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アスベストの有無を簡単に検知できるタブレット顕微鏡
建築物等解体におけるアスベスト対策について
大気汚染防止法では、アスベスト対策として建築物等解体における事前調査が義務付けられています。しかしながら、アスベスト除去作業は短期間で終了するということもあり、敷地境界でのアスベスト濃度の測定は義務付けられていません。
そこで県では、飛散防止対策が十分行われているか確認するため、アスベスト濃度の測定を実施し、アスベスト漏えい監視を行っています。
迅速なアスベスト分析法について
公定法ではありませんが、2016年以降は広島大学の支援を受けて、迅速分析が可能な可搬型蛍光顕微鏡(以下、「iFM」という。)を導入し、解体現場及び周辺の大気中のアスベスト調査を実施しています。
公定法では、試料採取からアスベストの計測まで数日かかっていたのに対し、iFM法では、試料採取からアスベストの計数までを1時間以内に行うことが可能であり、より迅速なアスベスト漏えい監視につなげています。
その原理は、アスベストに特異的に結合するタンパク質を用いた蛍光染色により、アスベスト繊維を検出・計数するものです。iFM法ではiPad®が装備されており、計数をタブレットの画面で行うことができるほか、確認されたアスベスト繊維の画像をその都度保存することができます。また、試料採取から分析まで全て現場で行えるように特殊な設備を必要とせず工夫されており、取り扱いが容易です。
また、2017年7月に改訂されたアスベストモニタリングマニュアル第4.1版でも参考法として紹介されています。
iFM
iFMの計測の様子
試料採取風景(前室)
アスベスト対策の今後について
アスベストが使用されている建築物等の解体件数は、今後増加し2028年頃にピークを迎えるとされているので、iFMを十分活用し、正確かつ迅速なアスベスト漏えい監視を徹底します。