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久連子鶏

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久連子鶏の写真

久連子鶏のタイトル

「肥後五鶏の復元並びに保存に関する研究」より(平成14年1月 松崎正治(熊本県農業研究センター研究員))

「久連子(くれこ)鶏」について

 久連子鶏が飼育されている熊本県八代郡泉村は、九州の中央山岳地帯の中央西側に位置し、宮崎県椎葉村と接するところにある。
 この泉村の山岳地帯は五家荘と呼ばれており、平家落人伝説があり「平家の里」として知られている。

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古代踊りの装束のイメージ 久連子鶏は、この五家荘の中でも最も南の奥まったところにある久連子地域で、古くから継承されてきた古代踊り(別名平家踊り:昭和37年県重要無形民族文化財指定、昭和53年国無形民族文化財指定)の装飾の一つである花笠を飾るための長い尾羽を採取するために、300年以上にわたって飼い続けられてきた鶏種で、地元では「地鶏」と称されていた。

 久連子鶏が世間で知られるようになったのは、昭和15年(1940)に東京上野で開催された第1回日本鶏品評会に肥後種鶏場から出品された「五家荘の地鶏(金笹・三枚冠)」をその後(昭和17年・1942)日本鶏保存会研究所主任小穴彪氏が、現地五家荘で調査し、この地鶏は九州地方でかって飼養されていた小型薩摩鶏の「半鶏(はんと)」であると、その後日本鶏のバイブルともなっている「日本鶏の歴史」(小穴彪、1951)で発表したことに始まる。

 その調査記録では、当時久連子村の人口は30戸200人(現在は23戸、50人)、久連子鶏飼養戸数は3戸で、その飼養羽数は雄4羽、雌5羽であった。これらの鶏には列外変生尾羽が見られ、小国雑種型であり、尾は相当に長く、羽色は雄:銀笹、雌:黒色、冠は三枚冠、成鶏雄の体重は500~600匁(1,900~2,300グラム)であったとされている。

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 また、現地の人の話によると「赤笹、金笹、黒等種々のものも現れるが、その内銀笹のものは尾羽が特に幅広く、かつ柔軟で花笠の上にピッタリと附着して具合がよい」との説明があったと記録されている。

 しかし、その後、岡田喜一氏(当時鹿児島大学教授)と根占正嘉氏(当時熊本県農業高校教諭)が詳しく調査し、特に根占正嘉氏は昭和25年(1950)から昭和27年(1952)にかけて3回の現地調査を行うとともに、実際に自分で久連子鶏を飼養し、その結果を 「南日本の日本鶏について」(1963)としてまとめた。

 それによると雄は銀笹羽色、雌は黒色羽色で、成鶏の平均体重は雄1,875グラム、雌1,388グラム、「くちばしが極めて細く長いことと鼻孔の突起が著しく、変わっている(これを後に鼻孔突起と名付けた)」こと、「変成尾羽、列上変わり本羽、列外変わり本羽、裏尾共に良く伸張している」ことが本種の特徴であると述べている。これらのことから根占氏は「半鶏」とは全く異なる新しい鶏種であることを確認し、地元の名に因んで「久連子鶏」と命名した。

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 その後、昭和38年(1963)に鳥獣審議会委員の委嘱を受けた吉倉眞氏(当時熊本大学教授)が調査報告書(1967)を表した。それによると飼養者は2名で、純粋種は仲川義人氏宅の雄1羽と雌1羽だけであり、他は長尾鶏との雑種が蔵本軍蔵氏宅に雄1羽、雌2羽、仲川義人氏宅に雄1羽、雌1羽がそれぞれ飼養されていた。
 吉倉氏は、久連子鶏の純粋種は銀笹で、成鶏雄体重1,900グラム、冠は三枚冠であるが、全般的に小さく汚赤色を呈し光沢がなかったと記録している。

 その後、著者の調査(1976年)により、小国鶏が昭和25年(1950)に福岡県より導入されていることが解ったので、吉倉氏の報告の中に尾長鶏と書いてあるのは小国鶏のことであろうと考えられる。 

 この調査を基に、久連子鶏は昭和40年(1965)に熊本県の天然記念物に指定され、蔵本軍蔵氏と仲川義人氏がその管理者として指定され、昭和48年(1973)から管理者への補助金(1973~1974年は年12万円、1975年は20万円、県1/2、村1/2)が支出されたが、一向に増殖できず絶滅寸前の状態が続いていたことから、著者は昭和50年(1975)に熊本県教育庁文化課からの協力要請を受けて調査と保存改良に取り組んだ。

農業フェアで展示された久連子鶏の写真
農業フェアで展示された久連子鶏

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