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平成30年仕事始め式知事訓辞

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0007094 更新日:2020年8月1日更新

 皆さん、明けましておめでとうございます。

 皆さん、年末年始の休みを十分堪能されたと思います。私も年末年始は自宅で過ごすことができました。そこで様々なことを考えましたが、そのいくつかを皆さんと共有したいと思います。

 まず、私が知事になって約10年になりました。この10年間は、とても長かったようにも、また短かったようにも感じます。

 最初の4年間は、課題への挑戦の4年間でした。川辺川ダム問題、水俣病問題、財政再建、そういった長年の熊本県の困難に挑戦した4年間でした。その間、皆さんが一生懸命に支えてくださり、私は、熊本県の職員はなんと挑戦的で優秀だろうと感じました。

 そして2期目は、県民の「総幸福量の最大化」を目指した時期ではなかったかと思います。例えば、熊本市の政令指定都市誕生に貢献し、九州新幹線の全線開通の際にはこのチャンスをどう活かすか、皆と一緒に考えました。何よりも特徴的なことは、その間にくまモンが登場したことです。

 くまモンは、4つの意味で熊本県民の幸福量に貢献していると思います。第一に、「経済的な豊かさ」への貢献です。一昨年のくまモン関連商品の売り上げは1,280億円ですが、熊本の知名度への貢献という意味では、それ以上ではないかと思います。さらに、くまモンがいることは熊本県民の「誇り」でもあります。昨年末の紅白歌合戦にくまモンが登場しました。それを見て全ての熊本県民が、「くまモンがいてよかった」と誇りを感じたのではないかと思います。また、くまモンは、「安全・安心」にも、子どもたちの「夢」にも貢献しています。これからくまモンにはもっともっと活躍してほしいと思っています。くまモンこっちにおいで!

くまモン登壇

 今や、くまモンは、横にいるだけで我々を幸せにしてくれる存在です。

 このような幸せな2期目でありましたが、私が3期目に就任した4月16日に、熊本地震の本震が発生しました。それからは新たな挑戦が始まりました。この震災にどう対応していくか、これは教科書には書いてありません。皆さんと一緒に対応してきたこの1年8か月を、私は誇りに思っています。皆さんの力、行動力、勇敢さ、これらにより、1年8か月を無事に乗り切れたのではないかと感じています。

 この震災対応の日々を、私は期待値と実態の方程式で乗り切ってきました。

ギャップ仮説

 この方程式は、私がハーバード大学で学んだサミュエル・ハンティントンという政治学者の方程式で、「ギャップ仮説」と言います。なぜギャップというかというと、期待値があって、その期待値に対する実態のギャップが大きくなれば大きくなるほど人々の不満が高まり、不満が高まれば将来的に暴動に結びつくというのがハンティントンの仮説です。期待値が小さい時になるべく多くの対応をし、実態を提供することによって、不満が小さくなり、失望が小さくなり、そして満足が増えていくということです。これからの日々の震災対応には、皆さんにも私と同じことを考えていただきたい。被災者の方々、県民の方々の不満を小さくするためには、期待があまり大きくなる前に、行政としての実態を整えていく。それによって次の段階に移れるのではないかと考えながら、私は震災対応をやっています。

 震災対応において、これまで重点的に行ってきたことは、「創造的復興」です。

 今年の一字には、「創造的復興」の「創」を選びました。そしてこの字は、「地方創生」の「創」でもあります。私は、県民の総幸福量の最大化を図ることで、人口減少社会への対応もできると思っています。

 また、「創意工夫」の「創」でもあります。私はこれまで皆さんに、「第2のくまモン」を探そうと言ってきました。「第2のくまモンを探す」とは、くまモンのように4つの側面で県民の総幸福量の最大化に貢献する政策を考えてほしいということです。創意工夫したその政策が、「経済的な豊かさ」を提供してくれ、また、県民の「誇り」、「安全・安心」、「夢」に影響するものである、それが「第2のくまモン」という意味です。

 是非今年は、「創造的復興」と「地方創生」、「創意工夫」の「創」を皆さんとともに考えながら、これから県政を進めていきたいと思っています。これが今年の私の一字です。

 このように創造的復興を進め、熊本地震から1年8か月が経ちました。考えてみると、多くのことが前進したのではないかと思います。

 例えば、「インフラの創造」では、一昨年の12月には俵山トンネルルートが、昨年8月には長陽大橋ルートが開通しました。そして、国道57号北側復旧ルートと国道325号阿蘇大橋ルートは2020年度までに開通する予定です。これらも大きな一歩だと考えています。

 また「『宝』の復活」では、熊本城について、2019年の国際スポーツ大会までに天守閣を外観から完全に見ることができるような形で復興が進む予定です。

「世界とつながる新たな熊本の創造」では、3つの意味で、これから世界とつながっていくことになります。

 1つは、2019年のラグビーワールドカップ、女子ハンドボール世界選手権大会。これらを通して熊本の復興を世界に発信したいと思っています。

 そして、阿蘇くまもと空港は、「コンセッション方式」によって、創造的復興を図ります。

 また、八代港は、ロイヤルカリビアン・クルーズ社や国と連携しながら、世界一のクルーズ船の拠点にしたい。

 これらが「世界とつながる新たな熊本の創造」に結びついていきます。

  一方で、残された課題が2つあります。この2つはとても大きな課題です。

 1つは益城町の復興まちづくりです。これはなかなか難しい問題を含みます。これから県と町の担当者が益城町の方々を個別訪問することとしています。担当者には、是非一人一人がこのまちづくりにかける思いを、町の方々と話し合っていただき、木山地区の都市計画を無事に進めていただきたいと思っています。

 さらに難しい問題は、「すまい」の確保です。恒久的な「すまい」の確保を是非成し遂げたいと思っています。私は、被災された方一人一人の“心の復興”が成し遂げられない限り、熊本地震からの復旧・復興はあり得ないと考えています。まだ、4万数千人の方々が仮設住宅におられます。この方々が恒久的な「すまい」を確保し、あるいは具体的な見通しを立てることができてはじめて、熊本地震からの復興があり得ると考えています。

 皆さんとともに、被災者の方々の「すまい」の再建を成し遂げたいと思っています。

 年末年始で一つ考えたことがあります。私は、知事になる前は、自分のために研究をして参りました。自分自身の幸せが一番大きな幸せでした。しかし、知事になり、より多くの人を幸せにしたい、それを今回の震災でとりわけ強く感じるようになりました。皆さんは、自分たちの幸せももちろん大事ですが、県庁職員として、行政マンとして最も大事なことは、県庁全体で、より多くの方々、被災者の方々の幸せ、支援、痛みの最小化を成し遂げることができるということです。私が知事としてよかったなと思うのは、自分一人では何もできないけれども、皆さんという素晴らしいスタッフとともに、「県庁」としてこの大きな災害に対応し、被災者の方々に向き合い、そしてその方々の痛みの最小化と将来の幸せに貢献することができる、一人ではなく、多くの方々を幸せにすることができることです。それが、行政マンの醍醐味ではないかと思います。

 是非、この「県庁」という大きな素晴らしい組織として、災害対応と、被災者の痛みの最小化と幸せのために、今年も頑張って行きましょう。よろしくお願いします。