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令和2年11月熊本県議会定例会における議案説明要旨

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0072330 更新日:2020年11月25日更新

1.最近の県政の動向について

 今回の定例会に提案しております議案の説明に先立ち、最近の県政の動向について御説明申し上げます。

(1)令和2年7月豪雨への対応について

 まず、令和2年7月豪雨への対応についてです。

(復旧・復興に向けた県の取組み)
 令和2年7月豪雨から、4カ月半が経過しました。
 県では、被災者の方々に安心して暮らしていただく生活の場として、24団地808戸の応急仮設住宅の建設やみなし仮設住宅の確保を進めています。10月25日時点で、仮設住宅等に1,320戸3,198人が入居され、最大で2,500人を超えた避難所等への避難者数も、現在では、約130人まで減少しています。
 今後も被災者の皆様に落ち着いた環境の中で新年を迎えていただけるよう迅速に応急仮設住宅等の整備を進めて参ります。
 また、被災した7市町村に「地域支え合いセンター」が設置され、活動を開始しています。引き続き、市町村や民間支援団体等と連携し、センターの訪問活動等を通じて、仮設住宅の入居者や支援が必要な在宅被災者の方々の生活再建に向け、しっかりと取り組んで参ります。
 さらに、9月補正予算で造成した球磨川流域復興基金を活用し、議会の御理解もいただきながら早期の支援が望まれる17事業、8億円の補正予算について、10月に専決させていただきました。
 これにより、自宅再建に係る融資の利子助成や引越費用の助成など、5つの支援策をパッケージにして、一日も早いすまいの再建を支援して参ります。
 この他にも、被災者の生活支援や地域コミュニティ施設の復旧支援等を進めて参ります。

(肥薩おれんじ鉄道の運行再開)
 また、今月1日には、肥薩おれんじ鉄道が約4か月ぶりに全線での運行を再開しました。
 開業以来最大の被害を乗り越え、力強く走り出した列車の姿は、八代、芦北、水俣地域の方々のみならず、被災により運休しているJR肥薩線、くま川鉄道の沿線地域の皆様にとりましても復旧・復興の希望の光として受け止められていると思います。
 県としても、全ての鉄道の復旧に向け、地元市町村等と連携し、しっかりと支援して参ります。

(球磨川流域治水の考え方、復旧・復興プラン)
 豪雨災害からの復旧・復興の前提となる、球磨川流域の治水の方向性について、19日の全員協議会の場で、現行の貯留型の「川辺川ダム計画」を完全に廃止し、その上で「緑の流域治水」の1つとして、「命」と「環境」を守る、「新たな流水型のダム」を、国に求めることを表明しました。
 流域すべての市町村を対象に、30回にわたり、多くの皆様の御意見を伺う中で、民意は「命」と「環境」の両方を守りたいと願っていると感じました。
 「命」と「環境」を守り、両立するという願いを極限まで突き詰めたとき、「ダムか、非ダムか」という二項対立を超えた、今回の決断に至ったものです。
 20日には、赤羽国土交通大臣にお会いし、今回表明した治水の方向性について、私から直接、申し入れを行いました。
 今後、河川の整備はもちろん、遊水地の活用や森林整備、避難体制の強化を進め、さらに、自然環境との共生を図りながら、流域全体の総合力で安全・安心を実現していく「緑の流域治水」を目指して参ります。
 また、今年度中の早い時期に、国、流域市町村と連携して、「緊急治水対策プロジェクト」を策定し、河床掘削を始めとする、早急に行うべき対策から重点的かつ確実に実施して参ります。
 そして、この決断により、住み慣れた地域でのすまいの再建や生業の再開に不安を感じておられた皆様も、安心して再建を進めていただくことができると考えています。
 そうした取組みを着実に、かつ迅速に推進するとともに、今回被災された球磨川流域の皆様が、将来にわたって「夢」や「誇り」を持って生活できるよう、昨日、「令和2年7月豪雨からの復旧・復興プラン」を策定し、公表しました。
 このプランを、今後の復旧・復興の道筋として、住民の皆様や各市町村と共有し、「愛する地域で誰もが安全・安心に住み続けられ、若者が“残り・集う”持続可能な地域の実現」を目指し、全力を挙げて取り組んで参ります。

(2)新型コロナウイルス感染症への対応について

 次に、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。
 全国的に感染者の増加傾向が継続している中、本県においても、連日、県内各地で多数の新規感染者が確認されています。
 新規感染者の中には、感染経路が不明な方々も多く含まれています。さらに、熊本市中心部の接待を伴う飲食店のほか、医療機関や介護保険施設、高等学校におけるクラスターも発生している状況です。
 このままでは、爆発的な感染拡大につながる可能性もあることから、強い危機感を持って、全力で対応に当たっています。
 まず、クラスター対策として、より踏み込んだ対策のため、熊本市と連携して接待を伴う飲食店を個別訪問し、PCR検査の勧奨を行っています。
 また、クラスターの早期収束に向け全国に先駆けて創設した専門チーム「CMAT(シーマット)」を医療機関や介護保険施設に派遣し、クラスターの拡大防止や事業継続支援など、総合的な対応を行っています。
 今後、季節性インフルエンザの流行期を迎え、新型コロナウイルス感染症との同時流行が懸念されます。県では、発熱者が急増した場合でも、県民の皆様に速やかな検査と万全な医療を提供できるよう、関係機関と連携し、引き続き体制の強化を進めていきます。
 感染拡大防止と、地域経済や県民生活の回復という2つの目標のベストバランスを目指し、県民の皆様とともに、この難局を乗り切って参ります。

(3)くまモンポート八代のプレオープンについて

 次に、くまモンポート八代についてです。
 新型コロナウイルス感染症の影響により開園を延期しておりましたが、八代市民の皆様を対象に土・日・祝日に限定して、10月31日にプレオープンしました。今月28日からは全ての県民の皆様に、来園対象者を拡大します。
 くまモンポート八代の魅力をより多くの方々に知っていただけるよう、今後の感染状況やクルーズ船の寄港状況を見極めながら、全国、さらには世界の皆様を対象としたグランドオープンに向けて取り組んで参ります。

(4)ワンピース熊本復興プロジェクトについて

 次に、ワンピース熊本復興プロジェクトについてです。
 今月7日から21日にかけて、熊本市動植物園のチョッパー像、御船町ふれあい広場のブルック像、高森駅のフランキー像の除幕式が行われました。県庁プロムナードのルフィ像から数えると、計6体の銅像が完成いたしました。
 大変明るいニュースであり、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ観光客の回復にもつながるものと期待しています。御支援をいただいている作者の尾田栄一郎さんをはじめ、関係者の皆様に、改めて感謝を申し上げます。

(5)空港アクセス検討委員会について

 次に、空港アクセス検討委員会についてです。
 空港アクセス鉄道について、有識者や経済界などから幅広く意見を伺うための第1回「空港アクセス検討委員会」を、12月11日に開催します。
 検討委員会で出された意見や、今年度実施している継続調査の結果を踏まえながら、検討を進めて参ります。

 

2.議案について

 続いて、今定例会に提案しております議案について、御説明いたします。

 まず、一般会計補正予算は、令和2年7月豪雨を中心とした災害関連事業や新型コロナウイルス感染症対策に要する経費などを計上しています。
 この結果、218億円の増額補正となり、これを現計予算と合算しますと、1兆830億円となります。

 このほか今定例会には、条例案件や、工事関係、専決処分の報告・承認案件なども併せて提案しております。
 また、今会期中には、人事案件についても追加提案する予定です。

 これらの議案について、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。