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ラムサール条約湿地「荒尾干潟」
荒尾干潟のラムサール条約湿地登録
平成24年7月3日、渡り鳥の重要な生息地である荒尾干潟が、ラムサール条約湿地に登録され、県内で初めて国際的に重要な湿地として認められました。干潟としては九州で初めての登録となります。
国際的に認められ「世界の宝」となった荒尾干潟は、私たち県民の誇りであるとともに、この貴重な干潟を保全し、後世に残していくことは私たちの責務でもあります。
ラムサール条約
正式名称:特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約
この条約は、特に水鳥の生息地等として国際的に重要な湿地及びそこに生息生育する動植物を、国際的に協力して保全することを目的としています。1971年にイランのラムサールで開催された国際会議において条約が採択されたことから、「ラムサール条約」と呼ばれています。
締約国は、最低1ヶ所の湿地登録を義務づけられており、その湿地及び動植物を国の法律により保全する必要があります。
- 条約の目的 湿地の保全と賢明な利用(ワイズユース)
- 締約国数 162カ国(H24.8現在)
- 事務局 グラン(スイス)
- 日本の登録要件
- 国際的に重要な湿地であること(条約で示された国際基準に該当すること)
- 国の法律により将来にわたり自然環境の保全が図られていること
- 地元自治体等の登録への賛意が得られていること
- 湿地の定義 沼沢地、湿原、泥炭地、または陸水域、および水深が6mを超えない海域
荒尾干潟の概要
所在地:熊本県荒尾市
面積:754ha
保護の制度:国指定鳥獣保護区特別保護地区
区域:区域図(PDFファイル:249KB)(資料引用元:九州地方環境事務所)
荒尾干潟が満たす条約の主な国際基準:
- 絶滅危惧種クロツラヘラサギの個体数の0.1%以上を支える湿地
- ズグロカモメの個体数の1%以上を定期的に支える湿地
概要
荒尾干潟は有明海の中央部東側に位置する、単一の干潟としては国内有数の広さを誇る干潟です。シギ・チドリ類は秋から春にかけて、荒尾干潟を中継地及び越冬地として飛来します。秋季にはシロチドリ、キアシシギ、ダイゼン、トウネン、ソリハシシギ、メダイチドリ等、冬季にはハマシギ、シロチドリ、ダイゼン等、春季にはハマシギ、オオソリハシシギ、ダイゼン、キアシシギ等が飛来します。平成20年、環境省が実施した「モニタリングサイト1000」のシギ・チドリ調査(春期)において、荒尾干潟で全国2位の6,492羽が観測されました。また、国際的な絶滅危惧種であるクロツラヘラサギやズグロカモメの重要な生息地ともなっています。
荒尾干潟の野鳥や底生生物はこちらから荒尾干潟の生物(PDFファイル:212KB)
荒尾干潟における保全への取組
荒尾干潟では、湿地の「保全」と「賢明な利用(ワイズユース)」のため、行政をはじめ、市民や民間団体等が協力して、清掃活動や環境学習などの保全への取組が行われています。
- 荒尾干潟における保全への取組 保全への取組(PDFファイル:214KB)
- 生物多様性とは 生物多様性とは(PDFファイル:293KB)
- 日本のラムサール条約湿地【環境省ホームページへ】<外部リンク>
- 日本のラムサール条約湿地(英語)【環境省ホームページへ】<外部リンク>
- ラムサール条約事務局ホームページ(英語、仏語、スペイン語)<外部リンク>