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杖立橋+Pホール
杖立橋+Pホール

阿蘇外輪山の外側に位置する小国町。
「地域文化の醸成」、「文化の香る生活環境の演出」等を柱に、地域固有の資源や条件を活かした独自の地域づくり「悠木の里づくり」を展開している。
 数多くの木造建築群は全国的に高い評価を得ている。
 杖立橋は小国町の奥座敷、杖立温泉街を分けるように流れる筑後川(通称杖立川)にかかる。
 夕暮れ時には、柔らかな照明に照らし出された橋の姿が、温泉街の灯と共に、昼とは違う表情を見せる。
 また、橋のかけ替えを契機に、様々な議論が盛り上がり、橋と一体化するように建設された多目的施設Pホールの壁面には、地域の"人々"の"パワー"が表現されている。
建築概要
橋と建築を一つの構成として捉え、地域の活性化につながるように、また街全体のランドスケープ計画の起点となるよう計画した。渓谷に架かる橋は、流れる川と直交するオブジェとして位置付ける。そして流れる川や対岸からの眺め、街の持つコンテクストより「面としての壁」を、橋を受け止めるように(川と平行に)配置。その裏側に、高低差のある北側道路と橋のレベルを結ぶ動線を確保。緩やかなカーブで折れ曲がる一枚のスラブに包まれた多目的スペースは、小国杉の丸太の斜材によって上空に持ち上げた。
<建築データ>
| 名称 | 杖立橋+Pホール | 
| 所在地 | 阿蘇郡小国町大字下城字湯鶴杖立 | 
| 主要用途 | 遊歩道 | 
| 事業主体 | 小国町 | 
| 設計者 | 新井清一+シダ橋梁設計センター | 
| 施工者 | 下部工事/杉野建設 | 
| 上部工事/前田建設工業 | |
| 橋長 | 53.5m | 
| 幅員 | 3.2m | 
| 構造 | 2径間連続鋼斜張橋 | 
| 床仕上 | 自然石張り | 
| 施工期間 | 1994年9月~1996年3月 | 
| 総工事費 | 234百万円 | 
| 主要用途 | 多目的ホール | 
| 事業主体 | 小国町 | 
| 設計者 | 新井清一 | 
| 施工者 | |
| 建築 | 橋本建設 | 
| 機械 | パインライフシステム | 
| 電気 | 九電工 | 
| 敷地面積 | 157平方メートル | 
| 建築面積 | 95平方メートル | 
| 延面積 | 131平方メートル | 
| 階数 | 地上3階 | 
| 構造 | 鉄骨造、鉄筋コンクリート造 | 
| 外部仕上 | |
| 屋根 | 亜鉛合金板横一文字葺 | 
| 外壁 | コンクリート打放、セメント中空成形板他 | 
| 施工期間 | 1995年11月~1996年3月 | 
| 総工事費 | 94百万円 | 
<建築家プロフィール>
| 新井 清一(あらい きよかず) | ||
| 1950年 | 横浜生まれ | |
| 1983年 | Sci-Arc(南カルフォルニア建築大学)修士課程修了 | |
| 1981~91年 | Morphosis役員 | |
| 1985~91年 | Sci-Arcインストラクター | |
| 1991年 | Arai-Architects開設 | |
| 1995年 | 京都精華大学美術学部助教授 | |
| 主な作品 杖立橋+杖立多目的ホール、塚本邸、千葉ゴルフクラブプロジェクト  | 
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| 受賞歴 | ||
| 1985、87年 | ロサンジェルス建築学会賞 | |
| 1991年 | 那須野が原ハーモニーホールコンペ入賞 | |
| 1992年 | 中原中也記念館コンペ入賞 | |
| 1993年 | 新潟市民文化ホールコンペ優秀賞 | |
| 1994年 | 東北歴史博物館特別選賞 | |
| 1996年 | 霧島彫刻ふれあいの森アートホールコンペ優良賞 | |
Photo:清島靖彦

