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令和4年9月熊本県議会定例会における議案説明要旨

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0149309 更新日:2022年9月9日更新

1.最近の県政の動向について

 今回の定例会に提案しております議案の説明に先立ち、最近の県政の動向について御説明申し上げます。

(1)新型コロナウイルス感染症への対応について
 まず、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。
 6月下旬から急激に感染が拡大した第7波は、一日の新規感染者数が5千人を超える日もあるなど、これまでの波をはるかに上回る規模の感染拡大となりました。
 また、8月中旬には病床使用率が7割を超える日が続くなど、医療提供体制への負荷も過去最大となりました。
 このような中、本県では全国に先駆けて「熊本BA.5対策強化宣言」を8月2日に発令し、県・県民・事業者が一丸となった対策に取り組んでいます。
 さらに、医療関係者の皆様の御協力のもと、8月以降、新たに 160床の入院病床を確保し、最大1,015床とするなど、医療提供体制の強化も着実に進めています。
 現在、新規感染者数は減少傾向にありますが、依然として医療現場は厳しい状況が続いています。
 高齢者など重症化リスクの高い方が、必要な医療を受けることができるよう、県民・事業者の皆様には、引き続き、できる限りの感染対策を実践いただくとともに、医療機関の適正受診などに御協力いただくようお願いいたします。
 なお、先日、国が方針を示した全数把握の見直しについては、本県は全国一律実施のタイミングで導入することとし、準備を進めて参ります。
 また、今後接種が開始される見込みのオミクロン株対応ワクチンについては、正式決定後に迅速に接種できるよう、市町村と連携して、体制整備を進めています。
 感染拡大防止に取り組む一方で、社会経済活動を維持し、地域経済の回復を図ることも重要です。
 県内旅行助成事業「くまもと再発見の旅」については、感染状況を踏まえ、対象を「普段から一緒にいる人」に限定した上で利用期間を9月30日まで延長し、切れ目なく実施しています。
 また、国において検討されている原油価格・物価高騰対策の議論を注視しながら、県としても追加の対策を検討して参ります。
 今後も、県民の皆様の生命と健康を第一に、感染拡大防止と社会経済活動の両立を目指して取り組んで参ります。

(2)令和2年7月豪雨災害への対応について
 次に、令和2年7月豪雨災害への対応についてです。
 被災された方々のすまいの再建に向け、災害公営住宅の建設が順調に進む中、相良村では、8月22日に、すまいの再建「くまもとモデル」の第一号として、県が管理する木造仮設住宅をそのまま引き継いで、恒久的な住まいとして活用を始められました。
 今後も、被災された皆様お一人お一人に寄り添いながら、関係市町村と連携して、一日も早いすまいの再建が果たされるよう、全力で取り組んで参ります。
 球磨川水系の治水対策については、8月9日に、国との連携により、「緑の流域治水」の理念を盛り込んだ球磨川水系河川整備計画を策定しました。これを受け、国では、流水型ダムの本体設計費等が概算要求に盛り込まれるとともに、県では、県が事業主体となる支川整備に向けて地元説明会を行うなど、球磨川流域の安全・安心に向けた事業が本格的に動き出しています。
 また、流水型ダムについては、8月24日に、国の流水型ダム環境保全対策検討委員会が開催されました。委員会では、環境影響評価の項目案とともに、流水型ダムの構造の検討状況などが示されました。今後、委員会で議論を重ね、国において環境影響評価方法レポートが作成される予定です。県としては、この流水型ダムについて、命と環境の両立が図られているかどうか、事業の方向性や進捗を確認する仕組みをできるだけ早く立ち上げて参ります。
 これまでダム問題に翻弄されてきた五木村と流水型ダムの建設予定地となる相良村については、引き続き、丁寧に説明を尽くしていくとともに、村と協議を進めながら、両村の振興を進めて参ります。
 人吉市においては、3月の青井地区に続き、6月に中心市街地の紺屋町において、被災市街地復興土地区画整理事業の都市計画が決定されました。
 また、球磨村や八代市坂本地区などの球磨川中流域では、宅地かさ上げや輪中堤の整備に向け、整備方針が固まったところから、順次、設計・用地協議等が進められています。
 一部で運転を再開したくま川鉄道については、流出した球磨川第四橋梁架替えの詳細設計が完了し、令和7年度に全線復旧する見通しが示されました。高校生をはじめ、地元の皆様にとって大切な公共交通であり、一日も早い全線復旧を県として後押しして参ります。
 JR肥薩線についても、鉄道での復旧に向け地元市町村と連携し、引き続き、国、JR九州との協議を進めて参ります。
 今後も国や関係市町村と一体となって、「緑の流域治水」の理念のもと、球磨川流域の創造的復興に取り組んで参ります。

(3)熊本地震からの復旧・復興について
 次に、熊本地震からの復旧・復興についてです。
 8月末時点で、益城町の仮設住宅に14世帯、36名の方々が入居されています。仮設住宅については、令和5年3月末をもって終了しますが、その後は、県と益城町が連携し、仮設住宅と同様に無償で住居を提供して参ります。
 また、益城町では復興まちづくりも目に見える形で進んでいます。
 区画整理区域内では、本年4月にオープンした「復興まちづくりセンター『にじいろ』」や、来春完成予定の益城町役場新庁舎の建設など、町の創造的復興の取組みも進められています。
 引き続き、最後のお一人まで誰一人取り残さないという強い覚悟を持ち、創造的復興への歩みをしっかりと進めて参ります。
 なお、今定例会に、県立夜間中学の教室等の整備に必要な予算を提案しております。この整備においては、供与期間が終了した南阿蘇村の木造応急仮設住宅の資材を活用することにしており、熊本地震を経験した本県ならではの取組みとして積極的に発信して参ります。

(4)こども図書館の整備について
 次に、こども図書館の整備についてです。
 世界的な建築家である安藤忠雄氏から、未来を担う子どもたちのために「こども図書館」を本県で整備したいとの大変素晴らしい御提案をいただき、県立図書館隣接地での整備に向けて、8月23日に協定を締結しました。
 これまでも、安藤氏には、熊本地震の発生直後から、いち早く義援金をお寄せいただくなど、被災者の痛みの最小化や、創造的復興にお力添えをいただいております。
 この「こども図書館」は、設計・施工に係る費用は安藤氏に御負担いただき、建物完成後に本県に寄贈いただきます。
 今回の「こども図書館」も、熊本地震からの創造的復興、そして、将来の熊本の発展に大きく寄与するものと期待しています。
 初夏には蛍が飛び交う豊かな自然や歴史文化が織りなす素晴らしい環境の中で、「こども図書館」が、多くの子どもたちの夢への架け橋となるよう、安藤氏とともに全力で取り組んで参ります。

(5)半導体関連産業の更なる集積について
 次に、半導体関連産業の更なる集積についてです。
 県では、これまでTSMCの進出決定直後から「半導体産業集積強化推進本部」を設置し、様々な課題解決に向けて取組みを進めています。
 九州経済産業局におかれましても「九州半導体人材育成等コンソーシアム」を設置して、半導体人材の育成に取り組まれており、熊本大学や熊本高等専門学校等における取組みも動き始めています。
 このほか、インターナショナルスクールや私立学校における外国籍の子どもの受入れへの動きも見えて参りました。
 そして、県道大津植木線の多車線化や中九州横断道路へのアクセス道路の概略設計の着手なども決定しました。
 県では、引き続き、関係機関や民間事業者の取組みと連携することで、この国家プロジェクトの効果を最大化し、県内はもとより、九州全体にその波及効果を広げ「シリコンアイランド九州の復活」につなげて参ります。

(6)空港アクセス鉄道について
 次に、阿蘇くまもと空港へのアクセス鉄道についてです。
 昨年11月の定例会において、TSMCの本県への進出を踏まえ、当該地域のアクセス向上と、県内全域の交通ネットワークの強化の観点から、これまで検討してきた三里木ルートに原水ルートと肥後大津ルートを加え、3つのルート案について追加調査を実施することを表明しました。原水ルートは、セミコンテクノパークに最も近い原水駅で分岐するルートで、肥後大津ルートは、豊肥本線沿線の需要が広く取り込めるルートです。
 今般、中間的な調査概要が取りまとまりましたので、それを報告します。その内容は、概算事業費は肥後大津ルートが410億円と最も低額の試算となり、費用対効果いわゆるB/Cについても、肥後大津ルートが最も事業効果が高いとの試算となりました。
 具体的な調査の内容、さらには財源確保の見通しをはじめ整理すべき課題については、今定例会での議論を含めて県民の皆様にしっかりと説明を尽くして参りたいと思います。
 そのような取組みを行った上で、できる限り早く県としての方向性を固めて参りたいと考えております。

(7)赤潮被害への対応について
 次に、赤潮被害への対応についてです。
 7月27日から8月31日にかけて、八代海で発生した赤潮では、養殖のシマアジやトラフグなどが大量にへい死しました。これまでの被害額は約19億円となり、平成12年度に次ぐ、過去2番目の大きな被害となりました。
 県では、8月8日の被害報告の直後から、水産関係危機管理対策本部を設置し、赤潮の動向や被害状況の把握に努めるとともに、漁業者の皆様に対して、餌止めなどの被害防止対策を徹底するよう呼びかけました。
 また、8月17日には、ワンストップ相談窓口を設置し、被害を受けた養殖業者の皆様からの相談に対応しています。
 今後とも、本県水産業の中心となる養殖業が持続可能な産業として維持・発展できるよう、県として関係市町や漁業関係団体と連携して、必要な支援の検討を進めて参ります。

2.議案について

 続いて、今定例会に提案しております議案について、御説明いたします。

 まず、一般会計補正予算は、新型コロナウイルス感染症対策や今年の大雨被害からの復旧工事などを計上しています。
 この結果、111億円の増額補正となり、これを現計予算と合算しますと、9,381億円となります。

 このほか今定例会には、「持続可能な社会の実現に寄与する熊本県公契約条例」の制定など各種条例案件や、決算の認定なども併せて提案しております。

 また、今会期中には、人事案件についても追加提案する予定です。

 これらの議案について、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。