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公費によるHPVワクチンの「キャッチアップ接種」

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0191652 更新日:2024年11月28日更新

キャッチアップ接種について

  • HPVワクチンは、接種後の副反応の影響により、平成25年から令和3年まで積極的な接種勧奨が差し控えられていました。この間、定期接種の対象年齢(小学校6年から高校1年相当まで)であった方の中には、ワクチン接種の機会を逃した方がいらっしゃいます。
  • 現在、安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められており、令和4年4月からは、積極的な接種勧奨が再開されています。
  • これに伴い、ワクチンの接種機会を逃した方に、公平な接種機会を確保する観点から「キャッチアップ接種」として改めて公費(無料)で接種できる機会が提供されています。
  • キャッチアップ接種は、令和7年3月末で終了予定でしたが、今夏以降の大幅な需要増により、HPVワクチンの接種を希望しても受けられなかった方がいらっしゃる状況等を踏まえ、令和7年3月末までに接種を開始した方が、全3回の接種を公費で完了できるよう、国の審議会で検討されています。

​【対象者(検討中)】

・キャッチアップ接種対象者のうち、令和4年4月1日~令和7年3月31日までにHPVワクチンを1回以上接種した方

・平成20年度生まれの女子で、令和4年4月1日~令和7年3月31日までにHPVワクチンを1回以上接種した方

【期間(検討中)】

・キャッチアップ接種期間(令和7年3月31日まで)終了後、1年間​

(参考)第64回 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会<外部リンク> 

キャッチアップ接種期間終了後も公費で接種を受けられる対象者と期間について、検討が行われました。

チラシ

有識者のアドバイス

 子宮頸がんは、熊本県において女性のがん罹患率第4位(令和元年)、その数値は全国平均を上回っています。年齢別では、20歳代後半から増加しはじめ、30代までに全国で年間約1000人の女性が、治療で子宮を失っています。早期発見のために子宮がん検診を受けることも大切ですが、加えてHPVワクチンを接種することで、原因と言われているウイルスの体への侵入を防ぎ、子宮頸がんの発症を抑えることができます。
 一時期、副反応などの問題で厚生労働省がワクチン接種の積極的勧奨を中止し、接種が控えられた時期がありました。その年代に該当する女性(平成9年4月2日~平成20年4月1日生まれ)は、現在「キャッチアップ接種」として無料で接種を受けることができます。令和7年3月までが期限ですが、無料で全3回の接種を終えるためには、今年9月中に1回目の接種を受ける必要があります。熊本県医師会でもこの点を重視し、8月9日に行った定例記者会見の中でHPVワクチンキャッチアップ接種についての広報をいたしましたが、現場感覚としては接種率は増えていないように感じます。
 もちろん、接種は強制ではなく任意です。心配されるHPVワクチン接種後の副反応についても注意は必要です。でも、せっかくワクチンで予防できるがんであることがわかっています。将来、子宮頸がんによって失われかもしれない命や子宮を救うためにも、無料接種の期間を利用して受けていただければと思います。

公益社団法人熊本県医師会

担当理事 秋月美和 様​秋月先生

 

 子宮頸がんは、日本では、毎年約10,000人の女性が新たにがんと診断され、年間約3,000人の女性がこの病気で命を落としています。がんになる原因は、その種類によってさまざまですが、子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるものです。子宮頸がんは、子宮の頸部(子宮の出口に近い部分)にできるがんで、若い世代の女性に多く発症するのが特徴です。 20歳代から30歳代までの間にがんになる人も多く、たとえ命を落とさなくても、年間約1,000人の女性が治療のために子宮を失い、妊娠することができなくなってしまいます。

 ところが、子宮頸がんの発症数は世界的には減少傾向にあります。それはHPVワクチンの接種や子宮がん検診の普及によるものです。これらの対策を積極的に取り入れる国が増えたことで、その地域では子宮頸がんの発生率が低下しています。実際、その中の一つであるイギリスでは、2023年11月、「2040年までに子宮頸がんを撲滅する」という目標が発表されました。それは、2008年以降よりHPVワクチンを接種しているグループでの子宮頸がん発症数が87%減少しているため、今後数年で患者数が減り始めると予想されているためです。現在、イギリス国内において、12~13歳の男女におけるHPVワクチンの接種率は、女子が86%、男子が81%となっています。

 日本においても、2009年に承認されたHPVワクチンでしたが、接種者が訴えた体調不良をメディアがセンセーショナルに取り上げたことから、2013年に接種対象者への勧奨がストップしました。その結果、ワクチンの接種率は2014年度には約1%となっています。しかし、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められ、2022年4月から厚生労働省による接種勧奨が再スタートしました。

 この再スタートと同時に、2013年から2021年の間、接種機会を逃した方々についても無料で接種できる、いわゆる「キャッチアップ接種」が始まりました。2022年4月1日から2025年3月31日まで無料でワクチンを接種することができます。ただし、接種回数が3回、接種間隔のスケジュール上、接種が完了するまでに約6か月間かかるため、接種を希望される方で、まだ一度も予防接種を受けていない方は、第1回目の接種を2024年9月末までに開始する必要があります。よろしく御検討ください。

 具体的な接種方法は、住民票のある市町村から送付されているお知らせを御覧いただき、紛失されている場合等は、住民票のある市町村にお尋ねください。また、過去に受けた接種回数や時期により、接種方法が異なる場合があります。まずは、母子健康手帳等を確認、不明な点は各市町村に相談の上、医療機関に連絡してください。

医療法人末永会

すえなが婦人科・

産科クリニック

理事長 末永 義人​ 様末永先生

​​

(参考)ヒトパピローマウイルス感染症にかかる定期接種及び子宮頸がん(日本医師会)<外部リンク>

接種について

対象者

 平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性で、過去に合計3回の接種をしていない方

接種を受けられる時期

 令和7年3月31日まで

※3月末までに接種を開始した方が、全3回の接種を公費で完了できるよう、​キャッチアップ接種期間終了後、1年間の経過措置を設けることを、国の審議会で検討されています​。​

接種費用

 公費で接種できます(無料)

接種できるワクチンの種類

接種回数・スケジュール(接種間隔)

 3回

  • 過去に、1回又は2回接種している場合は、公費若しくは自己負担に関わらず、既に接種した回数分の定期接種を受けたものとみなします。
  • 長期にわたり接種を中断していた場合も、接種間隔に関わらず、接種を初回からやり直すことなく、残りの回数(2~3回又は3回目)を接種します。

スケジュール(接種間隔)

 
ワクチン 標準的な接種間隔 標準的な接種間隔をとることができない場合の接種間隔
サーバリックス
(2価)
2回目:1回目の接種から1か月
3回目:1回目の接種から6か月
2回目:1回目の接種から1か月以上
3回目:1回目の接種から5か月以上かつ2回目の接種から2か月半以上
ガーダシル
(4価)
2回目:1回目の接種から2か月
3回目:1回目の接種から6か月
2回目:1回目の接種から1か月以上
3回目:2回目の接種から3か月以上
シルガード9
(9価)
2回目:1回目の接種から2か月
3回目:1回目の接種から6か月
2回目:1回目の接種から1か月以上
3回目:2回目の接種から3か月以上

スケジュール

 

ワクチンについて

ワクチンの効果

  • サーバリックス及びガーダシルは子宮頸がんをおこしやすい種類であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。そのことにより、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。
  • シルガード9は、HPV16型と18型に加え、31型、33型、45型、52型、58型の感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。

ワクチンの副反応

HPVワクチン接種後に見られる主な副反応として、発熱や接種した部位の痛みや腫れ、注射による痛み、恐怖、興奮などをきっかけとした失神などが挙げられます。

【HPVワクチン接種後の主な副反応】

頻度 サーバリックス(2価) ガーダシル(4価) シルガード9(9価)
50%以上 疼痛、発赤、腫脹、疲労 疼痛 疼痛
10~50%未満 かゆみ、腰痛、筋痛、関節痛、頭痛 など 紅斑、腫脹 腫脹、紅斑、頭痛
1~10%未満 蕁麻疹、めまい、発熱 など 頭痛、そう痒感、発熱 浮動性めまい、悪心、下痢、そう痒感、発熱、疲労、内出血 など
1%未満 知覚異常、感覚鈍麻、全身の脱力 など 下痢、腹痛、四肢痛、筋骨格硬直、硬結、出血、不快感、倦怠感 など 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血、血腫、倦怠感、硬結 など
頻度不明 四肢痛、失神、リンパ節症 など 失神、嘔吐、関節痛、筋肉痛、疲労 など 感覚鈍麻、失神、四肢痛 など

交互接種について

  • 1回目の接種と同じ種類のHPVワクチンで接種を完了することを原則とします。
  • ただし、交互接種における安全性と免疫原性が一定程度明らかになっていることや、海外での交互接種に関する取扱いを踏まえ、すでに2価ワクチン(サーバリックス)又は4価ワクチン(ガーダシル)で1回または2回接種している場合、残りの接種を9価ワクチン(シルガード9)に変更することは可能です。
  • 変更したワクチンも、公費で接種することができますが、効果やリスクについて、接種する医師とよく相談してください。接種回数は、両ワクチン合わせて合計3回です。

 

健康被害救済制度

予防接種後に健康被害が生じた場合の救済制度があります。詳細は、こちらを御覧ください。
予防接種健康被害救済制度(厚生労働省ホームページ)<外部リンク>

 

相談先

対象者、接種期間、実施医療機関、予診票の再発行等について

一般的な相談について

  • 熊本県 健康福祉部健康危機管理課
    電話番号:096-333-2240(平日 午前8時30分~午後5時(土日、祝日、年末年始を除く))

学校生活に関する相談について

  • 熊本県 教育庁県立学校教育局体育保健課
    電話番号:096-333-2712(平日 午前8時30分~午後5時(土日、祝日、年末年始を除く))

HPVワクチンを含む予防接種、その他感染症全般について

  • 厚生労働省 感染症・予防接種相談窓口
    電話番号:03-5656-8246(平日 午前9時~午後5時(土日、祝日、年末年始を除く))

 

関連ホームページ

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