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令和元年11月熊本県議会定例会における議案説明要旨
1.最近の県政の動向について
今回の定例会に提案しております議案の説明に先立ち、最近の県政の動向について御説明申し上げます。
(1)相次いだ大雨・台風被害や首里城火災への支援について
本年は、夏から秋にかけて、全国で大雨や台風による大規模な災害が数多く発生しました。8月に佐賀県を襲った豪雨、10月に東日本に甚大な被害をもたらした台風19号などにより、多くの尊い命が奪われました。ここに謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。
本県からは、速やかに、被災自治体に対して、災害対応のノウハウ提供や専門技術を有する職員の派遣などを行ってきました。今後とも、現地のニーズを踏まえた支援に努めて参ります。
さらに先月末、沖縄県の首里城跡で大規模な火災が発生しました。首里城跡は世界遺産に登録されており、沖縄県民の心の拠り所でもあります。また、熊本地震では、本県のシンボルである熊本城が大きく傷つきました。このような共通の経験から、本県の皆様の中にも、首里城の一日も早い復興を願う方が多いと思います。そして熊本地震の際には、沖縄県から多くの御支援をいただきました。この恩返しの意味を込め、熊本県でもいち早く応援募金の受付を開始しました。これからも、できる限りの支援を行って参りますので、多くの皆様の御協力をよろしくお願いいたします。
(2)ラグビーワールドカップ2019について
次に、ラグビーワールドカップ2019についてです。
9月20日から11月2日にかけて開催された本大会は、日本代表の史上初のベスト8進出という大活躍と、心のこもったおもてなしで全世界から称賛を浴び、歴史的な大成功を収めました。
本県で開催された2試合も、観客動員数は合わせて5万5千人を超え、満員の観客で埋め尽くされたスタジアムは最高の舞台となりました。目の前で繰り広げられる世界最高峰の戦いに、海外から訪れた多くの方々とともに大いに盛り上がりました。皆様の多大なる御支援、御協力に心から感謝申し上げます。
(3)女子ハンドボール世界選手権大会について
次はいよいよ女子ハンドボール世界選手権大会です。
今週土曜日、11月30日の開幕を控え、世界24カ国の代表チームが続々と熊本に集結しています。そして、16日間にわたり、県内5会場で全96試合が開催されます。是非、多くの県民の皆様に、世界トップレベルのプレーを会場で観戦いただき、ハンドボールの魅力と迫力を間近で感じて欲しいと思います。ラグビーワールドカップで大いに盛り上がった気運を生かし、本大会も大成功となるよう全力で取り組んで参ります。
(4)熊本地震からの復旧・復興について
次に、熊本地震からの復旧・復興についてです。
住まいの再建の進捗状況については、ピーク時には4万8千人に上った仮設住宅等への入居者のうち、現在、4万2千人近くの方々が住まいの再建を実現されています。
残る2千7百世帯・6千人の方々、特に、様々な課題により再建の目処が立っていない24世帯の方々が、一日も早く再建できるよう、重点的かつ継続的に支援して参ります。
益城町木山地区の土地区画整理事業については、全57街区のうち、これまで19街区の仮換地指定を終え、今月10日、先行する5街区の工事に着手することができました。今後とも、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、着実に事業を進めて参ります。
大きな被害を受けた西原村の大切畑ダムについては、用地取得や先行する付帯工事に続き、今定例会に、本体工事に着手するための工事契約議案を提案しております。西原村、益城町、菊陽町の700ヘクタールを超える農地への安定的な用水供給に向け、令和6年度からの供用開始を目指し、事業を進めて参ります。
阿蘇へのアクセスルートのうち、これまで唯一、再開時期の目処が明らかでなかった南阿蘇鉄道について、令和5年の夏頃までに全線再開される見込みが示されました。一日も早い再開を目指し、県としても全力で支援して参ります。
(5)ワンピース熊本復興プロジェクトについて
次に、ワンピース熊本復興プロジェクトについてです。
昨年、県庁に設置したルフィ像に続く第2弾として、いよいよ12月7日に益城町のミナテラスでサンジ像、翌日の8日に阿蘇市の阿蘇駅前でウソップ像の除幕式が行われます。改めて、尾田栄一郎さんをはじめ、関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
今後も、各地に仲間の像が設置されていくことで周遊性も高まり、国内外からの多くの方の来訪が期待されます。熊本地震の記憶や教訓を伝える震災ミュージアムと、ワンピース復興プロジェクトの相乗効果により、熊本が力強く復興する姿と、多くの支援に対する感謝の気持ちを広く発信して参りま
す。
2.議案について
続いて、今定例会に提案しております議案について、御説明いたします。
まず、一般会計補正予算は、養豚農場の防疫対策強化や、新たな空港運営会社への出資に要する経費などを計上しており、総額で18億円の増額補正となります。これにより、補正後の現計予算額は8,242億円となります。
このほか今定例会には、条例案件や、工事関係、専決処分の報告・承認案件なども併せて提案しております。
また、今会期中には、人事案件等についても追加提案する予定です。
これらの議案について、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。