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みんなでつくる「みんなの家」づくり(益城町テクノ仮設団地)
益城町テクノのみんなの家(集会所B2)
建築概要
益城町テクノ仮設団地(516戸)は県内最大規模の仮設団地である。
この「みんなの家」は団地中央に位置し、住民の見守りなどを行う「地域支え合いセンター」の拠点としての役割も担っている。
平面プランは集会スペースと地域支え合いセンターの事務スペースで構成され、テラスを介し向い合せの配置とすることで、内部の活動が外へにじみ出て交流を生み出すきっかけとなっている。大きな桜の木があるテラスは、互いに見ず知らずの入居者が入りやすいよう団地内の小路とつないだ。
仕上げや設えは住民にアンケートをとり意見を反映した。KASEIと協働で家具や花壇などのデザインや制作をし、また、子どもが遊べる小さな芝の築山や砂場などの庭づくりを行い、入居者の方に喜ばれている。
建築家プロフィール
岡野 道子(おかの みちこ)
1979年埼玉県生まれ/2005年東京大学大学院工学系研究科博士課程中途退学/現在、芝浦工業大学特任准教授、株式会社岡野道子建築設計
事務所代表
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建築データ
名称 益城町テクノのみんなの家(集会所B2)
所在地 上益城郡益城町小谷2083-7 益城町テクノ仮設団地(B工区)
構造階数 木造平屋建て
建築面積 132平方メートル
延べ面積 95平方メートル
設計者 岡野道子/岡野道子建築設計事務所
施工者 (株)エバーフィールド
資金協力 大光電機(地域支え合いセンター・テラス部分)
資材提供 (木材)熊本県多良木町・北海道南幌町・南 幌町建設業協会、(アルミサッシ、衛生器具、キッチン)LIXIL、(照明)大光電機、(シースルー太陽光パネル)太陽工業、(屋根材)元旦ビューティ、(雨どい)タニタハウジングウェア、“(屋根防水材)田島ルーフィンク
家具・サインデザイン協力・製作 KASEIプロジェクト
カーテンデザイン 安東陽子デザイン
工事期間 H28.10.11~H28.12.3
※写真 設計者提供
益城町テクノ仮設団地 みんなでつくる「みんなの家」に約70本の桜の樹が寄贈されました!!(平成28年12月4日)
~桜の贈呈式・植樹イベントを開催!~
ドイツの光学機器メーカーである「カールツァイス株式会社」が、NPO法人「HOME-FOR-ALL(代表 伊東コミッショナー)」と協議し、「みんなの家」や応急仮設団地に、約70本の桜の樹を寄贈いただきました。
12月4日に、益城町テクノ仮設団地で初めて桜を植樹することに併せて、カールツァイスの最高財務責任者であるベンジャミン・デゥプイッシュ様、HOME-FOR-ALLの理事長である伊東コミッショナー、また同理事であるクライン ダイサム アーキテクツのマーク・ダイサム様に出席いただき、「桜の贈呈式・植樹イベント」を開催しました。
式には、桜の樹を、3日に完成したテクノの「みんなの家」と広場に、計2本植樹することから、「みんなの家」の設計者岡野道子氏や同外構アドバイザーの山崎誠子氏(GAヤマザキ)、また、寄贈いただいた桜の植樹作業を行っていただく峯樹木園(合志市)の峯社長にも出席いただきました。
贈呈式は、3日に完成したテクノの「みんなの家」の桜テラスで開催!
式の中で、ベンジャミン様より
「団地内に桜があれば、春には入居者の皆さんが桜に集まって花見が楽しめる。桜をとおして、入居者の皆さんが交流を深めるきっかけになれば」と挨拶。春に入居者の皆さんが桜の樹に集まって、ワイワイと賑やかな様子が目に浮かびます。
式の最後には、出席者の皆さんで、芝桜の花壇づくりを行いました。
芝桜の苗を植える場面では、伊東コミッショナーも軍手をはめ、一つ一つ苗を植えていただきました。
テクノ仮設団地の花壇はKASEI(熊本県立大学、有明高専)の学生が、テクノの「みんなの家」の設計者である岡野道子さんと協議し、制作したものです。デザイン性にもすぐれた花壇をありがとうございました。春には、今回植樹した桜の樹とともに、芝桜の花壇の様子も楽しみです。
熊本地震は今年4月に発災しました。
今回植樹した桜が咲く頃は、地震発災から約1年となります。
被災者の皆さまの気持ちを少しでも安らいでくれる春の訪れを期待し、桜の満開が復興に向けて前に進む後押しとなればと思います。
カールツァイス株式会社様、桜の寄贈にご協力いただいたHOME-FOR-ALLの皆さま本当にありがとうございました。
※▼HOME-FOR-ALL HP<外部リンク>
▼KASEI Facebook<外部リンク>
益城町テクノ仮設団地 みんなでつくる「みんなの家」が完成!(平成28年12月3日)
~伊東コミッショナーも参加!有明高専奏楽部の演奏や岩沼からのお米で入居者と一緒に完成をお祝い!~
12月3日にテクノ仮設団地で、入居者の方々の意見を反映した「みんなの家」が完成し、それに併せて、皆さんと一緒に完成を祝うイベントが開催されました。
完成イベントには伊東コミッショナーもご出席いただき、入居者の皆さんと会話を交わすなど、一緒に笑い、笑顔が絶えないイベントとなりました!
「みんなの家」にできた屋根付きサクラテラスで完成式典がスタート。
新しくできた集会スペースを観覧席として、多くの入居者の皆さんに参加いただき、伊東コミッショナーや設計者の岡野道子さん、木材提供をいただいた多良木町長等からご挨拶をいただきました。
式典には、地域支え合いセンターやサクラテラスの建設に寄付をいただいた大阪の大光電機株式会社や資材提供をいただいた各企業の皆様も式典に参加いただき、皆さんで完成をお祝いしました。
完成イベントの後半は有明高専の吹奏楽部と「くまモン」が生演奏で共演。
「くまモン体操」を踊り、子どもも大人も大喜び。盛大な拍手が贈られるなど、大変盛り上がりました。
式の最後には岡野さんが東日本大震災の際、宮城県岩沼市の「みんなの家」に関わったことから、岩沼のみんなの家を運営しているインフォコムの堀さん、谷地沼(やちぬま)さんが完成イベントにかけつけ「岩沼のお米をぜひ熊本の被災者の皆さんへ」という思いで1トンものお米を入居者の方々にプレゼントいただき長蛇の列ができました。
また、KASEI(熊本県立大学・有明高専)による家具作りワークショップの開催や、テキスタイルデザイナーの安東陽子さんを講師として入居者の皆さんと楽しく座布団カバーを作るワークショップも開催。みんなでつくったカラフルな座布団カバーは、完成した「みんなの家」にぴったりです。
今回の完成イベントでは、多くの入居者の方々に参加いただき、みんなでお祝いの日を楽しむことができました。
ご参加いただいた皆様ありがとうございました。
今後は、入居者の方々に「みんなの家」をうまく活用いただき、仮設団地での見守りやコミュニティの形成につながることを期待します。
建築データ
名称/益城町テクノのみんなの家(集会所B2)
所在地/上益城郡益城町小谷2083-7
設計/岡野道子/岡野道子建築設計事務所
構造・階数/木造平屋
施工/株式会社エバーフィールド
延べ面積/95平方メートル
着工/H28.10.11
建築面積/132平方メートル
竣工/H28.12.3
益城町テクノ仮設団地 みんなでつくる「みんなの家」棟上げイベント(平成28年10月30日)
~益城町テクノ仮設団地の「みんなの家」で上棟イベントが開催されました~
益城町テクノ仮設団地では、11棟目の「みんなの家」の建設に10月に着手しました。
先月(10月30日)には「みんなの家」の棟上げをお祝いするイベントとして、餅まきと、KASEIによる子どもたちを対象とした模型作りが開催されました。
この「みんなの家」は、熊本地震で整備する「みんなの家」の中で最大規模(床面積約100平方メートル)となり、入居者が集える“集会スペース”と、福祉環境の充実を図るため地域支え合いセンターの事業を実施する“運営スペース”を備えています。また、その間には、太陽光パネルが付いた屋根があるサクラテラスでつながっています。
「みんなの家」で使用する木材(杉、檜材)は、球磨郡多良木町と姉妹町の北海道南幌町から寄贈を受け、その他にも多くの事業者様から資材提供を受けています。
地域支え合いセンターやサクラテラス部分は大光電機株式会社様(大阪府)の寄付により建設されます。
設計は岡野道子さん(岡野道子建築設計事務所(東京都))に担当していただきました。
今回の計画では、入居者の皆さんからアンケート形式で利用方法等について意見を募り、意見を反映した設計を進めました。
テクノ仮設団地は県内最大規模516戸の仮設団地。
当日は施工者株式会社エバーフィールドにたくさんの餅やお菓子を用意していただき、準備は万全です。
餅まきが始まる時刻が近づくにつれ、「みんなの家」に多くの入居者の皆さんが集まってきました。
餅まきが始まると、たくさんの笑い声と賑やかな歓声があがり、ご高齢の方から子どもたちまで楽しんでいただけました。ご参加いただいた皆さん、大変ありがとうございました。
また、餅まき前には、KASEI(熊本県立大学、有明高専)が模型作りを開催し、岡野さんが設計した「みんなの家」の模型を学生が先生となり子どもたちと一緒につくり、子どもたちも「みんなの家」の完成イメージが膨らんできたと思います。WSの中では、子どもたちが岡野さんに「ここは靴で入るの?」「勉強机はいつでも使えるの?」と質問するシーンもありました。
みんなの家の工事もいよいよ大詰めです。完成予定日は12月3日。ご期待ください!