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平成30年9月熊本県議会定例会における議案説明要旨

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0007160 更新日:2020年8月1日更新

1.最近の県政の動向について

 今回の定例会に提案しております議案の説明に先立ち、最近の県政の動向について御説明申し上げます。

(1)全国各地における大規模災害発生等について

 この夏は、全国各地で大規模な災害が発生しました。14府県で200名を超える方々が亡くなられた「平成30年7月豪雨」をはじめ、度重なる台風の上陸もありました。さらには9月6日に発生した「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」においても、多くの尊い命が失われました。ここに、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。
 本県からは、被災自治体に対して、初動対応のノウハウ提供、保健・医療・土木など専門職員の派遣、罹災証明業務の支援など、現地のニーズを踏まえた支援を行ってきたところです。
 今後とも、熊本地震の経験を生かし、できる限りの支援に努めて参ります。
 さらに、今年の夏は、全国的にこれまで経験したことのないような酷暑に見舞われました。本県においても5名の方が熱中症と思われる症状により亡くなられ、高校野球観戦中の多数の生徒が救急搬送されることもありました。
 予想をはるかに超えるような自然災害等が身近に起こり得ることを、私たちは熊本地震の経験から学びました。県民の皆様には、くれぐれも自らの命を守るための対応を第一に考え、そして迅速に行動していただきたいと願っています。
 県としては、様々な災害への警戒を緩めることなく、市町村や関係機関と連携し、万全の防災対策を講じて参ります。

(2)熊本地震からの復旧・復興について

 次に、熊本地震からの復旧・復興についてです。
 現在、本県では、被災された方々の住まいの再建を最重要課題と位置づけ、全力で支援にあたっています。その結果、8月末現在の仮設住宅入居者は2万6千人で、昨年5月のピーク時から、2万人を超える方が住まいの再建を実現されています。
 さらに8月には、これまで取り組んできた4つの支援策に加え、5つ目の支援策として、保証人のいない方であっても民間賃貸住宅に入居できる制度を創設し、再建の選択肢を広げたところです。災害公営住宅についても、現在、12市町村で整備が予定されている1,733戸のうち、約8割で事業に着手しています。本年度中には全ての団地で事業に着手し、うち635戸の完成を目指しています。
 今後も、被災者お一人お一人に寄り添いながら、更に住まいの再建が加速するよう、関係市町村・団体と連携して取り組んで参ります。

(3)アメリカ合衆国訪問の成果について

 次に、9月3日から12日まで、アメリカ合衆国を訪問し、トップセールス等を行って参りました。
 マイアミでは、ロイヤルカリビアン本社でマイケル・ベイリー社長とお会いし、2020年4月の八代港クルーズ拠点の供用開始に向けた、本県の取組みをPRするとともに、同社による「国際クルーズターミナル」等の整備の加速化を働きかけて参りました。
 オマハでは、日米の知事や経済界のトップが出席する日米合同会議に出席し、企業誘致やインバウンド誘客のプロモーションを行いました。また、ミシガン大学やネブラスカ大学からも記念行事に御招待いただき、講演の中で、震災から復興する熊本の姿と、支援に対する心からの感謝の気持ちを伝えて参りました。
 今後とも、世界における熊本の認知度向上やインバウンド誘客につながるよう、更なる交流を図って参ります。

(4)世界文化遺産について

 次に、世界文化遺産についてです。
 天草の崎津集落を含む「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」について、6月30日、バーレーンで開催された世界遺産委員会において、世界文化遺産に登録されました。今後は、人類共通の宝として、地元天草市など関係団体と連携し、次の世代にしっかりと引き継いでいくとともに、万田坑や三角西港も含めた熊本の世界遺産の魅力を国内外に発信して参ります。
 また、阿蘇については、先日行われた、世界ジオパークの再認定審査において、活火山である阿蘇の厳しい自然環境の中で、太古の昔から、大自然と共生してきた人々の暮らしが、今なお続いていることが改めて高く評価されました。
 「阿蘇」の世界文化遺産登録に向けては、世界遺産としての価値を検討する学術委員会を8月に立ち上げたところであり、早期の暫定リスト入りを目指し、積極的に取り組んで参ります。

(5)国際スポーツ大会の推進について

 次に、国際スポーツ大会の推進についてです。
 まず、ハンドボールについては、8月に、日本代表「おりひめ Japan」とデンマークの強豪チームを招いた国際試合を開催し、来場者数は3日間で4,500人を超えるという盛況でした。また、11月からは、来年の世界選手権大会のチケット販売が開始され、さらに12月には、この大会の予選を兼ねた「女子ハンドボールアジア選手権大会」が本県で開催されます。ラグビーについても、開催1年前となる、来週9月19日から、いよいよチケットの一般抽選販売が始まります。2つの大会の成功に向け、1年前イベントの開催などにより、更なる機運醸成を図って参ります。

2.議案について

 続いて、今定例会に提案しております議案について、御説明いたします。

 まず、一般会計補正予算は、熊本地震からの復旧・復興を図るための事業や、7月の大雨・台風被害からの復旧事業、さらにはブロック塀の緊急安全対策事業などを計上しています。
 この結果、99億円の増額補正となり、これを現計予算と合算しますと、8,549億円となります。

 このほか今定例会には、条例案件や、市町村負担金関係、決算の認定なども併せて提案しております。
 また、今会期中には、人事案件についても追加提案する予定です。

 これらの議案について、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。