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平成29年度保健環境科学研究所研究発表会

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0065625 更新日:2020年8月1日更新

平成29年度保健環境科学研究所研究発表会

 平成29年11月17日金曜日、当研究所講堂において、今年で18回目となる熊本県保健環境科学研究所研究研究発表会を開催しました。
 この研究発表会は、当研究所の調査研究成果について、県民の皆様を含め、広く関係者に紹介し理解を深めていただくとともに、県民のニーズに沿った調査研究のさらなる発展のために平成12年度から開催しています。
 当日は、地元県議をはじめ、県内の行政機関、研究機関等から約70名が出席し、8題の研究発表を3時間半にわたって行いました。
 これらの研究発表に対して、多くの質問や貴重な意見、助言をいただき、大変有意義な発表会になりました。また、2階ホールでは発表内容のポスターを展示し、発表終了後に発表者と参加者の間で熱心な意見交換も行われました。

 

(発表の概要)

概要
発表課題 発表者 発表要旨(概要)

イヌ等の動物由来感染症病原体の保有状況について

微生物科学部
松本 一俊

 動物由来感染症とは、動物から人に感染する病気の総称である。日常生活において、ペット(伴侶動物)や食品としての野生動物(ジビエ)等に接する機会があるが、それらの動物にはどのような病原体を持っているか不明なことがあり、直接感染、節足動物及び動物性食品(獣肉等)媒介等により健康被害が起きる可能性がある。そこで身近な動物がどのような感染症の病原体を保有しているかについて説明し、これまでの調査内容について報告を行った。

熊本県におけるエンテロウイルス感染症の流行状況と分子疫学的解析

微生物科学部
酒井  崇

 エンテロウイルスは手足口病やヘルパンギーナなど主に小児の間で様々な感染症の原因となるウイルスである。
 今回は、近年のエンテロウイルスの検出状況を疾患別に報告すると共に、2017年度に流行した手足口病の病原エンテロウイルスの1つであるコクサッキーウイルスA6について解析を行ったのでその結果について報告を行った。

クワズイモ食中毒検査事例
-LC/MS/MSによるシュウ酸分析法の開発-

生活化学部
西名 武士

 クワズイモは、葉及び葉柄の様子がサトイモとよく似ていることから、誤って喫食されることによる食中毒事例が後を絶たず、本県においても、平成27年度に、クワズイモをサトイモと誤認したことによる食中毒事例が発生した。
 当所では、本事例において、クワズイモに含まれるシュウ酸を迅速に原因の特定を行う目的で、LC/MS/MSを用いた手法を検討し、良好な結果が得られたので報告を行った。

LC/MS/MSによる食品添加物の迅速一斉分析法の開発

生活化学部
山口 奈穂

 食品添加物は、食品の加工若しくは保存の目的で使用される物質であり、食品毎に使用基準が設定されている。本県では、使用実態及び過去の検査結果から違反の蓋然性の高い食品添加物を中心に約40項目の検査を行っているが、そのほとんどが個別分析法であるため、操作が煩雑で時間がかかっていた。
 そこで、今回、検査の迅速化を目的に、食品添加物計38項目を対象とした迅速一斉分析法の検討を行ったところ、良好な結果が得られたので報告を行った。

大気環境測定車を用いたPM2.5による大気汚染状況調査(菊陽町編)

大気科学部
山本 裕典

 平成25年1月における深刻な大気汚染を機に、日本国内でも大気汚染物質PM2.5への関心が急速に高まり、本県では現在28ヶ所の測定局において、PM2.5を常時監視し、注意喚起を発出する際は、県内を4地域に区分して実施している。今回、測定局が設置されていない菊陽町に大気環境測定車を設置し、PM2.5による大気汚染状況を調査した。菊陽町は県北地域に区分されており、既存のPM2.5の測定局との類似性を検証したので報告を行った。

WRF/CMAQを用いたPM2.5の発生源寄与解析-PMFモデルによる発生源寄与との比較-

大気科学部
松崎 達哉

 熊本県のPM2.5主要発生源および越境・地域汚染の影響を把握するために、化学輸送モデルCMAQを用いて2014年冬季の熊本県を対象とした発生源寄与を求めた。PMFモデルによる発生源寄与と比較したところ、越境汚染の寄与について有意な相関が得られ、両モデルの結果の妥当性が支持された。PMFの「2次生成硝酸塩+塩化物」因子はCMAQの「九州」寄与と有意な相関が得られたが、宇土と益城で相関が違い、このことはNH3の地域汚染と類似性がみられた。

県内河川における重金属等の調査結果

水質科学部
渡邉 和博

 熊本県内河川の重金属等19項目の調査結果を平成18年4月から平成29年1月までとりまとめ、重金属等19項目から河川の環境変化及び特徴について考察した。河川の環境変化について、この11年間で大きな濃度変化は見られなかったが、海水の影響により一時的に高濃度となる河川及び同一河川で合流の影響により上流から下流にかけて濃度変化する河川が確認された。

平成28年度水生生物調査で見られた指標生物減少に関する考察

水質科学部
前田 敏孝

 平成28年に実施した熊本県内河川の水生生物調査では、例年と比べて出現した指標生物の個体数が大きく減少していた。その原因を考察したところ、平成28年に起きた自然災害(平成28年熊本地震及び梅雨時期の豪雨)との関連性が高いことが示唆された。また、指標生物の減少が大きかった地点のデータを解析したところ、漂流物や堆積物を餌とする定住性の高い生物が共通して大きな影響を受けたと考えられた。

 (開催状況)

(発表の様子)

発表の様子1  発表の様子2  発表の様子3

 

(質疑応答)

質疑応答の様子1  質疑応答の様子2

 

(パネル展示)

パネル展示の様子1  パネル展示の様子2