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美里町交流センター「ひびき」

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0004597 更新日:2020年8月1日更新

美里町交流センター「ひびき」の画像1

 東に九州山地の山並みを望み、町のほぼ中央を清流緑川が流れる砥用町。
 「石橋と山と湖の里」と呼ばれるこの町の美しい自然との調和を最も大切にしながら、「砥用町文化交流センター」は造られた。
 緑の風と、豊かに降り注ぐ光、森の町らしく木材を存分に生かした空間デザインが、安らぎと開放感を与える。
 中には、コンサートや演劇などを楽しめる本格的ホール、図書館、パソコン室などが完備。
 町民の文化の拠点、そして、ふれあいのコミュニティスペースとなっている。
 人と自然、人と人が響き合う場にふさわしく愛称は「ひびき」と名づけられた。

建築概要

 まず心したのは、建築が砥用の特徴である山並みを切らないこと。つまりできるだけ低くして、その代わりに横に長く見せること。ここからワークショップでのあり得る演目についての議論を元に、フライタワーを低くし、また高齢者の多いことからフラットに近いホールとし、更に、地形を生かし、二階建てではあっても両方にアプローチ・レヴェルを持つ構成とした。通風遮光を中心とする環境重視型で、空調も領域冷暖房という負担の少ない方式を、おそらく日本で初めて採用した。森の町なので木を使いたいというリクエストに、ホール屋根を支えるトラスや、遮光ルーバーを兼ねたフィン状のカーテンウオールのマリオン、あるいは内外のリズムをつくる竪格子などを導入し、庇などと共々にデザイン上の特徴とした。曲面壁のタイルは山々の緑と合わせ、床に降りてくると漸次土や木に近い色に変わり、さらに日の照り返しを美しいさざ波としてホワイエに誘導するプールへと連続していく。光と風とが空間にリズムを付与する。排煙通風を兼ねる二つの照明タワーは、夜間には大きなぼんぼりのように砥用の夜景を彩る。

美里町交流センター「ひびき」の画像2
美里町交流センター「ひびき」の画像3

建築データ

名称 美里町文化交流センター「ひびき」
ふりがな みさとまちぶんかこうりゅうせんたー「ひびき」
所在地 下益城郡美里町永富1483
主要用途 文化ホール、公民館
事業主体 砥用町(現・美里町)
設計者 八束はじめ
施工者  
建築 光進建設
舞台機構
設備
サンケンエンジニアリング
外構 津川建設、坂中建設、砥用電設
敷地面積 11,963,60m2
建築面積 2,119.65m2
延面積 2,574.59m2
階数 地上2階
構造 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造、木造
外部仕上  
屋根 砂付きルーフィング、アスファルト防水、カラーステンレス平葺
外壁 コンクリート打放撥水剤仕上、フレキシブルボードAEP塗装、ヒバルーバーBM注入剤30×60@120木材保護着色塗装
施工期間 2001年2月~2002年3月
総工事費 1,141百万円

建築家プロフィール

八束 はじめさんの写真

八束 はじめ(やつか はじめ)
1948年 山形県生まれ
1972年 東京大学工学部都市工学科卒業
1978年 東京大学都市工学科博士課程中退
  磯崎新アトリエ
1984年 八束はじめ建築計画設計室設立
1985年 ユー・ピー・エムと改称
主な作品
文教大学センターハウス(3号館)+8号館、文教大学体育館、白石市情報センター、泰野の医院、等々力K2ビル、東京芸夢本社ビル

 PHOTO:宮井正樹