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令和元年6月熊本県議会定例会における議案説明要旨
1.最近の県政の動向について
今回の定例会に提案しております議案の説明に先立ち、最近の県政の動向について御説明申し上げます。
(1)熊本地震からの復旧・復興について
まず、熊本地震からの復旧・復興についてです。
未曾有の被害を受けた郷土熊本を一日も早く復活させ、創造的復興を成し遂げるため、これまで全力で取り組んで参りました。その成果は、着実に、目に見える形で表れてきています。
具体的には、まず、これまでに3万4千人の方々が「住まいの再建」を実現されました。また、グループ補助金を活用した被災企業の95.6%が復旧を完了しました。さらに、被災された農家についても99.8%の方々が営農再開を果たされています。
ただ、今なお1万4千人の方々が仮設住宅での生活を余儀なくされています。また、阿蘇への主要アクセスルートの復旧や益城町の復興まちづくりも道半ばです。
これからも、残された課題の解決に向け、総力を挙げて取り組んでいかなければなりません。
先月末には、井手議長とともに、震災からの復旧・復興を着実に進めていくため、国による継続的な支援を要望して参りました。
今後とも、被災者お一人お一人に丁寧に寄り添いながら、関係機関との緊密な連携のもと、創造的復興への歩みをしっかりと進めて参ります。
(2)阿蘇くまもと空港及び八代港について
次に、阿蘇くまもと空港についてです。
昨年度の阿蘇くまもと空港の利用者数は346万人となり、国内線・国際線ともに2年連続で過去最高を更新しました。
いよいよ来月から、空港の新たな運営権者である「熊本国際空港株式会社」による空港ビルの運営が始まります。さらに、来年4月からは、滑走路や駐車場を含む空港全体の運営についても、新会社が担うことになります。
国際線の路線数や空港利用者数など、新会社が掲げる意欲的な目標の実現に向け、民間の様々なノウハウの活用が期待されます。熊本の「空の玄関口」にふさわしい、魅力的な空港となることを確信しています。
県としても、新会社とともに、空港とその周辺地域全体の拠点性を高めることにより、県経済の更なる活性化につなげて参ります。
八代港の国際クルーズ拠点の整備については、来年4月からの供用開始に向けて、ロイヤルカリビアン社による旅客ターミナルや「おもてなしゾーン」の整備も着実に進んでいます。国、県、民間事業者の知恵と力を結集し、世界に誇るクルーズ拠点となるよう、全力で取り組んで参ります。
(3)大型観光キャンペーンの展開について
次に、大型観光キャンペーンの展開についてです。
本県と全国のJR6社が連携した「熊本デスティネーションキャンペーン」が7月1日から9月30日まで開催されます。「五感、ひびく、観動(かんどう)旅もっと、もーっと!くまもっと」をキャッチフレーズに、熊本の魅力を全国に発信して参ります。
加えて、様々な事業者の観光ビジネスへのチャレンジ支援や、デジタルマーケティングを活用した、より効果的な観光戦略を展開することで、観光を本県の基幹産業へと成長させて参ります。
(4)幹線道路ネットワークの整備等について
次に、幹線道路ネットワークの整備についてです。
熊本天草幹線道路については、昨年度の「三角大矢野道路」の開通に続き、今年度は新たに「大矢野道路」を事業化しました。
国が進める中九州横断道路についても、「滝室坂トンネル」の工事が本格化するとともに、今年度は「竹田阿蘇道路」の事業化が決定されました。
今後とも、国や地元自治体との連携を図りながら、九州をつなぐ幹線道路ネットワークの整備を加速化して参ります。
また、熊本都市圏における交通の円滑化や渋滞の解消が重要かつ喫緊の課題です。このため、国や熊本市とともに、今月、新たな検討会を設立します。この検討会を通じて、三者が連携し、有効な対策等についてあらゆる角度から検討して参ります。
(5)国際スポーツ大会の推進について
次に、国際スポーツ大会の推進についてです。
このたび、女子ハンドボール世界選手権大会の全出場国24チームが決定しました。これを受けて、6月21日に東京の観世(かんぜ)能楽堂で組合せ抽選会が開催され、7月7日からはチケットの一般先着販売が始まります。是非、多くの県民の皆様に世界レベルの試合を観戦していただきたいと思います。
ラグビーについては、7月20日に「えがお健康スタジアム」でジャパンラグビートップリーグの試合が開催されます。本県では、10月のワールドカップ本番を控えた最後のビッグイベントです。県民挙げての機運醸成に、大きな弾みをつけて参ります。
また、来年開催される東京オリンピック・パラリンピックについては、6月1日に聖火リレーのルートやランナー募集の概要が公表されました。
いよいよ間近に迫ってきた国際スポーツ大会の大成功に向けて、万全の準備を整えて参ります。
2.議案について
続いて、今定例会に提案しております議案について、御説明いたします。
まず、一般会計補正予算は、熊本地震からの復旧・復興を図るための事業や、国土強靭化への対応、10月からの幼児教育・保育の無償化に要する経費などを計上しており、総額で244億円の増額補正となります。これにより、補正後の現計予算額は8,159億円となります。
このほか今定例会には、条例案件や、工事関係、専決処分の報告・承認案件なども併せて提案しております。
また、今会期中には、人事案件についても追加提案する予定です。
これらの議案について、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。