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熊本地震 『みんなの家』 利活用プロジェクト
熊本地震により応急仮設住宅団地内に整備した「みんなの家」の利活用を進めています!
本県では、くまもとアートポリス事業の一環として、東日本大震災や熊本広域大水害において、被災された方々が集い、新しい生活を回復するための憩いの場として「みんなの家」プロジェクトに取り組みました。熊本地震においても応急仮設住宅団地内の集会施設をすべて木造の「みんなの家」として整備し、その数は84棟となりました。
熊本地震からの住まいの再建が進む中、応急仮設住宅団地の閉鎖に伴って、この「みんなの家」は当初の役割を終えることとなりますが、被災された方々の憩いの場として大切に活用されてきた「みんなの家」を後世に遺すとともに、新たなコミュニティ形成の場や地域づくりの拠点となるよう、移築等による利活用を進めています。
利活用された『みんなの家』一覧 (令和5年3月31日時点)
番号 | 利活用名称 |
活用場所 |
活用元 | 竣工日 |
---|---|---|---|---|
1 | 西原村小森団地 | 西原村 |
|
※ |
2 | 阿蘇市再建支援住宅 | 阿蘇市 |
|
※ |
3 | 菊陽南小学校放課後児童クラブ | 菊陽町 |
|
R2.4.16 |
4 | 袴野集会所 | 西原村 |
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R2.7.27 |
5 | 星田公民館 | 西原村 |
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R2.7.31 |
6 | 田中行政区公民館 | 益城町 |
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R2.8.31 |
7 | 日向みんなの家 | 西原村 |
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R2.9.30 |
8 | 七滝中央小学校放課後児童クラブ | 御船町 |
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R2.11.30 |
9 | 御船町ふれあい広場交流センター | 御船町 |
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R2.12.9 |
10 | 益城中央小学校放課後児童クラブ | 益城町 |
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R2.12.16 |
11 | 府領公民館 | 甲佐町 |
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R2.12.28 |
12 | 北早川公民館 | 甲佐町 |
|
R3.1.25 |
13 | 茶屋の本公民館 | 御船町 |
|
R3.2.28 |
14 | 新阿蘇大橋展望所休憩施設 | 南阿蘇村 |
|
R3.2.24 |
15 | ふれあい広場集会所 | 大津町 |
|
R3.2.18 |
16 | 岩坂地区集会所 | 大津町 |
|
R3.3.4 |
17 | 牛ケ瀬2区みんなの家 | 御船町 |
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R3.3.12 |
18 | 浄光寺公民館 | 御船町 |
|
R3.3.15 |
19 | 市ノ後団地公民館 | 益城町 |
|
R3.3.15 |
20 | 下砥川公民館 | 益城町 |
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R3.3.17 |
21 | 南阿蘇村防災備蓄倉庫 | 南阿蘇村 |
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R3.3.18 |
22 | 嘉島中学校コミュニティ施設 | 嘉島町 |
|
R3.3.25 |
23 | 御船町 |
|
※ | |
24 | 久木野放課後児童クラブ | 南阿蘇村 |
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R3.5.25 |
25 | 緑ヶ丘地区公民館 | 西原村 |
|
R3.5.27 |
26 | つどいの広場サンサン | 宇土市 |
|
R3.6.25 |
27 | 益城町情報交流センター体験学習施設 | 益城町 |
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R3.7.26 |
28 | 風当地区自主防災組織強化コミュニティ施設 | 西原村 |
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R3.7.26 |
29 | 古閑地区自主防災組織強化コミュニティ施設 | 西原村 |
|
R3.7.26 |
30 | 田原地区集会所 | 益城町 |
|
R3.7.26 |
31 | 震災遺構ガイダンス施設 | 益城町 |
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R3.9.27 |
32 | 寺迫公民館 | 益城町 |
|
R3.9.28 |
33 | 平田柳水集会所 | 益城町 |
|
R3.10.4 |
34 | 内寺安心館(公民館) | 益城町 |
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R3.10.7 |
35 | にぎわい拠点施設シェアオフィス | 益城町 |
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R3.11.9 |
36 | にぎわい拠点施設コワーキングオフィス | 益城町 |
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R3.11.9 |
37 | 宮内防災センター | 甲佐町 |
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R3.12.27 |
38 | 嘉島東小学校放課後児童クラブ | 嘉島町 |
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R3.12.28 |
39 | 阿蘇医療センター保育施設 | 阿蘇市 |
|
R4.1.13 |
40 | 三角コミュニティセンター | 宇城市 |
|
R4.3.4 |
41 | 不知火図書館 こども絵本のいえ | 宇城市 |
|
R4.3.4 |
42 | にぎわい拠点施設チャレンジショップ | 益城町 |
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R4.3.18 |
43 | 布田地区自主防災組織強化コミュニティ施設 | 西原村 |
|
R4.4.28 |
44 | 川内田公民館 | 益城町 |
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R4.5.16 |
45 | 瓜生迫地区自主防災組織強化コミュニティ施設 | 西原村 |
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R5.3.29 |
46 | 御船中学校コミュニティ施設 | 御船町 |
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R5.3.29 |
※ 番号1、2、23のみんなの家については、改修や移築等を行わず、引き続き現地で活用されています。
#46 御船中学校コミュニティ施設
規格型みんなの家(談話室タイプ)を御船中学校敷地内に移築し、御船中学校のコミュニティ施設として活用されました。
生徒の部活動や、地域の方の憩いの場として活用される予定です。
#45 瓜生迫地区自主防災組織強化コミュニティ施設
規格型みんなの家(集会所タイプ)を移築し、西原村瓜生迫地区の集会所や災害時の避難所を兼ねる防災組織コミュニティ施設に生まれ変わりました。内部を土間空間として防災用品などの収納スペースを確保し、併せてコミュニティ活動を行う集会スペースを整備しました。
#44 川内田公民館
規格型みんなの家(集会所タイプ)を移築し、益城町の川内田地区の集会所として生まれ変わりました。
もとの「みんなの家」のプランを生かして県産木材による、温かみのある空間となっています。
#43 布田地区自主防災組織強化コミュニティ施設
規格型みんなの家(集会所タイプ)を移築し、西原村の布田地区の集会所や災害時の避難所を兼ねる防災組織コミュニティ施設に生まれ変わりました。建物の半分を土間空間として防災用品などの収納スペースを確保し、併せてコミュニティ活動を行う集会スペースを整備しました。
#42 にぎわい拠点施設チャレンジショップ
規格型みんなの家・談話室タイプ2棟と集会所タイプの一部の部材を利用し、益城町の被災市街地におけるにぎわいを創出する拠点として、「チャレンジショップ」に生まれ変わりました。店舗開業を考えられている方がお試し出店を行ったり、ワークショップなどを行ったりする場として活用される予定です。復興土地区画整理地内の高台の敷地からの眺望を生かした、オープンなデッキ空間が印象的で、周辺地域の交流拠点としても期待されます。
#41 不知火図書館 こども絵本のいえ
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟と木造仮設住宅を合築し、くまもとアートポリスプロジェクトでもある不知火美術館・図書館の敷地内に、「こども絵本のいえ」として生まれ変わりました。施設の運営管理を行うCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)により計画が進められ、地域の方からの「図書館に子どもの居場所が少ない」との声を受け、子どもたちがのびのびと過ごせる、絵本専用の図書館となりました。広いデッキスペースを介して、芝生広場とつながり、イベントスペースとしての活用も期待されています。
#40 三角コミュニティセンター
規格型みんなの家(集会所タイプ)1棟と木造仮設住宅を合築し、地区のコミュニティセンターに生まれ変わりました。地区の方が歩いて集まり、日常的な交流に使える施設というニーズを踏まえて計画されました。主に地元の老人会や婦人会での活用を想定しており、入口が2つに分かれたプランとなっています。
#39 阿蘇医療センター保育施設
規格型みんなの家(談話室タイプ)2棟を移転及び合築し、阿蘇地域の災害拠点病院の役割を担う阿蘇医療センターの敷地内で保育施設に活用されました。地域の子育て支援の一環として、周辺地域の病児・病後児を対象とした保育や、医療従事者の方の保育所として活用される予定です。既存のみんなの家の部材や設備の多くを活用しながら、幼児用の手洗いやトイレなどが新設され、子どもたちが使いやすい施設に生まれ変わりました。
#38 嘉島東小学校放課後児童クラブ
規格型みんなの家(談話室タイプ)5棟を嘉島東小学校の放課後児童クラブに活用されました。小学校に隣接する移築先の敷地条件から、2棟と3棟に分けて合築し、2棟が向かい合う配置プランとなりました。屋外広場には、熊本地震の際に水上村から寄贈いただいき仮設住宅団地で活用された木造ベンチも設置される予定で、子どもたちの憩いの場として活用されることが期待されます。
#37 宮内防災センター
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟を移転及び一部増築し、地区の集会所や災害時の避難所、さらには隣接する公営住宅団地の集会所を兼ねる防災センターに生まれ変わりました。室内はバリアフリーに配慮したフラットな空間となり、多目的トイレやシャワー室も設置され、長期の避難にも対応できるようになっています。景色の良い南側に広く設置された縁側空間も印象的です。地区の新たな交流・防災の拠点として、幅広く活用されることが期待されます。
#36 にぎわい拠点施設コワーキングオフィス
規格型みんなの家(集会所タイプ)3棟を移転及び合築し、創造的復興を目指す益城町の中心市街地におけるにぎわいを創出する拠点として、「コワーキングオフィス」に生まれ変わりました。一体的に整備したシェアオフィスと合わせて、地元の工務店が設計から移築工事まで担当し、長ほぞ込栓打ちや金輪継ぎなど、金物を使用しない伝統的な接合を用いて施工されています。内部は様々な形での利用ができるよう、広さの異なる個室に分かれています。
#35 にぎわい拠点施設シェアオフィス
規格型みんなの家(集会所タイプ)3棟を移転及び合築し、創造的復興を目指す益城町の中心市街地におけるにぎわいを創出する拠点として、「シェアオフィス」に生まれ変わりました。もとのみんなの家の県産木材を活用し、温かみのある空間となっており、フリーアクセスで使えるデスクスペースなども設置されています。駐輪場もみんなの家の木材を活用して建築されました。一体的に整備されたコワーキングオフィスと合わせて益城町の創造的復興につながる拠点となることが期待されます。
#34 内寺安心館(公民館)
規格型みんなの家(談話室タイプ)2棟を移転及び合築し、内寺地区の公民館に生まれ変わりました。2棟分を合築したことを活かして、1棟分を広い台所のある集会室に、もう1棟分を大広間空間とし、県産木材による温かみのある空間となっています。
#33 平田柳水集会所
規格型みんなの家(談話室タイプ)2棟を移転及び合築し、平田地区の5集落で活用する集会施設に生まれ変わりました。施設の管理を行う、「平田・柳水郷づくり協議会」を中心に、地震断層により引き裂かれた桜の木などの地区内に表出した震災遺構や震災の記憶を後世に伝えながら、地区の活性化につなげていく取組みの拠点としても活用されています。
#32 寺迫公民館
規格型みんなの家(集会所タイプ)2棟を移転及び合築し、寺迫地区の公民館に生まれ変わりました。地域の方の意見を聞きながら設計を行い、みんなで集える大広間や明るく開放的なキッチンスペースが特徴的なプランとなっています。移築にあたっては、地元工務店の職人の方の技術を活かし、大阪城の大手門で使用されている婆娑羅継ぎや長ほぞ鼻栓止めなどの継手・仕口が使用されています。
#31 震災遺構ガイダンス施設
本格型みんなの家1棟を熊本地震により敷地内に地表地震断層が表出した潮井公園内に移築し、震災遺構ガイダンス施設に生まれ変わりました。語り部による震災遺構のガイダンスや地域住民の交流などに活用される予定です。移築にあたっては、当時のみんなの家の建設を行った棟梁の方が解体から移築まで携わられ、仮設団地内で大切に使われた「みんなの家」の面影が色濃く残る建物となりました。
#30 田原地区集会所
規格型みんなの家(集会所タイプ)2棟を移転及び合築し、地域の集会所に生まれ変わりました。敷地は熊本地震により整備された災害公営住宅団地に隣接しており、災害公営の入居者も利用することができます。
地域の方の意見を聞きながら設計を行い、大きなテーブルを設置して靴を脱がずにサロン活動ができることから、もとのみんなの家の特徴であった大きな土間空間を活かしたプランとなっています。
#29 古閑地区自主防災組織強化コミュニティ施設
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟を移築し、地震により甚大な被害を受けた西原村古閑地区の防災コミュニティ施設として生まれ変わりました。
解体から移築まで地元工務店により施工され、軸組として再利用できなかった柱なども部材も、表面を研磨して、内部の棚などに利用されています。
#28 風当地区自主防災組織強化コミュニティ施設
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟を移築し、地震により甚大な被害を受けた西原村風当地区の防災コミュニティ施設として生まれ変わりました。
建物の半分を土間空間として防災用品などの収納スペースを確保し、併せてコミュニティ活動を行う集会スペースを整備しました。
#27 益城町情報交流センター体験学習施設
規格型みんなの家(集会所タイプ)2棟を移転及び合築し、地域のコミュニティ活動や防災教育などを行う施設に生まれ変わりました。
熊本地震の際にはテント村も含めて益城町内で最大の避難所となり、現在はONE PIECE熊本復興プロジェクトによりサンジ像が設置されている益城町情報交流センター(ミナテラス)がある総合運動公園内に移築されました。
#26 つどいの広場サンサン
規格型みんなの家(談話室タイプ)を曳家により移転して、乳幼児の親子が利用される「つどいの広場」に生まれ変わりました。
建物の完成にあわせて、施設を利用される親子の参加によるワークショップが開催され、熊本県立大学佐藤研究室の協力により、6脚の幼児用椅子を製作しました。
椅子には宇土市の市花であるアジサイがデザインされ、座面以外の木材は仮設住宅の廃材が活用されています。
#25 緑ヶ丘地区公民館
規格型みんなの家(集会所タイプ)2棟を移転および合築し、西原村緑が丘地区の新たな公民館に生まれ変わりました。
地区の方の意見を聞きながら設計を行い、地区の方全員が集まることを想定した大広間はタイルカーペットとし、玄関ホールを介して台所スペースとつながるプランとなりました。
住宅地の公園内に建設され、建物の基礎の一部を高くすることで、敷地の高低差を解消するなど、できるだけコストを抑える工夫がされています。
#24 久木野放課後児童クラブ
規格型みんなの家(集会所タイプ)2棟を移転および合築し、久木野小学校の敷地内で放課後児童クラブとして活用されましました。
土台、柱、梁、母屋などほとんどの部材が再利用されており、ランドセルや絵本などを収納する棚が新たに壁面に造り付けられています。木の温かみが感じられる空間は利用される児童にも好評のようです。
#23 御船町コミュニティセンターひばり荘 滝川分室
御船町滝川仮設団地の規格型みんなの家(談話室タイプ)は引き続き現地で活用されています。
御船町社会福祉協議会が管理・運営する「コミュニティセンターひばり荘」の分室として、地域のコミュニティ活動やサロン活動を行う場として利用されています。
#22 嘉島中学校コミュニティ施設
熊本市と御船町の仮設団地にあった規格型みんなの家(談話室タイプ)2棟を移転および合築し、嘉島中学校内のコミュニティ活動や特別支援教育の拠点に生まれ変わりました。
もとの「みんなの家」の形状を活かした深い軒を杉の柱が支える平屋の外観が特徴的で、内部は杉羽目板張りの勾配天井により広がりと温かみのある空間となっています。建物入口には新型コロナウイルス感染対策に配慮し、手洗いが新設されています。
#21 南阿蘇村防災備蓄倉庫
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟を移転して、防災備蓄倉庫として活用されました。
熊本地震での経験・教訓を生かし、災害時に重要な避難場所となる南阿蘇村役場の敷地内に新たな防災備蓄倉庫として建設されました。倉庫でありながらも、もとの構造躯体を生かして切妻屋根の形状とし、「みんなの家」の面影を残しながら、南阿蘇村の周囲の景観に配慮した造りとなっています。
#20 下砥川公民館
規格型みんなの家(談話室タイプ)2棟を移転および合築して、益城町砥川地区の新たな公民館に生まれ変わりました。
地区の方の意見を聞きながら設計を行い、できるだけ面積を確保した大広間に小さな台所スペースと納戸がつながるプランとなっており、床は無垢材のフローリングとなっています。
町が定住促進を進めている地区内に移築され、新たな地域の拠点となることが期待されます。
#19 市ノ後団地公民館
規格型みんなの家(集会所タイプ)2棟を移転および合築して、益城町市ノ後団地地区の新たな公民館に生まれ変わりました。
地区の方の意見を聞きながら設計を行い、土間空間をなくして全面フローリングとし、玄関ホールを介して両側に大広間スペースと台所スペースがつながるプランとなっています。
もとの「みんなの家」のプランを生かして県産木材の登り梁を現した構造体は継承され、温かみのある空間となっています。
#18 浄光寺公民館
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟を移転して、御船町浄行寺区の新たな公民館に生まれ変わりました。
地区の方の意見を聞きながら設計を行い、地元工務店の手により移築されました。
もとの「みんなの家」の形状を生かしながら、外部からアクセスできる納戸スペースを新たに設けるなど、地区の使い方に合わせて改良されています。消防詰所のすぐ横の敷地に移築され、地区の新たなコミュニティ拠点となることが期待されます。
#17 牛ケ瀬2区みんなの家
規格型みんなの家(集会所タイプ)1棟を移転して、御船町牛ケ瀬2区の新たな公民館に生まれ変わりました。
地区の方の意見を聞きながら設計を行い、地元工務店の手により移築されました。少しでも内部の集会室を広くするため、玄関部分を敷地形状に合わせて増築しているため、もとの矩形から五角形の平面計画に改良されています。
内部は登り梁を現した開放感のある空間を生かし、寄贈を受けた絵画などが壁面に飾られています。新しい住宅も建ち並ぶ住宅地の中に移築され、周りからは子どもたちの声も聞こえてきます。
#16 岩坂地区集会所
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟を移転して、大津町岩坂地区の集会所として活用されました。
敷地は仮設住宅団地が建設されていた町有地で、仮設住宅解体後も地区のコミュニティ形成のために活用したいという地域の声により、敷地中央付近にあった「みんなの家」を曳家により場所を移して、地域の集会施設として利用されています。
曳家による移転のため、内観・外観はもとの「みんなの家」と同様に県産木材や畳表による温かみのある空間となっています。
#15 ふれあい広場集会所
規格型みんなの家(集会所タイプ)1棟を移転して、大津町外牧にあるふれあい広場内の集会所として活用されました。
特徴的だった黒の外壁や切妻屋根の外観、登り梁を現した開放感のある内部空間は継承しつつ、屋外からアクセスできるトイレを増設するなど、移転先のふれあい広場内における利便性に配慮して改良されています。
また、もとの「みんなの家」に寄贈された、椅子などの家具も引き続き利用されています。
#14 新阿蘇大橋展望所休憩施設
本格型みんなの家を移転して、地震により崩落した阿蘇大橋の架け替えに合わせて整備された新阿蘇大橋展望所(通称 ヨ・ミュール)の休憩施設として活用されました。
仮設住宅の縁側等に使用されていた木材を外壁の仕上げ材として活用したり、仮設団地の集会所として活用されていた当時の写真を壁紙にデザインして掲示するなど、熊本地震の記憶を語り継ぎ、未来へと繋がるような建築となっています。
3月7日には新阿蘇大橋の開通に合わせて展望所の落成式が開催され、南阿蘇村の新たなにぎわいの拠点になることが期待されます。
#13 茶屋の本公民館
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟を移転して、地震により既存の集会施設が被災した茶屋の本地区に新たな公民館が完成しました。
元の公民館は神社の敷地内で拝殿と接続するよう建てられていたとのことで、地区の方の意見を聞きながら設計を行い、地元大工の手により元の公民館に近い造りで移築されています。
#12 北早川公民館
規格型みんなの家(談話室タイプ)2棟を移転および合築して、甲佐町北早川地区の新たな公民館に生まれ変わりました。
深い軒や縁側、畳の間や内部の梁など、もとの「みんなの家」の特徴を生かした温かみのある空間となっています。
熊本地震の際に、県内高校書道部に揮毫していただいた「みんなの家」の表札を館内に掲示される予定です。
#11 府領公民館
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟と本格型みんなの家1棟を移転および合築し、地震により既存の公民館が被災した甲佐町府領地区の新たな公民館として生まれ変わりました。
地区住民の方の意見を伺いながら設計を行い、2棟の「みんなの家」をT字型に合築することで、80名程度が一堂に会することができる大広間や小さい集まりで利用できる小上がりの畳の間等、様々な地区の行事に対応できるプランとなりました。いくつかの案の中から住民の方に選んでいただいた梁・天井のカラフルな塗装が特徴的です。
もとの「みんなの家」の面影を残しつつ、明るく前向きな空間となっています。
#10 益城中央小学校放課後児童クラブ
規格型みんなの家(談話室タイプ)2棟を移転および合築し、益城中央小学校区の放課後児童クラブとして活用されました。
既存の放課後児童クラブの敷地内に隣接して移築され、連携しながら活用できるようになっています。
関係者の意見を聞きながら設計を進め、内部は県産の木材や畳表を使用した元の「みんなの家」の特徴を生かして、温かみのある空間となっています。
#9 御船町ふれあい広場交流センター
規格型みんなの家(談話室タイプ)の2棟を曳家により移転し、さらに1棟を移築により3棟を合築し、御船町のふれあい広場交流センターとして生まれ変わりました。
もとの「みんなの家」の面影が残る2棟の交流スペースを屋根空間でつなぐ開放的なプランとなっています。
また、One Piece熊本復興プロジェクトにより設置されたブルック像と向き合うように建っており、御船町の創造的復興を示す新たなシンボルのひとつになるのではないでしょうか。
#8 七滝中央小学校放課後児童クラブ
規格型みんなの家(談話室タイプ)を曳家により移転し、御船町立七滝中央小学校の放課後児童クラブとして生まれ変わりました。
曳家による活用のため、もとの「みんなの家」の外観・内観が引き継がれており、内部はランドセル用の棚の新設など使いやすいように改修されており、絵本作家の方の支援により描かれた天使の壁画もそのまま残されています。
曳家工事にあたっては、隣接する上野保育園と御船町の企画により、施工者の協力のもと、園児に曳家をお手伝いしていただくイベントが開催されました。
#7 日向みんなの家
規格型みんなの家(集会所タイプ)2棟を移転および合築し、地震により既存の集会施設が被災した西原村日向地区の新たな公民館として生まれ変わりました。
地区住民の方の意見を伺いながら設計を行い、半屋外の土間空間、屋内の土間空間、畳の大広間が連続するプランとなっており、半屋外の土間空間はバーベキューなどの地区のイベントに活用することができます。
#6 田中公民館
本格型みんなの家1棟を移転し、地震により既存の集会所が被災した益城町田中行政区の新たな集会所として生まれ変わりました。
本格型みんなの家の設計者の協力のもと、地区住民の方の意見を伺いながら設計を行い、深い軒下空間に広いデッキなど既存の建物形状を最大限生かしたプランとなっています。チャームポイントとなっていた玄関横の朱色の壁面も引き継がれています。
#5 星田公民館
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟と本格型みんなの家1棟を移転および合築し、地震により既存の集会所が被災した西原村星田地区の新たな集会所として生まれ変わりました。
本格型みんなの家の設計者の協力のもと、複数回のワークショップを通じて、地区住民の方の意見を伺いながら整備を行いました。本格型みんなの家を集会スペースの大広間とし、規格型みんなの家(談話室タイプ)を花見デッキ(東屋)として活用しています。
敷地の既存の桜の木を生かした配置計画となっており、広間や東屋、縁側から桜を望むことができます。
#4 袴野集会所
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟と本格型みんなの家1棟を移転および合築し、地震により既存の集会所が被災した西原村袴野地区の新たな集会所として生まれ変わりました。
本格型みんなの家の設計者の協力を得て、複数回のワークショップを通じて、地区住民の方の意見を伺いながら整備を行いました。本格型みんなの家を集会スペースの大広間とし、規格型みんなの家(談話室タイプ)を調理場棟として活用しています。
敷地周辺の豊かな自然景観を生かした開放感のある空間となっています。
#3 菊陽南小学校放課後児童クラブ
規格型みんなの家(談話室タイプ)2棟を移転および合築し、菊陽南小学校区の放課後児童クラブとして活用されました。
熊本地震により整備した「みんなの家」を移転して活用した初めての事例となります。
元のみんなの家の外観・内観を可能な限り引き継いだ計画とされており、木材の温かみを感じることができる空間となっています。
#2 阿蘇市再建支援住宅
木造応急仮設住宅を市所有の住宅に転用して被災世帯の住まい再建の受け皿とし、「みんなの家」も団地内の集会施設として引き続き現地で活用されています。
#1 西原村小森団地
木造応急仮設住宅を村所有の住宅に転用して被災世帯の住まい再建の受け皿とし、「みんなの家」も団地内の集会施設として引き続き現地で活用されています。
応急仮設団地内に整備した「みんなの家」
災害救助法に基づき仮設住宅団地の付帯施設として整備した「みんなの家」は、標準設計による規格型「みんなの家」と、伊東コミッショナーから推薦された建築家により、入居者の意見を反映して個別設計を行った本格型「みんなの家」の2種類があります。
規格型「みんなの家」は、集会所(60平方メートル)と談話室(40平方メートル)の2タイプがあり、集会所タイプ28棟、談話室タイプ48棟の計76棟を整備しました。
本格型「みんなの家」は、集会所(60平方メートル)とし合計8棟を整備しました。
規格型みんなの家(談話室タイプ)
規格型みんなの家(集会所タイプ)
本格型みんなの家/甲佐町白旗のみんなの家
設計者:渡瀬正記+永吉歩(設計室)
本格型みんなの家/西原村小森第2のみんなの家
設計者:大谷一翔+柿内毅+堺武治+坂本達哉+佐藤健治+長野聖二+原田展幸+深水智章+藤本美由紀+山下陽子(kulos)+黒岩裕樹
本格型みんなの家/西原村小森第3のみんなの家
設計者:山室昌敬+松本義勝+梅原誠哉+佐竹剛+河野志保+本幸世+谷口規子
本格型みんなの家/西原村小森第4のみんなの家
設計者:甲斐健一+田中章友+丹伊田量+志垣孝行+木村秀逸
本格型みんなの家/南阿蘇村陽ノ丘のみんなの家
設計者:古森弘一(古森弘一建築設計事務所)
本格型みんなの家/益城町テクノのみんなの家
設計者:岡野道子(岡野道子建築設計事務所)
本格型みんなの家/益城町木山のみんなの家
設計者:内田文雄(龍環境計画)+西山英夫(西山英夫建築環境研究所)
本格型みんなの家/益城町小池島田のみんなの家
設計者:森繁(森繁・建築研究所)
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