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鹿北町アート・プロジェクト
一万年も前から人が住んだと言われ今も豊かな山の幸に恵まれる鹿北町。
町の物産が並ぶ道の駅かほく「小栗郷」は、休日ともなると県内はもちろん県外からも多くの観光客が訪れ賑わいを見せる。
その人気の市場に隣接する不思議な存在感のランドアート。1998年5月、全国から268点もの作品が集まった「鹿北町アート・プロジェクト・コンペティション」によって誕生した。
山々を背景にしたいくつもの木のフレームは、迷い込む人々にさまざまな視覚的遊びや発見、想像の楽しさを運ぶ。
人と自然の新しい接点を見せてくれる作品である。
建築概要
鹿北は豊かな自然に囲まれています。この広場を”自然とのふれあい方の一提案”とすることを試みました。
もとは棚田であった敷地の高低差を生かし、木フレームによるボリュームを配置。フレームを”レンズ”として覗き込む、またフレームの”スリット”ごしに細長い青空を見る等、さまざまな感じ方を個人に委ねています。
材料は町産の『アヤ杉』で、間伐材を積極的に使用しました。荒仕上げとした杉がさまざまな陰影を生み出し、木フレームそのものが自然の表情のひとつとして存在してほしいと考えました。
建築データ
名称 | 鹿北町アート・プロジェクト |
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ふりがな | かほくまちあーと・ぷろじぇくと |
所在地 | 山鹿市鹿北町大字岩野 (道の駅かほく「小栗郷」背後地) |
主要用途 | 公園 |
事業主体 | 鹿北町(現・山鹿市) |
設計者 | 山田良+山田綾子 |
施工者 | 小川建設 |
敷地面積 | 11,000平方メートル |
施工床面積 | 670.00平方メートル |
構造 | 木造 |
外部仕上 | 杉材、加圧注入防腐処理の上浸透性防腐塗料塗布 |
施工期間 | 2000年11月~2001年3月 |
総工事費 | 99百万円 |
受賞データ
2001年 | 2001年度グッドデザイン賞 |
2001年 | JCDデザイン賞2001奨励賞 |
2001年 | 第17回都市公園コンクール審査員会特別賞 |
2001年 | 第1回カナダグリーンデザイン賞佳作 |
2002年 | デダロ・ミノス国際賞特別賞 |
2003年 | BCS特別賞 |
2003年 | 日本建築美術工芸協会AACA賞 |
建築家プロフィール
山田 良(やまだ りょう) | |
1968年 | 東京都生まれ |
1991年 | 神奈川大学工学部建築学科卒業 |
1993年 | 芝浦工業大学大学院修士課程修了 |
1993年~ | KAJIMA DESIGN |
1995年~97年 | 鹿島出版会SD編集部 |
1999年~ | 芝浦工業大学大学院博士課程 |
山田 綾子(やまだ あやこ) | ||
1972年 | 神奈川県生まれ | |
1993年 | 青山製図専門学校建築インテリアデザイン科卒業 | |
1993年~ | KAJIMA DESIGN | |
主な作品 神奈川大学学生交流ホール 受賞歴 1999年 SD Review 1999入選 2001年 JCDデザイン賞奨励賞 |
PHOTO:宮井正樹