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日本紅斑熱について
原因
細菌の一種であるリケッチア・ジャポニカ(Rickettsia japonica:Rj)を持ったマダニ類(写真1)に吸血されることによって起こる病気です。
日本紅斑熱に似た病気として、ダニの仲間であるツツガムシの幼虫の吸血によって感染するツツガムシ病がありますが、症状が似ているため臨床判断は困難といわれています。
これらの病気は、ヒトからヒトへの感染することはなく、全てのマダニ類が病原体を持っているものではありませんが、治療が遅れると稀に重症化することがあるため、早期治療が重要です。
マダニの生態
マダニ類は卵→幼虫→若虫→成虫と成長します。卵からかえった後は、成長のステージ毎に1回の吸血を必要とします。Rjを持ったマダニは、卵を介して親から子に病原体を受け継いでいるので、どのステージのマダニに吸血されても、感染する可能性があります。
症状
まず発熱(38~40℃)・倦怠感などインフルエンザと似たような症状がでます。発熱の、翌日から数日後に痒みのない、やや膨隆した赤い発疹(写真2,3)が全身にでてきます。マダニに刺されて発病しますので、体のどこかに刺し口や痂皮(かさぶた 写真4)がみられます。刺し口は痒みや痛みを伴うことがあります。その他、頭痛、咽頭痛、吐き気、食欲低下、意識障害などがみられることがあります。
血液検査では、肝機能障害や血小板数低下、炎症反応の上昇などがみられます。
発生状況
南九州、四国・中国地方および紀伊半島での発生が多く報告されています。
- 県内の日本紅斑熱の発生時期は春~秋で、特に夏~秋かけて発生が多い傾向があります。一方、ツツガムシ病は秋~春に発生が多いようです。(表)
- 県内の日本紅斑熱患者は、主に天草地域から多く報告されています。(図)
予防対策
山野での農林作業、山菜取りなどでの感染が多いことがわかっています。
- 山野に行く時は長ズボン・長袖シャツなどで肌の露出を少なくしましょう。すべすべした白系の服は、綿や毛の服よりもマダニが付き難く、また、マダニが付いた時に見つけやすいようです。
- 帰宅後は早めに着替え、入浴しましょう。
- むやみに直接地面に座ったり、寝転んだりしないようにしましょう。
- 虫除けスプレー(DEET剤)も有効です。(DEET剤はヒトにより、アレルギーや肌荒れを起こすことがあります。)
その他
この情報に関連する情報
- 国立感染症研究所:日本紅斑熱<外部リンク>
- 厚生労働省:ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全性について<外部リンク>