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牛深ハイヤ大橋

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0004606 更新日:2024年10月22日更新

牛深ハイヤ大橋の画像1

 天草の最南端に位置する牛深市。
 深い入江と丘陵を有する牛深漁港は、県内最大の漁港で古くからカツオ漁の基地として栄えてきた。
 ハイヤ大橋は、この漁港をまたぎ水産加工基地のある後浜地区と、従来の漁港施設のある台場地区を結ぶ臨港連絡橋として計画された。
 これにより、20分の時間短縮が可能となり流通機能の充実が図られた。
 牛深の美しい風景を橋上から楽しむことができるように高低分離された歩車道をもつ。
 橋梁側面のパネルは、強風から歩行者を保護し、橋桁を風圧から守る目的をもっている

建築概要

 細やかな地形の線と澄んだ水面の天草の風景のなかに、幅13.6m長さ883m桁高5mの橋をどうやって自然に溶け込ませるかが、デザインの探求の中心であった。構造表現の突出する吊り橋や斜張橋を避け、あえて単純な連続桁梁を選択したのは、最も簡潔な表現によって、一本の線として風景の中に橋を浮上させることで、自然の中に浸透させることを試みたからだ。風徐板と底面の曲線により、橋桁5mの高さは3分割され連続する光と影のリズムの形象となって、薄く細やかで表現豊かな曲線として海上の19mの空を横切る。上向きにつけられたフラップは、変化する空の光の色彩をその純白の面に反射し、繊細な鏡の群列のリズムとなる。

牛深ハイヤ大橋の画像2
牛深ハイヤ大橋の画像3
牛深ハイヤ大橋の画像4

Photo:石丸捷一、KAP事務局

建築データ

ふりがな うしぶかはいやおおはし
所在地 熊本県天草市牛深町
(天草宝島観光協会HP)https://ushibuka.site/play/haiyab.html<外部リンク>
主要用途 臨港連絡橋
事業主体 熊本県
設計者 レンゾ・ピアノ+ピーター・ライス+岡部憲明+マエダ
施工者 日立造船、横河ブリッジ、五洋建設、若築建設、佐伯建設工業、大和建設、牛深建設、北時建設、共和舗道、高田塗装、不二電気工業、天草設備
橋長 883m
幅員 13.6m
構造  
下部工 中空壁式コンクリート
上部工 7径間連続鋼床版曲線箱桁
施工期間 1991年11月~1997年8月
総工事費 12,200百万円

受賞データ

1998年 土木学会田中賞
照明普及賞((社)日本照明学会九州支部)
くまもと景観賞
2001年 第1回土木学会景観・デザイン賞

建築家プロフィール

レンゾ・ピアノさんの写真です

レンゾ・ピアノ(Renzo Piano)
1937年 イタリア・ジェノバ生まれ
1964年 ミラノ工科大学建築学部卒業
1974年 フランコ・アルビーノ、ルイス・カーンに師事
1971~77年 リチャード・ロジャスと協働
1977~81年 ピーター・ライスと協働
1981年 ビルディング・ワークショップ(RPBW)設立

主な作品
ポンピドゥー・センター、メニル・コレクション美術館、関西国際空港旅客ターミナルビル、IBM移動パビリオン、バリ・フットボールスタジアム

受賞歴
レジョン・ド・ヌール勲章、RIBAゴールドメダル賞、稲盛財団京都賞、高松宮殿下記念世界文化賞、日本建築学会賞

おかべ のりあきさんの写真です

岡部 憲明(おかべ のりあき)
1947年 静岡県主まれ
1974年 ポンピドゥー・センター、IRCAM設計・建設に従事
1981~89年 RPBWパリのチーフアーキテクト
1988年 関空ターミナル国際コンペ優勝、RPBWJ設立
1994年 岡部憲明アーキテクチャーネットワーク設立
主な作品
関西国際空港旅客ターミナルビル
受賞歴
日本建築学会賞

ピーター・ライスさんの写真です

ピーター・ライス(Peter Rice)
(構造エンジニア)
1935年 アイルランド・ダブリン生まれ
1956年 クイーン大学卒業、オーブ・アラップ&パートナーズ入所
1960年 シドニー・オペラハウス担当
1973年 ポンピドゥー・センター担当
1978年 RFR(パリ)設立
1992年 ロンドンにて没
主な作品
ポンピドゥー・センター、メニル・コレクション美術館、関西国際空港旅客ターミナルビル、IBM移動パビリオン
受賞歴
RIBAゴールドメダル賞