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食用と判断できない植物は食べないでください。

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0000293 更新日:2020年8月1日更新

毒のある植物による食中毒に気を付けましょう。

 食中毒と聞くと、大腸菌O-157やノロウイルスといった細菌やウイルスなどを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。食中毒は「細菌」、「ウイルス」だけでなく、「自然毒」、「化学物質」、「寄生虫」がその原因となります。※1

 「自然毒」は、自然界に天然に存在する毒成分であり、これを食べてしまうことで食中毒になります。「自然毒」はさらに「動物性自然毒」と「植物性自然毒」に分けることができます。「動物性自然毒」は魚類(フグなど)や貝などが持っている毒のことです。「植物性自然毒」はキノコ、カビ、植物が持っている毒のことです。

 植物性自然毒による食中毒は、食べられる山菜、野草、キノコなどと間違えて毒草や毒キノコを食べてしまうことで発生します。

 近年のアウトドアブームや自然食ブームにより、山菜採りやキノコ狩りを楽しむ方が増えてきました。また、ガーデニングブームにより私達の身の回りには食用以外の植物があふれています。植物は似たような形状のものが多いため、毒を持つものと食用のものを見分けることは非常に難しいです。現に、家庭菜園で野菜と観賞植物を一緒に植えており、それらの形状が似ていることから毒のある観賞植物を食べてしまう事故が国内で毎年発生しています。

食用と間違えやすい植物

以下に、食用と間違えやすい植物をいくつかお示しします。※2

食用と判断できない植物や植えた覚えがない植物は、「採らない」「食べない」「売らない」「人にあげない」を徹底してください。また、植物性自然毒による食中毒は死亡することもあるため、野草を食べて体調が悪くなったらすぐに医師の診察を受けてください。

ドクツルタケの画像

ドクツルタケ

症状:食後6~24時間後にコレラ様の症状(おう吐、下痢、腹痛)が現れるが1日でおさまり、その後24~72時間で内臓の細胞が破壊され肝臓肥大、黄疸、胃腸の出血などの肝臓、腎臓機能障害の症状が現れ、死亡する場合がある。催吐、胃洗浄、活性炭投与など適切な処置が必要である。

間違えやすい食用キノコ:シロマツタケモドキ、ハラタケ、ツクリタケ

チョウセンアサガオの画像

チョウセンアサガオ(つぼみ)

症状:口渇、瞳孔散大、意識混濁、心拍促進、興奮、麻痺、頻脈

間違えやすい食用植物:オクラ

バイケイソウの画像

バイケイソウ

症状:吐き気、嘔吐、手足のしびれ、呼吸困難、脱力感、めまい、痙攣、血圧低下など。重症の場合は意識不明となり、死亡する。

間違えやすい食用植物:ギョウジャニンニク、オオバギボウシ

写真下はスイセンと写真上はニラの画像

スイセン(写真下)

症状:悪心、嘔吐、下痢、流涎、発汗、頭痛、昏睡、低体温

間違えやすい食用植物:ニラ(写真上)

クワズイモの画像

クワズイモ

症状:悪心、嘔吐、下痢、麻痺、皮膚炎など

間違えやすい食用植物:サトイモ

クワズイモの細胞の画像

クワズイモ細胞

針状結晶(シュウ酸カルシウム)

参考リンク

※1 平成29年(2017年)食中毒発生状況 (厚生労働省)<外部リンク>
※2 自然毒のリスクプロファイル(厚生労働省)<外部リンク>