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熊本地震 『みんなの家』 利活用プロジェクト
熊本地震により応急仮設住宅団地内に整備した「みんなの家」の利活用を進めています!
本県では、くまもとアートポリス事業の一環として、東日本大震災や熊本広域大水害において、被災された方々が集い、新しい生活を回復するための憩いの場として「みんなの家」プロジェクトに取り組みました。熊本地震においても応急仮設住宅団地内の集会施設をすべて木造の「みんなの家」として整備し、その数は84棟となりました。
熊本地震からの住まいの再建が進む中、応急仮設住宅団地の閉鎖に伴って、この「みんなの家」は当初の役割を終えることとなりますが、被災された方々の憩いの場として大切に活用されてきた「みんなの家」を後世に遺すとともに、新たなコミュニティ形成の場や地域づくりの拠点となるよう、移築等による利活用を進めています。
利活用された『みんなの家』一覧 (令和2年12月28日時点)
番号 | 利活用名称 |
活用場所 |
活用元 | 竣工日 |
---|---|---|---|---|
1 | 西原村小森団地 | 西原村 |
|
※ |
2 | 阿蘇市再建支援住宅 | 阿蘇市 |
|
※ |
3 | 菊陽南小学校放課後児童クラブ | 菊陽町 |
|
R2.4.16 |
4 | 袴野地区集会所 | 西原村 |
|
R2.7.27 |
5 | 星田地区公民館 | 西原村 |
|
R2.7.31 |
6 | 田中行政区公民館 | 益城町 |
|
R2.8.31 |
7 | 日向地区公民館 | 西原村 |
|
R2.9.30 |
8 | 七滝中央小学校放課後児童クラブ | 御船町 |
|
R2.11.30 |
9 | 御船町ふれあい広場交流センター | 御船町 |
|
R2.12.9 |
10 | 益城中央小学校放課後児童クラブ | 益城町 |
|
R2.12.16 |
11 | 府領地区公民館 | 甲佐町 |
|
R2.12.28 |
※ 番号1、2のみんなの家については、改修や移築等を行わず、引き続き現地で活用されています。
#11 府領地区公民館
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟と本格型みんなの家1棟を移転および合築し、地震により既存の公民館が被災した甲佐町府領地区の新たな公民館として生まれ変わりました。
地区住民の方の意見を伺いながら設計を行い、2棟の「みんなの家」をT字型に合築することで、80名程度が一堂に会することができる大広間や小さい集まりで利用できる小上がりの畳の間等、様々な地区の行事に対応できるプランとなりました。いくつかの案の中から住民の方に選んでいただいた梁・天井のカラフルな塗装が特徴的です。
もとの「みんなの家」の面影を残しつつ、明るく前向きな空間となっています。
#10 益城中央小学校放課後児童クラブ
規格型みんなの家(談話室タイプ)2棟を移転および合築し、益城中央小学校区の放課後児童クラブとして活用されました。
既存の放課後児童クラブの敷地内に隣接して移築され、連携しながら活用できるようになっています。
関係者の意見を聞きながら設計を進め、内部は県産の木材や畳表を使用した元の「みんなの家」の特徴を生かして、温かみのある空間となっています。
#9 御船町ふれあい広場交流センター
規格型みんなの家(談話室タイプ)の2棟を曳家により移転し、さらに1棟を移築により3棟を合築し、御船町のふれあい広場交流センターとして生まれ変わりました。
もとの「みんなの家」の面影が残る2棟の交流スペースを屋根空間でつなぐ開放的なプランとなっています。
また、One Piece熊本復興プロジェクトにより設置されたブルック像と向き合うように建っており、御船町の創造的復興を示す新たなシンボルのひとつになるのではないでしょうか。
#8 七滝中央小学校放課後児童クラブ
規格型みんなの家(談話室タイプ)を曳家により移転し、御船町立七滝中央小学校の放課後児童クラブとして生まれ変わりました。
曳家による活用のため、もとの「みんなの家」の外観・内観が引き継がれており、内部はランドセル用の棚の新設など使いやすいように改修されており、絵本作家の方の支援により描かれた天使の壁画もそのまま残されています。
曳家工事にあたっては、隣接する上野保育園と御船町の企画により、施工者の協力のもと、園児に曳家をお手伝いしていただくイベントが開催されました。
#7 日向地区公民館
規格型みんなの家(集会所タイプ)2棟を移転および合築し、地震により既存の集会施設が被災した西原村日向地区の新たな公民館として生まれ変わりました。
地区住民の方の意見を伺いながら設計を行い、半屋外の土間空間、屋内の土間空間、畳の大広間が連続するプランとなっており、半屋外の土間空間はバーベキューなどの地区のイベントに活用することができます。
#6 田中行政区公民館
本格型みんなの家1棟を移転し、地震により既存の集会所が被災した益城町田中行政区の新たな集会所として生まれ変わりました。
本格型みんなの家の設計者の協力のもと、地区住民の方の意見を伺いながら設計を行い、深い軒下空間に広いデッキなど既存の建物形状を最大限生かしたプランとなっています。チャームポイントとなっていた玄関横の朱色の壁面も引き継がれています。
#5 星田地区公民館
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟と本格型みんなの家1棟を移転および合築し、地震により既存の集会所が被災した西原村星田地区の新たな集会所として生まれ変わりました。
本格型みんなの家の設計者の協力のもと、複数回のワークショップを通じて、地区住民の方の意見を伺いながら整備を行いました。本格型みんなの家を集会スペースの大広間とし、規格型みんなの家(談話室タイプ)を花見デッキ(東屋)として活用しています。
敷地の既存の桜の木を生かした配置計画となっており、広間や東屋、縁側から桜を望むことができます。
#4 袴野地区集会所
規格型みんなの家(談話室タイプ)1棟と本格型みんなの家1棟を移転および合築し、地震により既存の集会所が被災した西原村袴野地区の新たな集会所として生まれ変わりました。
本格型みんなの家の設計者の協力を得て、複数回のワークショップを通じて、地区住民の方の意見を伺いながら整備を行いました。本格型みんなの家を集会スペースの大広間とし、規格型みんなの家(談話室タイプ)を調理場棟として活用しています。
敷地周辺の豊かな自然景観を生かした開放感のある空間となっています。
#3 菊陽南小学校放課後児童クラブ
規格型みんなの家(談話室タイプ)2棟を移転および合築し、菊陽南小学校区の放課後児童クラブとして活用されました。
熊本地震により整備した「みんなの家」を移転して活用した初めての事例となります。
元のみんなの家の外観・内観を可能な限り引き継いだ計画とされており、木材の温かみを感じることができる空間となっています。
#2 阿蘇市再建支援住宅
木造応急仮設住宅を市所有の住宅に転用して被災世帯の住まい再建の受け皿とし、「みんなの家」も団地内の集会施設として引き続き現地で活用されています。
#1 西原村小森団地
木造応急仮設住宅を村所有の住宅に転用して被災世帯の住まい再建の受け皿とし、「みんなの家」も団地内の集会施設として引き続き現地で活用されています。
応急仮設団地内に整備した「みんなの家」
災害救助法に基づき仮設住宅団地の付帯施設として整備した「みんなの家」は、標準設計による規格型「みんなの家」と、伊東コミッショナーから推薦された建築家により、入居者の意見を反映して個別設計を行った本格型「みんなの家」の2種類があります。
規格型「みんなの家」は、集会所(60平方メートル)と談話室(40平方メートル)の2タイプがあり、集会所タイプ28棟、談話室タイプ48棟の計76棟を整備しました。
本格型「みんなの家」は、集会所(60平方メートル)とし合計8棟を整備しました。
規格型みんなの家(談話室タイプ)
規格型みんなの家(集会所タイプ)
本格型みんなの家/甲佐町白旗のみんなの家
設計者:渡瀬正記+永吉歩(設計室)
本格型みんなの家/西原村小森第2のみんなの家
設計者:大谷一翔+柿内毅+堺武治+坂本達哉+佐藤健治+長野聖二+原田展幸+深水智章+藤本美由紀+山下陽子(kulos)+黒岩裕樹
本格型みんなの家/西原村小森第3のみんなの家
設計者:山室昌敬+松本義勝+梅原誠哉+佐竹剛+河野志保+本幸世+谷口規子
本格型みんなの家/西原村小森第4のみんなの家
設計者:甲斐健一+田中章友+丹伊田量+志垣孝行+木村秀逸
本格型みんなの家/南阿蘇村陽ノ丘のみんなの家
設計者:古森弘一(古森弘一建築設計事務所)
本格型みんなの家/益城町テクノのみんなの家
設計者:岡野道子(岡野道子建築設計事務所)
本格型みんなの家/益城町木山のみんなの家
設計者:内田文雄(龍環境計画)+西山英夫(西山英夫建築環境研究所)
本格型みんなの家/益城町小池島田のみんなの家
設計者:森繁(森繁・建築研究所)
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