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ノロウイルス等による食中毒や感染性胃腸炎に注意しましょう
例年、冬場は、学校、保育所、高齢者施設等でのノロウイルス等による食中毒の発生や集団感染が特に懸念されますので、調理従事者の健康管理、調理や食事の前、トイレの後などに、20秒以上時間をかけて丁寧に手洗いを行い、予防に努めましょう。
また、感染性胃腸炎は、様々な細菌、ウイルス、寄生虫が原因でおこる感染症です。
感染予防対策をしっかり行いましょう。
熊本県感染症発生情報
年間を通して患者の報告がありますが、例年初冬から増加し始め12月頃にピークを迎えます。12月頃のピークは大半がノロウイルスによるもので、春にロタウイルスが流行し、夏期には腸炎ビブリオなどの細菌を原因としたものが流行する傾向にあります。患者年齢は、幼児及び学童期が中心となっています。
症状等
ノロウイルスに感染すると下痢、嘔吐などの症状がでます。通常、1~2日で回復しますが、乳幼児や高齢者等は、脱水症状を起こしたり、吐いた物を誤嚥し肺炎を起こしたりすることがありますので、早めに医療機関を受診してください。
症状が消失しても、便中には1週間程度ウイルスが排泄されますので、トイレの後に、20秒以上時間をかけて丁寧に手洗いを行なうなど他者への感染に注意が必要です。
感染経路
- 患者のノロウイルスが大量に含まれる便やおう吐物から人の手を介して感染します。
- 家庭や共同生活施設など人同士が接触する機会が多いところで、人から人へ感染します。
- 食品取扱者が感染しており、その人を介して汚染された食品を食べることで感染することがあります。
- 汚染された二枚貝を、生あるいは加熱不十分で食べることで感染します。
- 洗浄や消毒が不十分でウイルスが残っていた場合、乾燥して舞い上がったウイルスが口に入ることで感染します。
予防のための注意
1 丁寧な手洗い
食事の前、トイレの後、オムツ等の処理の後、おう吐物の処理後には、20秒以上時間をかけた丁寧な手洗いを励行する。
- 石けんを使用した丁寧な手洗いで、ウイルスを洗い流すことが重要です。
2 食品の取扱い
患者の便やおう吐物がヒトを介して食品を汚染し、その汚染された食品を食べて感染することがあります。
- 加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱(中心温度が85~90℃以上90秒以上)する。
- 調理器具は十分な洗浄と消毒を行う。
- 調理や配膳の前、トイレの後、汚物処理の後などには丁寧に手を洗う。
- 具合が悪い人(下痢・おう吐等の症状がある人)は、調理・配膳にかかわらない。
おう吐物・便などの処理の注意点、消毒法
処理をする際は、マスクや手袋を着用し、ペーパータオル等でおう吐物や便等をふき取り、ビニール袋などに入れ、しっかり封をして廃棄してください。
汚染された場所の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)が有効です。以下を目安にしてください。
- 拭き取り用・・・塩素濃度が200~250ppm必要です。
- 浸け置き用・・・塩素濃度が1000ppm必要です。
作り方
家庭用の塩素系漂白剤は、塩素濃度が約5%程度です。
- 拭き取り用は、水1000mlに対しペットボトルのキャップ1杯
- 浸け置き用は、水1000mlに対しペットボトルのキャップ5杯で、必要濃度が作れます。
小さなお子さんが消毒液を誤って飲むことの無いように注意してください。
注意点
- 家庭用漂白剤は、塩素系と酸素系がありますので、注意してください。
- 塩素系は、酸と混ぜると有毒な塩素ガスが発生しますので、酸と混ぜないようにしてください。
- 塩素は、時間とともに濃度が低下しますので、作り置きはせずに、使用時に作ってください。
- 使用する漂白剤の注意書きをよく読んで、使用してください。
※ 厚生労働省ホームページ「ノロウイルスに関するQ&A」<外部リンク>
※ 食品安全委員会ホームページ「ノロウイルスの消毒方法」<外部リンク>
※ リーフレット