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熊本市営新地団地E
新地団地Dとならぶ最終工区である。
唯一3階建てで、周辺の低層住宅群になじむヴォリュームを採用している。
低密度ならではのプランの採用によって居心地のよいモールと井戸端会議の場を提供している。
周辺住宅地と接する団地中央には新地団地全体として2つ目の集会所を設け、団地住民以外も利用しやすいように配慮されている。
建築概要
向こう三軒両隣りを縦に3層重ねた小さなユニットを地形に合わせてつなぎ、路地をはさんで通りを構成する。この列が大きな広場を囲んで団地の全体を見渡せる。小さな階段グループからはじまって、通りに、そして団地全体に連続的にコミュニティの広がりが出来ることを期待している。プランはL型で居室の両面が開放できる。地域の住宅のスケールになじみやすい小さいユニットとし、全体を大きく見せないように区切り、折れ曲がって変化を楽しめる。樹木と広場は元の自然の風景を少しでも復元しようとしたものである。
Photo:石丸捷一、KAP事務局
建築データ
名称 | 熊本市営新地団地E |
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ふりがな | くまもとしえいしんちだんちE |
所在地 | 熊本市清水町新地1953 |
主要用途 | 共同住宅 |
事業主体 | 熊本市 |
設計者 | 上田憲二郎 |
施工者 | |
建築 | 勝本工務店、南九州建設、主海建設、長門工務店+宮本建設JV |
電気 | サンテック、宅建電設、健栄電気商会 |
衛生 | 協電機工+西部電気工業JV、長神設備、上田商会、リュウ設備工業 |
敷地面積 | 36,587平方メートル |
建築面積 | 7,390平方メートル |
延面積 | 15,484平方メートル |
階層 | 地上3階 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
外部仕上 | |
屋根 | シート防水 |
外壁 | アクリルリシン吹付け、一部吹付タイル |
施工期間 | 1993年1月~1995年6月 |
総工事費 | 3,255百万円 |
建築家プロフィール
上田 憲二郎(うえだ けんじろう) | |
1942年 | 熊本市生まれ |
1966年 | 熊本大学工学部建築学科卒業 一粒社ヴォーリズ建築事務所入社 |
1969年 | 同事務所退社、株式会社黒川紀章建築都市設計事務所入社 |
1979年 | 同事務所退社、上田憲二郎建築事務所開設 |
1980年 | 株式会社上田憲二郎建築事務所開設、現在に至る この間東海大学、熊本大学などで講師をつとめる。 |
主な作品 上野邸、画図橋、大江キリシタン資料館、同仁化学研究所、広安愛児園 その他 天草町まちおこし計画と三角西港整備は10年以上継続中 |
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受賞歴 | |
1989年 | くまもと景観賞 三角西港 |
1991年 | くまもと景観賞奨励賞 同仁化学研究所 |