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令和5年6月熊本県議会定例会における議案説明要旨

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0175682 更新日:2023年6月6日更新

1.最近の県政の動向について

 今回の定例会に提案しております議案の説明に先立ち、最近の県政の動向について御説明申し上げます。

(1)令和2年7月豪雨災害への対応について
 令和2年7月豪雨災害から、間もなく3年を迎えます。改めて犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。
 まず、最重要課題であるすまいの再建については、ピーク時には1,814世帯の方が仮設住宅に入居されておりましたが、先月末には545世帯となり、約7割の世帯の方がすまいの再建を実現されました。
 この夏には、芦北町、球磨村において災害公営住宅が完成する予定であり、被災された方々のすまいの再建がまた一歩前進いたします。
 引き続き、やむを得ない事情のある方々に対する仮設住宅の供与期間の延長手続きなど、お一人お一人に寄り添いながらすまいの再建を進めて参ります。
 被災地のまちづくり・集落再生に向けては、人吉市の青井地区及び紺屋町の土地区画整理事業において、昨年度末に事業認可を受け、事業に着手いたしました。球磨村や芦北町などの球磨川中流域においては、輪中堤・宅地かさ上げの実施に向け、合意した地区から順次、設計・用地協議等に着手されています。
 八代市坂本町では、4月に「道の駅坂本」の再整備方針が決定され、令和9年度の供用開始に向けた取組みが進められています。
 また、先月には、被災した球磨川水系の県が管理する9支川における、土砂撤去や護岸復旧等の国による権限代行工事が完成しました。
 このように、被災地では復興の歩みが一歩一歩着実に進んでいます。
 緑の流域治水の取組みについては、「命と清流を守る」新たな流水型ダムについて、4月に国の環境影響評価方法レポートに対する知事意見を提出しました。
 また、昨日、国の「流水型ダム環境保全対策検討委員会」において、流水型ダムの大型水理模型実験を視察されるなど、ダムの施設等の検討も着実に進められています。
 新たな流水型ダムが、球磨川・川辺川流域の安全・安心を最大化するものであるとともに、環境に極限まで配慮し、清流を守るものとなるよう、引き続き、国と連携して取組みを進めて参ります。
 先月29日に梅雨入りしましたが、出水期に備えた取組みとして、河川の堆積土砂の撤去を進めるとともに、関係機関と連携した実践的な豪雨対応訓練や、マイタイムラインの普及促進など、住民の皆様が速やかな避難行動をとれるよう取組みを進めて参ります。
 さらに、県では、流域の児童・生徒を含め、広く県民の皆様に、緑の流域治水を分かりやすく情報発信する取組みも進めております。
 また、長年、ダム問題に翻弄され続けている五木村については、今月4日に、私が村を訪問し、村民の皆様に国・県・村の三者で合意した新たな振興計画を御説明しました。そして、村からの要望を踏まえ、今月19日から、村への派遣職員を増員するとともに、五木村に県の新たな組織として「五木村振興相談室」を設置し、村民の皆様と一緒に振興を進めて参ります。
 流水型ダムの建設地となる相良村についても、先月21日に、村の振興に向けた県の取組みを私が直接村民の皆様に説明して参りました。
 両村の振興は待ったなしであり、引き続き、目に見える形で進むよう、全庁一丸となって取り組んで参ります。
 今後も国や関係市町村と一体となって、「緑の流域治水」の理念のもと、球磨川流域の一日も早い復興に全力で取り組んで参ります。

(2)熊本地震からの創造的復興について
 次に、熊本地震からの創造的復興についてです。
 熊本地震の記憶や経験、教訓を確実に後世に伝承するために取組みを進めてきた熊本地震震災ミュージアムの中核拠点となる体験・展示施設「KIOKU」が、7月15日にオープンします。
 南阿蘇村の旧東海大学阿蘇キャンパスに整備したこの施設と、県防災センターを中核拠点として、熊本地震の経験や教訓を後世にしっかりと伝えて参ります。
 同じく7月15日に、南阿蘇鉄道が立野・高森間の全線で運転を再開します。同時に、JR豊肥本線肥後大津駅への乗入れも予定しており、利便性も大きく向上します。
 被災直後から絶大な御支援をいただいている国土交通省をはじめ、全ての関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
 また、国土交通省による立野ダム建設事業は、今年度内の完成に向けて最終段階を迎えています。先月21日には、ダム本体のコンクリート打設の完了式が開催され、今年の出水期から洪水調節機能を発揮し、洪水被害を防止・軽減できるようになりました。
 「すまいの再建」や「益城町の復興まちづくり」など、残された課題についても、引き続き誰一人取り残さないという強い思いで、取り組んで参ります。

(3)新型コロナウイルス感染症への対応について
 次に、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。
 感染症法上の位置づけが、先月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類感染症」に変更となり、約1カ月が経過しました。
 この変更により、感染対策については県民や事業者の自主的な取組みが基本となり、療養期間の考え方なども変わりましたが、大きな混乱は生じておりません。ただし、人の動きが活発となる中で、本県を含めて全国的に感染の増加傾向が見られています。
 県としては、感染状況を注視しつつ、より幅広い医療機関で対応できる体制にスムーズに移行できるよう、引き続き関係者とともに連携のうえ、取り組んで参ります。

(4)物価高騰への対応について
 次に、物価高騰への対応についてです。
 国が公表した4月の熊本市の生鮮食品を除く消費者物価指数は、前年同月比の3.7%となり、14カ月連続で上昇しています。伸び率は依然として高い水準で、食料品を中心とした物価高騰が続いています。
 熊本県内の景気は持ち直しているものの、先行きについては、海外の経済動向や資源価格の動向等の影響を注視していく必要があるとされています。
 このような中、本県では、国の「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」等を活用し、物価高騰の影響を受けた事業者や生活者に対する支援を行うための予算を、今定例会に提案しています。これらの交付金を最大限活用し、物価高騰や新型コロナウイルス感染症の「5類感染症」変更後の社会経済状況に的確に対応して参ります。

(5)半導体関連産業の更なる集積について​ 

 次に、半導体関連産業の更なる集積についてです。
 県では、TSMC進出の効果を県内全域に波及させ、県経済の成長に結び付けていくため、3月末に「くまもと半導体産業推進ビジョン」を策定しました。ビジョンで目指す姿として掲げた「半導体インフラを支え、挑戦し続ける熊本」の実現に向けて、産学官金一体となった取組みを推進して参ります。
 令和4年度の企業立地協定件数は、過去最高の61件となりました。そのうち、半導体関連企業の立地件数はJASMなど15件で、現在も順調に推移しています。
 特に、3月には、三菱電機が菊池市にパワー半導体の新工場を建設することを発表され、先月25日には、ソニーグループが、合志市に土地を取得すると発表されました。今後、各社の円滑な事業実施に向けて、両市とも連携しながら、県としてもしっかりとサポートして参ります。
 また、この夏には、JASMの操業開始に向けて、台湾からTSMCの出向者とその御家族、併せて600人以上の方が熊本に来られます。皆様が安心して熊本で生活できる環境づくりを、市町村や関係機関と連携しながら進めて参ります。
 先月16日には、JASMと県、菊陽町及び関係団体の5者で協定を締結し、熊本地域における地下水かん養拡大に向けた第一歩を踏み出しました。豊かな地下水に基づく経済発展と地下水保全の両立を目指した取組みを進めて参ります。
 このような中、先週2日に、台湾の航空会社スターラックス社が、9月1日から、阿蘇くまもと空港と台湾桃園空港を結ぶ直行便を週3便で就航する予定であることを発表されました。
 また、トップセールスにより就航要請を行ってきたチャイナエアライン社についても、本年秋の熊本・台北便就航に向けた詰めの協議を進めている状況です。
 両社の熊本就航に向けた動きは、これまでのオール熊本による就航誘致活動の大きな成果であります。皆様のご尽力に心より感謝申し上げます。このビッグチャンスを生かして、県内各地域にその効果を波及させていきたいと考えています。県議会をはじめ、経済界、県民の皆様の、引き続きの御支援をよろしくお願い申し上げます。

2.議案について

 続いて、今定例会に提案しております議案について、御説明いたします。

 まず、一般会計補正予算は、国の経済対策に呼応した県独自の地域活性化対策として、物価高騰の影響を受けた事業者や生活者に対する支援、県経済や県民生活の回復のための事業などを計上しています。
 この結果、96億円の増額補正となり、これを現計予算と合算しますと、9,234億円となります。

 このほか今定例会には、条例案件や、工事関係、専決処分の報告・承認案件なども併せて提案しております。

 また、今会期中には、人事案件についても追加提案する予定です。

 これらの議案について、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。