本文
食品廃棄物削減の取組み
食品廃棄物～食品ロス～とは
食品ロスとは、食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。
農林水産省の推計では、日本全体で年間2,775万トンの食品廃棄物が発生し、このうち621万トンが食品ロスとされており、企業活動から339万トンが、家庭から282万トンが排出されています。（平成26年度推計）
これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量（平成26年で年間約320万トン）の約2倍に相当します。
現在、食品廃棄物はその多くが焼却されていますが、大切な資源の有効活用や環境負荷への配慮から、食品ロスを減らすことが必要です。
持続可能な開発目標（SDG’s）とは
平成27年9月に国連サミットで2030アジェンダが採択されました。
この2030アジェンダにおいて、持続可能な開発目標（SDG’s）が盛り込まれ、17のゴールと169のターゲットが決まり、このゴールの一つに「1人当たりの食料廃棄物の半減」があります。
＊SDG’s…Sustainable Development Goalsの略。
＊アジェンダ…政策における課題、目標、合意といった意味。
熊本県における取り組み
（1）都道府県、市区町村との連携
熊本県では、食品ロス削減のため「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」（44都道府県、201市町村で平成28年10月10日設立）に参加することで先進事例に係る情報収集に努め、食品ロスに関する施策に取り組んでおります。
「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」とは、広く全国で食べきり運動等を推進し、以て3Rを推進すると共に、食品ロスを削減することを目的として設立された自治体間のネットワークです。
現在、県内市町村では2自治体が参加しておりますが、多くの市町村が参加するよう働きかけを行ってまいります。
（2）九州各県との連携
熊本県では平成27年12月1日から平成28年1月31日まで「くまもと食べ残しゼロキャンペーン」を実施することで、食品廃棄物の減量化に向けた取り組みを県民・飲食店・行政が一体となって行い、その運動に賛同いただいたい飲食店を「キャンペーン登録店」として登録しております。
平成28年度からは、食品廃棄物の減量化の取り組みを、九州7県（福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県）で構成する「九州ごみ減量化推進協議会」で取り組むこととなり、九州食べきり協力店等登録実施要綱の制定、「九州食べきり協力店」の統一名称を用いたポスター及びステッカーを作成しました。
また、この取組みの一環として、複数県に店舗が所在する事業者が任意の県に店舗の一括登録申込みが可能となりました。
（3）くまもと食べきり運動！
平成27年度に「くまもと食べ残しゼロキャンペーン」を、平成28年度は「くまもと食べきり運動！」を実施しました。
くまもと食べきり運動！では、宴会における食品ロスを削減するために次の(1)～(4)について実践を呼び掛けております。
- 乾杯後と終宴前の15分程度の間は料理を楽しみましょう！
- お皿に料理が一つ残る「肥後のいっちょ残し」はしない！
- 苦手な料理は、食べられる人に譲りましょう！
- 料理を心をこめて作った人に感謝して！
＊この取り組みは、他自治体で「3010運動」や「宴会○箇条」といった名称で取り組まれています。
＊体調や体質等にあわせてご協力ください。完食は強制ではありません。
（4）食品製造業者などへの啓発活動
熊本県では、企業活動における産業廃棄物の3Rを推進するために、3Rコーディネーターを設置し、廃棄物に関する課題の把握、排出量の削減やリサイクル等に関する情報提供や助言、事業所間のシーズ・ニーズのマッチングを行っています。
この事業の一環として、平成29年2月から、食べられる食品を廃棄しなければならない食品製造業者、食品卸売業者及び食品小売業者に対して、熊本県内におけるフードバンク活動の紹介をすることで食品ロスの削減を推進する取組みを試験的に始めました。
＊フードバンクとは、食品企業の製造工程で発生する規格外品などを引き取り、福祉施設等へ無料で提供する団体・活動のことです。
農林水産省は、食品ロス削減を図る一つの手段としてフードバンク活動を支援しています。
＊熊本県内におけるフードバンク活動を行っている団体は、フードバンク熊本、フードバンク玉名の2つとなっております。
＊フードバンクを紹介した事業者のうち2者から、フードバンク熊本に寄付がありました。ありがとうございました。（平成29年9月22日時点）
