家会議の中で行われている議論を共有化する。そういう政策を専門家の方々と共有する場だと思います。
レベルについてもそこで話し合われると思いますし、今のままの感染対策で良いのかどうかというのが争点になるのではないかなと思います。そういう意味で専門家会議はとても重要な場であります。25日にそれがありますので、私も当然参加しますが、それは公開でありますので、みなさんもどういう議論があるかというのは体験できると思います。
【担当課】
健康危機管理課でございます。25日の県市専門家会議でございますけれども、一応内容の方につきましては、会議そのものは事前の前撮りというところで、非公開で話をさせていただきたいと思っております。内容につきましては、本日午後から木村副知事のブリーフィングで皆様方に一旦ご説明をさせていただいた後に、当日の方は会議の内容に含みまして、会議終了後に知事、それから大西市長、それから専門家会議の座長である馬場座長と会見をさせていただいて、ご報告をさせていただければというふうに思っております。よろしくお願いします。
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質疑応答
流水型ダムの事業の方向性・進捗を確認する仕組みについて
Q
球磨川の治水に関して今度日曜日に新たな流水型ダムの事業の方向性、進捗を確認する仕組みということで、知事が方向性を表明された時にするといっていたものだと思うんですけれども、この中に流域住民の方も参加されるということなんですが、何人ぐらい参加されて、どのように選ばれたのかという点についてお願いします。
蒲島知事
私は流域住民の方が参加されると、その参加する人数までちょっと把握していないので、すみませんけれども、担当者の方からお願いします。
【担当課】
球磨川流域復興局でございます。住民の方につきましては、球磨川流域の12市町村、それぞれの市町村から1名ずつの方と、あとは分野別ということで、5分野の方からお一人ずつ、流域住民の方は17名にご参加をいただくということになります。以上です。
Q
どういうふうに選ばれたんですか。
【担当課】
選定につきましては、市町村、住民の方につきましては、そこの流域の市町村に推薦をお願いしております。
そこも推薦をいただいた方を構成員として選定をするということにしております。
Q
選び方は色々あると思うんですけれども、一つ、特に関心を持っていらっしゃる、反対されている方達も参加したいとか、意見を言いたいという意向も持っていらっしゃるようなんですけれども、例えば公募をするとか、そういった方法は選択肢として無かったのか、という点はいかがでしょうか。
蒲島知事
住民の方の中でも、関心を持っていらっしゃる方は入っていますよね。
【担当課】
住民の方は推薦をいただいた方で、分野別の方も自然保護でありますとか、そういった流水型ダムの環境の面に関心をお持ちの方も構成員として入っていただくというようなことは、考えております。
蒲島知事
その方々はどうやって参加したいと言って、応募されるんですか。
【担当課】
公募はしておりませんので、分野別の方については県の方から、多角的な色んな意見をいただきたいということで、そういう自然保護でありますとか、そういった関心をお持ちの団体にも、こちらの方からお声掛けをさせていただいたということです。
Q
分かりました。公募もしていないので、市町村から推薦された方ということなんですけれども、すでに反対をされている方達からは、選定方法について疑問の声があがっているようです。
なので、そのような方達も含めた幅広い意見を反映していくというような、何か仕組みを今後考えていくようなお考えはありますでしょうか。
蒲島知事
私が知っている限りそういう方々にもお声は掛けたというふうに聞いています。
ただ参加されるかどうかというのは、ご本人が決められることだと思いますけれども、そういう意味で、多くの意見を聞きたいというのは、もともとの考えです。そこのところまではちょっと私も、まだ決まっている訳ではないですよね。
【担当課】
日曜日に第1回を開催をさせていただきますので、その時にもちろんご参加の方から、構成員の方から様々な意見をいただくと思います。
そこの意見を、事業者である国の方も構成員として参加をいただきますので、皆様で事業の方向性だったり、進捗の確認をして、そこを一般でWeb配信の方もしますので、県民の方にも周知をしながら進めていきたいというふうに考えております。
蒲島知事
25日の日に、それは公開ですかね。
【担当課】
公開です。
蒲島知事
だから取材していただければより分かると思います。
質疑応答
寒波について
Q
詳しい状況はどこまで入っているか分からないんですけれども、寒波で新潟の方なんかは車が立ち往生しているという状況があって、今朝も水俣の方で路面凍結と、雪で50台ぐらいが水俣市内でも車が立ち往生したということで、現状把握している部分と、県民に対して、明日ぐらいまでまだ寒波が続くということなので、知事から呼び掛けることがありましたら、お願いいたします。
蒲島知事
気候変動というのは、熊本でも起こっているような気がして。今日、私も県庁に出勤する時に雪が降って、氷で危ないなと思ったので、是非こういう時には転ばないように、そして運転も注意するように、そういうことを皆様にやって欲しいと思います。
一人でも、誰も怪我をしないことが知事として一番の願いです。特に明日まで寒波が続くということであれば、東北の方が相当、テレビなんかで報道されていますけれども、そういうことを参考にしながら、注意深く皆様年末年始を過ごしましょうということを考えて、お願いしたところです。
是非、報道による気象情報を皆様に知っていただいて、危ないことがあればそれを注意していただきたいなと思います。
私も水俣の件を今日初めて聞いたものですから、熊本の状況は知らなかったので、私達も気を付けなければいけないなと。それで危機管理の方は、そういうことを踏まえて、しっかりと。
【危機管理監】
危機管理監でございます。水俣から鹿児島の方に抜ける国道で、おっしゃられるように50台ぐらい、道路の凍結で立ち往生ということで、そこは振興局の方で全面通行止めをしたと聞いております。
先ほど知事も申しましたように、気象情報をよく確認いただくのと、明日までは大雪が見込まれておりますので、気象情報を確認いただくのと、あと道路情報とかも確認しながら、県民の方には生活とか、安全面で気を付けていただければと思っております。
蒲島知事
危機管理の方で、今日の立ち往生したとか、そういう情報もきちんとメディアの方々にもお知らせください。
【危機管理監】
はい、分かりました。
Q
現状は解消されているんですか。
【危機管理監】
ここに来る前はまだ全面通行止めをしたというところまででしたので、その後はまだ確認できていません。
質疑応答
内密出産について
Q
県政には直接今年関係なかったと思うんですけれども、熊本市の「こうのとりのゆりかご」を運営していた慈恵病院が内密出産始めまして、国が9月に指針を公開しました。昨日、慈恵病院さんが会見して、子供の受け皿確保のために、里親にも数に限りがあって、今後県とも連携を進めるという話が出ているというふうに言われています。そこで内密出産について知事のお考えと、県として今後何かしらの対応が必要と考えているかということを教えていただければと思います。
蒲島知事
それについて私が勝手に言う訳にはいけないので、担当者の方からお願いしてよろしいですかね。来ているかな。
【事務局】
今日は担当者は参っておりませんので、のちほど担当課の方から。
蒲島知事
すみません。そういう形で情報提供します。
質疑応答
年末年始期間中の無料検査について
Q
新型コロナの「帰省前後は検査」をの項目なんですけれども、この検査というのは抗原検査になるのか、また10歳未満とか何かそういういった特別な人達はPCR検査になるのか教えていただけますか。
蒲島知事
駅でやる検査ですか。空港とか駅でやる。すみません、それについてお願いします。
【担当課】
健康危機管理課でございます。今現在無料検査でやっているところはPCRと抗原検査をやっているところございます。先ほど知事の方からお話がありました、熊本駅については抗原検査になります。以上でございます。
Q
「県内86箇所を含む」とありますが、この県内86箇所については。
【担当課】
基本的には無料で検査を行なえる施設が県内に86あります。そちらの方はPCR検査と抗原検査、PCRだけというところもありますので、一応そういう状況になっています。
【事務局】
そろそろお時間になりましたが、幹事社さんいかがでしょうか。
(幹事社)
大丈夫です。
蒲島知事
では皆さん、良い年をお迎えください。