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ノロウイルスが流行しています
ノロウイルスの季節です
ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。
ノロウイルスは、手指や食品などを介して、少ないウイルス量でも経口感染し、腸内で増殖し、一般的に24~48時間後に、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。下痢等し、手やお尻、衣服、便器周辺等がウイルスで汚染されると、他のヒトへの感染源となる可能性があることが報告されています。
また、下痢等の症状がなくなっても、通常では1週間程度、長いときには1ヶ月程度
ウイルスの排泄が続くことがあるといわれています。
今年度、県内でもノロウイルスを原因とする食中毒が発生しており、食品取扱者等は、より一層の注意が必要です。
手洗い・消毒が重要です。
手洗いは、手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。特に、トイレ後や食事前、調理前には、正しく手を洗って感染予防、汚染防止に努めましょう。
また、感染防止のためには、食品調理器具やトイレのドアノブ、水を流すレバー等の消毒も重要です。一般的な消毒には、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いられることがありますが、ノロウイルスの消毒方法としては、次亜塩素酸ナトリウムや熱による処理が推奨されています。
正しい手洗い手順、消毒の方法等は、厚生労働省のホームページにリーフレットがありますので、御活用ください。
感染性胃腸炎(特にノロウイルス)について (外部リンク)<外部リンク>
当研究所では、ノロウイルスの検査をしています
ノロウイルス検査は、主に
- 感染症発生動向調査(*1.)
- 感染症・食中毒疑いの場合の原因究明のための場合に実施をしています。
(*1. 感染症法に基づき、規定された疾患の患者が、どのくらい発生したのかを調査するものです。)
ノロウイルスの遺伝子を検出します。
ウイルスには、培養した細胞で増やすことができるものもありますが、ノロウイルスは、細胞などで増やすことが困難なため、PCR法(*2)という方法を用いて、ノロウイルスの遺伝子を検査します。当研究所では、主にこの機器を用いて、リアルタイムPCR法で検査しています。(*2 PCR法とは、Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略で、少ないDNAを短時間(数時間)で大量に増やすことで、高感度に検出する方法のことです。)
ノロウイルスには多くの遺伝子の型があり、ヒトに感染する主要なノロウイルスは、現在、2 つの遺伝子群(GI とGII)、さらにGI は9 種類(GI.1~GI.9)、GII は22 種類(GII.1~GII.22)の遺伝子型に分類されています。上述の機器では、遺伝子群(GI とGII)までしか決定できないので、この機器を用いて、さらに詳しい遺伝子型を決定しています。
このような結果がでます(図は例示です)。
今年度は、何の型のノロウイルスが多く検出されるのでしょうか。なにより、流行しないことが望ましいです。