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合志市保健福祉センターふれあい館
国道387号線や私鉄が南北に走り、南部には九州自動車道が横断する西合志町は、古くから交通の要所として栄え、現在も熊本市のベッドタウンとして人口が増え続けている。
この町に住む全ての人が気軽に足を運べる「たまり場」として造られたのが、この建物である。
子どもの遊び場からリハビリ機能まで備えた施設は、全国でも珍しい複合型の総合センター。
交流ホール、こどもセンター、保健センター、デイセンター、福祉支援センターの5つの役割を担っている。
大きな文字の分かりやすいサインや多目的な用途を果たす空間など誰もが使いやすくデザインされた建物は、21世紀の新しい地域社会の在り方も提案している。
建築概要
福祉系の施設が地域住民施設と一つになった21世紀型の公共施設である。デイセンター、保健センター、子どもセンター、福祉支援センター、地域交流ホールの5部門が一つの空間の中で有機的に繋がり、多世代の様々な人々の交流が無理なく行われるように、空間が開いたり閉じたりしながらゾーンを形成するように設計している。利用内容による車でのアプローチが2つに分かれ、動線の混雑をなくしたり、利用者が分かりやすいようにサインも大きくグラフィックとして扱われたり、この種の施設の新しい解答を試みている。明るく気持ちの良い空間が住民の「たまり場」となるように福祉や住民の関係代表者と検討委員会を構成し計画された。
建築データ
名称 | 合志市保健福祉センターふれあい館 |
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ふりがな | こうししほけんふくしせんたーふれあいかん |
所在地 | 合志市須屋2251-1 |
主要用途 | 保健福祉センター |
事業主体 | 西合志町(現・合志市) |
設計者 | 今村雅樹+田尻設計 |
施工者 | |
建築 | 三津野・水上建材建設工事共同企業体 |
電気 | 九電工熊本営業所 |
機械 | 上田・西部管工建設工事共同企業体 |
設備 | 石抜チョウリ |
外構 | 第六建設 |
敷地面積 | 7,257.84m2 |
建築面積 | 3,522.06m2 |
延面積 | 3,152.30m2 |
階数 | 地上1階 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
外部仕上 | |
屋根 | コンクリート直押エ、環境対応型ウレタン系高耐久複合防水 |
外壁 | コンクリート打放仕上+シラン系撥水・吸水防止剤、コンクリート打放仕上+弱溶性低汚染型フッ素樹脂塗装 |
施工期間 | 2001年7月~2002年5月 |
総工事費 | 772百万円 |
建築家プロフィール
今村 雅樹(いまむら まさき) | |
1953年 | 長崎県生まれ |
1977年 | 日本大学理工学部建築学科卒業 |
1979年 | 日本大学大学院理工学研究科建築学専攻博士課程前期修了 |
1992年 | 今村雅樹アーキテクツ設立 |
2000年~ | 日本大学理工学部建築学科助教授 |
主な作品 | |
Y-DETAIL、ガラス屋の家、TH-奈良の家、スパイラル・ハウス、太田市総合ふれあいセンター | |
受賞歴 | |
1995年 | 横浜港国際客船ターミナル国際建築設計競技3位 |
1997年 | SD Review 入選 |
1999年 | 日本建築家協会新人賞 |
2000年 | 日本建築士連合会賞 |
2001年 | 日本建築学会作品選奨 |
PHOTO:宮井正樹、今村雅樹