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世界遺産とは

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0083287 更新日:2021年1月26日更新

はじめに

 熊本県には、平成27年に登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産である「万田坑」(荒尾市)及び「三角西港」(宇城市)ならびに、平成30年に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産である「天草の崎津集落」(天草市)の3件の構成資産があります。
 そして、「阿蘇カルデラ」は世界文化遺産登録の前提となる暫定一覧表への記載実現に向け、学術的検討や構成資産の文化財指定(選定)等に継続的に取り組んでいるところです。
 それでは、その「世界遺産」とはどういったものなのでしょうか。以下の項目で、「世界遺産の種別」や「日本にある世界遺産」等について紹介します。

世界遺産とは・・・

 世界遺産とは、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から引き継がれた貴重な宝物であり、国際協力を通じた保護の下、国境を越え、今日に生きる世界のすべての人々が共有し、次の世代に受け継いでいくものです。
 ユネスコの「世界遺産委員会」が、各締約国からの推薦に基づき、「顕著な普遍的価値」を有する文化遺産、自然遺産、複合遺産を「世界遺産一覧表」に記載することを世界遺産登録といいます。
令和3年1月現在、世界で1121件(文化遺産:869件, 自然遺産:213件, 複合遺産:39件)が登録されています。
※令和元年度の新規登録数は29件(文化24件、自然4件、複合1件)

・・・ 目 次 ・・・

御覧になりたい項目をクリックしてください。
1 世界遺産条約
2 世界遺産の種別
3 世界文化遺産の主な登録条件
4 世界文化遺産の登録基準
5 世界遺産暫定一覧表追加のための審査基準
6 世界文化遺産の推薦・登録の手続き
7 日本にある世界遺産
8 日本の世界遺産暫定一覧表記載物件
9 関連リンク先

1 世界遺産条約(正式名:世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約)

 文化遺産や自然遺産を人類全体のための世界遺産として、損傷・破壊等の脅威から保護し、保存することが重要との観点から、国際的な協力・援助の体制を確立することを目的とする条約。 (令和3年1月現在、締約国:193カ国)

世界遺産の種別 —文化遺産・自然遺産・複合遺産—

○文化遺産
【記念工作物】
 建築物、記念的意義を有する彫刻及び絵画、考古学的な性質の物件及び建造物、金石文、洞穴住居ならびにこれらの物件の組み合わせであって、歴史上、芸術上又は学術上顕著な普遍的価値を有するもの。
【建造物群 】
 独立した建造物の群又は連続した建造物の群であって、その建築様式、均質性又は景観内の位置のために、歴史上、芸術上又は学術上顕著な普遍的価値を有するもの。
【遺跡】
 人間の作品、自然と人間との共同作品及び考古学的遺跡を含む区域であって、歴史上、芸術上、民族学上又は人類学上顕著な普遍的価値を有するもの(文化的景観を含む)。

○自然遺産
 物理的な生成物、生物の生成物又はそれらの群から成る自然物であって、鑑賞上又は学術上顕著な普遍的価値を有するもの。
 地質学的、地形学的形成物及び絶滅のおそれのある動植物種の生息地を構成する区域が明確な地域であって、学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有するもの。
 自然地及び区域が明確な自然の地域であって、学術上、保全上、又は自然美において顕著な普遍的価値を有するもの。

○複合遺産
 文化遺産と自然遺産の要素を両方兼ね備えたもの。

3 世界文化遺産の主な登録条件

・顕著な普遍的価値の証明(国家間の境界や時代を超え、人類全体にとって重要な文化遺産であること)
・「世界遺産条約の履行のための作業指針」(UNESCO作成)に記載されている評価基準・審査基準への適合
・資産の真実性・完全性の証明(過去の文献等で資産の存在や価値が証明できる、意匠・材料等がオリジナルな状態を保っている、顕著な普遍的価値を表現するための要素が含まれている等)
・国内法により万全の保護処置が図られていること(文化財保護法等)
・上記の資産の周囲にこれを保護するための緩衝地帯:バッファ・ゾーンを設けること(景観保全のための条例による利用規制など)。
・保存管理計画を策定すること。

4 世界遺産の登録基準

・1~6 文化遺産の登録基準
・7~10 自然遺産の登録基準
(1)人類の創造的才能を表す傑作であるもの
(2)建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値観の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すもの
(3)現存するか消滅しているかにかかわず、ある文化的伝統又は、文明の存在を伝承する物証として無二の存在(少なくても稀有な存在)であるもの
(4)歴史上の重要な段階を物語る建造物、その集合体、科学技術の集合体、或いは、景観を代表する顕著な見本であるもの
(5)あるひとつの文化(又は複数の文化)を特徴付けるような伝統的居住形態若しくは、陸上・海上の土地利用形態を代表する顕著な見本である。又は、人類と環境とのふれあいを代表する顕著な見本であるもの。 (特に、不可逆的な変化によりその存在が危ぶまれているもの。)
(6)顕著な普遍的な意義を有する出来事行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、或いは文学的作品と直接又は実質的関連があるもの(この基準は他の基準とあわせて用いることが望ましい)
(7)最上級の自然現象、又は、類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含する。
(8)生命進化の記録や、地形形成における重要な進行中の地質学的過程、あるいは重要な地形学的又は自然地理学的特徴といった、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本である。
(9)陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化、発展において、重要な進行中の生態学的過程又は生物学的過程を代表する顕著な見本である。
(10)学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する。

5 世界遺産暫定一覧表追加のための審査基準

 審査基準の各項目(1)~(8)の要件を全て充足する場合→「審査に適合」
(1)提案文化資産は、複数の資産で構成され、世界遺産条約第1条に記す記念工作物、建造物群、遺跡のいずれかに該当するものであること。
(2)「顕著な普遍的価値(Outstanding Universal Value)」を持つ可能性が高い文化資産であること。
(3)「ユネスコ作業指針」が示す評価基準1~6の一つ以上に該当する可能性が高い文化資産であること。
(4)提案文化資産が、日本のみならず周辺地域の歴史・文化を代表し、独特の形態・性質を示す文化資産であると認められること。
(5)真実性/完全性の保持に関する証明が高いこと。
(6)構成資産について、国内法により、万全の保護措置が図られていること(文化財保護法等)。または、その候補としての評価が可能であること。
(7)提案文化資産の全体について、保存管理・整備活用に関する考え方が示されていること。さらに、包括的な保存管理計画及び個々の構成資産についての保存管理計画の策定を行う旨の明言されていること。
(8)上記(7)の保存管理・整備活用に関する考え方の中に、周辺環境とも一体的な保全の方向性が示されていること。さらに、関係地方公共団体が、構成資産と一体を成す周辺環境に係る保全措置の方法を積極的に検討していく旨の明言していること。

6 世界文化遺産の推薦・登録の手続き

締約国において「暫定一覧表」を作成し、世界遺産委員会に提出
  ↓
「暫定一覧表」のうち、条件が整った資産について推薦書を作成
  ↓
我が国として推薦を決定(文化審議会での審議等)
  ↓
世界遺産委員会に推薦書を提出(確定版:翌年2月1日 締切)
※現在、1回の委員会における各国の推薦物件は1件(文化遺産・自然遺産いずれか1件)まで
※平成28年度までは、各国の推薦物件は2件(文化遺産・自然遺産1件ずつ)まで
  ↓
icomos *(イコモス:国際記念物遺産会議)による審査(現地審査を含む)
* 世界遺産条約に定める世界遺産委員会の諮問機関で、推薦資産の価値評価をはじめ、登録遺産の保存管理状況等に関し、世界遺産委員会に対して
勧告を行う非政府機関
  ↓
世界遺産委員会(翌年7月頃開催)で審査・登録の可否を決定

7 日本にある世界遺産

日本にある世界遺産一覧表
遺産名 所在地 登録年月 種別
法隆寺地域の仏教建造物 奈良県 平成5年(1993年)12月 文化遺産
姫路城 兵庫県 平成5年(1993年)12月 文化遺産
白神山地 青森県、秋田県 平成5年(1993年)12月 文化遺産
屋久島 鹿児島県 平成5年(1993年)12月 文化遺産
古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市) 京都府、滋賀県 平成6年(1994年)12月 文化遺産
白川郷・五箇山の合掌造り集落 岐阜県、富山県 平成7年(1995年)12月 文化遺産
原爆ドーム 広島県 平成8年(1996年)12月 文化遺産
厳島神社 広島県 平成8年(1996年)12月 文化遺産
古都奈良の文化財 奈良県 平成10年(1998年)12月 文化遺産
日光の社寺 栃木県 平成11年(1999年)12月 文化遺産
琉球王国のグスク及び関連遺産群 沖縄県 平成12年(2000年)12月 文化遺産
紀伊山地の霊場と参詣道 三重県、奈良県、和歌山県 平成16年(2004年)7月 文化遺産
知床 北海道 平成17年(2005年)7月 自然遺産
石見銀山とその文化的景観 島根県 平成19年(2007年)7月 文化遺産
平泉‐仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群‐ 岩手県 平成23年(2011年)7月 文化遺産
小笠原諸島 東京都 平成23年(2011年)7月 自然遺産
富士山‐信仰の対象と芸術の源泉‐ 静岡県、山梨県 平成25年(2013年)6月 文化遺産
富岡製糸場と絹産業遺産群 群馬県 平成26年(2014年)6月 文化遺産
明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業

岩手県、静岡県、山口県、福岡県

佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県

平成27年(2015年)7月 文化遺産
ル・コルビュジエの建築作品(国立西洋美術館本館) 東京都 平成28年(2016年)7月 文化遺産
神宿る島 宗像・沖ノ島と関連遺産群 福岡県 平成29年(2017年)7月 文化遺産
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 長崎県、熊本県 平成30年(2018年)6月 文化遺産
百舌鳥・古市古墳群 大阪府 令和元年(2019年)7月 文化遺産

 

8 日本の世界遺産暫定一覧表記載物件

 令和3年1月現在、日本には23件の世界遺産があります。(自然遺産4件、文化遺産19件)
 世界遺産条約を締約した国は、将来世界遺産リストに登録する計画のある物件を「暫定一覧表」としてユネスコに提出します。事前に暫定一覧表に記載されていないと、世界遺産委員会へ推薦書を提出しても審査されません。
○現在の日本の暫定リスト (R3.1現在)
<文化 6件>
「古都鎌倉の寺院・神社ほか」(神奈川県、平成4年)
「彦根城」(滋賀県、平成4年)
「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」(奈良県、平成19年)
「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」(北海道、青森県、岩手県、秋田県、平成21年)
「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」(新潟県、平成22年)
「平泉ー仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺産群ー」(拡張)(岩手県、平成24年)
<自然 1件>
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島県、沖縄県、平成25年)

9 関連リンク先

 世界遺産に関する様々な情報は、下記のホームページに掲載されておりますので、ご覧ください。
(社)日本ユネスコ協会連盟<外部リンク>
文化庁(文化遺産オンライン)<外部リンク>