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整形外科
診療内容
整形外科では、運動発達の遅れ、脳性麻痺(まひ)などによる肢体不自由児、股関節脱臼(だっきゅう)などの小児整形外科疾患(※一般外傷を除く)の診断と治療を行っています。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、心理士などの専門スタッフがサポートを行うほか、診察日に合わせて義肢装具士がセンターへ来ますので、装具や車いす、座位保持装置などの相談を行うこともできます。
治療に関しては、成長期のお子さん一人ひとりの症状や環境に合わせて、手術、リハビリテーション、装具療法などを適切に選択していきます。必要に応じて積極的に手術を選択することもありますが、実施時期やどの程度まで手術を行うかといった判断はとても重要ですので、複数回の治療が必要となる場合でも、常に長期的な視野で、粘り強く診療します。
なお、手術やリハビリテーションで長期入院が必要となる場合は、隣接する松橋東支援学校に通学しながら治療を行うこともできます(保護者の方も一緒に宿泊できる家族棟も用意しています)。
以下のような「気になること」「心配なこと」がありましたら、受診をご検討ください。
また、整形外科を受診されたい方は「整形外科を初めて受診する方へ」をご覧ください。
- 乳幼児健診で、股関節や歩き方に関して指摘を受けた。
- お座りが遅い。なかなか歩かない。動きが気になる。
- 学校健診で「側弯(そくわん)症」と指摘を受けた。
- 体がかたい。体がやわらかい。姿勢が気になる。
- X脚やO脚がある。足の形が気になる。左右差がある。
- つま先で歩く。歩くのを嫌がる。 など
主な疾患
- 先天性内反足
- 発育性股関節形成不全
(先天性股関節脱臼(だっきゅう)) - 脳性麻痺(まひ)
- 運動発達遅滞
- 筋性斜頚(しゃけい)
- 側弯(そくわん)症
- ペルテス病
- 大腿骨頭すべり症
- 外反扁平足
- 二分脊椎
- 先天性の変形 など
整形外科的選択的痙性(けいせい)コントロール手術
(Orthopaedic Selective Spasticity-control Surgery;OSSCS)
当センターでは、脳性麻痺(まひ)や急性脳症後遺症、頭部外傷後遺症によって生じる強い筋肉の緊張を伴う痙性麻痺(けいせいまひ)に対して、「整形外科的選択的痙性(けいせい)コントロール手術(OSSCS)」という手術療法を行っています。
筋肉は、大きく多関節筋と単関節筋の2つに分けられます。このうち2つ以上の関節をまたぐ多関節筋は主に大きな力を出す働きがあり、一方で単関節筋は抗重力筋とも言われ、体の持ち上げ、安定に働くことがわかっています。
痙性麻痺(けいせいまひ)のお子さんでは、多関節筋群がより過緊張・過活動し、一方で単関節筋群は多関節筋群ほど過活動しません。そのため、多関節筋を選択的に切離・延長することで、過緊張だけを取り除くことができます。
「整形外科的選択的痙性(けいせい)コントロール手術(OSSCS)」は、異常な筋肉の緊張をゆるめ、体を支える筋肉を温存し活性化させることで、体の安定性を向上させる整形外科手術です。
適切な時期に手術を行い、筋肉のバランスを整えることで、運動レベルの向上、痛みの軽減、股関節脱臼(だっきゅう)の進行予防などが期待できるほか、リハビリがしやすくなる、ご家族の介護がやりやすくなるなど、様々な効果が見込まれます。