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令和4年6月熊本県議会定例会における議案説明要旨

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0138196 更新日:2022年6月3日更新

1.最近の県政の動向について

 今回の定例会に提案しております議案の説明に先立ち、最近の県政の動向について御説明申し上げます。 

(1)令和2年7月豪雨災害への対応について
 まず、令和2年7月豪雨災害への対応についてです。
 甚大な被害をもたらした7月豪雨災害から、来月で2年を迎えます。改めて、御遺族の皆様にお悔みを申し上げるとともに、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。
 これまで、被災された方々の一日も早いすまいとなりわいの再建をはじめ、道路・鉄道などの交通インフラの復旧、産業・経済の再生などに国や市町村との連携のもと、全力で取り組んで参りました。
 これらの取組みにより、一歩ずつではありますが、創造的復興は着実に進んでいます。
 今年度からは、球磨地域振興局の体制を強化し、人吉市青井地区の土地区画整理事業及び球磨村渡地区の宅地造成などを推進しています。
 また、人吉市の中心市街地における土地区画整理事業について、都市計画決定に向けた法的手続きが進められています。
 一方、5月末時点で、1,216世帯の方が仮設住宅での生活を余儀なくされています。この方々のすまいの再建を一日も早く実現することが、何よりも重要です。
 相良村では、今月から災害公営住宅の工事が開始されるなど、各市町村において、すまいの再建に向けた取組みが進んでいます。
 引き続き、自宅再建に係る融資の利子助成など県独自の支援策や地域支え合いセンターによる訪問活動など、被災者お一人お一人に寄り添い、きめ細かに支援して参ります。
 球磨川の治水対策に関しては、「命と清流を守る」新たな流水型ダムについて、国において3月に環境配慮レポートが公表され、現在、法に基づくものと同等の環境アセスメントの手続きが着実に進められています。
 また、新たな流水型ダムを含めた、中期的な治水対策を定める「球磨川水系河川整備計画」の原案を4月に公表しました。
 パブリックコメントや公聴会で皆様からいただいた貴重な御意見を、出来る限り計画案に反映できるよう一つ一つ確認し、作業を進めて参ります。
 出水期に向けた対応としては、流域の土砂撤去を進めるとともに、ソフト対策として、関係機関と連携し、実践的な豪雨対応訓練等を実施しています。また、報道機関と連携した統一のテレビコマーシャルによる早期避難の呼びかけなど、「逃げ遅れゼロ」の実現に向けた新たな取組みも行っています。
 これまでダム問題に翻弄されてきた五木村については、明後日、私が直接五木村に伺い、新たな村の振興計画の方向性をお示しし、村民の皆様から御意見・御要望をいただきたいと考えています。
 また、新たな流水型ダムの建設予定地である相良村にも来月お伺いし、村民の皆様の御意見・御要望をしっかりとお聞きして参ります。
 引き続き、丁寧に説明を尽くすとともに、これまで以上の責任と覚悟をもって、両村の振興に取り組んで参ります。
 JR肥薩線の復旧に向けては、国・県・JR九州で構成する「JR肥薩線検討会議」を3月に設置し、5月20日に2回目の会議を開催しました。国からは河川や道路等の事業間連携により、復旧にかかるJR九州の負担を235億円から76億円へと大幅に圧縮できるとの見通しが示されました。格別の御支援を表明していただいた国土交通省の皆様に心から感謝申し上げます。
 県と関係市町村におきましても、4月18日に「JR肥薩線再生協議会」を立ち上げました。その中で、肥薩線を復旧する意義や将来に向けた持続可能性について、しっかりと協議し、検討会議と再生協議会を車の両輪として、復旧に向けた議論を加速して参ります。
 今後も国や関係市町村と一体となって、「緑の流域治水」の理念のもと、球磨川流域の創造的復興に取り組んで参ります。

(2)新型コロナウイルス感染症への対応について
 次に、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。
 本県では5月の大型連休後に感染者数が増加しました。その後は、緩やかに減少していますが、今後の状況の推移については、引き続き注視して参ります。
 現在、感染が急拡大した場合に備え、高齢者施設等で感染者が発生した際に、感染拡大防止対策や医療的支援等を迅速に実施するための体制整備を進めています。
 また、ワクチンの3回目接種については、全国の中でも早いペースで接種が進んでおり、既に全県民の6割以上が接種を完了しています。
 さらに、60歳以上の方や基礎疾患を有する方に対する4回目接種についても、既に一部の市町村で、5月下旬から接種を開始しています。
 引き続き、ワクチン接種の実施主体である市町村の支援にしっかりと取り組んで参ります。
 一方、第6波は、2年を超えるコロナとの戦いの中で最大の山となり、県内の幅広い業種の事業者が影響を受けています。そのため、本県独自の「事業復活おうえん給付金」を創設し、県内事業者の事業継続を強力に後押ししています。
 また、県ではこれまでも感染状況に対応し、県内旅行助成事業「くまもと再発見の旅」を実施し、落ち込んだ観光需要の回復に努めて参りました。4月以降は助成対象を、沖縄を除く九州各県居住者まで広げるとともに、利用期間についても今月末まで延長することとしました。
 引き続き、切れ目のない需要喚起策を行い、県内における観光関連産業の回復につなげて参ります。
 今後も、県民の皆様の生命と健康を第一に、感染拡大防止と地域経済の回復という2つの目標のベストバランスを追求して参ります。

(3)TSMCの本県進出について
 次に、TSMCの本県進出についてです。
 4月19日にTSMCの子会社であるJASM(ジャスム)と菊陽町との間で新工場建設に伴う立地協定が、県の立会いのもとで締結されました。
 4月21日からは、いよいよ国家プロジェクトである半導体の拠点整備に向けた新工場建設が本格的に動き始めました。
 また、台湾からの技術者の来熊も始まっております。
 県では、台湾から来られる技術者とその御家族の受入体制をしっかりと整え、ニーズに迅速に対応するなど、全庁一丸となってこのプロジェクトを円滑に進めるとともに、県内各地へ広く波及効果が生じるよう取り組んで参ります。

(4)空港・アクセス鉄道について
 阿蘇くまもと空港の新旅客ターミナルビルが、来年3月23日に開業することが決定しました。
 新しく誕生する旅客ターミナルビルは、熊本地震からの創造的復興のシンボルと位置づけており、世界と地域にひらかれた空港として、地域活性化の起爆剤になることを大いに期待しています。
 また、空港アクセス鉄道については、TSMCの進出等も踏まえ、空港周辺地域の可能性を最大化するため、現在、原水ルートと肥後大津ルートの追加調査を行っています。引き続き、スピード感を持って検討を進め、年内には調査結果をお示ししたいと考えています。

(5)県産あさりの産地偽装への対応について
 次に、県産あさりの産地偽装への対応についてです。
 2月1日の「熊本県産アサリ緊急出荷停止宣言」以降、約2か月間の出荷停止措置を行い、産地偽装を防ぐ仕組みを構築して参りました。そして、4月12日に、第1ステージとして、純粋な県産あさりを消費者の皆様に確実にお届けする「熊本モデル」での出荷が再開されました。4月17日には私自身が店頭でPRを行い、多くの皆様に熊本生まれ熊本育ちの県産あさりを購入いただきました。
 また、今月から、第2ステージとして、QRコード等のデジタル技術の活用で、漁獲から販売までを一元的に監視するシステムを導入し、確実な産地証明と偽装監視ができる体制を整えました。
 さらに、これらの取組みの着実な実施と、県産あさりの資源回復を図るため、今定例会において「熊本県産あさりを守り育てる条例」を提案しております。
 今後も、漁業者をはじめ、関係機関の皆様と力を合わせ、必要な施策を総合的に講じて参ります。

2.議案について

 続いて、今定例会に提案しております議案について、御説明いたします。

 まず、一般会計補正予算は、新型コロナウイルス感染症対策や令和2年7月豪雨災害関連の事業、国庫補助が増額となった道路、港湾整備事業などを計上しています。
 この結果、115億円の増額補正となり、これを現計予算と合算しますと、9,151億円となります。

 このほか今定例会には、条例案件や、専決処分の報告・承認案件なども併せて提案しております。

 また、今会期中には、国のコロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」等に係る追加の補正予算や、人事案件についても追加提案する予定です。

 これらの議案について、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。