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荒尾警察署長洲交番
フェリーを利用する乗用車、付近の大型工場に資材を運ぶトラック等、多くの車が行き交う国道沿いに面している。
地域住民にとって身近な交番を目指すため、多くの工夫がなされている。
交番内にあるコミュニティルームは、交番と住民とが交流するスペースとして、様々な使われ方が考えられる。
一方で、警察施設として開放する部分と閉す部分、パブリックな部分とプライベートな部分とのバランスに配慮がなされている。
灯台に似たこの交番は、「安全」という光を地域に照らし続けている。
建築概要
地域に親しまれる交番となるように、玄関を開放的な、大きなガラス面とした。と同時に、交番の防御的な機能を考慮して、大通り側には表情のある煉瓦積みの厚い壁をリズミカルに配置した。
周囲の低い町並みにあわせて、全体の高さは押さえているが、交差点の角で存在をアピールするため、円形のフラットな屋根を壁から浮かせて乗せている。壁から大きく張り出した屋根は、通りを歩く人のための雨宿りのスペースをつくり、人を招き入れ、夜間は室内の光が屋根の軒裏を照らし、通りを明るくすることを意図している。
建築家プロフィール
塚本 政利(つかもと まさとし) | |
1951年 | 福岡県生まれ |
1975年 | 九州大学卒業 |
1975年 | 綜合建築設計研究所勤務 |
1985年 | 設計機構ワークス設立参加 |
主な作品 パスコ天神、パビリオン葉光、松島歯科 |
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受賞歴 | |
1985年 | 新建築2001年の様式設計競技入選 |
1990年 | 熊本県営帯山A団地設計競技入選 |
PHOTO:石丸捷一