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石打ダム資料館
新設されたJR石打ダム駅から山あいに入ると、石打ダムが突然姿を現す。その隣に立つ石打ダム資料館は、ダムの働き、治水・利水の仕組みなど、暮らしと水の関わりについて楽しく学習しながら、同時にダムとその周辺の自然を眺望するための施設である。
また、公園化されたダム湖周辺の拠点として、ここを訪れる人々のいこいの場所でもある。
三角町の観光ポイントがまた新たにお目見えした。
また、公園化されたダム湖周辺の拠点として、ここを訪れる人々のいこいの場所でもある。
三角町の観光ポイントがまた新たにお目見えした。

建築概要
この資料館は、巨大なダムとそれを取り巻く緑豊かな自然が融け合う、美しい環境に包まれている。資料館の中で、展示ホールと展望ロビーの二つは特に重要な構成要素。ダイナミックに変化する空間の質にポイントが置かれた、単純化された幾何学的な構成である。
展示ホールは様々な情報を来館者に伝達する空間で、Rcフラットスラブ構造による4.4mの天井高を持つ。展望ロビーはダムや自然景観に出会う開放的な空間となるよう、直径4mの円筒形の鉄骨構造で軽快に空中に浮遊している。この二つの空間に挟まれた大きな湾曲した壁は、構造上は有効な耐力壁であり、目前に広がる自然を手のひらの様に受けとめる意匠である。
建築データ


名称 |
石打ダム資料館 |
---|---|
ふりがな |
いしうちだむしりょうかん |
所在地 |
宇城市三角町中村字八久保3629−2 |
主要用途 | 資料館 |
事業主体 | 熊本県、三角町(現・宇城市) |
設計者 | 入江経一 |
施工者 | |
建築 |
マコト建設 |
電気 |
鍬田電設 |
機械 |
天草設備 |
昇降機 |
三菱電気 |
敷地面積 | 1,481平方メートル |
建築面積 | 520平方メートル |
延面積 | 455平方メートル |
階数 | 地上2階 |
構造 |
鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造 |
外部仕上 | |
屋根 |
シート防水シンダーコンクリート金ごて押え |
外壁 |
コンクリート打放し撥水剤二重塗布の上一部Aep |
施工期間 | 1992年10月~1993年3月(展示工事を除く) |
総工事費 | 247百万円(展示工事を除く) |
受賞データ
1994年 第4回松井源吾賞
アーキテクチャーオブザイヤー賞
1995年 日本建築学会作品選集
建築家プロフィール
入江 経一(いりえ けいいち)
東京芸術大学大学院建築科修了
東京工業大学篠原研究室
【主な作品】
参宮橋の住宅(東京)、千葉の住宅、玉川学園集合住宅(神奈川)、キャラバン(Sydny)、トランスフィギュレーション(Brusseles)、Bean House(東京)、W House(東京)
1991年 | 東京建築士会特別賞 |
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1993年 |
アーキテクチャーオブザイヤー賞 |
1996年 | 吉岡賞 |
Photo:みずのインダストリー、石丸捷一