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教会の見えるチャペルの鐘展望公園
教会の見えるチャペルの鐘展望公園

碧さを湛える天草灘。
その入り江にある小さな漁港。
崎津地区は、ひっそりとした静かな海の町であるとともに江戸時代よりキリスト教を信仰篤く守ってきたキリシタンの町である。
人々の暮らしの中に溶け込んで佇む崎津教会堂から、505段の石段を登ると東シナ海を見渡すように、鐘楼がそびえている。
対岸の道路から望む町は、さながら風景画のような佇まいを見せている。
建築概要
 展望公園の平面形状は漁村のイメージを魚の形状で構成し、できるだけ現状の地形や原生の植物を活かすようにデザインした。
 チャペルのデザインは河浦町がキリシタン発祥の地であることから、木製の十字架をシンボルとした。十字架を中心とした円形ステージの前には、約130人程度座れるベンチがあり、休憩、屋外礼拝、結婚式、集会、コンサートなど多目的に 利用できる機能を持たせた。
 天然檜材の巨大な十宇架は時の流れとともに自然と融合し、洋鐘の音は定時にこの周辺に響きわたり、ランドマークとして永く人々に語り継がれることを願う。
<建築データ>
| 名称 | 教会の見えるチャペルの鐘展望公園 | 
| ふりがな | きょうかいのみえるちゃぺるのかねてんぼうこうえん | 
| 所在地 | 天草市河浦町崎津字村上295 | 
| 主要用途 | 公園 | 
| 事業主体 | 河浦町(現・天草市) | 
| 設計者 | 梅田正徳+スペースデザイン設計事務所 | 
| 施工者 | |
| 展望広場 | 大昌建設 | 
| 遊歩道 | 大宝建設、北野建設 | 
| ポケットパーク | 竹下組 | 
| 便所 | 小山建設 | 
| 電気 | 天草設備 | 
| 給排水衛生 | 脇上設備 | 
| 敷地面積 | 652平方メートル(展望広場部分) | 
| 建築面積 | 41平方メートル(四阿、便所) | 
| 延面積 | 41平方メートル(四阿、便所) | 
| 鐘楼高さ | 15.48m | 
| 階段 | 505段 | 
| 構造 | 鉄骨造(鐘楼) | 
| 仕上 | 桧板貼(鐘楼) | 
| 施工期間 | 1991年10月~1993年3月 | 
| 総工事費 | 392百万円 | 
<建築家プロフィール>
| 梅田 正徳(うめだ まさのり) | ||
| 1941年 | 神奈川県生まれ | |
| 1962年 | 桑沢デザイン研究所卒業 | |
| 1967年 | A&Pgカスティリオーニ事務所入所 | |
| 1970年 | オリベッティ社コンサルタントデザイナー | |
| 1981年 | メンフィスに参加 | |
| 1986年 | ユーメタデザイン設立 | |
| 主な作品 メンフィスの家具「俵屋」、エドラ社の椅子「花」シリーズなど28の作品が世界屈指の美術館に永久保存されている  | 
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| 受賞歴 | ||
| 1968年 | 第1回ブラウン大賞 | |
| 1990年 | 日本インテリアデザイナー協会賞、Gマーク公共空間部門大賞 | |
Photo:石丸捷一

