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玉名天望館
玉名天望館は、市南部の菊池川を望む桃田運動公園内の、市街を一望できる丘の上に立ち、市民の憩いの場となるよう設計された。
建築は、3層から構成され、地上部分は、人々が触れ合う場としての「地の座」、階段を登ると、周囲の自然との交歓の場である「雲の座」がイメージされ、最頂部には、天を望む「星の座」が置かれている。中央に据えられた玉の室“ゼロの空間”は小宇宙を象徴し、幸福の象徴であるハスの花と、玉名の発展を寓意する3本の矢とともに、複雑かつ不思議な環境生命体としてのフォルムを創り出している。
建築概要
「豊かな自然と共に歴史が宿り時間や四季が呼吸する生きた社会芸術としての建築」日々成長を続ける町をゆったりとした時間の中で、自分を取り巻く空間、そして、歳月の流れについて思いを巡らせたり、眺める時間を持つことが出来るような場で町の発展を展望し、自然環境の美しさを積極的に取り込んでいけるような、芸術性の高い自らが自然エネルギーを包含する、まるで生きているような「環境生命体」としての建築を創造してみた。
建築データ
名称 | 玉名天望館 |
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ふりがな | たまなてんぼうかん |
所在地 | 玉名市大倉字高田1144 |
主要用途 | 展望・学習コミュニティー室 |
事業主体 | 玉名市 |
設計者 | 高崎正治 |
施工者 | 岩下建設 |
敷地面積 | 177,402平方メートル |
建築面積 | 171平方メートル |
延面積 | 99平方メートル |
階数 | 地上2階 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
外部仕上 | |
屋根 | 防水コンクリート金ごて押え |
外壁 | コンクリート打放し撥水剤塗布 |
施工期間 | 1991年3月~1992年9月 |
総工事費 | 145百万円 |
受賞データ
1995年 日本建築学会作品選集
建築家プロフィール
高崎 正治(たかさき まさはる)(「高」ははしごだか) | |
1953年 | 鹿児島県生まれ |
1967年 | 建築を始める |
1975年 | 大学在学中に物人(ものびと)工房を開設 |
1976年 | 名城大学建築学科卒業 |
1977~81年 | シュトゥッツガルト大学、グラーツ工科大学建築学教授と協働 |
1982年 | (株)TAKASAKI物人研究所設立 |
1990年 | 高崎正治都市・建築設計事務所設立 |
主な作品 「結晶のいろ」、「響相のいろ」、「日本のいろ」、「ゼロ コスモロジー」 著書「CREATIVE NOW 1 高崎正治」六耀社 |
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受賞歴 | |
1977年 | 「新建築」国際住宅設計競技一等 |
1979年 | 西ドイツ政府プロジェクト指名実施設計競技入選 |
PHOTO:石丸捷一、KAP事務局