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美里町交流センター「ひびき」
東に九州山地の山並みを望み、町のほぼ中央を清流緑川が流れる砥用町。
「石橋と山と湖の里」と呼ばれるこの町の美しい自然との調和を最も大切にしながら、「砥用町文化交流センター」は造られた。
緑の風と、豊かに降り注ぐ光、森の町らしく木材を存分に生かした空間デザインが、安らぎと開放感を与える。
中には、コンサートや演劇などを楽しめる本格的ホール、図書館、パソコン室などが完備。
町民の文化の拠点、そして、ふれあいのコミュニティスペースとなっている。
人と自然、人と人が響き合う場にふさわしく愛称は「ひびき」と名づけられた。
建築概要
まず心したのは、建築が砥用の特徴である山並みを切らないこと。つまりできるだけ低くして、その代わりに横に長く見せること。ここからワークショップでのあり得る演目についての議論を元に、フライタワーを低くし、また高齢者の多いことからフラットに近いホールとし、更に、地形を生かし、二階建てではあっても両方にアプローチ・レヴェルを持つ構成とした。通風遮光を中心とする環境重視型で、空調も領域冷暖房という負担の少ない方式を、おそらく日本で初めて採用した。森の町なので木を使いたいというリクエストに、ホール屋根を支えるトラスや、遮光ルーバーを兼ねたフィン状のカーテンウオールのマリオン、あるいは内外のリズムをつくる竪格子などを導入し、庇などと共々にデザイン上の特徴とした。曲面壁のタイルは山々の緑と合わせ、床に降りてくると漸次土や木に近い色に変わり、さらに日の照り返しを美しいさざ波としてホワイエに誘導するプールへと連続していく。光と風とが空間にリズムを付与する。排煙通風を兼ねる二つの照明タワーは、夜間には大きなぼんぼりのように砥用の夜景を彩る。
建築データ
名称 | 美里町文化交流センター「ひびき」 |
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ふりがな | みさとまちぶんかこうりゅうせんたー「ひびき」 |
所在地 | 下益城郡美里町永富1483 (美里町HP)https://www.town.kumamoto-misato.lg.jp/soshiki/shakaikyoiku/1/7/3/395.html<外部リンク> |
主要用途 | 文化ホール、公民館 |
事業主体 | 砥用町(現・美里町) |
設計者 | 八束はじめ |
施工者 | |
建築 | 光進建設 |
舞台機構 設備 |
サンケンエンジニアリング |
外構 | 津川建設、坂中建設、砥用電設 |
敷地面積 | 11,963,60m2 |
建築面積 | 2,119.65m2 |
延面積 | 2,574.59m2 |
階数 | 地上2階 |
構造 | 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造、木造 |
外部仕上 | |
屋根 | 砂付きルーフィング、アスファルト防水、カラーステンレス平葺 |
外壁 | コンクリート打放撥水剤仕上、フレキシブルボードAEP塗装、ヒバルーバーBM注入剤30×60@120木材保護着色塗装 |
施工期間 | 2001年2月~2002年3月 |
総工事費 | 1,141百万円 |
建築家プロフィール
八束 はじめ(やつか はじめ) | |
1948年 | 山形県生まれ |
1972年 | 東京大学工学部都市工学科卒業 |
1978年 | 東京大学都市工学科博士課程中退 |
磯崎新アトリエ | |
1984年 | 八束はじめ建築計画設計室設立 |
1985年 | ユー・ピー・エムと改称 |
主な作品 文教大学センターハウス(3号館)+8号館、文教大学体育館、白石市情報センター、泰野の医院、等々力K2ビル、東京芸夢本社ビル |
PHOTO:宮井正樹